秋吉ブログ

ゲーム大好き人間「秋吉」が、ゲーム情報を沢山出していくブログです。ゲーム以外の情報も時々…

【モンハンワイルズ】神ゲー?クソゲー?プレイレビュー・評価まとめをしてみた!

今回は、PS5版の「Monster Hunter Wilds」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。

(本記事の情報は2025/3/10時点である) 

2025/2/28に発売された「モンハンワイルズ」。過去にモンハン作品はいくつかやってきた来たが、年々やりこみ度合いが下がっていた筆者だが、発売が近づくにつれてお祭りのような雰囲気がインターネットを漂っており、「もう一度、ちゃんとやってみようかな」と思い購入!

ストーリーは全てクリアし、HRは65まで上げ、ソロでラスボス強化個体を約10分で討伐できるくらいにはやりこんでみたため、本作がどんなゲームなのか、よい点、悪い点がどこか、まとめていきたいと思う。

個人的感想

総評

神ゲーには届かない。良ゲー前後レベルの作品だと思う。

アクションは新システムの導入で過去最高に快適で、ストレスなくカッコよく動けるのが最高だ。また、天候や時間の変化、ストーリーの強化により、世界への没入感はシリーズ随一だと感じた。

しかし、

  • UIの使いづらさ
  • 装備作成の楽しさを損なうシステム
  • 価格に見合わないボリューム感

など、やればやるほど気になる点も多く、発売時点でこの価格に見合う完成度が欲しかったのも正直なところだ。

今後のアップデート次第では、「神ゲー」になる布石は感じられる作品だったため、値段面で気になる要素がないのであれば、購入して問題はないだろう。

 

どんな人にオススメ?

  • ゲーム世界への没入感が大事
  • アクションゲーム大好き
  • キャラクリにこだわりたい
  • 一緒に遊べるフレンドがいる

という人は楽しめる。逆に

  • 膨大なボリュームのモンハンをやりたい
  • 高難易度ゲームをやりたい
  • 近代モンハンをやったことがない、かつ一緒に遊ぶフレンドもいない
  • モンハンにストーリーや演出はいらない

という人には向かないだろう。

 

このゲームの特徴

「生きた世界の冒険」が舞台のハンティングアクション

モンスターハンター、通称「モンハン」は、2004年から続く大ヒットシリーズ。

プレイヤーはモンスターを討伐するハンターとなり、巨体かつ強力な攻撃を仕掛けてくるモンスターを相手に、剣や槍、弓矢やボウガンなど、14種類にも及ぶ武器種から好きなものを選び、戦いを挑む。倒したモンスターからはぎ取った素材を用い、新たな武器や防具を作ってステータスを強化し、より強いモンスターの討伐を目指す、ということを繰り返すゲームだ。

ソロでプレイもできるし、オンラインでつなげば最大4人まで同時プレイが可能。友達4人で集まってプレイすれば盛り上がること間違いなしな良作である。

大きく強力なモンスターを攻撃し、撃破することを目的にしたアクションゲーム

倒したモンスターからは素材を入手でき、工房で新たな武具作成に利用して、より強くなっていく

オンラインを用いれば、最大4人まで同時プレイが可能。フレンドとも、見知らぬ人とも、わいわい狩りができる

本作は過去作のモンハンシリーズの特徴を踏襲しつつも、探索や狩猟の自由度を格段に向上させた新たな体験を提供している。

マップはオープンワールド形式で、拠点とフィールドがシームレスにつながる構成をしている。砂漠地帯や密林、火山などの色とりどりなエリアも、すべてシームレスにつながっている。また、豪雨や砂嵐、晴天といった様々な天候が廻りまわる地域になっており、季節な時間帯によって、登場するモンスターも変わっていく、正に「生きた世界」である。

この世界では、モンスターは「生き物」であり、周囲の生物と時には共存し、時には戦っている。そんなモンスターたちを見ながら、プレイヤーは広大なフィールドを縦横無尽に駆け巡り、モンスターを討伐していくこととなる。

 

