今回は、スマホアプリ「白夜極光」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。
2021年6月にリリースされた、基本無料のスマホゲーム「白夜極光」。YouTubeなどでカタコトで喋るいかにもつまらなさそうな広告が流れているのを見たことある人もいるのではないだろうか。
実際にインストールし、ストーリー8章クリアまでやり込んでみたので、ゲームの感想を出して行きたいと思う。面白いのか気になっている人はぜひ参考にしてほしい。
◆個人的感想
総評
Youtubeに流れるよくわからない広告とは全然違い、戦略性の高い非常に面白いシミュレーションRPGであった。ソシャゲによくある「ガチャを回しまくって高レアカードが沢山被らないと強くなれない」といったことはなく、ストーリー終盤に入るところまでは無課金でも十分クリアできる点も評価できる。
もちろん、基本無料のゲームである以上、テンポよくレベル上げしたいならある程度の課金は必要になる。ただ、他のソシャゲと比べても、1日1日しっかりミッションをこなしていけば、無課金でも強力なキャラクターを次々に育成できる親切設計。イベントも結構定期的に開催されているため、長い間楽しめそうなゲームだ。
筆者も結構楽しんでハマったソシャゲなので、是非お勧めしたい。
◆このゲームの特徴
パズル×シミュレーションの新たなゲームシステム
本作は、4色に分けられたパズルの上を、ユーザの手で一筆書きするように移動してコンボを繋げ、コンボ数に応じて道中の敵を攻撃する、パズルとシミュレーションを組み合わせた「ラインストラテジーRPG」という新たなゲームシステムを取っている。
戦闘の舞台は、赤、青、黄、緑の4色のパネルがランダムに配置された空間。プレイヤーは自キャラがいる場所の周囲のパネルを起点とし、最初に選んだパネルの色と同じ色のパネルを通過するよう移動ルートを定め、一筆書きのようにキャラを移動させていく。
移動中に敵とすれ違った場合はその敵を攻撃していき、一筆書きでつないだ終点までキャラが移動すると、繋げたパネルの枚数に応じた攻撃技を出す。繋げた枚数が多ければ多いほど、威力や攻撃範囲が広がるため、なるべく多くのパネルを移動するよう一筆書きのルートを考える必要がある。
最後の攻撃が終われば自分のターンは終了。今度は敵が移動、および攻撃を行ってくるのでこれを耐え凌ぐ。これを繰り返し、敵の殲滅や指定ターン数の生存といったミッションの達成を目指す。
ミッションクリアには、キャラの移動と攻撃以外にも、キャラごとに持つスキルを使いこなすことも必要不可欠。スキルは
- 周囲のパネルの色を変えるもの
- 指定範囲を攻撃するもの
- 自キャラを特定パネルまで移動させるもの
など様々存在する。これらのスキルをいつどのタイミングで使うかを見極め、ミッションクリアを目指すのだ
メインストーリー、秘境探索、サイドストーリー…膨大なミッション
本作には、据え置き型のゲームソフトにも負けない、非常に多くのステージが用意されている。常設されているものだけでも、
- ストーリーを追っていく「メインストーリー」
- お金や育成アイテムなどの素材を集める「資源ステージ」
- 敵と戦うのか、逃げるのか、強くなる敵を相手に自分で進行ルートを決めながらクリアを目指す「秘境探索」
- メインストーリーの裏側で起きていた出来事を辿る「サイドストーリー」
- 指定属性キャラだけを使って敵を倒し続けていく「尖塔挑戦」
と何と5種類!これに加え、不定期に開催されるイベントミッションもあるのだ。1日2時間は優に遊べるボリュームがあると言える。
拠点育成モード「巨像」
ストーリーを進めると解放される「巨像」。ここでは、ゲーム進行の役に立つ様々な施設を建設できる。
具体的には、
- 本作のスタミナにあたる「プリズム」を自動で再生、ストックする「プリズムの柱」
- キャラを派遣し、自動で報酬を持って帰ってくる「派遣室」
- 素材と引き換えに、キャラの限界突破に必要なアイテムを生成する「溶錬室」
などだ。これらの設備が充実するにつれ、主にキャラの強化面で、ゲーム進行がどんどん楽になるよう作られている。
