今回は、「Monster Hunter Stories 2 破滅の翼」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。
(本記事の情報は2023/9/29時点を元にしている)
◆個人的感想
総評
育成システムを中心に、非常に高いクオリティで作り上げられた良作だったと感じる。
ゲームテンポがちょいちょい悪い点だけは何とかしていただきたいが、ストーリーも良く、ボリュームもあり、戦闘も意外に奥深く、多くの面で見ても満足いくものになっていた。
セールで買うのであれば本当に文句なし、フルプライスでも充分なクオリティだったため、多くの育成好き、RPG好きには手に取ってみて欲しい。
どんな人にオススメ?
RPG好き、かつグラフィック性能をそこまで求めないであれば、大体どんな人にもオススメできる作品である。
モンハンの原作が好き、という人は、アクション要素が一切ない本作は、同じモンハンでも退屈に感じるはずだ。注意してほしい。
◆このゲームの特徴
モンハンの世界を基準にした王道コマンドRPG
「モンスターハンター」は、リアルタイムに襲ってくるモンスターと戦って倒し、剥ぎ取った素材を消費して新たな武具を作る、という、「ハンティングアクション」として名を馳せたアクションゲームだ。
しかし本作は、アクション要素はほぼ無く、純粋なコマンドRPGとなっている。
マップは幾つかの拠点となる街と、その周辺に広がる固定フィールドで構成される。フィールド同士は指定のゲートを潜る事でロードを挟みながら移動する。昨今流行りのオープンワールドとは対極にあたる、昔ながらのマップレイアウトだ。
拠点を出ると、フィールド上を様々なモンスターが闊歩している。モンスターに触れれば戦闘画面へと切り替わり、最大3対のモンスターを一斉に相手する事になる。モンスターはこちらを見つけると追いかけてくるため、戦いたくなければ逃げる必要がある。
フィールド上では、湖の上を移動したり、大岩を壊したり、ツタを登ったりする必要が出てくる。そういう際は、後述する「オトモン」を1匹呼び出し、必要に応じてライドする(乗る)ことになる。オトモン毎に、ライド時に使用できる能力が違うため、状況に応じて呼び出すオトモンを切り替えて移動していく。
ライダー、モンスターそれぞれでの攻撃と、3すくみ要素を活用した戦闘
本作のバトルでは、プレイヤーが操作するライダーと、使役するオトモン、およびマップごとに切り替わる共闘パートナーでパーティを組み、戦闘をしていく。
プレイヤーは、基本的にはライダーのみを操作可能。通常攻撃をするのか、スキルを使うのか、武器を切り替えるのか、といった選択を行っていく。オトモンや共闘パートナーは、自分自身で攻撃内容や攻撃先を考え、自動で攻撃していく。
ライダーは、
- 斬タイプ武器である「体験」「片手剣」
- 殴タイプ武器である「ハンマー」「狩猟笛」
- 突タイプ武器である「弓」「ガンランス」
の6種類の中から1つを装備し、攻撃する。武器ごとに、攻撃力が高かったり、防御補正効果が付いていたりなど、いくつかの特徴がある。
斬、殴、突の武器タイプは、敵によって有効なものと効果が薄いものが分かれている。もし相手に対して今の武器タイプ相性が悪いなら、戦闘中に武器を切り替え、有利な武器タイプで立ち向かうことができる。
攻撃手段は、通常攻撃と、「絆ゲージ」というゲージを消費して使用するスキルの2つが存在する。スキルは武器種毎に使える内容が大きく異なっており、ダメージを与えるものから、絆ゲージの上昇に貢献するもの、敵の攻撃パターンを抑制するもの等、様々なものが用意されている。
「絆ゲージ」は、オトモンの行動をプレイヤー側で指定する場合にも消費するうえ、ライダーがオトモンに乗っかる、通称「ライド」をする際にも必要となる。「ライド」することで、専用の強力技「絆技」が使用できるようになり、ボス相手にも強力な一撃を叩き込むことができる。
通常攻撃やスキル攻撃は「パワー」「スピード」「テクニック」の3つのタイプに振り分けられ、
- パワーはテクニックに強い
- スピードはパワーに強い
- テクニックはスピードに強い
という3すくみの関係になっている。こちらの攻撃先のモンスターが、同じくこちらを攻撃しようとしてくる場合、「真っ向勝負」というイベントが発生し、上記の3つのどのタイプで攻撃するかによって、攻撃が通るか通らないかが変わってくる。真っ向勝負でこちらが有利なタイプの攻撃をすれば、相手の攻撃を無効化できるだけでなく、「絆ゲージ」を大きく上昇させられる。
