今回は、PS5版の「REMNANT Ⅱ」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。
(本記事の情報は2023/9/3時点を元にしている)
レムナントシリーズ2作品目となる本作。前作は日本ではそこまで有名ではなかったが、海外を中心に莫大な人気を博しており、PCやPS4など、様々なハードで展開された。筆者も前作をプレイし、最後までしっかり楽しませてもらった。
その続編が発売される、ということで、さっそく購入してプレイ!ゲームクリアまで遊んで、その感想をまとめてみたため、気になっている人の参考になればありがたい。
◆個人的評価
総評
全体的にはシンプルなゲーム性ではあるものの、ソウルライクに似た絶妙に高難易度なゲーム性や、武器、MODなどの収集要素、最終難易度クリアに向けた育成要素、オンラインでの協力プレイ等、長い時間かけて遊べる点は非常に魅力的だ。
前作には存在した致命的なバグも無く、それでいて値段も6000円未満と、比較的手を出しやすい金額になっており、全体的に綺麗にまとまった良作であると感じた。
戦闘難易度の高さから、万人に勧められる作品ではないが、アクションゲームに自信のあるプレイヤーは十分楽しめるはず。是非とも購入してみてほしい!
どんな人にオススメ?
- ソウルライクなゲームが好き!
- 収集ゲームが好き!
- シューティングゲームを比較的やる!
- 類似ステージを何周もするタイプのゲーム性でも楽しめる
という人には合うだろう。逆に、
- アクションゲームには自信なし…
- ストーリーを重視する
- ハクスラゲームが好き
- 一度クリアしたらもうやらない
という人には合わないだろう。
◆このゲームの特徴
ソウルライクでスピード感溢れるシューティングゲーム
本作は、前作「Remnant: From the Ashes」の続編にあたるTPS作品。前作同様、「シューティング版ダークソウル」と言えるような、高難易度なゲーム性となっている。
雑魚敵でさえも、防具をしっかり固め、武器を強化し、攻撃が当たるタイミングに合わせて回避を駆使しないと、相当なダメージを受ける。ボスの攻撃力も当たり前のように高く、また回避が難しい攻撃パターンも存在するなど、なかなかに歯応えのある戦いを迫られる。
他のソウルライクな高難易度ゲームとは異なり、本作のメイン攻撃手段は銃のため、近付かれる前に遠距離から倒してしまえば、たとえ恐ろしい攻撃力を持った敵群を相手にしてもなんとかなる。それでも近付かれた場合は、回避コマンドで回避したり、火力が高く、攻撃された敵が頻繁に怯む近接武器を振り回して、脳筋で倒すこともできる。
多数の武器、アーキタイプ、パークを組み合わせたビルド要素!
プレイヤーは、アーキタイプ、武器、パーク、特性など、様々なビルド要素を自分で考え、組み合わせて自分を強化していくことになる。
ゲーム起動後、プレイヤーは複数存在するアーキタイプ(クラス)の中から、自分が就きたいものを選ぶ。アーキタイプの中には、
- 回復能力に優れたもの
- プレイヤーと共に戦ってくれる補助犬を使役できるもの
- スタミナや近接能力に優れた脳筋主体のもの
など、いくつかの種類が存在する。アーキタイプごとに、勝手に効果が発揮されるパッシブ能力や、一定のクールタイムが存在するものの、特別な能力を発揮できるようになるなど、特徴が異なってくる。一度決めたアーキタイプは、ゲームを進めていけば自由に変更できるようになる。
また、探索を進めることで、通常は手に入らない隠しアーキタイプを手に入れることができる。隠しアーキタイプには、それ相応な特殊能力を持っている。
