秋吉ブログ

20年以上にわたり様々なゲームをやりまくっている、ゲーム大好きな管理人「秋吉」が書くブログです。ゲーム情報を盛り沢山出していきます。ゲーム以外の情報も時々…

【英雄伝説 黎の軌跡】神ゲー?クソゲー?プレイした感想などをレビューしてみた!

今回は、「英雄伝説 黎の軌跡(PS5版)」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。

なお、ストーリー終わりまでプレイし続けた上で感じたことを全て書いていくため、若干のネタバレが入る。「少しでもネタバレしたくない!」という人は気を付けてほしい。

(本記事の情報は2022/9/20時点を元にしている)

 

 

◆個人的感想

総評

本作で1番目を見張ったのは、アクションとコマンドを綺麗に連結させた戦闘システム。これは他のどのRPGも、是非参考にすべきと言えるぐらい、非常に満足できる作品となっていた。アクションRPG×コマンドRPGの組み合わせをしっかりと考えれば、ここまで素晴らしいゲームになってくれるとは、と感動した。

また、グラフィックもリアル志向な高グラフィックではないものの、それでもムービー中、戦闘中、移動中のどのタイミングをとっても、全体に美しく、安定感のあるグラフィックを作れており、ストーリーの世界観に文句なく入り込むことができた。

その他、登場するキャラ一人一人にしっかり用意された色付けや、細かなユーザビリティ性の高さも、このゲームの評価を底上げしてくれる、非常に良い点であった。

ストーリー後半のテンポ感の悪さや、長編作品であることによる新規参画者お断り感、その他細かな細かい不満点は気になる点ではあったものの、RPG好きであれば購入すべき良作だ、と考える。

 

こんな人にオススメ!

  • 何十時間も遊べる壮大なストーリーを味わいたい!
  • コマンドRPGもアクションRPGもやりたい!
  • 様々な成長システムや数多くのやり込み要素が欲しい!

という人にはオススメできる。逆に

  • 過去作との繋がりは全くない方がよい
  • ストーリーがこの作品だけで完結して欲しい
  • ストーリー進行はテンポ良く行きたい
  • あまりに複雑なゲームシステムは苦手

という人はあまりオススメできない。

 

◆このゲームの特徴

コマンドとアクションを組み合わせた新RPG

「軌跡シリーズ」はドラクエやFFにあるような、いわゆるコマンド型のRPGだ。

ただし、ドラクエなどと異なる点は、コマンド選択中にキャラを動かすことで、

  • 敵の側面や背後を取ったり
  • 攻撃範囲内に敵を収めるように調整したり
  • 敵から物理的に距離を離してヘイトを買わないようにしたり

といった、ちょっとしたシミュレーションバトル要素も入ってるのが大きな特徴だ。

コマンドを選ぶ画面でキャラの立ち位置も操作。如何にして敵は不利に、自身は有利になるよう配置するか、が大事だ

技ごとに効果範囲やおまけ効果が指定されている。上手いこと追加効果が発動する位置まで陣取りたい

コマンドバトルでは、通常攻撃、クラフト(特技)、アーツ(魔法)、アイテムといったコマンドを選択し、行動を決める。クラフトは攻撃方向によって発生する追加効果、アーツは敵によって弱点属性が存在するため、指定方向からの攻撃や、敵の弱点を突く戦い方をすれば、格上の敵とも対等に戦える。

また、前回取った行動によってキャラの行動順が入れ替わるため、時間をかけてでも強力な技を出していくか、素早い技を連続して出していくか、という選択をしていくことになる。

高火力のアーツを放つと次の攻撃が遅く、低下力のアーツほど続きの攻撃までが早い。どちらを使うか、状況に応じて使い分けていく

このようなコマンドバトルに加え、本作ではまるでアクションゲームの如く、フィールド上で敵とリアルタイムで戦う「フィールドバトル」を採用している。更にフィールドバトルからコマンドバトルへとシームレスに移行する新システムの採用までしている。