ライダーとオトモンが同じ3すくみタイプを選び、「真っ向勝負」で勝利すると、「ダブルアクション」という専用アクションが発生する。これにより、通常時よりも大きなダメージが与えられ、絆ゲージをより多く増加させることができる。
モンハンと言えば、相対するモンスターの部位破壊や怒り状態への変更、形態変化等も魅力の1つ。これらの要素もしっかり用意されている。
大型モンスターには、頭、腹、尾など、体の各部位ごとに、体力とは別の耐久ゲージが用意されている。各部位を攻撃し、耐久ゲージを0まで減らせば部位破壊が可能。敵の攻撃を一時的に止めることができたり、相手をダウン状態に持っていくことができたりする。
戦闘が終了したら、戦績に応じてランクが付けられる。高ランクになればレア素材の確保ができたり、手に入る素材の量が増えたりするし、戦闘中に部位破壊をしていれば、破壊した部位に応じたボーナス素材を手に入れられる。また、プレイヤーやオトモンの経験値も獲得できる。
武具の作成と強化、タマゴ確保と育成といった強化要素
本作の育成は、ライダーとオトモンとで大きく内容が異なる。
ライダーは、戦闘終了後に手に入れたモンスターの素材とお金を消費して、武器や防具を作成できる。作成した武器や防具は、最大3段階まで強化ができるため、同じ武具でも、強化をするか否かによって、その力は大きく異なってくる。
武器や防具には属性攻撃力や属性防御力が付いている。該当属性を弱点とするモンスターへのダメージを増加させたり、敵から受ける属性ダメージを減らす効果を持つ。更に、防具には特定の状態異常を軽減したり、体力が残り僅かとなった時に特別な効果を発揮したりなど、特殊なバフ効果か最大3つまで不随しているため、ただ防御力が高いのを選ぶだけではない、スキルも交えた取捨選択が求められてくる。
オトモンは、まずはフィールドでランダムに出現するモンスターの巣からタマゴを持ち帰り、仲間にするところから始める。同じモンスターでも、タマゴの段階で、ステータスが高いか低いか、などの個別性能の差があるため、強いオトモンが欲しいなら、タマゴの厳選から始める必要がある。
タマゴを持ち帰り、孵化させると、即仲間として採用できるが、生まれたばかりの状態ではまだレベル1しかない。戦闘で経験値を貯め、レベルアップしていくことで、どんどんとステータスが向上し、強い個体へと生まれ変わる。
オトモンにはそれぞれ「絆遺伝子」と呼ばれるスキルスロットが用意されている。絆遺伝子は、新たなスキルを覚えるものから、特定の属性攻撃力を増加させるものなど、全部で400種類を超えるバリエーションが用意されている。オトモンのレベルが上がるにつれて、新たな絆遺伝子を手に入れたり、絆遺伝子を埋め込めるスロットが解放されていく。
一度産まれたオトモンに対し、別のオトモンが持つ絆遺伝子を1つ継承させることもできる。継承元のオトモンは居なくなってしまうが、レベルアップとは別に、自身が求める、より強い、オリジナルなオトモンへと育成する事ができる。
多種多様なクエストと探索ダンジョン
メインストーリーを進める「メインクエスト」以外にも、拠点に張り出されている掲示板や、街の人から依頼されて受注する「サブクエスト」が多数存在する。内容は
- 指定モンスターを倒す
- 指定アイテムを納品する
など様々。サブクエストをクリアすると、経験値やお金の他、特別なアイテムを入手できる。中にはサブクエストでしか貰えないアイテムや、出会えない特殊強化モンスターも存在する。
また、マップの各地には「古代巣」と呼ばれる小ダンジョンが存在する。そこには、様々なレアアイテムが隠された宝箱が数多く置かれているだけで無く、最奥にはモンスターの巣があるため、タマゴの持ち帰りをすることもできる。「遺跡跡」の宝箱を開けることで入手できる「ビンの王冠」は、一定数集めることで、拠点にいるメラルーからアイテムを交換してもらえる。
クリア後にのみ解放されるサブクエストやダンジョンも多数用意されている。大きく異なるのは、クリア後になると「上級モンスター」が解放される点だ。
「上級モンスター」は、ストーリー上で出会う同じモンスターよりも、体力も攻撃力も格段に上昇したモンスターで有り、ストーリークリア直後の装備品でもそれなりに苦戦を強いられるほど。上級モンスターを狩ることでしか手に入らない強力な装備品もあるため、クリア後も更に育成の幅が広がっていく。
また、クリア後には、「古龍」や「二つ名モンスター」といった特殊なモンスター達と戦闘したり、オトモンとして連れ歩いたりできるようになる。オトモンとできるモンスター全てを捕まえるのも、楽しみの一つとなる。
