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【英雄伝説 界の軌跡】神ゲー?クソゲー?プレイレビュー、評価まとめをしてみた!

今回は、PS5版の「英雄伝説 界の軌跡」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。

なお、若干ながらネタバレが入るため、「少しでもネタバレしたくない!」という人は総評だけ見るようにしてほしい。

(本記事の情報は2025/11/24時点を元にしている)

総評

戦闘、育成システムやUIは変わらず良好。新たに追加されたZ.O.Cなどのシステムも、戦闘に駆け引きを生んで面白い。やり込み要素も多数存在している。「ゲームシステム面」で見ると、コマンドRPGとしてはこれ以上無いほどの造り込みがされていると感じる。

 

ただ、ストーリー面は悪い。これのせいで評価をかなり落とさざるを得ない。

  • 登場人物が多い上、抱える思惑が皆異なり、伏線も多すぎて理解が追い付かない
  • セリフ回しに含みを持たせ過ぎて理解がしにくい
  • その割に回収しない伏線も多いうえ、エンディングに活かせていない
  • 過去作の話を知っている前提の場面が多く、「黎の軌跡」からの新規勢は置いてけぼり
  • 戦闘背景に納得感が得にくい
  • やり込み要素クリアで真相が明かされそうに見えて、大したことを明かさない

など、ストーリー関連で感じた不満要素が山のようにあった。また、登場人物が多過ぎるせいか会話パートがあまりに多く、ゲームプレイしてる時間より見てる時間が長くなり、プレイ時間を無理やり水増しされているように感じてしまった。

 

戦闘、育成で大幅プラス、ストーリーで大幅マイナスで、合わせて凡ゲーといった印象。完全に「軌跡シリーズ」とは何かを理解している往年のファン向けの作品で、戦闘システム面が非常に優れているだけに、残念な作品だった。

(「黎の軌跡」は全体的に面白くやれてたのにな…「黎の軌跡Ⅱ」からどんどん印象が悪くなっていく…)

 

こんな人にオススメ!

  • 「軌跡シリーズ」の長年のファンである
  • 壮大なストーリーを味わいたい!
  • コマンドRPGもアクションRPGもやりたい!
  • 様々な成長システムや多くのやり込み要素が欲しい!
  • 長編小説を読むのが好き!

という人にはオススメできる。逆に

  • 軌跡シリーズの過去作をやってない
  • ストーリーはすっきりわかりやすく完結して欲しい
  • ストーリー進行はテンポ良く行きたい
  • ゲームシステムが大量に用意されていると理解が追い付かない

という人はあまりオススメできない。

 

このゲームの特徴

コマンドとアクションを組み合わせた新たなRPG

「軌跡シリーズ」は、ドラクエやFFにあるような、街で装備を整え、ダンジョンを順繰りに踏破し、奥にいるボスを撃破して次の街に向かう、という往年のコマンドRPG作品。ただし、本作はただのコマンドRPGではなく、コマンド選択中にキャラの立ち位置を動かして、

  • 敵の側面や背後を取ったり
  • 攻撃範囲内に敵を収めるように調整したり
  • 敵から物理的に距離を離してヘイトを買わないようにしたり

といった、ちょっとしたシミュレーションバトル要素も入ってるのが特徴だ。

小規模のフィールドを舞台に探索

様々は様相を呈した街中も冒険の舞台

コマンドバトルでは、通常攻撃、クラフト(特技)、アーツ(魔法)、アイテムといった選択肢の中から、実行したい行動を決定する。各攻撃には攻撃範囲や属性を持っていたり、側面や背面を攻撃するとボーナスがついたり、といった要素があるので、敵の弱点や死角を突く戦い方をすれば、格上の敵とも対等に戦える。

戦闘はコマンド形式にシミュレーション要素が入り、敵は不利に、味方は有利になるよう移動しながら戦う

クラフトやアーツには効果範囲や追加効果がある。多くの敵を巻き込むようにキャラを配置し、攻撃していくのが大事

各キャラの行動順は、画面上部にアイコン表示される。強力な行動をとるほど、次に同じキャラが行動するまでにかかる時間が長くなるため、時間をかけてでも強力な技を出していくか、素早い技を連続して出していくか、という選択をしていくことになる。