フィールドバトルからコマンドバトルへは、□ボタンで一つでいつでも切り替え可能。雑魚敵はフィールドバトルでサクサク倒していき、強敵はフィールドバトルで弱らせた上でコマンドバトルへと切り替える、という戦略的な戦い方ができるようになっている。

アクションパートでは、弱攻撃、溜め攻撃、回避を駆使して敵を攻撃する

その後はプレイヤー自身の任意のタイミングで、コマンドパートに自由に移動ができる

 

多種多様な強化システム

本作でキャラの能力を上げる方法は大きく3つ。

まずはお馴染みレベルアップ。敵を倒していくと経験値が手に入り、一定量の経験値が手に入ればレベルアップし、各種ステータスが増加する。

 

続いてXipha(ザイファ)上での各種パーツ導入。各キャラは「ザイファ」という高性能スマートウォンを持っており、それを経由して

  • アーツドライバ
  • ホロウコア
  • クォーツ

という各種キットを選択、埋め込みしていくことで、キャラの能力を強化できる。

アーツドライバは、戦闘中に使えるアーツの種類をまとめた装備品。種類によって扱えるアーツが変わるため、ステージやキャラの成長度合いに応じて、使用するアーツドライバを切り替えていくことで、難しいステージでもよりクリアしやすくなっていく。

戦闘中に使用できるアーツをカスタマイズする「アーツドライバ」

ホロウコアは、戦闘時や装備編集時に流れる音声付AI。ただ喋ってくれるだけでなく、ホロウコア毎に異なるステータス上昇効果を持っているため、キャラの特徴を伸ばす形で最適なホロウコアを選ぶことになる。更に、ホロウコア自体を使い込むほどレベルが上昇し、より性能の高い追加効果を獲得できるようになる。

ホロウコア毎に、音声が変わる以外にも、ステータスの増加度合いが異なる

最後にクオーツは、キャラの体力や攻撃力、特定状況における戦闘能力向上等の様々なステータスを、細かい単位で増加させるアイテム。非常に沢山の種類が存在しており、どのクオーツをどこに埋め込むか、によって、体力を大きく増加したタンクにしたり、素早さと回避力を上げた忍者スタイルにしたりと、キャラの性能が大きく変わる。

クオーツをセットする位置によって、ステータス上昇効果だけでなく、様々な追加効果も獲得可能

そのほか、各キャラにプレゼントを贈ることで親睦度を上げ、その分キャラ性能を向上させたり、各章クリア時のMVPキャラが追加の性能アップを手に入れたりと、細かな強化方法もいくつか用意されている。

 

街中にはびこる悩みを解決する「4spg」

やり込み要素の一つにもあたる「サイドクエスト」。本作ではそれを「4spg」という形で取り入れている。

「4spg」とは、ストーリー進行中の決まったフェーズで、掲示板に掲げられているお助けクエスト。受注後は指定の人物と会話したり、指定のボスを倒したりすることで、サイドクエストクリアとなる。

街中にいる人物と会話を繰り返す事でクエストが進行したり、特定の場所に現れるボスを倒したりすることでクリアとなる

4spg進行中、時折選択肢が現れることがある。その際にプレイヤーが選んだ選択肢によって、「LGCアライメント」という3種類の行動属性値「LAW」「GRAY」「CHAOS」が変動する。この属性値に応じて、主人公のパラメータの一部が変化したり、ストーリー展開や共闘勢力、敵対勢力に変化が生じたりする。

4spg任務中に時折現れる選択肢。どれを選ぶか、によって、後述するステータスや、サイドクエストのストーリー進行も変わってくる

選択したルートによって、増加するステータスが変わる。その結果、ストーリーの一部も変わってくる

 