新アクション「集中モード」「鍔迫り合い」「相殺」

従来のコンボやアイテムを活用した戦闘システムはそのままに、本作から新たな共通アクションとして、「集中モード」「鍔迫り合い」「相殺」が追加された。

集中モード

本作の戦闘システムにおける最大の新要素が「集中モード」である。PSコントローラーであればL2ボタンを押すと利用できるモードで、攻撃中だろうと防御中だろうと、ありとあらゆる方向へ向きを変えることができるようになる。これにより、より正確な攻撃や防御が可能になり、効率的な狩猟を実現させている。

「集中モード」を起動すると、画面中央に円形の的が表示される。これが向いている方向にキャラクターが必ず向くように動く

モンスターを攻撃し続けると、「傷口」が体に刻まれる。この部分を攻撃すると、通常よりも大きなダメージを与えられる。「傷口」は体のあらゆる場所に発生し、前述の「集中モード」を利用すると赤く強調表示される。「集中モード」で狙いを定めながら「傷口」を徹底的に攻撃することで、より効率的な狩りが行える。

赤丸で囲った部分が「傷口」。「集中モード」時は赤く表示され、この部分を攻撃すると与えるダメージが増加する

さらに、「傷口」を狙うことで大ダメージや怯みを与える特殊攻撃「集中弱点攻撃」が登場。通常攻撃と組み合わせながら、「傷口」を活用した効率的な狩りを行える。

「傷口」を集中弱点攻撃することで、特別な攻撃モーションが発生し、大ダメージ&怯みを与えられる

 

鍔迫り合い

ガード可能武器でガード中にモンスターの攻撃を受けるとランダムで発動するアクションで、△ボタンを連打することで敵の攻撃を跳ね返し、大きな隙を作りだすことができる。これにより、防御がただの防御ではなく、新たな攻撃の起点を作り出す要素へと変化している。

モンスターの攻撃と、プレイヤーのガードがぶつかり合い、押し返すことでダメージと怯みが与えられる

 

相殺

特定武器の特定攻撃にのみ存在するアクションで、モンスターの攻撃タイミングに合わせて使うと、攻撃を無効化しつつ反撃に転じれるアクションだ。「相殺」を成功させると、敵がひるむだけでなく、専用の攻撃モーションが発生して大ダメージを与えることができる。

リオレウスの攻撃が当たる!そんなときに相殺攻撃を当てると…

攻撃を打ち消し、逆にダウンを奪うことができる

 

新クラフト要素「アーティア武器」

モンスターを狩猟して得た素材を使い、武器や防具を作成、強化する従来の仕組みは、本作でも健在だ。

モンスターを狩猟すると、モンスターの骨や鱗、爪といった素材を得ることができる。モンスターの狩猟以外にも、フィールドに点在する探索ポイントからの採取によって入手できる素材もある。これらとゼニー(お金)消費して、新たな武器や防具を作成できる。作成した防具は、専用の強化素材でステータス強化も可能だ。

手に入れた素材とお金を消費して武器や防具の作成や強化をする、昔からお決まりのクラフトシステム

また、武器や防具には、「攻撃力強化」「会心率向上」「耐性向上」などの固有の「スキル」が割り当てられている。装備の組み合わせ次第でスキルが発動し、複数の同名スキルを掛け合わせることで、同じスキルでもより強力な効果を発揮できる。例えば、「攻撃」スキルを複数の装備で組み合わせることで、攻撃力が段階的に上昇していく。

武器や防具にはスキルが用意されている。クエスト中はスキルに応じた特殊効果を得られる

上記のような従来の武具作成システムに加え、本作では新たに「アーティア武器」という要素が加わっている。これは本作のエンドコンテンツの1つであり、正に「終わりのない」ゲームを実現した要素になっている。

「アーティア武器」は、高難易度クエストクリア時にもらえる「アーティアパーツ」を3つ組み合わせ、新たな武器を作るシステム。使用するパーツの種類により、火力特化から会心攻撃発生率特化、特定の属性攻撃付与など、プレイヤー毎に多彩なスキルや属性を付与した武器を作れる。また、一度作った「アーティア武器」へ専用素材を使うことで、ランダムな効果が追加付与されていき、より強い武器へ進化するという、ハクスラゲーム的システムも採用している。これを繰り返し、自分にしかない「最強の武器」の作成を目指していく。

