今回は、「OUTRIDERS」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。
なお、プレイしたハードはPS5版だ。
(本記事の情報は2021/5/7時点を元にしている)
2021年4月1日に発売された「OUTRIDERS」。久々に発売された本格ルーターシューターゲームである本作。Amazonの評価は芳しくなく、購入をためらっている人もいるのではないか。
実際に購入し、エンディングとエンドコンテンツをある程度プレイしてみたため、感想と、感じた良い点、悪い点をまとめていく。
◆個人的感想
総評
素早いロード、十分過ぎるハクスラ要素、オンラインプレイなど…ルーターシューター要素はしっかり揃っており、ハクスラゲームが好きな人であれば楽しめる作品だ。
ただし、良くも悪くも普通のハクスラゲームなので、同じステージを繰り返しプレイする作業感が出るのは否めない。また、操作性やゲームの安定性にも不満点が多い。
総じて、他プレイヤーのプレイ映像を見て楽しめそうか考えながら、値下がりするまで待った方が後悔しない作品と言える。値下がりして値段がお値頃になり、ゲームの安定性も解消されたタイミングでプレイすれば、相応に楽しむことはできる作品だ。
どんな人にオススメ?
- ゲーミングPCを持っている
- ハクスラゲームがとにかく好き
という人は楽しめる。逆に
- PS4、XBOX360しか持っていない
- 周回要素の強いゲームは嫌い
- ストーリーはサクッと終わらせ、エンドコンテンツをさっさとやりたい
という人には向かないだろう。
◆このゲームの特徴
最大3人でパーティを組むCOOPシューティングゲーム
本作は1人から最大3人でチームを組み、ミッションクリアを目指すTPSタイプのCOOPシューティングゲームである。似たところでいうと、「アンセム」や「Division」だ。マルチプレイはフレンドとも野良ともプレイも可能だ。
ミッションには、ストーリーモードと、エンドコンテンツである「遠征」の2つがある。
ミッションは基本的に、「次々と現れる敵を撃退し、次のエリアへ移動」を繰り返し、最後に待っている大量の敵のラッシュ、または大型ボスを撃退すればステージクリアとなる。ストーリーモードの場合は次のステージが解除され、遠征では大量のアイテムを入手後、拠点に戻り次のステージを選択することになる。
スキル、装備を組み合わせて最強を目指すハクスラゲーム
本作は、スキルと装備を組み合わせ、自分のお気に入りビルドを構築し、より高難易度モードに挑戦していく、いわゆるハクスラゲームである。
プレイヤーは、
- テクノマンサー
- パイロマンサー
- トリックスター
- デバステーター
の4つから使いたいクラスを選び、以降そのクラスでゲームを進めていく。途中で別のクラスに変更することはできないため、別クラスを使いたいなら、キャラメイクから別に作りなおす必要がある。
各クラスには、それぞれの特徴が反映されたアノマリー(超能力)が設定されている。例えば「テクノマンサー」は、様々な重火器を駆使したサポート技や遠距離攻撃を多く持ち、「デバステーター」は、防御力を上げるタンク系能力が多い。それぞれの特徴を把握した上で、自分の使いたいクラスを選ぼう。
また、各クラスにはそれぞれ専用のスキルツリーがある。スキルの習得にはスキルポイントが必要で、スキルポイントはキャラのレベルを上げるか、ミッションクリアの報酬で入手できる。
スキルは、武器性能を上げるルート、体力や防御力などの身体能力を上げるルート、アノマリーの性能を上げるルートに分けられており、自分が強化したい方向に合わせてスキルを解放していく。
スキルポイントは何度でも振り直し可能なので、満足いくスキルツリーにならなかった場合は適宜振りなおそう。
装備品は、敵から拾うか、ショップから購入するか、宝箱を開けることで入手できる。装備にはレアリティがあり、レアリティが高くなるほど、威力増加や回復力増加などの追加効果と、高性能モジュールが付いている。
モジュールとは、プレイヤーの好きに着脱できる特殊効果のこと。高性能なモジュールを手に入れたけど、他の性能がイマイチな武器だったとしても、それを分解してモジュールだけ別の武器に付け替えることができる。