さらに、「巨像」内の各施設には、ソファやシャンデリアなどの装飾品を配置できる。これらを配置すると、「巨像」内の雰囲気が上がっていく。上がれば上がるほど、キランダムな報酬を頻繁にもらえるようになるため、キャラの成長がよりしやすくなる。
滅亡した空の末裔の生き残りが世界を救うストーリー
物語の主人公は、17年前に暗鬼という悪の勢力に襲われ滅亡した「空の末裔」という特殊能力を持った種族の生き残りである。赤ん坊の頃、暗鬼の襲撃と共に、巨像の「ソラヴァン」と命からがら逃げ出した主人公は、暗い地下空間で17年もの間、外に出ることを夢見ながら、「ソラヴァン」の中で1人で暮らしていた。そんなある日、「バイス」という女性隊員が、暗鬼の襲撃から逃れようと地下へ落下、たまたま「ソラヴァン」が眠っている場所へとやってくる。ひょんなことから外へ出る道を見つけた主人公は、「バイス」と共に襲いくる暗鬼を振り払いながら、「ソラヴァン」に乗って青空へと飛び出した。
夢見ていた外の世界を探検するのも束の間、さまさまなトラブルに巻き込まれていく中で、暗鬼のリーダーが世界を巻き込む壮大な悪行をなそうとしていることを知る。「空の末裔」だけが持つ特殊な力と、「バルス」たちの力を借り、暗鬼の野望を打ち砕く冒険に出かける。
◆このゲームの良い点
ゴリ押しでは勝てない!奥深い戦闘システムが楽しい!
効率よく敵にダメージを与えていくには、同じ色のパネルをなるべく多く辿る必要がある。また、キャラクターの属性に合った色を辿らないと、リーダーキャラ以外は攻撃をしてくれない。かといって、パネルの上を一度通ってしまうと、ランダムな別色パネルに変わってしまうので、後のことを考えると、必要以上に自キャラと同じパネルを使いすぎるのも良くない。
これらを考えながら攻撃ルートを考えるのがなかなかに奥深く、非常に楽しい。「第2波に備えて、敢えて自チームの色とは違うパネルを通過しようかな」「相手から攻撃をなるべく受けず、でも最大ダメージを与えられるルートはどこかな?」といった戦略を練りながら戦えるので、やりごたえが非常に高かった。
全キャラに個別ストーリーが存在!
キャラを入手すると、キャラ同士で簡易的なチャットを行えるようになる。
キャラとの友好度を上げたり、メインストーリーが進行したりすると、チャットだけでなく、実際にキャラ毎のストーリーを見ることができる。ここでは各キャラのバックグラウンドや、メインストーリーでは描かれないちょっと抜けた部分を見ることができるため、自分のお気に入りキャラをもっと好きになれること間違いなしだ。
今のところ、チャットも個別ストーリーも、搭載されていないキャラはいなさそうに見えた。ミッション量だけでなく、キャラ一体一体にも徹底したこだわりを入れている点を見ると、「お金かかってるなぁ」と感じることができた。
キャラ被りほぼ不要!強化素材の入手手段も豊富!
ソシャゲというと、ガチャで同じキャラを何枚も引き、レベル上限を突破してもっと強くしていく、というのが鉄板の流れだろう。これだと、レア度の高いキャラは何枚も入手できず、いつまでも上限突破ができない。どうしてもしたいなら課金してガチャ引きまくるしかない。これでは無課金、微課金プレイヤーはどうしようもない。
しかし、本作の上限突破システムは同一キャラ被りではなく、専用アイテムを必要数消費すればOK。専用アイテムはショップで購入したり、ミッションクリア報酬でもらったり、「巨像」の設備で作成したりと入手手段も豊富で、最高レアリティのキャラでも比較的スムーズに上限突破できる。
また、キャラの育成は上限突破だけでは無い。キャラに好感度上昇アイテムを渡して好感度をあげたり、キャラ毎に自動で装備される専用装備をレベルアップさせたりと言った方法もある。上限突破用のアイテムが手に入らなくても、ここらを強化することで、クリア出来なかったらミッションをクリアできるようになることもあったりする。
一応、同じキャラを集めることでよりステータスを上げられる育成要素もあるが、それができるかできるかでステータスが全く変わってしまう、ということは無いので安心して欲しい。「レア度の高いキャラは課金しまくって集めないと使い物にならない」というソシャゲにありがちな悪い点を取っ払っている点は非常に評価できる点だった。
オート戦闘搭載で育成が楽!