主な攻撃手段である銃器は、大きく分けて
- ロングガン:メイン武器。高威力で射程距離も長いメイン武器。
- ハンドガン:サブ武器。ロングガンの弾切れ時などの緊急用武器。
- 近接武器:弾を消費せず、高威力の近接攻撃が可能となる武器。
という3種類が存在し、プレイヤーは必ずそれぞれの種類に対して1つの武器を装備して冒険に向かうことになる。各武器には「MOD」と呼ばれる特殊装備を1つ付けることができ、MODの効果を解き放てば、プレイヤーの危機を脱することができるような、強力なパワーを発揮できる。
MODはプレイヤーの好きに付け替えすることができる。着け変えに伴うデメリットや制約が発生することは無い。
武器やMODは、拠点のショップで購入したり、マップで拾ったり、ボスを倒して手に入る専用素材を消費して入手可能だ。
武器は、鉄とスクラップ(このゲームにおける通貨)を消費して強化が可能。威力を上げればそれだけ大ダメージを与えることができるため、戦闘効率も上がり、さらなる高難易度へと挑戦することも可能だ。
マップのどこかに落ちている「知識の本」を手に入れると、特性ポイント(いわゆるスキルポイント)を入手できる。この特性ポイントを、「特性」と呼ばれる強化項目に割り振ることで、キャラの能力を向上させることができる。
「特性」には、HPやスタミナ、防御力の向上、回避距離の向上、MOD効果の向上、属性攻撃への耐性向上など、幅広い種類が存在する。それらの中から、自分が身につけたい能力にポイントを割り振って成長する。ゲームが進んでいくにつれ、特性の種類も広がっていく。
マップもボスも完全ランダム!入る度に形が変化
本作には、大きく分けると5つのステージに分けられており、それぞれ出てくる敵の種類が分けられている。
各ステージは、メインマップと、幾つかのサブダンジョンに分かれる。サブダンジョンとそこで出てくるボスは完全ランダムであり、人によって、同じマップをプレイしても、まったく異なる環境下でプレイすることになる。自分が一度遊んだマップも、ワールドの再生成を行えばマップを再構築してくれるため、自分で同じマップを何周もプレイすることができるようになっている。
最大3人でのオンライン協力プレイ
本作は通常はソロプレイのゲームだが、オンラインで協力プレイを募ることで、最大3人までの同時プレイができる。フレンドと固定パーティを組んでプレイすることもできるし、野良募集がかかっている場所に突入することもできる。
野良募集では、マップを指定して、そのマップで募集をかけている人のみをターゲットに遊ぶこともできる。
マルチプレイ人数が増えるほど、敵キャラの数が増えていくため、簡単に倒せてしまってつまらない、ということはない。立ち回りを気にしていかないと、複数の敵に囲まれて一気に倒せる、といった事態になりかねない。
また、プレイヤー同士の攻撃が当たるとダメージ判定が入る、通称「フレンドリーファイア」制が採用されているため、立ち位置や狙いどころに気を付けて撃たないと、敵よりも味方の方が厄介な存在になりかねないため、慎重な立ち回りが要求される。
謎の石と、どう猛な存在「ルード」との戦いを描いたストーリー
本作の舞台は、どれも終末世界を模したような荒廃した土地で、恐ろしいクリーチャーがそこら中をたむろしている終末世界である。
プレイヤーが身を寄せる街は、この終末世界の中で唯一の安息の地。そこでは、この世界に抗おうとする様々な人々が生活している。そこで、プレイヤーは彼らの力を借りながら未知の世界を探索し、どう猛なクリーチャーや神の如きボスに立ち向かっていく。
◆このゲームの良い点
高難易度ながらも、クリアは可能な絶妙な難易度が良い!
