今回は、「Far Cry 5」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。
2018年3月に発売された本作。2005年の「Far Cry」から続くシリーズ作品で、マザーシップタイトル5作品目である。一体どんなゲームなのか、実際に購入し、エンディングまでプレイしてみたため、感想と、感じた良い点、悪い点をまとめていく。
なお、私が過去作にやったことのあるFarCryシリーズは、「Far Cry 4」のみだ。
◆個人的感想
総評
オープンワールドの王道をふんだんに取り入れたゲーム。やり込み要素も十分にあるので、これ一本で莫大な時間遊び尽くせる。
ただ、オープンワールドゲームの宿命か、どうしても飽きやすい。人によっては同じことの繰り返しで飽きてしまい、クリアまで行けない人もいるかもしれない。
筆者が初めて前作「Farcry 4」をプレイした時は、自由度の高さとボリュームに圧倒され、「何この神ゲー!」と驚いた。それはまだオープンワールドゲームの経験が乏しいからだった。それから月日が流れ、様々なオープンワールドゲームをプレイしてから「Farcry 5」に戻って来た時、どこかで見たことある感覚が、色々な方面で感じられた。
良くも悪くも、流行りのオープンワールドゲームそのまま、という作品。
- オープンワールドゲームが初めて
- Farcryシリーズがそもそも好き
という人は非常に楽しめるが、
- 過去に様々なオープンワールドゲームをやったことがある人
は、「なんか似たようなことを別ゲームでもやったよなぁ…」といった感覚に襲われるかもしれない。
◆このゲームの特徴
どこに行くのも、何をするのも自由!ザ・オープンワールドFPS!
本ゲームは「GTA」や「ホライゾンゼロドーン」のようなオープンワールドのFPSゲームだ。広大なフィールドを舞台に、様々な施設を回りながらミッションをクリアしていく。
ゲームの舞台となる「ホープカウンティ」は、自然豊かな田舎町だ。牧草が生い茂る草原から、大きな湖、険しい山岳地帯まで、大自然に包まれたマップを歩き回る。もちろん、オープンワールドであるため、どの場所にも行くことができる。
ミッションには、ストーリーに関わるストーリーミッションと、ストーリーには直接関係しないサイドミッションがあるが、どのミッションをどの順番で攻略していくかはプレイヤーの手にゆだねられている。順番にミッションをクリアするもよし、重装工兵がいるような難しい場所から進めていくもよし、サイドミッションを徹底的にクリアしてからストーリーを進めるもよしだ。各ミッションを指定数クリアすると、ストーリーが自動的に進んでいくシステムとなっている。
パークや武器改造による成長システム
本作の成長システムは、プレイヤーのスキルを解放していくPEAKシステムと、クレジットを払って武器のアタッチメントを拡張していく改造システムがある。
PEAKは、「チャレンジ」という特定条件を達成することで入手できるPEAKポイントを消費して解放する。PEAKには、グラップルやウイングスーツなどの移動力を増すものや、チェーンテイクダウン等の敵を倒す手段を増やすもの、最大体力増加や移動速度増加などの身体能力を強化するものなど豊富に存在する。どれをどの順で解放するかはプレイヤー次第である。
武器の改造は、武器屋で指定のクレジットを支払うことで、サイトを付けたり、サプレッサーを付けたりできる。高難易度のミッションになるほど、フル改造した強力な武器が必要になってくるので、計画的にクレジットを消費して武器を強化する必要がある。
味方と共にミッションクリアを目指すGFHシステム
本作では、NPCと一緒に行動できる「GFHシステム」がある。敵と遭遇すると、各キャラの攻撃手段に合致した攻撃手段を用いて、プレイヤーと共に敵と戦ってくれる頼もしい味方だ。
味方にするには、町中にいるキャラに話しかけるだけでOK。キャラ毎に
- アサルトライフルで突撃するキャラ
- スナイパーライフルで遠距離から仕留めるキャラ
- RPGを担いでとにかく爆発させるキャラ
などが存在する。
また、特に強い能力を持ったNPC「スペシャリスト」は、
- 戦闘機に乗って航空支援をしてくれるキャラ
- 犬や熊など、もはや人間ではないキャラ
まで味方になってくれる。「スペシャリスト」はどれも強力な分、仲間になるには専用のミッションをクリアする必要があるが、その苦労に十分見合った強力な性能も発揮してくれる。
オンラインでのCoop、マルチプレイ要素有り
本作には、シングルプレイ以外にも、オンライン機能を使用したモードが用意されている。
一つは、フレンドと共に「ホープカウンティ」内のミッションをクリアするCoopプレイ。過去作のFar Cryシリーズにも用意されていたモードだ。難しいミッションも、フレンドと一緒に連携して戦えばクリアしやすくなること間違いなしだ。