「ゲネシス」をめぐる【A】との対立を描いた壮大な物語

物語の舞台は、ゼムリア大陸中心に位置する国「カルバード共和国」。優秀な政治手腕を持った大統領の元で、かつてない好景気を迎えている大きな国だ。

本作の主人公は、そんな「カルバード共和国」にて、「裏解決屋(スプリガン)」という、表の世界にも裏の世界にも属さず、非常にあいまいな立場で仕事を請け負う青年「ヴァン」。町の治安維持活動に始まり、警察やギルドにも相談できない悩みの解決、裏社会に生きる人間からの依頼など、依頼相手の立場は気にせず、彼の流儀に沿った依頼であればなんでも受け付ける、正に「何でも屋」だ。

本作の主人公で、何でも屋である裏解決屋を営む「ヴァン」

「アークライド解決事務所」の看板を掲げながら「裏解決屋」としての仕事をこなす「ヴァン」のもとに、ある日突然、育ちの良い少女「アニエス」が訪れる。

彼女の依頼は「曾祖父の遺品を集めてほしい」とのこと。一見すると警察などに任せれば良さそうな依頼のため、一時は突っぱねる「ヴァン」であったが、少女の持つ芯のあるまっすぐな視線と、彼女が探している遺品の持つ強力な力の鱗片を見た「ヴァン」は、その依頼を受け入れることになる。

そこから、「カルバード共和国」全土を巻き込む壮大な物語に、彼らは巻き込まれていくこととなる。

少女「アニエス」との出会いが、「ヴァン」を大きな陰謀渦巻く物語へと巻き込んでいく

不敵な笑みを浮かべる、いかにもヤバそうな雰囲気の人物。彼の目的とは何なのか…壮大な物語が幕を開ける

 

◆このゲームの良い点

アクションからコマンドの瞬時切り替えは革新的!

筆者はこれまで数多くのRPGをやってきたが、本作のような「アクションとコマンドが両方一度にできるRPG」は見たことがない。それを実現し、両者が見事に融合した本作は、素晴らしいゲームシステムだったと感じた。

 

コマンドRPGの欠点として、操作キャラのコマンドを選び、敵のターンを迎えて…という繰り返しとなることから、どうしても戦闘テンポの悪さが目立ってしまう。そこに対して本作では、アクションパートというリアルタイムバトルを可能にしたことで、敵の攻撃を回避して即反撃、という繰り返しで雑魚敵との戦いをサクッと終わられられるテンポの良さを実現していた。

アクションは苦手、と言う人でも大丈夫。アクションバトルでやれる行動はせいぜい、移動、弱攻撃、ため攻撃、回避、操作キャラ変更の4つしかないため、そこまで複雑な操作は要求されない。少しゲームをプレイしていけば、アクションゲームが苦手な人でもすぐになじめる。

 

ちなみに、アクションバトルで敵に与えられるダメージと、コマンドバトルで与えられるダメージとでは、2倍~3倍の違いがある。ちょっとレベルの高い雑魚敵を相手にした場合は、アクションバトルだけではなかなか倒せない。

なので、基本的にはアクションバトルで敵の体力を減らす&コマンドバトルへと切り替えて攻撃していく、という流れになる。アクションとコマンドのどちらも均等に使うバランス感も実に見事であった。

このゲームをプレイした後、他のアクションPRGやコマンドRPGをプレイすると、他のゲームの戦闘テンポの悪さにやきもきしてしまうのでは?と感じてしまうほど、画期的でよい戦闘システムだった。

 

キャラが全員魅力的で際立っている!

数多くのキャラが登場する作品である本作。あまりにキャラ数が多いと、目立たないキャラが発生しがち。

しかし、本作ではメインキャラや敵キャラ、サブキャラに至るまで、全員に魅力が詰まっており、プレイヤー側を非常に楽しませてくれた。

 

メインキャラの1人である「ヴァン」。裏解決屋というグレーな職業柄、貸し借りをかなり気にし、人助けにもお金を要求するという、パッと見は冷たい印象があるキャラ。しかし彼自身、裏解決屋を始めた時から持つ「ブレない芯」が存在しており、その芯に刺さる依頼であれば、急ぎかつ無償であっても即決して助けるような男前さも持っている。主人公としての風格はかなりのものだった。

