秋吉ブログ

20年以上にわたり様々なゲームをやりまくっている、ゲーム大好きな管理人「秋吉」が書くブログです。ゲーム情報を盛り沢山出していきます。ゲーム以外の情報も時々…

【真・女神転生Ⅴ Vengeance】プレイした感想、良い点、悪い点をレビューしてみた!

今回は、Nintendo Switch版の「真・女神転生Ⅴ Vengeance」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。

(本記事は2024/7/30時点の情報をもとにしている)

2024/6/14に発売された本作。元となっていた「真・女神転生Ⅴ」は2021年に発売されており、それらに様々な要素を足した、所謂「完全版」である。一時は「完全版商法だ」と少し炎上した程。

筆者は元作品はおろか、本作が初めてのメガテンシリーズだ。用意されている前ストーリーをクリアしてみたので、このゲームを遊んだ感想をまとめてみたいと思う。

 

 

◆個人的感想

総評

  • 超ボリューム
  • 戦闘のやりごたえも十分
  • 育成も楽しく
  • グラフィックも良く
  • ストーリーも魅力的

と、「完全版」という名にふさわしい、非常に良い作品だった。一部不満に思う場面はあるが、それでもコマンドRPGが好きなプレイヤーは、全員楽しめること間違いない。

是非ともオススメできる作品だ。購入してプレイしてみてほしい。

 

どんな人にオススメ?

  • 超ボリュームのゲームを遊びたい!
  • 歯応えのあるゲームがやりたい!
  • モンスター収集、育成などが好き!
  • ストーリーを重視したい!

という人はオススメできる。逆に

  • 時間がかかるゲームはやれない
  • 基本的に攻略サイトを見ながら進める
  • 探索要素やサブクエ要素があまり好きではない

という人は、あまり向かないため気をつけてほしい。

 

◆このゲームの特徴

広大なマップを探索し、ボス撃破を目指すコマンド型RPG

本作は、「ドラクエシリーズ」や「FFシリーズ」のような、ステージを探索しながら目的を達成し、奥にいるボスを倒すことを目指すコマンド型RPG作品である。主人公キャラの育成だけでなく、一緒に戦う仲間(仲魔)を集め、育成し、共に戦う、正に「ドラクエモンスターズ」のような要素も備えている。

拾いフィールドを歩き、道中にたむろする敵を倒したりかわしたりしながら目的地へ向かう

スキルやアイテムなどのコマンドから行動を選択し、状況を打破していく戦闘

本作に用意されているマップはいずれもかなり広く、且つ入り組んで作られているため、非常に探索し甲斐のあるマップ構造になっている。また、マップの各地には様々な収集要素やサブクエストが用意されており、クリアすることで特典が手に入る。

最初に訪れるマップの全体図。これでもまだ全容表示ができていないほどに大きい

マップの各地には、何かしらの悩みを抱えた悪魔や人間が存在することも。解決すれば様々なアイテムを入手できる

 

敵味方の相性で攻撃可能数が変動する「プレスターンバトル」

本作の戦闘は、最大4人の行動を指定して戦うコマンド型RPGだ。普通のコマンドRPGとは異なり、攻撃属性との相性によって行動可能回数が変動する「プレスターンバトル」がある。

敵の弱点を突くと行動可能回数が1回分増え、最大8回まで行動できる。逆に、耐性属性で攻撃すると行動回数が減る。この条件は敵も同様だ。如何にして敵の弱点を突き、逆に敵の攻撃への耐性をどう設けるか、どのタイミングでどんな行動をとるのか、戦略性が非常に大切な戦闘システムである。

画面右上に見える青い円形のアイコンが行動可能回数。通常では4回まで行動できる

有利属性やクリティカル攻撃を当てれば、右上のアイコンが1つ光る。この分、行動回数が増える

不利属性を当てると、アイコン数が激減する。敵の弱点を突き、こちらの弱点を突かれないような戦いが重要だ

戦闘行動内容によってマガツヒゲージが溜まり、最大になると特殊なスキルである「マガツヒスキル」を利用できる。攻撃全てがクリティカルヒットしたり、受ける攻撃を減らしたり、次ターンの攻撃回数を変動させたりなど、いずれも戦況を逆転できる程の強力な性能を持っている。どのタイミングでどのスキルを利用するのか、選択が非常に重要になる。

攻撃全てがクリティカルとなる「禍時:会心」。プレスターンアイコン数を用意に増やすことができ、非常に強力なスキルだ

「復讐の女神編」では、仲魔となる悪魔以外にも、ストーリーの進行状況に応じて、サブキャラクターがゲストキャラとして戦闘に参加してくれる。通常は主人公しかできないアイテム使用を初めから利用できるなど、非常に便利な性能を誇っている。