赤枠の個所にある「CAST」が、各キャラの行動順を示す

「黎の軌跡」シリーズから始まった、コマンドRPGにとっての革新的なシステムとして、フィールド上で敵とリアルタイムで戦うアクションバトル「フィールドバトル」を、本作でも採用している。弱攻撃、強攻撃、魔法攻撃、回避などを駆使し、コマンドバトルせずとも敵を倒すことができるようになっている。

アクションパートでは、弱攻撃、溜め攻撃、簡易アーツ攻撃、回避を駆使して敵を攻撃する

更に本作からは、「Z.O.C」及び「覚醒」という新要素が搭載された。使用には一定のリキャスト時間を要するが、発動することで操作キャラの火力を上げたり、周囲の時間を止めて一方的に攻撃したりできるため、雑魚戦処理が非常に手軽になった。

「Z.O.C」はコマンドバトル時も発動できる。発動したキャラは強制的に2回連続行動が取れるので、ピンチの場合の立て直しもしやすくなる。

フィールドバトルで「Z.O.C」を発動すると、一定時間敵がスローモーションとなり、一方的に攻撃できる

「ヴァン」が覚醒すると「グレンデル」化し、一定時間、高い攻撃力を得たまま戦うことが可能に

また、コマンドバトルでは、「シャードコマンド」という戦術も利用できるようになった。ブーストゲージというゲージを消費し、一定ターンの間、与えるダメージを増やしたり、受けるダメージを減らしたり、といったバフを得られるため、敵の行動に合わせて適切な対処を切り替えていく深みが増した。

「シャードコマンド」を駆使することで、戦況を自分たちに有利な状況へと作り変えられる

 

Xiphaを活用したカスタマイズ性のある強化システム

キャラ強化の基本は、経験値獲得によるレベルアップと、高性能な武具を身に着けることによるステータスアップというRPGらしい方法。

敵を倒し、経験値を溜め、レベルアップしてステータスを上げる、往年のRPG的育成要素は健在

その他に、「黎の軌跡」シリーズ特有の強化システムが大きく4つ存在している。

 

Xipha(ザイファ)上での各種パーツ導入

各キャラは「ザイファ」という高性能スマートウォンを持っており、それを経由して

  • アーツドライバ
  • ホロウコア
  • クォーツ

という各種キットを埋め込むことで、キャラの能力強化や使用可能アーツの体得をしていく。

アーツドライバは、戦闘中に使えるアーツを一定数まとめた装備品。アーツドライバの種類によって使えるアーツが変わるため、必要に応じて使用するアーツドライバを切り替えていくことで、難しいステージでもよりクリアしやすくなっていく。

アーツをカスタマイズする「アーツドライバ」。ベースとなるアーツと、好きなアーツを自由にセッティングできるスロットがある

ホロウコアは、戦闘時や装備編集時に喋りかけてくる音声AIのこと。ただ喋ってくれるだけでなく、ホロウコア毎に異なるステータス上昇効果や「シャードコマンド」を持っているため、キャラの特徴を考慮し、最適なホロウコアを選ぶことになる。更に、同じホロウコアを使い込むほど、ホロウコアのレベルが上昇し、より性能の高い追加効果を獲得できるようになる。

ホロウコアを変更すると、音声が変わる以外にも、ステータスの増加内容や、使用できる「シャードコマンド」も変わる

最後にクオーツ。キャラの体力や攻撃力、特定状況における戦闘能力向上等の様々なステータスを、レベルアップとは別に細かい単位で増加させるアイテムだ。手に入れたクオーツは、専用スロットにセットして効果を発揮する

上昇する能力や上昇量はクオーツの種類によって異なり、どのクオーツをどこに埋め込むか、によって、体力を大きく増加したタンクキャラにしたり、素早さと回避力を上げた忍者スタイルにしたりと、キャラの性能が変わってくる。