回復手段は攻撃のみ!常に戦いが求められる
本作で体力回復したいなら、敵を攻撃するしかない。そのもの回復コマンドや回復アイテムが用意されていないのだ。そのためどんな状況に置かれようと、常に敵と戦うことが求められる。
マップも比較的小さめで、一つ戦いを終えたら、また次!また次!と次々に戦いが待っている。移動が多くなりがちなルーターシューターゲームの中で、ここまで戦闘面にステータスを振りまくった作品も珍しい。ミッション中に移動に飽きて退屈になることはないだろう。
ストーリーは、惑星「エノク」で繰り広げられる戦いの物語
ゲームの舞台は遠い未来。地球が滅び、人類は新たに住める土地を手に入れる為、宇宙に出る必要が出てしまう。選ばれた地球人だけを乗せた宇宙船は、何十年という時をかけ、地球によく似た惑星「エノク」に到着。この星を人類が住める環境とする準備が始まる。
そんな中、事前に惑星エノクに飛ばしておいた無人偵察機から、正体不明の救難信号が発せられていることを確認する。と同時に、強力な嵐が発生し、先に「エノク」に降りて居住計画を進めていた部隊は、主人公も含め壊滅状態となる。
主人公が目を覚ますと、周囲の環境は一変、あちこちで銃撃戦や砲撃音が聞こえる、まさに戦場と化していた。更に、主人公と一緒に「エノク」に降りた味方は、全員歳を取って初老となり、尚且つ主人公は正体不明の特殊能力を身につけることとなった。
そんな訳の分からない状況に置かれた主人公は、今この世界で何が起きているのか、自分が身につけた特殊能力は何なのか、そして何より、上陸時に受け取った正体不明の救難信号は何なのか、謎を解くために冒険に出る。
◆このゲームの良い点
豊富なビルド検討が楽しい!
ミッションをクリアし、お気に入りの装備を厳選し、モジュールとスキルツリーを振りなおす…このビルド要素がかなり優れており、ハクスラゲームとして相当なクオリティを持っていると感じた。
装備品のレアリティが上がると、付与される特殊能力の数が増え、厳選が捗るため、
- 状態異常特化ビルドにして、勝手に敵が倒れていくようにしよう
- とにかく攻撃力を上げ、一気に殲滅しよう
- 防御力や回復力などの生存力を優先しよう
など、色々なビルドが検討でき、ハクスラゲームが好きなプレイヤーに取っては十分楽しめる要素になっていると感じた。
スキルと銃、両者を駆使する戦いが楽しい!
銃とスキルで周囲を一網打尽!という戦いが主流の本作。特にスキルを使った時の爽快感が最高だった!
私はトリックスターを主に使っていたが、周囲を一気に切り裂いて攻撃する技や、周囲を一定時間超スローにする空間を作り出す技など、どこか厨二病感漂う感じが、もうかっこいい笑
他のクラスでも、パイロマンサーなら周囲に火炎を振り撒いて焼き尽くしたり、テクノマンサーならミサイルランチャーやデスマシーンを装備してぶっ放したりと、どれも迫力があり、魅力的だった。
これだけ聞くと、じゃあ肝心のシューティング部分が欠けている、と思えるかもだが、決してそんなことはない。スキルは一度使うと一定時間のインターバルが必要とされるため、スキル連発では敵を捌ききれず、なかなかクリアできない。なので、ちゃんと銃で戦う場面がかなり多く、シューティングゲームとしてもちゃんと作り込まれていた。
エンドコンテンツが超やりごたえあり!
エンドコンテンツである「遠征」は、ティアが1〜15まで15段階用意されており、同じマップでもティアが上に行くほど難易度が高く、報酬が良くなる。
ちゃんとスキル構成を考え、立ち回りやシューティング力、スキルの使いどころを鍛えていかないと、ティア3ですら難しいと感じるほどになる。それだけエンドコンテンツのクリアにはやり込みが必要なのだ。
また、「遠征」は早くクリアするほど報酬が良くなる仕組みなので、「前回は時間をかけてクリアしたが、今回は最高評価を目指して良い装備を手に入れるぞ!」というモチベーションにも繋がった。
1人でティア15の最高評価を達成できたら、相当実力者であると言えるだろう。
ストーリーが結構練られていて楽しい!