そんな「ヴァン」の好物はスイーツとサウナと車。これらの話が出ると、いわゆる「オタク化」してしまう点も、妙に惹きつけられる魅力を持っていた。

大人な雰囲気のある「ヴァン」だが、甘いものを前にすると人格が変わってしまうところが妙に親近感がある

その他にも、

  • 物語の発端となる依頼を「ヴァン」に持ち込んできた、優等生ながらも意外と頑固なところのある「アニエス」
  • 幼い頃から戦士として戦場に立ち続けていたため、戦闘技量はあるがちょっと世間知らずな少女「フェリ」
  • 巨大マフィアの重鎮を親族に持ち、舞台役者として仕事をする傍らちょくちょく暴力事件を起こす、ちょっとキザな青年「アーロン」

など、一癖も二癖もあるキャラが多く、見ていて非常に楽しかった。

 

敵キャラもこれまた魅力的。本当に「悪役」と言えるようなヤバい人から、自分自身の信念に従って行動している人、可哀想な生い立ちを持ち、同情したくなるような人など、彼らが抱える背景も実に様々。敵キャラの中にもお気に入りのキャラが見つかること間違いなしだった。

ちなみに筆者はオランピアが気に入っている。

ストーリーを彩る敵キャラの数々…彼ら一人ひとりのキャラもかなり立っており、物語に彩を与えてくれる印象だ

その他、物語にちょくちょく登場するノンプレイヤブルキャラも、どういう人物なのか、主人公達とどういう関係があるのか、といった点が丁寧に描かれるし、一回出てきて終わり、というような雑な使われ方をするキャラはいなかった。

 

バグもなく、快適なユーザビリティ性!

本ゲームの操作性は全体的に良好。マップ間のショートカットもボタン一つで行き先を決められたり、装備画面やステータス画面への移動も短い動線で行けたり、ストーリー進行の目的地とサイドクエストである4spgの目的地とが、マップ上できちんと色分け表示されたり、とにかく「不便」と感じる点は解消されていた。

 

さらに、PS5版では、PS4版とは異なる追加要素も兼ね備えており、よりやり易さが上昇していた。

倍速機能「ハイスピードモード」の実装

戦闘中や移動中、ムービー中などのキャラの動きを早くできる「ハイスピードモード」が実装されたことで、マップ間の移動が非常に早くなり、目的地までサッと到達できた。戦闘も高速で行われるため、RPGにありがちな、「コマンド選択して攻撃エフェクトを待って…」みたいな戦闘時間の長時間化に悩まされることなく、一気に戦闘を終えられる。

更に、倍速度合いもフィールドバトルは1.0倍から2.0倍、コマンドバトルは2.0倍から4.0倍まで自由に設定できる点も嬉しい。

ハイスピードモードと通常モードの切り替えはボタン一つで超簡単なのもありがたい。

戦闘スピードや移動スピードを高速にできる「ハイスピードモード」。ゲームプレイが非常に快適になる
過去の出来事や用語集の実装

一つの大きな大陸を中心に物語が進行するシリーズものである「軌跡シリーズ」。本作の登場までに実に10本もの作品が作られており、かつその全てが繋がっているため、筆者のような過去作をやったことがない人にとっては、時代背景や登場用語が掴めず困ってしまう。

そんな人向けに、過去作で登場した人物や出来事の背景説明、本作に登場する専門用語の説明など、専用の用語集、説明資料となる「PRESTORY」を実装している。これにより、新規でも『ある程度は』入りやすい仕組みを構築している。

過去作に起きた出来事や、「軌跡シリーズ」専用の専門用語の説明をちゃんと行ってくれる「PRESTORY」。これのおかげで、新規参画者でも遊びやすくなっている

 

昔ながらのアニメ調をベースにした美麗グラフィック!