クオーツをセットして、ステータスを向上。セットする位置によって、様々な追加効果も獲得できる

 

様々な人の悩みを解決するサイドクエスト「4spg」

「4spg」は、各街の掲示板を経て、人々からのお悩みを解決する、いわゆる「サイドクエスト」に当たる。受注後は、マップを転々としながら、指定の人物と会話したり、指定のボスを倒したりし、クリアを目指す。

クリアすると、お金である「ミラ」を入手することができる。

様々な悩みを抱えた人物から依頼を受領し、クリアを目指すサイドクエスト「4spg」

人々は様々な悩みを抱えている。会話するだけで終わるものから、尾行するもの、戦闘するものなど、クリアまでの流れも様々だ

4spgによっては、最後に選択肢が現れることがある。選んだ選択肢によって、「LGCアライメント」という3種類の行動属性値が変動する。

4spg任務中に時折現れる選択肢。選んだ内容によって、4spgの終わり方も若干変更される

選択内容によって、増加するパラメータが変わる

 

大規模なやり込みダンジョン「黑の庭城」

「黑の庭城」は、本編のストーリーとは切り離されたやり込み向けダンジョン。前作「黎の軌跡2」で「お伽の庭城」という名称で存在していたダンジョンが姿を変えたものである。

新やり込みダンジョン「黑の庭城」

敵のレベルにより階層分けされたダンジョンの中から、挑みたいダンジョンを選択すると、マス目状の小さなマップに遷移する。各マスは

  • 専用のステージに移行し、敵を倒しながらマップを探索して脱出を目指す「扉マス」
  • ランダムな宝を入手できる「宝箱マス」
  • ダンジョン探索中のみ、指定の能力を強化できる「能力強化マス」

などさまざまな種類のマスがある。プレイヤーは進みたいマスを自分で選びながら1歩ずつ先へ進み、最奥にいるボスの討伐を目指す。

ボスの討伐すればゲームクリア。クリア報酬を獲得できる。更に、ダンジョン毎に決められたクリア条件を満たすと追加報酬も獲得できる。

進みたいマスを選び、そのマス毎のイベントをこなして、最奥のボスを撃破するとクリア

ゲーム中に手に入れた「グリムトークン」は、「黑の庭城」のメニュー画面から選択できる「グリモワール解読」というメニューにて、ゲーム内ガチャを回すために使用できる。戦闘に役立つアイテムだけでなく、キャラの服装やBGMの素材や、各キャラのクラフトスキル性能を強化できる専用アイテムが手に入る。

集めたシャードトークンで「グリモワール解析」を実施

ランダムで様々なアイテムを入手可能。「グリモワール解析」でしか手に入らないアイテムも

その他、各種ショップの活用や、ミニゲームのプレイ、BGMやキャラ衣装の変更など、ゲームをより深く楽しむためのショップにも立ち寄ることができる。

 

「宇宙計画」の裏で蠢く陰謀から、ゼムリア大陸の未来を紡ぐ物語

物語の舞台は、ゼムリア大陸中心に位置する国「カルバード共和国」。優秀な政治手腕を持った大統領の元で、かつてない好景気を迎えている大きな国だ。

本作の主人公は、そんな「カルバード共和国」にて、「裏解決屋(スプリガン)」という、表の世界にも裏の世界にも属さない曖昧な立場で仕事を請け負う青年「ヴァン」。町の治安維持活動に始まり、警察やギルドにも相談できない悩みの解決、裏社会に生きる人間からの依頼など、彼の流儀に沿った依頼であればなんでも受け付ける、正に「何でも屋」だ。

「黎の軌跡」シリーズからの主人公で、カルバード共和国にて裏解決屋を営む「ヴァン」

そんなある日、「カルバート共和国」で開かれた大統領会見にて、ゼムリア大陸初の有人宇宙飛行を行う国家プロジェクト「宇宙計画」が発表され、世間に大きな衝撃を与える。

大統領の会見にて、世界初の有人宇宙飛行を実現するという報道が行われ、大陸中に衝撃を与えた

本計画の発表を受けて、裏社会に大きな動きが生じると考えた「ヴァン」。そんなある時、住民が突如失踪したり、誰かに操られたような状態になっている様を見つけた「ヴァン」は、裏で暗躍する謎の組織の正体を追いかけることとなる。

