今回は、「Call of Duty Vanguard」をプレイした感想をまとめていこう。
11/5発売のCoD「Call of Duty Vanguard」。CoD大好きプレイヤーである筆者も、もちろん発売初日からプレイした!
最大プレイヤーレベル55になるまでやり込んで感じた感想をまとめてみたため、「本作は買いなのか?」と気になっている人はぜひ参考にして欲しい。
◆総評
CoDMWに似ている、といえばたしかにそうなのだが、MWの不満点の多くが解消され、非常に遊びやすくなっている。
キルタイムが短く、一瞬でやってやられて、を繰り返すことから、初心者でもワンチャンキルを取りやすい作品にもなった。
全体的に良作により近付いた…と、言いたいところだが、このゲームをやり込んでいく程、多くの粗が目立ってくる。
- レベルを上げないとまともにオンラインで勝てない武器バランス
- 超高火力なのに低反動にできてしまうため、芋プレイの増加
- やたらと隠れられる場所が多いため、前に出ようとするプレイヤー数が少ない
- 何故か過去作よりも悪化しているping
- よく分からないバグの数々
などなど、CoD MWで言われていた不満点、いやそれ以上とも言える不満点が見えるようになってくる。
また、良くも悪くも、やっていることはいつものCODと一緒だ。スペシャリスト制度のような、キャラ毎のアビリティ要素もない。
総じて、買ってから暫くは楽しくプレイできるが、これまでのCODみたく長い時間やり込むのであれば、全くと言っていいほどオススメできない。他のゲームを買った方が楽しめるだろう。
◆このゲームの特徴
グラフィックは超綺麗!兵士の動きもリアル!
色褪せた空、木々や建物の艶や影、構えた際の銃の光沢…CoDMWのゲームエンジンをそのまま採用しているため、MWと同じくグラフィックは非常に綺麗だった。まさに「実際に第二次世界大戦に参加している」かのように感じるほどだ。
特に暗めの色に細かな表現があり、同じ「暗い場所」の中でも、本当に暗い場所と、若干影がある場所とがしっかり描き分けられている。
CoDMWから登場したリーン、コンパス、タクティカルダッシュは健在
2019年発売のCoDMWで追加された要素である「リーン」「コンパス」「タクティカルダッシュ」は、本作でも健在だった。
ただし、「リーン」と「ミニマップ」は、CoDMWよりも改変されている部分が見られている。
まず「リーン」について。CoDMWでは、一度リーンすると解除するまで動けなかったが、本作ではオブジェクトが繋がっている範囲であれば、自由に移動できるようになった。「リーンしたけどちょっと位置がズレてるな」という時に微調整しやすく、非常によい改良点である。
次に「ミニマップ」について。CoDMWではキルストリーク「UAV」を呼ばない限り、ミニマップに敵の赤点が表示されることは無かった。本作も基本的には同じだが、新たに登場したパーク「レーダー」を装備すれば、他のCoD作品と同様にミニマップに赤点が出るようになった。画面上部のコンパスも変わらず残るので、ミニマップとコンパス双方の赤点を頼りに索敵可能だ。「コンパスだけあれば充分!」という人は、別の強力なパークに付け替えても良い。
新たなゲームモード「PATROL」、「CHAMPION HILL」
本作で新たに追加されたルール「PATROL」。『拠点が止まらず常に動き続けるHARD POINT』といった感じのルールだ。
ポイントの中に入ると、1秒につき1ポイントがチームに入り、先に200ポイント分確保したチームが勝利だ。次の拠点の場所を覚る必要がある「HARD POINT」と異なり、今拠点があるところに攻め込めばいいだけなので、初心者でも楽しみやすいオブジェクトルールだ。
続いて「CHAMPION HILL」。2人または3人で1チームを結成し、参加する全8チームの中から頂点を目指していく、アリーナとバトロワを掛け合わせたようなモードだ。
ゲームが開始すると、自チーム以外の7チームの中から、ランダムに対戦チームが決定する。決定後は、専用の小規模マップに移動し、試合が開始される。1試合の制限時間である1分内に、敵チームのライフをなるべく多く削っていく。
チームのライフは、デュオだと最大12個、トリオだと最大18個。ライフはチームで共有されており、自分やチームメンバーが倒されればその分ライフが減っていく。ライフが0個の状態でチーム全員が倒されると敗北だ。
ライフを削り切らずに制限時間を迎えると強制的に試合が中断され、次の対戦相手がまたランダムに決定し、試合が再開される。これを、最後の1チームになるまで繰り返すのだ。
ゲーム開始時の全プレイヤーの装備は固定。
- パーク無し
- アーマー無し
- リーサルとタクティカルは各1つのみ