リアル志向を目指したグラフィック作品が多い中、本作は昔ながらのアニメ調なグラフィックをそのまま採用している。

アニメ調だから、と言って手を抜いているわけではなく、建物1つ1つの質感や、遠くまで見える風景など、実際にアニメの中に入ってキャラクターを操作しているかのような、没入感がある美麗グラフィックになっていた。

「ヴァン」専用のホロウコア「メア」の姿。アニメ調を活かした綺麗なグラフィックだ

田舎町、学術都市、川辺の町…奥の風景まで含め、訪れる街の雰囲気がしっかり描かれている

戦闘中の描写も非常に綺麗。キャラクターが放つ技それぞれにしっかりとエフェクトが付けられ、カクツキも無くヌルヌルと動いてくれるため、戦闘画面にのめり込める臨場感があった。ハイスピードモードで流していてもテクスチャずれは起きず、常に迫力ある戦闘を楽しむことができた。

派手なエフェクトを駆使して発動するアーツも見ごたえ十分!威力も申し分なし!

「フェリ」の技の一場面。まさに「最強の一撃!」ともいえるような、見応えあるエフェクトだ

 

◆このゲームの悪い点

ストーリーが完全解決しない…

本作はストーリークリアまででもかなりのボリューム。筆者はハイスピードモードを常に駆使し、4spgなどのサイドクエスト要素を9割以上消化した上で、ストーリークリアに60時間ほどかかった。

そこまで長時間かけてゲームをしても、なんと本作のストーリーは完全解決しない。一応、ボス的な立ち位置にいる敵を倒して野望を防ぐ、という、エンディングっちゃエンディング的な終わり方はするものの、ストーリーの起点となる「アニエス」の依頼は完全解決しない。序盤からずっと意味深に描かれ続けている伏線のいくつかも、結局完全に明かされることが無いまま終わってしまう。

個人的には「え?ここまでプレイしたのに、そんな中途半端な感じで終わっちゃっていいの?」という点は否めなかった。

 

が、軌跡シリーズは昔から、何作にも続いてストーリーを展開していくシステムを取る作品。本作から始まったストーリーテリングではない様だ。なので、「これはそういうもんだ」と割り切って遊んでいくしかないだろう。

 

物語後半のストーリーテンポはちょっと悪め…

完全エンディングとはならなくても、60時間全体通して濃密な良ストーリーを楽しめるのか、というと…後半の20時間ほどは、引き延ばし演出が過ぎてだらっとした展開が続き、結構ダルく感じてしまった点はぬぐえなかった。

 

その要因は大きく2つある。

一つは「ストーリー進行上、4spgのクリアが必須であること」だ。ストーリー途中にたびたび訪れる休憩パート的な部分では、「4spg」をいくつかクリアすることが要求され、クリアしないとストーリーが進まない。

物語中盤までは、ストーリーの雰囲気と「4spg」が嚙み合っているため、そこまで違和感が無かったが、後半のシリアスなストーリー展開中でも変わらず「4spg」のクリアが要求されるため、せっかく盛り上がったストーリーテンポを大きく落とす要因にしかなっていない。「4spg」の内容がストーリーに絡むことも一切ないため、「やりたい人がやればいいおまけ要素」レベルにしておいた方が良かったのではないか?と強く感じた。

 

もう一つはボスラッシュの多さだ。ストーリーの後半では、正に物語の集大成と言えるようなボスラッシュが待っている。ただこのボスラッシュを、不必要に引き伸ばしているような展開が強制させられることになる。

そのことに何か意味があったのか、というと…正直「ストーリーをただ長くするために入れただけで、やる必要ない要素なんじゃないか?」と感じてしまった。

 

どうしても過去作を引きずる点が多い…

これまでの軌跡シリーズとは全く異なる、新しい国、新しい人物にスポットを当てた新ストーリーを描く本作。

が、そこはやはり何年も続いている軌跡シリーズ。ストーリーを進めていると、

  • 主人公「ヴァン」とサブキャラは、2年前の事件の裏でこんなことをしていた
  • 1年半前の出来事と今回の事件とでこんな相違点がある
  • 登場人物は、過去作に出てきたとある組織のキャラクターである