また、「宇宙計画」で使用する新型アサルトフレームのテスト要員としてカルバード共和国に招待された「リィン」や、教会から秘密裏の指令を受けてカルバード共和国にやってきた「ケビン」も、それぞれの目的を果たすため行動する中で、「宇宙計画」に秘められた真相を知ることとなる。

果たして「宇宙計画」に隠された真実とは何なのか…ゼムリア大陸を巻き込んだ壮大な物語が幕を開ける。

 

このゲームの良い点

「アクション&コマンドRPG」というシステムは革新的!

「黎の軌跡」シリーズが始まってから投入された「アクションバトルとコマンドバトルが両方できるRPG」は、やはり何度プレイしても斬新で素晴らしいシステムだ。本作は更なるブラッシュアップとして「ZOC」や「覚醒」という要素の追加により、プレイヤー側の火力が単純に増加したため、コマンドRPGの欠点でもある面倒な雑魚戦がすぐ終わり、快適なレベルアップが実現しやすくなった。

できるアクションが増えたので、アクションゲームをあまりやらない人にはとっつきにくそうなシステムではあるが、何かしらのアクションゲームをやったことがあるプレイヤーであれば、少し遊べばすぐに慣れるレベルの難しさだと感じる。本作をプレイした後、他のコマンドRPGをプレイすると、戦闘テンポの悪さにやきもきしてしまったほどだ。

 

コマンドバトルも使いやすく強化されているのもよい。フィールドバトルコマンドバトルで、与えるダメージは体感2倍~3倍の違いがある。中ボス的な強さの敵を相手にした場合は、アクションバトルだけではなかなか倒せないので、アクションバトルである程度体力を減らし、その後にコマンドバトルへと切り替えて一気に倒す、という流れが主軸になってくる。アクション一辺倒にならず、必要に応じて両者を切りかえて戦うバランス感も実に見事であった。

 

多彩なやり込み要素!

前作にも存在した「お伽の庭城」もかなりのボリュームがあったが、「黑の庭城」もそれに負けず劣らずのボリュームを持っており、やりごたえ抜群だった。

全てのステージをクリアするだけでも、15時間ほどは要求される。クリアしていくと、「黑の庭城」でしか手に入らない専用アイテムや強化素材を沢山入手でき、ストーリーを進めるうえでも非常に役に立った。

各階層に登場するボスも非常にやりごたえがあるし、ゲームを進めることで解放される「チャレンジバトル」では、強敵と連戦する力試しもできるようになっていた。

 

その他にも、「釣り」や「料理」などの収集要素も、前作に引き続きしっかり用意されている。これらの収集をするほど、キャラのステータスが底上げされていくため、ユーザに対する見返りがある点もよかった。

街の各地で釣りを楽しめる。釣った魚は図鑑に記録可能だ

 

バグもなく、快適なユーザビリティ性!

本ゲームの操作性は全体的に良好。ボタン一つでファストトラベルポイントを選べたり、装備画面やオーブメント画面への遷移もできたりと、

また、ストーリーの目的地とサイドクエストの目的地とが、マップ上できちんと色分け表示されるため、「不便」と感じる点は無いように設計されていた。

 

また、戦闘や移動、ムービーなどの動きを早くできる「ハイスピードモード」もよい。マップ間の移動、戦闘が全て高速で行われるため、「コマンド選択して攻撃エフェクトを見て…」みたいな戦闘時間の長時間化に悩まされない。

ハイスピードモードと通常モードの切り替えは、ボタン一つでいつでも切り替えられるので、「ここは通常の速度でしっかり見たい」という時にもすぐ対応できるのはありがたいところだ。また、「コマンドバトルは早くしたいけど、フィールドバトルはアクション苦手だからゆっくり目にしたい」という場合でも、各バトルの速度を細かく設定できる点もよかった。

戦闘や移動を高速にできる「ハイスピードモード」。センターパッドボタンを押すだけでモード切替が可能

 

軌跡シリーズ用語を即座に調べられる「Timely Words」が便利!