「アーティアパーツ」を組み合わせ、オリジナリティあふれる「アーティア武器」を作成でいる

 

新オトモ「セクレト」による新サポートシステム

本作から、新たなオトモとして「セクレト」と呼ばれる生物が追加された。

「セクレト」でできることは大きく3つ。

1つ目は、広大なフィールドを高速で駆け抜けられる点だ。険しい地形や急斜面も難なく乗り越えて移動できるし、目的地を設定しておけば、最短ルートを探して勝手に移動してくれる。目的地設定をしなければ、プレイヤーの手で思うままに操作することも可能だ。プレイヤーが呼びたいときに呼びだせるため、戦闘中のとっさの回避手段としても利用できる。また、「セクレト」に乗りながら回復したり、武器を研いだりといった、戦闘準備もできる。

「セクレト」にまたがり、広大なフィールドを高速で移動できる

2つ目は、支給品へのアクセスができる点だ。本作から支給品ボックスが排除され、セクレトの持つポーチに支給品が配布されるようになった。これにより、支給品が追加された際にわざわざ拠点に戻らなくても補給を受けられる。

「セクレト」に乗れば、いつでも支給品ボックスにアクセスできるようになった

3つ目は、メイン武器、サブ武器の切り替えができる点だ。本作では2つの武器を同時携帯できるようになり、戦闘中に「セクレト」へアクセスすることで、利用する武器を切り替えられるようになっている。これにより、戦況に応じた武器選択がその場ででき、戦術の幅が広がる。

赤く囲った武器欄を見ると、メイン武器とサブ武器の表記がある。2つの武器を持ち込み、「セクレト」に乗って適宜切り替えられる

 

少年「ナタ」を中心とした壮大なストーリー

本作のストーリーは、約1000年間に立ち入りが禁じられ、人が生存していないとされていた「禁足地」を舞台に展開する。ギルドのメンバーが現地に向かい、現地の生態系調査を進める中で、本来人がいないはずの「禁足地」に、1人の少年「ナタ」が倒れているのを目撃し、救助する。彼の口からは、この地にもまだ人が存在して生活していること、彼の故郷は謎のモンスターである「白の巨影」に襲われたことが語られた。

誰もいないはずの「禁足地」に、少年が倒れているところから、物語が始まる

少年「ナタ」の故郷は、謎の巨大生物「白の巨影」に襲撃されてしまい、彼は命かながら逃げ出していた

「白の巨影」とは一体何者なのか、「ナタ」の故郷は今どうなっているのか、「ナタ」は無事、家族に会うことができるのか…過去作のモンハンのような、「ただハンターがモンスターを狩って終わり」ではない、「ナタ」の成長と、事件の真相究明を求める物語が始まる。

「ナタ」と、主人公たち「鳥の隊」のメンバーを通した成長物語が描かれる

 

 

このゲームの良い点

アクション性の高さはピカイチ!

本作で追加された「集中モード」は、シリーズの中でも特に優れた快適さと使いやすさを誇るシステムで、今後の作品でも必須レベルの要素だと感じた。

モンハンアクションの悩みである「攻撃中の向き合わせ」を自在に変更でき、狙いたい部位に正確に攻撃を当てられる。これにより弱点へ的確に攻撃ができるため、DPS(1秒間に与えるダメージの数)の向上へつながり、素早い討伐が可能となった。それだけでなく、特定部位の破壊も容易になっており、「集中モードなしの狩りは考えられない」と思わせるほどの重要な機能になっていた。

また、集中モード時の「集中弱点攻撃」もよかった。「集中弱点攻撃」による大ダメージと怯みや転倒を、通常の攻撃コンボと組み合わせて、プレイヤーが一方的に攻撃し続けられるため、「俺つえー」感を大きく感じられた。

新アクションの「鍔迫り合い」や「相殺」も、相手の攻撃を防ぐという実用性もさることながら、成功時にプレイヤーとモンスターにズームが入り、激しい戦いをしているようなかっこいい演出が魅力的だった。特に「相殺」は発動の難易度が高い分、成功時の達成感や強力な反撃が楽しめ、狙うことのメリットが感じられた点はよかった。

 

快適なショートカットシステム!