もう一つは、本作から新たに誕生したモード「アーケード」。このモードは更に大きく分けると、「クリエイトモード」と「プレイモード」に分けられる。「クリエイトモード」は、自分でマルチプレイ用のマップを制作するモードだ。ゲームルールから登場するオブジェクトの種類や配置、野生動物や敵対勢力の有無など、ありとあらゆる要素をプレイヤー自身の手で設定し、世界中に公開できる。公開したマップは、他のプレイヤーに遊んでもらい、評価してもらえる。他ゲームで例えるなら「スーパーマリオメーカー」がピッタリだろう。
プレイモードには、1人またはCoopモードでミッションクリアを目指すモードと、チームデスマッチなどのPvPモードが用意されている。どのモードとするかはマップ作り手の意思次第。中には使用する武器を制限し、変わった戦い方で勝利を目指すようなルールもある。
アメリカの田舎町を占拠するカルト宗教との戦いを描くストーリー
本作の舞台は、アメリカのモンタナ州に存在する架空の田舎町「ホープカウンティ」。
「ホープカウンティ」では、「ジョセフ・シード(通称ファーザー)」を教祖とする「エデンズゲート」という名のカルト宗教が、警察までもその手に収め、一つの独立国家を形成していた。
新人保安官である主人公は、複数人の保安官と共に、傷害・誘拐の罪で逮捕状が出ている「ジョセフ」を逮捕するために「ホープカウンティ」を訪れる。手錠をかけ、警察署に帰還しようとした最中、「エデンズゲート」の信者が襲い掛かり、帰還用のヘリコプターが墜落、信者により「ジョセフ」は救助され、仲間の保安官は次々と連れ去らわれてしまう。主人公も捕まりそうになるが、謎の男性「ダッチ」により間一髪のところを救助される。
「ダッチ」の隠れ家で「エデンズゲート」の解体を依頼された主人公は、それを達成すべく、敵だらけの広大な「ホープカウンティ」に足を踏み入れていく。
なお、「Far Cry 5」とナンバリングがついているが、過去作とストーリーの繋がりは全く無いので、「過去作をやったことがない」という人でも問題なく始められる。
◆このゲームの良い点
自由度の高さはピカイチ!やりたいようにミッションを攻略できる!
オープンワールドゲームといえば、何よりも自由度の高さが大きな利点。ミッション攻略には、敵が大量にいる施設に潜り込む必要があるが、その潜り込み方も、敵にバレずに侵入するステルス戦法を取ってもよいし、正面から機関銃片手に強行突破するのもよしだ。時には戦闘ヘリに乗り込み、上空から一方的に銃撃して殲滅する戦い方でミッションクリアしたりもした。
ステルスで行くか、一気に突撃するか、装甲車に頼るか…この戦い方のバリエーションの多さ、自由さが、まさにオープンワールドの良さであり、本作もそれをそのまま実現していた。
中には登場する敵が強く、自分が取った戦法が合わない場合もある。敵の数があまりに多かったり、強力な装甲を背負って中々ダメージが入らなかったり、はたまたクスリを決めて人外なパワーを発揮して襲いかかってくる厄介な敵もいる。
そういった時も、「じゃあこういう攻め方だと上手くいくのかな?」と試行錯誤し、無事ミッションクリアできた時は、非常に達成感があった。
収集物、サイドミッション…やり込み要素が盛り沢山!
用意されているミッションの数は、メインストーリー以外(サイドミッションやプレッパーの宝)も加えると100個相当。全部クリアしようものなら、100時間以上は優に超える量で遊べる。マルチプレイ要素であるアーケードまで入れればそれこそ無限に遊べてしまう。
また、ストーリーをクリアした後には、最難関の難易度が解放され、「強くてニューゲーム」状態でもう一度頭から遊べるようになる。PlayStationの用意するトロフィーの中には、最難関のモードでゲームをクリアするトロフィーもあるので、1週目は純粋にストーリーをクリア、2週目に最高難易度で初めて全ミッションをクリアする、という楽しみ方もできる。
このやり込み要素の豊富さはさすがオープンワールドゲームだな、と感じた。
メインストーリーばかりを追う遊び方をしても、クリアまで20時間弱かかるボリュームがあるので、メインストーリーだけ追う人でも値段相応には楽しめるはずだ。
ショートカット機能が充実!移動が非常に楽!
広大なマップを移動することになるオープンワールドゲームでは、移動がとにかくダルい…始めは綺麗な自然に囲まれながら楽しく移動できるが、次第にただの作業になってしまうものだ。
そのめんどくさい移動面をカバーするための機能が、本作では充実している。一度行った拠点の大半は、ショートカットの移動先に指定することができる。その数も豊富にあるので、受注したミッションの実施場所が遠かったとしても、一度その周辺を探索してしまえば、ショートカットを利用してすぐそばまで一気に移動できる。
また、本作ではそこら中にバギーや車などの乗り物が置かれており、自由に乗り込める。さらに、目的地を指定すれば、オートで目的地まで運転してくれる「自動運転」も存在する。ちょっと遠い場所に行く必要がある時も、近場で乗り物を確保し、「自動運転」で目的地まで移動できるので、非常に楽ちんだった。
FPS初心者でも操作しやすい親切システム!