ハクスラゲームだと、ストーリーはあってないようなものとなりがち。訳のわからない展開が続き、わからないうちにエンディングを迎えた、ということが起きやすい。
が、本作はストーリー面がかなり練られており、「この先がどうやって展開されていくんだろう」という興味をそそる、非常に優れたストーリーが作られていた。
◆このゲームの悪い点
遊ぶハードに楽しさが依存…PS5は操作性に難あり…
PS4版は未プレイのため分からないが、AmazonレビューやTwitter等の報告を確認する限りでは、「アプリのクラッシュが相次ぎ、まともにプレイできない状況」という報告が相次いでいる。PS4版の購入はしないようにした方が懸命だろう。
私はPS5でプレイしており、PS5版ではPS4版にあるようなクラッシュ問題にはあまり遭遇しなかったため、この点に不満点は無い。問題は操作性の悪さだ。
何よりも不満なのがエイムの特殊性だ。このゲームでは、スティックを倒すと、初めの0.5秒くらいはゆっくり、それを過ぎるとたちまち加速する特殊な挙動を取る。これがとてつもなくやりづらい。ちょっとエイムがずれているから直そう、とすると、始めは中々エイムが動かず、無理やり傾けると今度は急加速して敵を通り過ぎてしまう。
そんな、こちらはエイムしにくい環境にも関わらず、敵はやたらとエイム力が良い。こちらがどれだけ走り回っても、回避しても、スナイパーですら的確にこちらを射抜いてくる。
敵を撃破しないと回復できないため、やられたも前に出るしかないが、前に出たらこちらは満足に敵を狙えず、敵は一方的に叩いてくる理不尽さ。壁や遮蔽物を使おうにも、敵は手榴弾やミサイルで壁越しに攻撃してくるため、その場から強制的に動かないといけなくなる。
銃撃がメインのゲームなのに、エイムがやりづらいのはひたすらにイライラが募ってしまい、一番のメインコンテンツである高難易度帯へ挑戦する意欲が無くなってしまうほどだった。
それ以外では、
- ダッシュ時に段差や壁に少しでも触れるとダッシュが止まったり
- 解体や売却する装備を指定する方法が「R3ボタン」とやりづらかったり
- メニューのカーソル速度が遅く、装備の付け替えに時間がかかったり
と、このゲームをやり込もうとすると色々煩わしく感じる部分が多く、この部分の作り込みの粗さは残念に感じた。
PC版では、YouTube動画やレビューサイトを見る限りでは、クラッシュも少なく、操作性もやりやすい模様。ゲーミングPCを持っているならPC版の購入をオススメする。
エンドコンテンツを楽しむまでにかかる時間が長い…
いい点として、「ストーリーのボリュームがしっかりあって面白い」ということを上げたが、裏を返すと「エンドコンテンツに到達するまでが長い」ということになる。ハクスラはエンドコンテンツのやり込みがメインのゲームにも関わらず、そこに到達するまでが長いとなると、「ハクスラゲームがやりたい」という人にとってはかなり冗長で煩わしく感じだろう。一応ムービーはすべてスキップすることは可能だが、それでもクリアまで大体15時間ほどかかる。
また、ストーリークリアし、エンドコンテンツまで到達したとしても、それだけでは装備が整っていないため、エンドコンテンツを十分に楽しめない。
遠征に出てくる敵はとにかく量が多く、中ボスレベルの敵も複数まとめて出てくる。高火力の武器や、一定時間敵の機動力を無くすスキルなどを持った、レジェンダリー相当の武具が揃わないと、クリア自体ままならない。
総じて、エンドコンテンツを楽しめるようになるまでにかかる時間は、ざっと30時間は必要と思った方が良い。サクッと楽しむ、ということはできないのは辛いところではあった。
接続環境が不安定でゲームできない…
このゲームは常時オンライン接続が必要なのだが、何故かログインがなかなか出来ず、まともにゲームができないといった事態が頻発する。数分放置してログインできることもあれば、10分立ってもログイン不可の時もあり、接続の不安定さが非常に気になった。
色々改善が施され、今では発売当時よりは安定してログインできるようにはなったが、それでもログインまで時間がかかる点は変わらない。「そもそものゲームができない」という致命的な問題点はこのゲームの大きなマイナス点だ。
また、過去には「一度入手した武具データが全て削除される」というバグが発生したこともある。今はこのバグは解消されているが、前述のログイン不可問題と合わせて考えると、このような根本的なバグが他にも眠っている可能性があるのはかなり不安だ。
◆まとめ
ゲーム性としては面白く、やり込めるハクスラゲーとなっている「アウトライダーズ」。バグが眠っている可能性があることや、操作性が非常に悪い点が非常に気に食わないが、運営でも絶賛修正中なので、時間が経つにつれ安定してくるのではないか。
ハクスラゲームというジャンルが好きな人は、今はまだ買い時は早いので、もうしばらくして環境が安定してから購入するといいだろう。
では!