本作には、過去の軌跡シリーズに登場した人物名や、起きた出来事などのゲーム内用語が当たり前のように出てくる。その度にいちいち「この事件ってなんだっけ?」「この人ってどんな人だっけ?」といった疑問が生じ、話の流れを理解できない、といったことにもなりかねない。

そのような人に向け、本作ではムービー中に出てきた用語の内容を、ボタン一つですぐに確認できる「Timely Words」というシステムが搭載された(FF16にもあったシステムと同じだ)。これにより、リアルタイムで不明点の確認ができる。ゲーム終盤になると、登場する用語の数が多くなりすぎる上、検索モードを用意してくれてないので、不明用語の意味をすぐに見つけることができないのは勿体無いが、それでも、本システムの登場により物語の理解度をより増してくれているので、シリーズ未経験ユーザへの配慮がよく出来ていると感じた。

ムービー中に十字キー左を押すと、会話で出てきた単語の意味をすぐに確認できる機能を搭載

単語の簡単な概要をまとめているので、過去作未経験者でもある程度は背景を理解しやすい

 

昔ながらのアニメ調をベースにした美麗グラフィック!

フォトグラフィックなリアル志向グラフィック作品が多い中、本作はJRPGらしいアニメ調グラフィックをそのまま採用している。

アニメ調だから、と言って手を抜いているわけではなく、建物1つ1つの質感や、遠くまで見える風景など、実際にアニメの中に入ってキャラクターを操作しているかのような、没入感がある美麗グラフィックになっており、非常に見応えがあった。

「ヴァン」専用のホロウコア「メア」の姿。アニメ調を活かした綺麗なグラフィックで描かれている

戦闘中の描写も非常に綺麗。キャラクターが放つ技それぞれにしっかりとエフェクトが付けられ、カクツキも無くヌルヌルと動いてくれるため、戦闘画面にのめり込める臨場感があった。ハイスピードモードで流していてもテクスチャずれは起きず、常に迫力ある戦闘を楽しむことができた。

派手なエフェクトを駆使して発動するアーツも見ごたえ十分!威力も申し分なし!

「エレイン」の必殺技。A級遊撃手の華麗な戦いは、非常に見ごたえがある

ムービー中に描かれる「シズナ」の圧倒的剣裁き。かっこよすぎる…

 

このゲームの悪い点

ストーリーが完全解決しない…

筆者はハイスピードモードを常に駆使し、4spgなどのサイドクエスト要素を9割以上、「黑の庭園」を全て消化した上で、ストーリークリアに62時間ほどかかった。前作、全然策で合計約100時間ほど遊んでいるので、総合で160時間超えの超大作ストーリーだ。そこまでかけてゲームをしても、なんと本作のストーリーは完全解決しない。

「軌跡シリーズはこんなものだ」といっても、さすがに長すぎだ。前作も含めて多くの時間をかけてプレイしてきた筆者にとって、「まだ終わらないのか…」という感覚にはなってしまった。

 

ストーリー進行にイケてない要素が多い…

壮大な物語が描かれているのだが、内容はかなり残念。一応、大筋のストーリーは理解できるが、それを補完する要素があまりにイケてないのだ。

 

登場人物多すぎ、思惑多すぎ、伏線多過ぎ、思わせぶり発言…

「黎の軌跡」に登場するキャラはもちろん、本作では過去作に登場したキャラが多く登場するので、理解すべきキャラ名や関係性があまりに多い。ゲーム終盤になっても、会話を聞いていて「その人誰だっけ?」となったキャラもいるほどだ。

更に、登場キャラ1人1人に異なる「思惑」を持って動いているので、「この人は何を狙っているんだっけ?」「この人、少し前は味方だったけど、何で今回敵対しているんだっけ?」と、キャラの狙いがわからなくなる場面が多く発生する。