昨今のスマホゲームではよく採用されているオート戦闘機能は、本作にももちろん採用されている。一度クリアしたミッションはオート戦闘で指定数勝手に回せるので、他のことをしながら、強化素材やお金を集めるミッションを周回プレイしてくれるのはお得だった。
スタミナ消費クエストが少な目!数多くのミッションをプレイ可能!
本作におけるスタミナに該当する「プリズム」。他のソシャゲと同じく、ゲームをするには必要数分消費しないといけない。ただし、本作に数多く用意されているミッションの中で、「プリズム」を消費するミッションの数は、「メインストーリー」「資源ステージ」「特定のイベントミッション」のみ。その他の「秘境探索」「サイドストーリー」「尖塔挑戦」は「プリズム」を必要としないのだ。よって、「スタミナ無いから回復するまでゲームできないや…」ということがほぼ無いといってよい。
また、「巨像」の施設「プリズムの柱」を有効活用すれば、プリズムが切れても「プリズムの柱」からプリズムを回収し、引き続きミッションを進めることが可能と、もはやスタミナの概念を考えずゲームをやり続けられるといっても過言ではなかった。
◆このゲームの悪い点
ストーリーは普通…可もなく不可もなく…
本作のメインストーリーは、可もなく不可もない王道オブ王道の物語が展開される。ただ、感動する要素や印象に残る要素があるかというと…ひねりがあるわけでも、伏線が張り巡らされて一気に回収するというわけでもなく、全てがサーっと通り過ぎてそのまま終わってしまったような印象だった。
ソシャゲなのでストーリーを求める人は少ないかもしれないが、ストーリーを求めてソシャゲをやるという人はあまり期待しない方がよい。
強いチェンジャーキャラがいないと積むかも…
キャラ毎に「チェンジャー」「スナイパー」ボマー」など得意とする戦い方が設定されている。その中でも「チェンジャー」に該当するキャラは別格だ。
「チェンジャー」はパネルを特定の色に変更するスキルを持ったキャラである。攻撃、移動をするには同じ色のパネルの上を通過する必要のある本作にとって、周囲のパネルを同一の色に変更し、移動手段を増やしてくれる「チェンジャー」のスキルは、腐る場面がなく、毎ターンのチームの攻撃力や機動力を安定して強化してくれる。
逆にいえば、「チェンジャー」キャラがチームいないと、各ターンの攻撃力や機動力が安定せず、ミッションをプレイする度に、どのパネルがどこに配置されるか、運任せになる部分が増えてしまう。
ゲームを始めてしばらくは、キャラのスキルに依存するせず、手に入れた高レアキャラを単純に強化していけばゲームを進めていけるが、中盤を過ぎたあたりからは、使いやすいスキルを持った「チェンジャー」がいるかいないかで、ミッションの進みやすさに大きな差が出るように感じた。
ストーリー終盤あたりからは強化に時間がかかる…
ストーリー終盤からは敵のレベルが上がるため、上限突破を複数回行い、キャラレベルをあげないと勝てない場面が出てくる。しかし、上限突破すればするほど、次の上限突破に必要な強化素材のレア度や数が増える上、レベル上げに必要な素材の数や金額も上がってくる。
その為、どうしても強化に時間がかかり、なかなか先に進めない。素早く進めたいのであれば、課金して強化素材を一気に沢山入手する必要があるので、ここまで来ると無課金や微課金プレイヤーだと進みが遅くなってしまう。
基本無料のソシャゲである以上、ここは仕方が無い部分でもあるが、本作をエンドコンテンツまで徹底してやり込みたいなら、かなりの時間を要するか、課金するかの選択を迫られるのは把握しておいてほしい。
◆まとめ
かなりの時間と予算をかけ、丁寧に作ったと思われる「白夜極光」。やりごたえ抜群の良作なので、「最近リリースされた面白いスマホゲーないかな~」と思って探している人は一度遊んでみてほしい!
では!