- 武器はノーアタッチメントのSMGとHG
と非常にシンプルだ。
別の武器を購入したり、パークを付けたり、キルストリークを使えるようにするには、試合の間に定期的に発生する「購入ラウンド」にて、試合で入手したクレジットを消費する必要がある。
クレジットはマップに落ちているのを回収したり、敵プレイヤーをキルしたり、制限時間経過時の総合キル数で敵プレイヤーに勝利したりしていると入手できる。
このゲームはキル数やオブジェクトの確保数ではなく、最後の1チームになることが目的のモードだ。そのため、
- ガンガンキルを取りに行って点差を開く戦いをしてもよし
- 敢えて前に出ず時間切れを狙い、こちらの被害は最低限に抑え、他チーム同士で削り合ってもらってどんどんライフ差を開いていく戦いもよし
と、バトロワに近いような戦い方ができる。
マップは小さいながらも隠れられるポイントが多く、立ち回りには最新の注意を払う必要がある。TTKの速さやリーンシステムの存在から、待ちプレイが強いことは強いが、購入ラウンドでストリーク「偵察機」を購入すれば簡単に位置を割り出せるので、「待ちばっかりでつまらない」といった事態にもなりにくかった。
個人的には、CoD初心者が、経験者と一緒にCoDの世界に触れるにはいいゲームモードだなと思った。ただ、2チームでバチバチ動き回る戦いを求めるプレイヤーには合わないモードだとも感じた。
新たな要素「壁破壊」
本作から追加された「壁破壊」。木製の壁は、銃で撃ったり、近接攻撃したり、ダッシュで突撃して破壊できる。
各手段で破壊量が異なっており、
- 銃で撃つ:撃った部分にだけ隙間ができる
- 近接攻撃:叩いた部分を中心に体半分位の穴ができる
- ダッシュで突撃:人一人が通過できる穴ができる
といった具合だ。
一度開けた穴は元には戻らず、敵も使用できるため、無闇に開けると射線を増やすだけだ。状況に応じて、どういう風に穴を開けたいか考え、選択していく必要がある。
壊せるのは壁だけではなく、木の板も対象だ。リーンしたり一時的に身を隠したりする為に木の板を使おうとしても、壊されてしまえば全身を晒しているのとほぼ同じになってしまう為、常に周囲の状況に気を配りながら隠れる場所を決める必要がある。
登場するマップ全てに、何かしらの破壊ポイントが用意されている。
- 穴開けして敵を不意打ちするか
- 敢えて開けず、敵からの悪用を防ぐか
など、マルチの中にタクティカルシューター要素を取り入れた考えをする必要がある。
多種多様なマップの数々
本作に登場するマップは、リリース時点から16個と非常に多くのマップが実装されている。各マップとも、非常に小さいマップから大き目のマップまで、特徴溢れるマップが容易されている。
中にはあまりいいイメージが持てないマップもあるのは残念…だが、良マップの方が多い印象なので、「クソマップばっかじゃん!」と気にする必要はそこまでない。
従来の6v6マルチプレイ以外に、中規模戦/大規模戦が可能
本作では、登場するすべてのマップで、従来通りの6v6のマルチプレイ対戦以外にも、10v10などの中規模人数戦、24vs24のような大規模人数戦をプレイできる。
人数が少ないと1人1人の立ち回りが非常に重要になってくるが、大規模戦では1人1人の成績に戦況が左右され辛いので、FPSでも安心して楽しめる。小さいマップで24v24の戦闘をした際のわちゃわちゃ感は中々面白い(笑)
どの規模で戦いたいかは、マッチ検索時にプレイヤーの手で選ぶことができる。特定の規模の戦闘のみやりたいプレイヤーでも安心だ。
◆このゲームの良い点
全体的にスピーディ!足音も小さく、突撃しやすい!
CoD MWのゲームエンジンを使っているため、操作性はMWによく似ている。しかし、キャラのスピード感はMWよりも早く、もっさり感が無いのは非常に高印象だった。武器のエイム速度もMWと比べ早く、エイム速度を上げるアタッチメントを付けなくても十分に戦えた。
また、足音が全体的に抑え目で、走り回っても位置バレしにくいのも好印象。SMGを担いで突撃するのが好きな人でも不満なく立ち振る舞える。敵の裏取りにはより一層注意が必要になるが、デッドサイレンスの発動可否に縛られること無く自由に移動できるので、ありがたい点であった。
武器アタッチメントが豊富で沢山弄れる!
本作にもガンスミスが搭載されている。サイトやバレル、ストックなどのアタッチメントを、自分の思うように組み合わせ、お気に入りの武器を作っていける。
また、本作では標準で10個ものアタッチメントを付けられるようになった。これまでは5個が基本だったので、より武器弄りの楽しみが増えたと言える。デメリット点をなるべく打ち消し、メリット面だけを上げていくような構成もしやすかった。
FPS初心者にはうれしいEKIA制度!