など、過去作をやっていないとわからないことが出てくる。サブクエストにちょっと出る、とかいうレベルではない。体感、結構な回数だった。

「PRESTORY」を読んだら理解できるか、とも思ったが、こっちは本当にざっくりとした出来事を書いているだけなので、これだけではイマイチわからない。

筆者が本作をやる前に、「新しいストーリーなので、過去作未経験でも全然入っていけます!」というプレイレビューをYouTubeなどで見たが、「半分正解で半分間違っているな」というのが、実際に本作から初めて軌跡シリーズをプレイした筆者の感想だった。

 

「前作までを知ってないとストーリーに全くついていけない」ということは無く、登場人物の紹介や、自分達のいる組織の説明等、ちゃんと全体の関係図や流れは理解できるようにはなっているので、そこは安心してほしい。

ちなみに、筆者は本作をやり始めてちょっと経った際に、過去の軌跡シリーズのあらすじをまとめたYouTube動画を見て、おおよその時代背景を追っていったため、だいぶ話が理解しやすくなった。初めて軌跡シリーズをやるなら、YouTubeで過去作のストーリーを事前に見て理解しておくことをオススメする。

 

戦闘、育成、ストーリー等のあらゆる点で専門用語が多い…

長い間続いてきた「軌跡シリーズ」。その反動か、成長システムや、戦闘時に使用するコマンドの数、ストーリー上把握しておくべきことなど、とにかく本作専用の専門用語が多く、覚えるべきことが非常に多い。

前述しただけでも、

  • アーツ
  • クラフト
  • アーツドライバ
  • ホロウコア
  • クオーツ
  • LGCアライメント

と、多くの専門用語が出てきている。これ以外にも、

  • Sブースト
  • Sクラフト
  • シャードスキル
  • ATボーナス
  • オーブメント
  • CP
  • EP

等々…あげていくときりがない。

ゲームに慣れている人であれば、しばらく遊ぶ中で「こういうことね」と理解できるが、あまりゲーム自体やらない人にとっては、あまりに複雑で、中々システムを理解しきれないのではないか?と心配になるほどであった。

 

バグ?仕様?…若干気になる問題点がチラホラ…

バグなのか仕様なのかわからないが、ちょいちょい気になる要素がある点が気になった。

 

キャラクターのボイス消失

本作はフルボイスではなく、ストーリーの要所要所で音声が吹き込まれるのみ。それだけなら特に問題は無いが、なぜかキャラ同士の会話の中で、特定のキャラは音声有りなのに、他のキャラは音声が無い、という場面が頻発する。

その発生条件に一貫性は無い。

  • 主人公だけボイスが無く、新キャラおよび仲良くなった既存キャラだけ声が付いたり
  • 主人公一行は全くボイスが無く、ぽっと出のキャラにボイスが付いていたり
  • もともとボイス付きで話してたのに、何故か会話の途中で急にボイスが消えたり

と、どういう仕切りで音声有無のすみ分けがされているのか全く分からず、かなり気になった。

 

キャラクターが目を瞑ったまま喋る

本作では、キャラが話し始める時、目を閉じた状態から喋り始めるように作られている。しかも、そのキャラが1センテンス読み終わるまで、ずっと目を閉じたまま喋り続ける。

慣れてくればそこまで気にならないが、シリアスな場面でも、陽気な場面でも、キャラの表情が必ずこのように組まれるため、しばらくはかなり気になった。

セリフを言い始めると、1センテンスを言い終わるまで絶対に目を開けない…これにはこちらも「気になって」しまう…

 

 

 

◆まとめ

ストーリー後半のテンポ感の悪さや、過去作から続く部分が結局存在し、新規には「?」となる部分があるような不満点はありながらも、アクションとコマンドの両立や、痒い所に手が届くユーザビリティ性など、楽しめる部分も十分にある本作。

いい作品であることは間違いない。壮大な物語に触れたい、という人は是非ともプレイしてみてほしい。

筆者は続編の「黎の軌跡Ⅱ」も、もちろん購入予定だ。

 

では!