NPCである「磯ノ上タオ」を操作可能。キャラ毎に様々な特徴がある

 

プレイヤー、仲魔それぞれに用意された多数の育成システム

主人公では、戦闘終了時や各種クエスト攻略時に手に入る経験値を一定数集めることでレベルアップができる。入手できるスキルポイントを、 5つのスタータスへ自由に配置し、好きなスタータスを順に強化していける。

レベルアップで手に入るポイントを割り振って、身体能力の強化を行う

また、道中で手に入る「神意」を使うことで、各属性の適応力を増やしたり、ストックできる仲魔数を増やしたりといった、様々な特殊スキルを獲得できる。

数多くのバリエーションのあるスキルの中から、「神意」を消費して、自分の好きにスキルを獲得

戦闘では主人公だけでなく、共に冒険する悪魔を最大3体まで引き連れて戦える。悪魔を仲魔にするには、戦闘中に出会った敵悪魔に対して「悪魔会話」を行い、口説き落とす必要がある。悪魔毎に様々な特徴があり、適切な会話を使い分け、仲魔になるよう説得していく。選択を誤ると、敵に逃げられたり、自分のターンが強制終了され敵のターンになってしまうこともあるため、注意が必要だ。

選択肢の中から適切な会話を選択。その他、物や体力を要求されることも

口説き落とせれば、悪魔を仲間にできる

「悪魔合体」による新悪魔の創造という手段もある。手に入れた悪魔を複数組み合わせ、まだ見ぬ新たな悪魔を作り出していく。

仲魔である悪魔を組み合わせ、新たな悪魔を作成する「悪魔合体」

悪魔にもレベルが設けられており、経験値を一定数溜めればレベルアップして、各ステータスがランダムに強化される。悪魔ごとにどのステータスが伸びやすいか、どの属性の攻撃に耐性があるのか、が異なる。

レベルアップ時には、事前に決められたスキルの中から順次スキルを入手できる。その他、マップで手に入る悪魔ごとの「写し見」を使用することで、その「写し見」が持っているスキルを他悪魔に移設することもできる。

「写し見」を悪魔に使い、スキルレイアウトを自分の好きにいじくれる

全ての悪魔には、「ユニークスキル」が用意されている。

  • 特定属性の攻撃スキルを高めるもの
  • 仲魔が力尽きたり、他の仲魔と交代した時にプラス効果を発揮するもの
  • 悪魔会話時に効果を発揮するもの

等、様々な場面で役に立つスキルが並ぶ。悪魔のステータスだけでなく、この「ユニークスキル」の内容も加味して、パーティに入れる仲魔を選んでいくこととなる。

入れ変わった控えの仲魔の次の攻撃威力を上げるスキルを持つ「オーディン」

氷結属性の火力を引き上げるスキルを持つ「フェンリル」

手に入れた悪魔は、「悪魔図鑑」に登録することで、お金(ゲーム上ではマッカ)を支払えばいつでも呼び出せる。育成した悪魔を「悪魔図鑑」に登録することで、その悪魔が必要になった際には育成完了した状態で呼び出せる。

手に入れた悪魔を悪魔図鑑に登録し、マッカを消費するだけで自由に悪魔を呼び出せる

 

「創世の女神編」と「復讐の女神編」の両者を楽しむことのできるストーリー

本作では、元作品である「創世の女神編」と、本作用に追加された「復讐の女神編」の両方のストーリーを遊べる。いずれも背景設定は同様だが、その後の物語の展開が異なっていく。

 

本作の主人公は、品川にある縄印学園に通う高校生三年生。ある日、品川駅近辺のトンネルの崩落事故に巻き込まれ、砂漠と化した「トウキョウ」に迷い込んでしまう。 そこは「悪魔」と「天使」が常に戦い続ける世界であり、悪魔に見つかった主人公は襲われてしまう。その瞬間、謎の男「アオガミ」が現れ、お互いが合一、「ナホビノ」と呼ばれる特別な存在となる。

品川駅近辺にある「縄印学園」に所属する生徒が主人公

事故に巻き込まれた主人公が目を覚ますと、そこは砂漠化した未知の「トウキョウ」だった

「アオガミ」と合一した主人公。強力な力を得た主人公は、悪魔達との戦いにその身を投じる

「創世の女神編」では、主人公は高校のクラスメイト達と共に、この世界を取り巻く天使や悪魔達の抗争に巻き込まれていく。物語を進める中で出会う様々な人物や悪魔の考えに触れながら、崩壊する世界をどのように導くのか、 プレイヤー1人1人が思い描く世界を「創造」していくストーリーが展開される。

登場人物の誰の思想に従うのか…新たな世界を想像するため、様々な人物の思いが錯綜するストーリー

「復讐の女神編」では、「創造の女神編」には登場しない新キャラ「尋峯ヨーコ」が登場。また、何かしらの意図を持って人々へ襲い掛かり、力の源である「マガツヒ」を集める謎の女魔集団「カディシュトゥ」が立ちはだかる。「カディシュトゥ」の目的とは何か、そして 「尋峯ヨーコ」は何者か…「虐げられる者」と自称する彼女らの復讐譚が幕をあける。

何か思惑がありそうな謎の少女「尋峯ヨーコ」

謎の集団「カディシュトゥ」。彼女らの目的は何か…

なお、全ルートにマルチエンディングが用意されている。

 

◆このゲームの良い点

圧倒的ボリュームで、遊びごたえ抜群!