「思惑」が多いということは、その分伏線も多いということ。「黎の軌跡」はもちろん、それよりも前の作品から出てきている伏線も存在し、伏線だらけで本線が何なのか、もわからなくなるほど(ちょっと言い過ぎだが)。物語中盤終わりくらいまでは、多くの場面で伏線を薄く出し続けるだけだし、背景を知っているキャラがやたら思わせぶりな発言を沢山するしで、頭に「?」が沢山浮かんだ。

せめてゲームテンポがよければ、過去場面の記憶を手繰り寄せて理解できるかもだが、後述する「水増し要素の多さ」のせいでゲームテンポが非常に悪く、忘れやすい構造になっている。

小説であれば、描かれたストーリーを「読む」だけなので、伏線量が多かったとしても記憶が保持されやすいが、育成、戦闘、サブクエなど、ストーリー以外の要素に時間を多く使うゲームで、ここまで複雑な構図をするのはおかしいと感じる。もっと関連する人を絞り、すっきりさせないと、多くのプレイヤーが話を理解できないと思う。

 

回収されない伏線に、重要事項は説明なしでいきなり明かされる…

過去作から続く思惑、伏線が大量に存在するのに、全ては回収されない。風呂敷を広げただけで全然畳めていない。それでは伏線の意味がない。

また、思惑や伏線というのはエンディングに繋げてこそ、驚きや感動に繋がるはずなのに、肝心のエンディングに繋がるものはほとんどない。感動的なエンディングなはずなのに、「は?」というコメントしか出なかった。

本作のエンディングのカギを握る「とある人物」が抱えている思惑や背景、その人物を支援するキャラたちに関する伏線は殆ど開示されず、エンディング辺りになって突然次々と出てくる。もっとストーリー中でその人の背景や迷い、支援者との繋がりなどを描いておけば、エンディングにもっと感動的にできたはずだ。そこではない、大して回収もされない部分に伏線を使い過ぎているのがもったいない。

 

プレイ時間の水増し要素が多い…

様々な場面で「水増し」を感じさせる要因が多いのは気になった。

まずは時限要素だらけのサブクエ要素だ。「4spg」などの多くのサブクエが、非常に短い期間しか受領できず、後でまとめて解決できない時限要素になっている。クリア必須ではないが、クリアすることで手に入るステータスや技があるので、長い目で見るとクリアは必須になる。

会話シーンはスキップできるが、会話内容から適切な選択を求められる場面があるので、全スキップするとそういった時に解答が解らない。この選択を誤ると、手に入るはずだったボーナスポイントが手に入らないので、会話を見るが必須となっている。過去作からこの仕様だったが、本作は大量に存在する細かいストーリーパート毎に4spgが少しづつ用意されている感じだったので、尚のこと目立った。

というか、そもそも「4spg」は裏解決屋である「ヴァン」向けの要素なので、「リィン」や「ケビン」などの裏解決屋ではない人たちが受けているのがそもそも理解できない。「ヴァン」達のストーリーなのだから、他のメンバーのストーリーはもっとコンパクトにし、伏線回収に全力を注ぐべきだと感じた。

 

また、会話パートがやたら多いのも気になる。ストーリー、サブクエの多くの場面でキャラ同士の会話シーンが多く、しかも多くのパートにボイスが無い。キャラを動かしたり、戦闘したりする場面があまりなく、コントローラーを置いている時間が長く感じる。実際にはわからないが、体感はプレイ時間の半分を会話パートに費やしていると感じたほど。で、その会話で何か重要な話を得られるのか、というと…そんなことはほとんどない。

このせいで、ゲームテンポはかなり悪く感じた。必要メンバーや会話パートの中で絞れる場所は大量に存在したので、明らかに水増し感を感じられた。

 

無駄な戦闘が多く、そもそも主人公勢の行動の方が悪な気が…

本作では「純粋悪」がおらず、個々人が自分の目的のために協力したり、敵対したりするので、どこかで仲間として共闘したキャラが、別の場面では「立場的に譲れないので戦う」という部分が多すぎる。また、「ヴァン」に敵対する勢力も、戦う背景がちゃんと説明されないまま何度も戦うので、戦闘意義が感じられない。