FPSゲームは、操作がかなり難しいゲームジャンルにあたる。あまりゲームをやらない人にとっては、まったく思った通りの操作ができず、「面白くない!」と感じてしまうだろう。
だが、本作にはそんなFPS初心者でも操作しやすいシステムが用意されている。
1つ目は、強烈なエイムアシスト。L2ボタンを押して武器のスコープを覗いた際に、すぐそばにいる敵に勝手に照準が合ってくれる「エイムアシスト」が付いている。エイムが苦手でも、ある程度敵に狙いを定めるだけで、簡単に敵を撃つことができるのだ。
2つ目は、敵の自動マーキング。双眼鏡で敵を見ると、敵が赤くハイライトされる。ハイライトされた敵は、壁越しでも姿を表示してくれるので、「敵がどこにいるかわからない…」といった状態になることを防止してくれる。
「いや、それでも下手なんです…」という人でも大丈夫!難易度設定も搭載されているので、自信が無いなら難易度を下げておけば安心だ。ただし、難易度は一度決めると途中で変えられないので、少しでもFPSの自信が無いなら、初めから難易度を下げておくことをオススメする。
◆このゲームの悪い点
同じことの繰り返しで飽きやすい…
各ミッションはどうしても
ミッション受注 → 目的地へ移動 → 目的地でミッション攻略 → クリア
を繰り返すばかり。ミッションの内容こそ、敵の殲滅や拠点防衛などいくつか種類があるが、それでも「襲い来る敵を全員倒せば終わり」なので、あまり代わり映えしない。ストーリーミッションはある程度歯応えがあったり、ストーリーを追ったりする楽しみがあるが、ゲームの大半を占めるストーリー以外のミッションは同じことの繰り返しになってしまうため、人によっては飽きを感じやすい。
また、飽きやすさの要素の一つには、攻略方法が画一的されてしまっている点もある。本作にはライフルやショットガン、スナイパーライフルといったメジャーな銃器から、グレネードランチャーやRPG、弓矢など様々な武器が用意されている。しかし、これらをフル活用することがあるかというと、そんなことはない。ミッション攻略はステルス戦法が一番の近道なので、どうしても遠距離から偏差をほぼ考えず1発で仕留められるスナイパーライフルと、接近戦で戦いやすいサプレッサー付きアサルトライフルや、近距離1発のショットガンを装備して、こればかり使って終わり、となってしまいがちだった。
「基本的には敵を殲滅すればミッションクリア」というミッションバリエーションの少なさから、色んな攻略方法を試せるオープンワールドの旨味があまり活かせていない点が残念に感じた。
ストーリーは人を選ぶかも…
FarCryシリーズは、過去作から「勧善懲悪」ではない、シニカルな展開が繰り広げられる作品が多く、本作もその要素は引き継がれている。
ゲームを始めたプレイヤーには、「カルト教団」である「エデンズゲート」は、まさに悪の組織として映る。ストーリーが進むたびに、「ファーザー」やその家族たちがしきりに「世界の破滅」という言葉を放つが、それが一体何なのか、特に明かされることは無いまま進む。プレイヤーからすれば「本当に頭のおかしな団体だな」というようにしか映らない。しかし、エンディングまで到達すれば、その言葉に意味が何なのかわかる。そのストーリー展開がだいぶ胸糞悪いので、人によっては「何この駄作…」ともなってしまうかもしれない。
また、ただストーリーミッションをクリアするだけでは、登場キャラクターやエデンズゲート、および世界情勢の背景を十分に説明してくれないので、若干「?」が残る終わり方になってしまう。フィールドに散らばるメモやテレビ放送の中には、これらの情報をまとめているものがあり、これを手に入れないと細かな背景がわからないつくりになっているので、「サクッとプレイしてストーリーだけ楽しみたい」という人にはイマイチ肩透かしな状態でエンディングを迎えてしまうだろう。
アーケードのマルチプレイはもはや過疎状態…
2021年7月末時点で、オンラインプレイはほぼ過疎状態。せっかく本作の大きな特徴としてアピールしていたオンライン要素「アーケード」が、もはや息していない状態だった。また、PlayStationのトロフィーのいくつかにはオンラインマルチプレイをやらないと取得できないものもあるため、トロフィーコンプリートももはや絶望的だ。マルチプレイに期待して購入したり、プラチナトロフィー取得に期待して購入するのはやめた方がよい。
一応、アーケードの中でも、1人でプレイできるモードは今でも変わらずプレイ可能だ。
アプリの強制終了バグがちらほら…
アプリが不安定なのか、プレイ中に強制終了してしまう場面がちらほら。ストーリークリアまでの間で5回以上は強制終了していた。特に、オンラインに接続した状態の時に頻繁に発生しているように感じたため、強制終了が絶対許せない人は、オフライン状態にして本作をプレイすることをオススメする。
なお、強制終了しても、オートセーブが頻繫に行われているため、ちょっと前の状態からやり直しがきく。これまでの頑張りがまるまる消えてしまう、ということはないのでそこは安心してほしい。
◆まとめ
良くも悪くもよくあるオープンワールドゲームである「FarCry5」。最近はセールとしてPS STOREに並ぶことも多いので、気になってるプレイヤーは買ってみても良いだろう。
では!