オンライン通信プレイ可能
本作には、インターネット上の他ライダーと遊べる通信プレイが用意されている。
遊べるモードは、
- マップを一緒に探索する「共闘クエスト」
- 最大4人で同時対戦できる「対戦バトル」
が用意されている。
全世界のライダーと協力して、珍しいタマゴの探索をするも良し、超強力なモンスターを倒すサブクエストに挑むもよし、鍛えたオトモンを引き連れて対戦するもよしと、やり方は自由だ。中には通信プレイでのみ入れる特別なダンジョンもあるため、シングルプレイと比べてよりレア度の高いタマゴを入手できるチャンスが広がる。
禁忌の存在「ビルダー」の冒険を描いた物語
本作の舞台は、モンスターと絆を結び、一緒に行動を共にする「ライダー」という人々が住む世界。同じ世界には、モンスターを狩りの対象として見ている「ハンター」も存在しており、モンスターへの扱いや考え方について、度々いざこざが起きていた。
そんなある日、ハコロ島にあるマハナ村という村では、ライダーもハンターも集まり、とある祭りが執り行われていた。その時、突如として、世界各地のリオレウスが姿を消す、という事件が発生する。ハンターたちはこれを不吉な出来事と捕らえ、事件が起きる前に、ハコロ島を代々守り続けている「護りレウス」を狩ろうと躍起になっていた。
ハコロ村の護りレウスのライダー「レド」の孫である主人公は、事件の混乱の中、突如としてハコロ村に現れた竜人の少女「エナ」と出会い、護りレウスがエナに託したリオレウスのタマゴをハンターから守るため、島を発つことになる。
各地で発生する奇妙な現象を調べる最中、ついにふ化するタマゴ。生まれたのは、翼が小さく、飛ぶことができないレウスだった。
「その翼が開くとき、世界は消滅する」
伝説のレウスとの出会いが、主人公の運命を大きく変えていくこととなる。果たして主人公は、世界に起きている異変の原因を探り当て、世界を救うことができるのか?
◆このゲームの良い点
育成要素が豊富で楽しい!
本作の1番魅力的な点はここだろう。
本作では
- プレイヤー自身の装備強化
- モンスターの強化
のどちらもできるため、単純に考えて育成要素が他ゲームの倍になっていると言える。
プレイヤー自身の強化は、武具の作成と強化位しかやれないものの、その数だけでも数百種類も用意されている。それに加え、「お守り」というバフ効果を付与できるアイテムを一つだけ保持できるため、この組み合わせも考えたら、それこそ莫大な量の組み合わせを生み出せる。武器ごとに攻撃力に特化してたり、防御力が上がったり、その武器専用のスキルを持ってたりとバリエーションもあるため、敵に勝てずに詰まった時には、武具の組み合わせを変えるだけでも意外と勝てたりする点も良い。
モンスターの育成は、そもそもの個体性能が高いモンスターを見つけるところから始まり、自分が求める因子を持ったモンスターと組み合わせて、理想の持ったモンスターへ育てるようにやりこんで行ける。
色んな技が汎用的に出せるオトモンとするのも良いし、特定の属性の能力だけをひたすらに鍛え上げ、「対このモンスター専用のオトモン」という存在を作り上げることも可能だ。やろうと思えば、ディノバルド、タマミツネ等の超強力モンスターの能力を受け継ぎ、彼らが持つ技を出せてしまう雑魚モンスター「ランポス」へと育て上げることまでできてしまう。
育て方一つで、同じモンスターでも強さも動き方も全然違うものになっていくため、ブリーダーっ気が高く追求されていく成長システムは、非常に楽しく、やりごたえがあった。
メインストーリークリアでもまだ序盤と言えるほどのボリューム!
筆者はサブクエストやモンスター収集、育成をある程度こなした上でストーリーをクリアしたが、それでもかかった時間は約37時間と中々なボリューム。
メインストーリーをクリアした後に待っている裏ダンジョンは、それこそメインストーリーに次ぐボリュームがあり、やりごたえが十分!上級モンスターの登場で敵のステータスも軒並み上がるため、育成方針の見直しや、新たな装備の開拓など、「ストーリークリアまでは実は序盤だった!?」とも思えるほど、色々やらなくてはいけないことが出てくる。
裏ダンジョンに登場するボスは、それこそラスボスよりも強いため、一瞬の隙も油断ならない。最後まで手に汗握る戦闘を楽しむことができる。
ゲーム開始時からクリア後に至るまで、数多くのサブクエやエンドコンテンツにあふれており、これ一本でとことんやり尽くせるな、と言った印象だった。
王道ながらも、テンポ良く引き込まれるストーリー!