というか、主人公勢力が無駄に政府と敵対するせいで戦闘が起きているのが実態。政府の隠し事を追求中に政府の人間に見つかったら、普通は手を引くべきところ、なぜか毎回歯向かう。ストーリー終盤では、反抗する理由をいかにもらしく説明しているが、冷静に考えるとそんな理由で政府に敵対してたら逮捕ものだ。まったく意味が解らない。

また、戦闘理由に「あなたに資格があるのか戦う」という場面がいくつもあり、「そんなことしてないで話し合いすればいいじゃないか」と突っ込みたくなる部分も多々あった。

 

「黑の庭城」のクリアの意味合いが薄い…

やり込み要素の1つである「黑の庭城」は、ストーリー中盤までは攻略必須となっている。その中で、「黑の庭城」には、作品を通して謎に包まれていた専用ホロウ「メア」の真相や、その他いくつかの伏線が回収されそうなことが開示される。

しかし、実際に最後までクリアしてみても、明かされる内容は、メインキャラでもないとある人物データのみで、あまりにもチンケ。一応重要な事項ではあるらしいが、「黎の軌跡」シリーズしかやってない筆者からすると「は?」でしかなかった。

こんな感じにするなら、ただの純粋なやり込みダンジョンで終わらせるべきだと思う。

 

戦闘、育成、ストーリー等のあらゆる点で専門用語が多い…

長い間続いてきた「軌跡シリーズ」。その反動か、多くの場面で専門用語が溢れかえっており、覚えることが非常に多い。ゲームシステム面だけでも、

  • アーツ
  • クラフト
  • アーツドライバ
  • ホロウコア
  • クオーツ
  • LGCアライメント
  • Sブースト
  • Sクラフト
  • シャードスキル
  • ATボーナス
  • オーブメント

など大量に存在。ストーリー面では、

  • CID
  • 結社
  • 執行者
  • ガーデン
  • 黒月
  • 守護騎士

といった各種国家や施設、組織の意味合いを理解しておく必要がある。前述した「Timely Words」でもカバーしきれているか、というと微妙な気がした。

 

バグ?仕様?…若干気になる問題点がチラホラ…

前作に引き続き、バグなのか仕様なのかわからないが、ちょいちょい気になる要素がある点が気になった。

 

キャラクターのボイス消失

本作は完全フルボイスではない。それだけなら問題は無いが、なぜか会話中で、特定のキャラは音声有りなのに、他のキャラは音声が無い、という場面が頻発する。その発生条件に一貫性は無い。

  • 主人公だけボイスが無く、新キャラおよび仲良くなった既存キャラだけ声が付いたり
  • 主人公一行は全くボイスが無く、ぽっと出のキャラにボイスが付いていたり
  • もともとボイス付きで話してたのに、何故か会話の途中で急にボイスが消えたり

と、どういう仕切りで音声有無のすみ分けがされているのか全く分からず、かなり気になった。

また、過去作と比べても、メインストーリー中の会話がボイスなしになる場面が多い印象。今はハーフプライスゲームでもフルボイスの作品があるので、せめてメインストーリーくらいは全ボイスありにしてほしかった。

 

キャラクターが目を瞑ったまま喋る

本作では、キャラが話し始める時、目を閉じた状態から喋り始めるように作られている。しかも、そのキャラが1センテンス読み終わるまで、ずっと目を閉じたまま喋り続ける。

慣れてくればそこまで気にならないが、シリアスな場面でも、陽気な場面でも、キャラの表情が必ずこのように組まれるため、しばらくはかなり気になった。

 

まとめ

せっかくゲームシステム面は優れているのに、ストーリー面が残念過ぎる。完全に「軌跡シリーズ」信者に向けた作品といってもいいような作品だった「英雄伝説 界の軌跡」。新規勢のことはあまり気にしないのかな…

本作にストーリーを期待して購入するのであれば、筆者みたいに「黎の軌跡」からやるのではなく、「軌跡シリーズ」全てを遊んでからやる事をおススメする。

 

では!