「モンハンワールド」から、

  • アイテム使用時はスロットから選ぶのではなく、あらかじめ登録されたショットカット機能ですぐに使える
  • 複数ある拠点やマップの中から、ファストトラベルポイントを選べる
  • 乗り物に乗り、目的地までの自動移動に加え、移動しながらのアイテム利用ができる

等の様々なショートカット機能が実装され、非常に便利だった。本作はこれを踏襲するだけでなく、

  • 乗り物に乗りながら周囲の素材採取ポイントから素材をとれる
  • 支給品ボックスにアクセスしなくても、「セクレト」に乗って移動しながら支給品を受け取れる
  • メイン武器以外にサブ武器を1本持てるようになり、任意のタイミングで使う武器を交換できる

等のさらなる機能拡張がされていて、かなり便利だった。1個1個は細かな要素だが、これらが積み重なると、ストレスなく狩りに集中できるようになり、よりアクションゲームとしての楽しさを享受したゲーム体験ができた。

 

武器バランスは非常に良好!

全部で14種類ある本作の武器は、どれも武器バランスがとれており、産廃武器が「ほぼ」存在しない。多くの武器が、過去作のモーションにプラスアルファされた派生攻撃を持っており、それが実に優秀なためだ。

例えば、玄人向けと言われていた片手剣は、ガード状態で使える「ガード切り」にジャストガード判定がついたことで、相手の攻撃をどんなタイミングでもジャストガードして凌げる力を手に入れたし、一部の熱狂的なファンしか使っていなかったガンランスも、砲撃を中心とした新たな強力コンボが実装されたことで、より火力に特化した使いやすい武器へと変貌している。

筆者は過去作をずっと大剣しか使っていなかった「大剣大好きマン」だったのだが、本作で初めて片手剣デビューし、その使いやすさ、強さに惹かれ、そのままラスボス撃破まで使い続けてしまうほどだ。自分が使いたい武器を選び、練習し、使い方を習得すれば、どんなモンスターでも対等に戦えるバランスが取れているのは魅力的だった。

ただ、ハンマーは唯一の弱武器なんだとか…筆者はハンマーを使ったことがないので知りません(←)

 

充実した豊富なキャラクリ要素!

過去作同様、本作にもキャラクタークリエイトが実装されているが、シリーズの中でも特に高い自由度を誇る。

メインキャラは顔の輪郭、目、鼻、口の形、髪型や髪色に加え、肌の質感や傷、タトゥーといったディテールまで反映可能。2つの質感を組み合わせることまでできてしまう。これにより、プレイヤーごとに個性あふれるキャラクターを作成する楽しさが広がっている。ネットを見ると、芸能人やアニメキャラを再現したようなクリエイトをしている人までおり、本作のキャラクリの自由度の高さがうかがえる。

カラーパレットを使った細かい色設定が可能。他にも、肌質感なども細かく変更できる

オトモのクリエイトも充実しており、オトモの毛並みや色、目の形、声などを自由に設定できる。今回のオトモは人語をしゃべるため、どのような声質にするのか、も設定可能だ。見た目の可愛さやカッコよさを追求するだけでなく、狩猟時のパートナーとしての個性を強調でき、キャラクリをより「相棒」感を感じれるようになる。

そのほか、新たに実装された騎乗生物「セクレト」のクリエイトや、防具の重ね着装備や色変更も実装されている。武器の重ね着だけ、今のところないのは残念だが、キャラクリ面ではここまで充実している作品はそうそうなかった。

 

ストーリーの作り込みや世界への没入感は圧倒的!

モンハンのストーリーは「おまけ」という要素が強い。が、本作はこの風習を取っ払い、ストーリーに重きを置かれた作品になっている。この部分は個人的にはかなり良かった。

ネット上では、

  • モンハンにストーリーはいらない!狩りをさせろ!
  • ムービー長すぎ!強制移動の場面多すぎ!
  • 「ナタ」がうざい!
  • 展開が急だったり、せっかく出会った他キャラクターとの関係が希薄でもったいない!