本作のストーリーは、全体通して大きな捻りがある訳ではなく、一貫して分かりやすい作りをしている。しかし、ただ勧善懲悪の流れが続いて退屈なのか、というとそんなことはない。
「モンスターは狩りの対象」と考えるハンターと、「モンスターは友好の証」と考えるライダー間の葛藤や、各地で事件を起こしているモンスターを倒すだけでは真の解決にはならないと苦悩する主人公の姿を、丁寧に、誰にでも分かりやすく伝えるストーリー展開は、「何か捻りを入れなければ!」と考え、結局扱いきれない程の伏線を撒いてしまったり、ご都合主義過ぎる展開で解決しようとしてしまう昨今のRPGが見習うべきものがある。
一部、ゲーム進行の合間にお使いクエストのようなイベントがある点は微妙ではあるが、それらも無駄に長く続くことはなく、全体的にテンポよくストーリーが広がって行く点も良い。
老若男女問わず、多くのプレイヤーに刺さるストーリー展開であり、非常に良かったと感じた。
絆ゲージを使い方を考える戦闘が奥深い!
本作の戦闘は、3すくみを利用したジャンケンシステムなため、ただの運ゲーのように感じられる。が、実際はそんなことは無く、色々考える必要のあるゲーム性になっている。
モンスター毎の攻撃タイプを全て覚え、それに勝てるタイプで攻撃するのは至難の業だ。また、モンスターの火力はどれもかなり高く、1発食らうと体力の1/3~1/2は持っていかれるため、1ターンの選択が非常に大切になってくる。相手の攻撃タイプが分からないなら、スキルでガードすることで様子を見たり、どのタイプにも当てはまらない無属性パターンで攻撃する、といった戦略を取ることになる。
が、スキルを使いすぎると絆ゲージを無駄に消費し、肝心な時に絆ゲージ切れとなってしまうため、「今は敢えてじゃんけん勝負に出ようか?」なども選択肢として出てくる。
また、絆ゲージ最大時に使える「ライド」も、絆ゲージか貯まってすぐに使ってしまうのも考えもの。「ライド」時には体力が全回復する効果があり、かつ強力な技である「絆技」が撃てるため、敢えて「ライド」せずに攻撃を続け、自分がピンチの時や、逆に相手がダウン状態になった時などに「ライド」する、などを考える必要がある。
逆に、相手の攻撃タイプがわかっているなら、スキルを使わなくても相手を完封可能。更に敵のヘイトが共闘パートナー側に向いているのであれば、自分はなんのタイプで攻撃しても問題ないため、とりあえず相手の攻撃タイプを確認するターンとすることもできる。
絆ゲージをどう使うのか、タイプ相性のある攻撃をどういう場面で使うのか、そのような戦略性が意外としっかり用意されており、奥深い戦闘ができると思えた。
キャラの見た目が、違和感なくムービーに反映されている!