本作のような高難易度ゲームは、初見プレイ時はクリア方法が全く分からず、呆然としてしまうが、何度か敵の動きを見るうちに攻撃パターンを覚え、隙をついてダメージを与えていくことで、気が付いたらクリアできる、という絶妙なバランスが大きな魅力だ。
その面白さは、本作にもしっかりと存在する。最初は、高速で飛んでくる攻撃に驚いたり、一気に近づいて来て怒涛の連続攻撃をしてきたりと、「こんなのどうやって対処すればいいんだ!」となってしまうことが良く起きる。しかし、何度かやられていくうち、攻撃前の予備動作や当たり判定の範囲などが分かっていき、攻撃後の隙を銃で撃ち当てることで、着々とダメージを与えることができるようになってくる。そうしてクリアできた時の「いけたぁ!」という感動は、ソウルライクゲームに負けず劣らず、しっかりと味わうことができた。ここは本作で1番の面白みのあるポイントだと言えよう。特にラスボスは、一番下の難易度でもかなりの難易度を誇っていた。しっかりと敵の攻撃パターンを覚え、適切な動きを繰り返し、無事倒せた時は、非常に嬉しい気持ちになった。
このゲームの操作性に慣れ、敵の攻撃にも慣れてきたら、さらに上の難易度に上げていくことも可能。4段階の難易度が用意されており、その難易度でのクリアをすることでのみ入手できるアイテムもある点も、プレイヤーのやりごたえを刺激するとても良いポイントだったと感じる。
「高難易度ゲームは苦手」という人でも、シューティングゲームをある程度やったことがある人であれば、思っているほど難易度は高くない。
本作は遠距離から銃で攻撃することがメインであり、遠くから敵の挙動を見て行動できるため、他の高難易度ゲームと比べると対処しやすいゲーム性になっている。
さらに「デスペナルティ」が無いのも魅力。ゲームオーバー時は、負けた時の装備品を全て引き継ぎ、直前のチェックポイントから再スタートとなる。ボス戦の手前には必ずチェックポイントが用意されており、すぐに再戦できる点もありがたい。
PS5版にはエイムアシストもしっかり存在している。銃を構えた際に、すぐそばにいる敵に勝手にエイムがあってくれるし、敵のそばにエイムを持っていくとスローダウンがかかって、銃口の向き先が行き過ぎてしまうことの防止まで図られている。
一部理不尽と思える点もあるが、「高難易度だからやめた方がいいかな」と見送ってしまうのは惜しいほど、非常にゲームバランスの取れた作品になっていると感じた。
爽快なアクション性とビルド性が超魅力的!
本作では、銃での射撃、近接武器の振り回し、回避、特殊スキルがある。どれもボタンを押した時点で、変なディレイや硬直も無く、すぐにやりたいアクションに切り替わるため、アクション性が非常に高い。
特に回避アクションの汎用性が高い点が、アクション性の高さを際立たせている。銃撃中に攻撃が来たら即座に回避モーションに入れるし、リロード中に攻撃来たら即座に回避できる。この切り替えのスムーズさ、素早さが相まって、一見地味ながらも、爽快感のある戦いが実現できていた。
アクション性だけでなく、装備品のバリエーションの豊富さ、それに伴うビルド構築の楽しさも魅力的だった。ゲームクリアまで、マップ内の様々な場所を探索し、倒せる限りのボスを倒したが、それで手に入った武器やMODは、実は全体の半分にも満たない。それだけ多くの収集物があるため、自分の中でお気に入りの武器、MODの組み合わせを見つけていく楽しさがある。
ボスを倒して手に入る武器は、尖っていながらも非常にユニークな性能をしているものが多い。敵に命中さえすればリロード不要で撃ち続けられるハンドガンや、壁や敵に反射して何度もダメージを与えられる円盤を発射するライフルなど、使うだけでも楽しいものが揃っていた。
同じ武器を使っていても、装備するMODを変えるだけで、攻略のし易さが変わってくる。ただ火力を上げるだけのMODだと攻略が難しいような場面でも、設置することで周囲に一定時間ダメージを与えるような設置物を置くMODに変えれば、途端に攻略が楽になることもある。MOD毎の特徴が大きく違うため、「この面をクリアするならこのMODの方がいいかな」といった試行錯誤ができる楽しさがあった。
他にも、特性ポイントの振り分けの仕方を考えることで、耐久力を上げる構築にしたり、素早い身のこなしを可能にしたり、といったステータス改変ができるし、最大4つまで装備できる指輪を変えることで、近接攻撃の効果やMOD効果の倍増など、付与効果がコロコロ変わったりと、ビルド構築幅が広い点も、非常に魅力的だった。
特定の武器種、アーキタイプに強さの偏りが見られる、というわけでもなく、それぞれに良い点悪い点がちゃんと用意され、バランスが取れているのも良かったと思う。
安いのにしっかりした作り!