本作は、元の作品である「真・女神転生5」のストーリーである「創世の女神編」に加え、新ストーリーである「復讐の女神編」を追加しているため、一本の中に2つのゲームが入っているのと同等のボリュームを誇る作品だ。

筆者はまず「創世の女神編」を難易度ノーマルで遊び、クリアまで約45時間かかった。サブクエや収集物を結構やり込んだが、それでも7割位までしかやれてないと思う。その後、「復讐の女神編」を、1周目のステータスを全て引き継ぎ、難易度ハードでプレイして、クリアまで約15時間かかった。合計で約60時間も楽しめるボリュームだった。まだ楽しめてないサブクエスト要素も数多くある上、マルチエンディング全てを見ようとすると、それこそとんでもない時間を遊び尽くせる。

ボリュームの多い作品によく見られる「意味の無い引き伸ばし」も無く、どのストーリーも最後までテンポ良く展開されていくため、中弛みを感じずに遊び続けられるのも良い。

 

探索がいのある広大なマップも、ボリュームの多さに起因している。一つのマップが、よくあるJRPGでは考えられない規模のサイズであり、そのマップの各地に、

  • サブクエスト
  • ミマン探し
  • 大型のサブボスバトル
  • 神威果実やアイテムの回収

などがそこら中に散らばっている。探索することでどんどん強くなり、戦闘が容易になるため、また別の場所へと探索に向かいたくなってしまう。

マップの各地に大量に配置されている「ミマン」。一定数集めれば、「神威」だけでなく、様々な特典が入手できる

また、悪魔集めもボリュームが増える要素。250種類を超える悪魔が収録され、新たなエリアに行くたびに見たことない悪魔と出会い、仲魔にしようと躍起になる。そうこうしているうちにレベルが上がり、悪魔合体で新たな悪魔を作るれるようになる。

 

これらを繰り返している内に、どんどん時間が溶けていき、気付いたら何十時間とプレイしてしまっている。この没入感は素晴らしい作りになっている。冗長な作りや中身がスカスカなフィールドなどといった「ウザさ」が全くない状態の大ボリュームゲームを求めているなら、本作と同等レベルのものは中々なく、非常に良かった。

 

歯応えが有りながらもやり甲斐のある戦闘!

本作の難易度は、難易度ノーマルでもかなり高い。「コマンドRPGのソウルライク作品」といっても差し支えない程だ。

考え無しに仲魔を選んだり、技構成を組んだりしては、ボス相手には簡単に負けてしまう。また、敵の弱点や味方の技のタイプを見極めないと、こちらの行動数が減り、敵は増える形となり、そのまま全滅する可能性すらある。

しかし、プレスターンバトルの特徴を把握して使いこなせば、逆にこちらの行動数を増やし、敵の行動数を減らすことが可能。これにより、格上の敵に対しても勝ち抜ける。この「行動回数を制御しながら、いかに効率よく動いていくか」を考える要素は、他のコマンドRPGでは体験できないやりごたえと楽しさがあった。

 

「そんな難しいゲームなら手を出せない…」という人に向け、4段階での難易度設定ができる。最低難易度まで下げてしまえば他のよくあるコマンドRPGと同等かそれよりも簡単になってくれる。多くのプレイヤーに間口を広げているゲーム性は流石だと思った。

 

ユーザビリティ性に優れたゲーム設計!

ありとあらゆる面で、プレイヤーの操作を快適にしようとすると要素があるのは良かった。特に、ワンボタンで色んな画面に飛べる要素は、プレイの快適性を非常に上げてくれた。

1番良かったのは「どこでもセーブ機能」だ。本作は雑魚敵ですらゲームオーバーになりやすく、ゲームオーバー時は前回のセーブ地点からやり直しとなるため、こまめなセーブがしたくなる。「どこでもセーブ機能」があれば、何かイベントが進んだり、仲魔を手に入れたりした際にすぐにセーブし、その後の全滅リスクを防げるため、非常に快適だった。この画面に行くのも、十字キー左をワンタップすれば遷移できるのも嬉しい。

その他、前回アクセスした龍穴に、L1ボタンを押せば即座にワープできるのも嬉しい。龍穴でしかできないアクションをやりたい時に、わざわざ歩いて帰らなくてすむため、時間の節約になる。