CoD MWでは、自分でちゃんと敵を仕留めないとキル換算されなかった。
作ではCoD BO4やCoD BOCWと同じくEKIA制度を導入しているため、敵に1発でも弾を当てれば、他の味方がキルしてくれた時に自分にもキル数が加算される。K/D率1.0の脱初心者ラインを超えやすくなり、FPS経験の浅い初心者にとっては励みになる制度ではないだろうか。
…が、筆者のようなFPSをずっとやってきた勢からすると、ちゃんとした正規のK/D率がわかりづらくなるので、若干嬉しくない点でもあるが…
◆プレイして残念な点
武器レベル上げに時間かかる…
本作でもMWと同様、各武器の最大レベルが非常に高く設定されている。アタッチメントの解放レベルをもとに調べたところ、大体どの武器も60レベル〜70レベルまで要求されているようだ。事実、ARはレベル70まで要求されている武器が多い。
武器レベル2倍トークンをフル活用しても、一つの武器のレベルを最大まで上げるのに4時間ほどかかる。武器レベルを上げ、アタッチメントを解放することで初めて真価を発揮する武器もあるため、ここは流石になんとかしてほしいと感じてしまった…
アタッチメントの効果がわかりづらい…
アタッチメント毎に、反動制御を改善したり、エイム速度を向上させたりと効果が異なるのだが、その内容が分かりづらい。
同じ「反動制御を改善」でも、縦と横の両方を改善するものもあれば、横しか改善しないものもあったりと、文字面だけでは違いがわからない。さらに、増減度合いも「+1」「-2」というような、「結局どれ位変わるの?」がパッと見分からない形になっている。
武器の性能表を見ればちゃんと分かるのだが、一々性能表を開かないといけない煩わしさはマイナス点であった。
芋プレイヤーを産みやすいマップ構成とアタッチメント…
ゲーム発売してからしばらくは、みんな武器レベルが揃いきっていないため、積極的に前に出て撃ち合う機会が多く、楽しくプレイできた。
が、武器レベルが上がりアタッチメントが揃うと、途端に多くのプレイヤーが芋プレイをし始めた。何故か。
各武器には、弾薬1発の威力を上げるアタッチメントと、武器の反動を減らすアタッチメントをそれぞれつける事ができる。それぞれの
アタッチメントを付けると、とてつもない速さのTTKで、遠い距離にいる敵相手に大体狙った通りの場所を撃つことができてしまう。
さらに、ミニマップの赤点を消す「サプレッサー」の仕様変更も酷い。これまでの作品では、「サプレッサー」を使用すると、射程距離が大きく減少したり、弾の威力が減ったりなど、火力面でかなりのデメリットが生じたが、今作はデメリットが全体的に小さい上、射程距離、反動、弾速の中から好きに並ぶ事ができるため、各武器の得意とするところを少し削るだけで、ほぼノーデメリットで赤点削除ができてしまうのだ。
更にマップ構造も醜悪。半数以上のマップが、CoD MWのようにクリアリング箇所の多い場所が並び、敵が隠れられる候補地となる。前述したサプレッサーの装着敷居の低さもあり、大体のプレイヤーが赤点削除しているため、敵がどこにいるのか推測も難しい。
よって、サプレッサーを付け、その場からそぼ動かずに芋プレイしていた方が、敵を簡単に倒せるようになってしまった。
特にドミネーションなどのオブジェクトゲームではこれによる影響を大きく受ける。旗意識がある人が2人いるチームであれば、他のプレイヤーは遠くから旗に入らないように芋プレイしているだけで、敵チームはパーティを組んでプレイしない限り、ほぼ逆転は不可能になる。どちらかのチームが一方的に勝って終わるような光景は日常茶飯事であった。
何故か過去作より酷いping
これは契約している回線会社にもよるのかもしれないが…
過去作である「CoD BOCW」よりも、本作の方がマッチした部屋のpingが酷い事が多かった。130ping超えは当たり前である。有線でプレイしてこれだ。プレイしている人が居なさすぎて海外サーバーに飛んでいるのか、というとどうやらそういう訳でも無さそうで…いまいち原因がわからなかった。
また、発売して半年ほど経ってだいぶ落ち着いたが、一時はパケットバーストも頻繁に発生していた。発生するとガタガタと画面がぶつ切りになり、自分自身がワープするような感覚に苛まれる。まともにプレイできたものではなかった。
リス位置が酷い…
毎度言われているクソリス。β版の時よりも多少はマシになっているが、相変わらず敵のすぐそばにリスしたりする機会が多かった。
ここはCoDの恒例行事ともいえるようなものなのでどうしようもないかもしれないが(笑)。
◆まとめ
「CoD WW2」に続き、再び第二次世界大戦を舞台としたCoDである「CoD Vanguard」。
初めは楽しかったのだが。。。どうしてこうなってしまったのか、疑問が残る作品であった。
オススメできるような作品ではないが、気になっているのであれば、値下がりしたタイミングで買ってみるのもいいのではないか。
では!