本作は6000円未満という、昨今の据え置きゲームにしては低価格のソフトである。にも関わらず、ゲームシステムのいろんな面が結構しっかり作られていた。
まずロード時間。ステージ開始時や次エリアへの移動時にロードが入るが、5秒程度有ればロード完了する速さだ。ステージ一つ一つも結構広いので、「ロードがたくさん挟まってストレス!」ということもなかった。
さらに画質。勿論「低価格ソフト」というだけあって、昨今のAAAタイトルのソフトよりは劣るが、
- 敵と背景が同化して視認できない
- テクスチャが粗くて目が痛くなる
- 敵や自分の行動がカクカクしてエイムしにくい
というほどではなく、問題なくプレイできる画質に収まっている。感覚として、PS4中期位の画質のゲーム、といった所だった。
アクション主体で、そもそもそこまでグラフィック重視するゲームでもないため、個人的にはこの画質でも十分だと感じた。
◆このゲームの悪い点
シューティングゲーム慣れしていない人には理不尽に感じる部分も…
本作の戦闘は1対1になることなど稀で、基本的には複数の敵を同時に相手にする。にも関わらず、ミニマップ上に敵の位置が描かれず、かつ自分の側面や背景の描写は全く描かれないため、目の前の敵と戦っていたら、側面から別の敵の攻撃が飛んでくる、といった事態がざらに起こる。攻撃を受けると1秒ほど怯んでしまい、その間に別の敵から攻撃を受けると、立て続けにダメージを受けることになる。
また、回復薬的なアイテムも存在するが、使っても1秒ちょっとの時間を経てからようやく効果を発揮する。敵の攻撃が止まったタイミングや、敵から逃げた盤面で使用しないと、まともに回復すらさせてくれないのだ。
筆者はシューティングゲームをかなりの頻度でやるし、ソウルライクな高難易度ゲームもいくつかクリアしてきた人間なため、ボスを相手にしながら、周囲の状況をざっと確認して、状況に応じて攻撃先や移動先を変えることに難易度の高さは感じないが、これらのジャンルのゲームをあまりやったことが無い人は、「理不尽」と感じてしまうだろう。
シューティングゲーム、ソウルライクゲームをやったことが無いけど、それでも本作をやってみたい、という人は、この「理不尽さ」があることを念頭に置いた上でプレイしてほしい。
ハクスラゲームではなく、強武器を入手したら終わり…
本作には大量の武器や防具、MODが登場する。ボスを倒すことでしか手に入らないものもあり、かつ登場するダンジョンがランダムなため、相当な時間をやり込める作品なのは間違いない。
が、基本的にはボスを倒して装備やMODを手に入れて強化し、また別のダンジョンへ…を繰り返すのみのゲーム性だ。武器ごとにランダムなバフ効果が付いている、といったことも無く、1つの武具が持つ攻撃力等は完全固定で、ハクスラゲームのような側面は一切ないため、ハクスラゲーを期待している人は注意しよう。
どちらかと言うと、収集をメインに戦う要素が好きなプレイヤー向けの作品だといえた。個人的には、高難易度クリアを目指して頑張ることをやりたい人のため、収集メイン、というのはちょっと残念だった。
ストーリーは意味不明…
前作同様、本作のストーリーは、筆者にはイマイチ理解できなかった。主人公達一行が化け物から逃げながら「ルート13」という拠点に逃げ込み、そこで見つ けた謎の赤い石を起点に様々な世界に赴き、敵を倒していっていく、というのがわかるだけだ。
ここまでストーリーが分かりにくいのは、大きく分けて2つの理由がある。
1つは、日本語訳が直訳されているような部分が多く、文章を読んだだけで何を言いたいのか理解しにくいものがあることだ。元は英語で作成されたゲームであること、安価のゲームなためローカライズにかける工数が少ないことが背景にあると思う。
もう1つは、登場するキャラ、街、敵などに対する説明が、ストーリー上の会話だけでは出てこないことだ。洋ゲーによく見るが、キャラ同士の会話が一通り終わった後に、いくつかの会話の選択肢が現れ、そこでようやく、登場人物の深堀会話が始まったりする。こういった作りをしているため、全部の会話選択肢をちゃんと読んでいかないと、ストーリーが理解しにくいのだ。
唯一の利点は、本作の前作「Remnant: From the Ashes」をやらなくてもよい位だろうか。…と言っても、そもそもストーリーがわけわからないことから、前作の知識があったほうがいいのかどうなのか、判断が付かない、というところもある気がするが…
◆まとめ
前作にはバグなどを中心に不満点があったが、全体的な品質が向上し、更に遊びやすくなった上で低価格、という良作であった本作。
興味あるなら、是非とも買ってみてほしい。高難易度ゲームや、銃を中心に使うアクションゲーム好きなら、間違いなくオススメできる作品だ。
では!