 

戦闘時は、戦闘速度を1倍~4倍まで自由に設定可能。長いモーションを見る必要が無い点は魅力的。更に、Yボタンを押せば、スキルを利用したオート戦闘か、通常攻撃だけで戦うオート戦闘かを選び、プレイヤー側で指示しなくとも勝手に戦ってくれるため、レベル上げのストレスも少なくなっている点も良かった。

 

悪魔合体では、手持ちの悪魔と、悪魔全書に登録された悪魔とを一度に選択して、新たな悪魔を召喚できる機能がありがたい。わざわざ悪魔全書から悪魔を召喚する手間が省ける。その他、作りたい悪魔から、素材となる悪魔を逆引きする方法まで用意されているのも便利だ。

 

これ以外にも数多くの便利要素が存在する。プレイする上でストレスを感じる要素は全くなく、非常に快適にプレイできてよかった。

 

Switchとは思えない高グラフィック!

本作のグラフィックは全体的に3Dアニメ調で描かれている。それらのグラフィックはどれもこれも美麗に描かれており、Switchのハードスペックをフルに活かしきれている。

キャラの表情描写、悪魔それぞれの見た目、崩壊した東京の風景一つ一つが、手抜きすることなく描き切れており、テクスチャが大きく乱れることもない。昨今の多くのゲームに引けを取らない、十分なグラフィックで楽しむことができた。

登場するキャラの描き方が丁寧。ムービーでは、プレイステーションのアニメ調作品に匹敵するキャラデザだ

広大なフィールドにいる時も、多少グラフィックは落ちるが、それでもデザインが崩れることなく探索を楽しめた

 

勧善懲悪とは言えない、よく練られたストーリー!

「創世の女神編」は、比較的王道を行くような物語だ。敵となる悪魔に対して反旗を翻し、戦いを仕掛けるストーリーとなっている。が、そこには単純性は一切ない。

登場する様々なキャラたちは、それぞれ自分の思いを持って活動している。なにかを犠牲にしてでも世界の秩序を守るのか、それとも自らが生まれ育った場所を守りぬくのか、はたまた世界の理を破壊して新たな流れを作るのか。登場するキャラと交流する中で、「そうとも言えるな…」と感じる場面が多く、自分がどの道へ進むのか、結構悩んだ。

「復讐の女神編」は、登場するキャラ1人1人にフォーカスを当て、キャラの深層心理を描く場面が多く、「創世の女神編」では描けなかった部分を楽しめる。

両ストーリーとも、あと一歩、描写が粗い部分があったが、両方のストーリーを見ることで、キャラ背景も、ストーリーを見る上での悩みも、両方とも楽しむことができるいい作品だったと感じる。

 

◆このゲームの悪い点

マップが複雑過ぎて迷う…

本作のマップは広く、そして複雑だ。特に細かな高低差が多く、上に上がりたいのに登れるルートが見つからない、ということはザラだ。

新要素である「雲上視界」も、正直あまり使い勝手が良くない。建物内や地下通路を通る必要のあるなど「これは流石にわからなくないか…?」と思う場面があり、探索のテンポを削いでいたのは残念だ。

これでも、元作品よりはかなり探索しやすくなったらしいので、元作品はどれだけキツかったのか…流石にもう少し移動しやすい構造にしてほしいと感じた…

画面に映っている大半のエリアを踏破可能。高低差が大きく、どこからどこに行けるのか、把握する難易度が非常に高い…

 

探索やレベル上げすること前提の難易度…

本作を難易度ノーマル以上で遊ぶなら、マップを探索したりサブクエストをクリアしたりして、様々な強化を施す必要がある。目的地まで直行してもクリアできる、なんて生優しいものではない。

更には、技構成やパーティ構成、ボスの弱点や攻撃技を考え、必要な悪魔を仲魔にして強化していく必要が出てくる。特に最終ステージは敵の強さが跳ね上がり、レベル上げに勤しむ必要すら出て来た。

よって、強制的にゲームプレイ時間が増える。ささっと遊びたいという人は、中々ゲームが進まずに投げ出してしまうかもしれない。

 

ただ、攻略サイトを見ながらプレイすると、途端に難易度が下がり、作業ゲー感が増してしまう。このゲームをやるなら、自分でやり切る気合いを持ってプレイした方が良いと感じる。(そういうプレイをするなら、難易度を初めから下げておいた方がいいだろう)

 

 

 

◆まとめ

かなりのやりごたえがあった良作RPGである「真・女神転生Ⅴ Vengeance」。非常に楽しんでプレイできたため、コマンドRPGが好きな人に刺さるゲームだったと感じる。

迷っているのであれば是非とも購入してほしい。

 

では!