本作では、ゲーム起動後のキャラの見た目や声を弄ることができる。見た目はある程度用意されたプリセットの中から選ぶ形式で、微細な変更ができるわけではない。キャラメイキングにこだわりがある人には物足りないだろうが、筆者的にはこのレベルで十分だった。
ここで決めた見た目が、ムービー上で常に流れることになるのだが、その際の表情の作りが見事で、違和感のない形で反映されている。場面ごとに喜んだり、怒ったり、悲しんだりするようなシーンが見られるが、それら全てが、元となるキャラメイクの形を崩すことなく、それでいてしっかりと表情が作られており、自分が頑張って作った見た目が反映されているのは嬉しかった。
◆このゲームの悪い点
戦闘とモンスター育成のテンポが悪い…
ここが本作の1番良くないと感じた点だ。本作をずっとやっていると、様々な面でゲームテンポが悪いことに気付く。
1番は戦闘面だ。武器やオトモンの切り替え、スキル発動、一騎打ち、モンスター同士の勝負など、戦闘中のあらゆる動作にアニメーションやモーションが入り、その分戦闘時間が長くなる。オプション設定で最大3倍速まで早めることができるが、個人的にはそれでも遅いと感じるほどだった。
また、敵の大半は大型モンスターな為体力が多く、3倍速状態でも、一体倒すのに2分程の戦闘時間を必要とする。敵を一瞬で倒せる「一斉攻撃」も、こちらのレベルがかなり高くないと発動出来ないため、以前に攻略済みのステージを探索する時位しか使いようがないのも悲しいところ。
ドラクエでいうベギラゴンやマヒャド、FFでいう召喚獣攻撃のような、燃費は悪いが敵全員を高火力で攻撃できるような技も、使用場面がかなり限られる為、雑魚をこれで一気に倒してレベル上げ!みたいなことも中々できない。戦闘テンポが悪過ぎて、可能な限り雑魚戦を避けてしまうようなプレイングに走ってしまった程だった。
もう一つはモンスターの育成面だ。持ち帰ったモンスターの卵を孵化させたり、モンスターの能力を他モンスターに継承したり、といった育成をやろうとした際に、卵が孵化するアニメーションや、能力継承をさせる際のアニメーションがスキップできないため、毎回5秒位のアニメーションを見続けなくてはならない。序盤~中盤辺りはこれらの行動をとることがあまり無い為気にならないが、終盤からクリア後のやり込み要素へ突入すると頻繁に使うようになる為、このテンポの悪さはかなり気になった。
最後にロードだ。ここはSwitchというゲームハードの仕様上仕方がないのかもしれないが、マップ間の移動やファストトラベル、昼⇔夜の変更などの切り替え、戦闘終了後などの各場面で、毎回5、6秒のロードが発生する。本作は拠点となる村とメインマップ、モンスターの巣を行ったり来たりする頻度が多い作品の為、それなりに多い頻度でロードに直面することになる。PS5などの高性能ハードでゲームする事が多い筆者にとって、オープンワールド作品でもないのにこのロードの多さは気になった。
グラフィックはちょっと微妙…処理落ちも目立つ…
本作のグラフィックは、決して悪い訳ではないのだが…昨今のゲーム各種と比べるとそこまで良いとは言えず、相対的に低く感じた。
今でもアニメ調のゲームは数多く登場しているが、そのどれもが、影の表現や光沢の付き方、登場人物の表情の作り方などが細かく描き分けられており、見応えのあるものが多い。本作は全体的に「平たいアニメ調の絵」というのだろうか…今から10年くらい前に発売されたゲームのグラフィック、と言った感じで、そこまで見応えは無かった。
また、ゲームをプレイしていると、画面がカクつくような場面にも遭遇することが目立った。頻度自体は多くはないものの、世界観が一気に現実に引き戻されるような感覚があり、残念だった。
ただ、これは筆者が高グラフィックのゲームを良くやるから感じる感想かもしれない。グラフィックにはそこまで拘らない人なら、気にせずプレイできるだろう。
ナビルーに対してのイライラ度合いが高い…
ストーリー序盤から、プレイヤーの相棒としてずっと行動を共にするアイルーである「ナビルー」。彼がなかなかイラッとさせる行動を取ることが多い。
突っ掛からなくても良いところで相手に突っかかっていくし、煽られればすぐ調子乗るしで、その度にいちいちストーリー展開が止まってしまう。
「そういうキャラだ」と割り切れば良いのだが、「ナビルー」はゲーム中でずっと行動を共にするキャラのため登場回数が多く、否が応でもイラッとさせられる頻度が増える。
筆者はあまりゲームキャラに対して感情移入したりするようなことは無いのだが、そんな筆者でもだいぶイラッとしたため、ゲームキャラに入り込むタイプの人は注意した方が良いと感じた。
オンラインプレイヤーは皆無…
これは発売から時間が経っているため、致し方ないところではあるが、記事執筆時点でオンライン部屋を建てているプレイヤーは非常に少なく、交流が全く行われていないと思われる。
クリア後にできる高難易度クエストには、明らかに他プレイヤーとパーティを組んで連携することを前提としたような、超強力な敵が用意されていることもあり、そういった敵相手には、どうしようもない場面が現れる。
オンライン要素には期待せず、基本的にはソロで進めることを前提に、本作を購入した方が良いだろう。
◆まとめ
全体的に高品質にまとめられ、非常に良い作品だと感じられた作品である「Monster Hunter Stories 2 破滅の翼」。
オンラインプレイヤーが今では数少なくなり、オンライン要素まで踏まえて楽しむことが出来にくくなったのは残念だが、オフライン要素だけでも充分な面白さを持っている。
是非、多くのプレイヤーに手に取って欲しい作品だ!
では!