という、ストーリーへの反対意見をよく見る。確かに、ムービーはやたら長く、下位のプレイ時間の半分以上はムービーを見ていたし、ストーリー中の多くの場面で自由行動が許されず、誰かの後ろをゆっくりついて行くような場面が多かったのは気にはなった。

が、そんな要素は気にならないほど、ストーリー上のメインキャラ「ナタ」の心情の描き方が見事。自分の故郷を襲ったモンスターに復讐したい、しかしモンスターの背景を知ると、復讐することが果たして正解なのか悩む…「ナタ」がプレイヤー達と狩りに同伴する中で感じた気持ちと、その結果どう世界を救おうとするのか、心情変化とエンディングまでの繋がりに、モンハン作品では感じえない感動を得ることができた。

また、本作は、キャラクリした自キャラがストーリー上のムービーや会話パートで頻繁に登場し、様々な表情やボイスを通じて積極的に関わってくる。主人公はあくまで「ハンター」であり、ギルドから要請された仕事をこなす、ある意味「仕事人」的な立場なのだが、「ナタ」を取り巻く様々な不安を一緒に解決するよう助言したり、ピンチを救ってあげたりと、単なる傍観者ではなく、物語の中心人物として深く関与する作りとなっている。自分が作ったキャラが、「ナタ」の良い導き手となって、果敢にモンスターに挑む姿を見ると、なんだか胸にこみ上げるものがあった。

キャラクリしたプレイヤーが、ムービー中にもしっかりフォーカスが当たり、活躍してくれる

「ナタ」の苦悩へ助言をする一面も。仕事人のような姿が非常にかっこよく、「作りこんでよかった…」という気分になる

ストーリー以外にも、「ハンターとしての生活」という没入感を感じられるシステムもよい。通常版PS5でも十分綺麗で滑らかに描かれるグラフィック描写と、一定サイクルで変動する季節や、朝昼夜と変化する時間システムによって、フィールドがただの狩場ではなく、「生態系が豊かに息づく場」として表現されている。

また、モンスターたちは単なる敵ではなく、生態系の一員として自然に溶け込んでいる。大型モンスター同士の縄張り争いや、小型モンスターが群れを成して行動する様子は、まるで自然ドキュメンタリーを見ているかのような臨場感がある。例えば、プレイヤーがターゲットを追跡している最中に、別のモンスターが突如として現れ、両者の激しい戦闘に巻き込まれるといった展開は、本作ならではの魅力だろう。

オープンワールド化して、拠点と狩場の垣根をなくしたことで、こういった「没入感」をさらに追及できていることから、ただの狩りゲーではない、ドキュメンタリーの世界で生きている体験ができる点はよかった。

道中にいるモンスターは、ただ生活しているのみで、プレイヤーを見ても基本は襲ってこない。生態観察のような楽しみ方もできる

モンスター同士の戦闘を横で見ることも…その迫力はけた違いだ

 

 

このゲームの悪い点

UI周りは微妙過ぎる…

細かい要素だが、UI周りの作りは微妙で、遊び続けていると残念に思う要素が多い。ざっと挙げるだけでもここまである。

  • アイテムポーチの形が変わったが、アイテム配置理由がわかりにくい
  • アイテムボックスにアクセスするために、いちいちハンターテントに入らないといけない
  • 全体マップの拡大は拡大し過ぎるし、縮小は縮小し過ぎて使いにくい
  • 全体マップ表示ボタンと、周知事項のスキップボタンが同じなため、周知が発生すると全体マップが開けない
  • 討伐したいモンスターをクエスト一覧から確実に選択できず、いちいち各エリアのマップを開き、目的のモンスターがいるか調べる必要がある
  • 食事効果がモンスターとの戦闘中に切れてしまう。事前周知も小さな文字で警告されるのみで気付かない
  • 拠点が複数あり、それぞれで設備が微妙に異なるので、どの拠点で何ができるのかわかりにくい。
  • 「セクレト」がちょっと離れたところにいることが多く、呼んでもすぐに来てくれない時がある
  • 集会所がなく、フレンドと遊ぶ方法がわかりにくい(公式から集会所は実装予定であることが周知あり)

1個1個は大きな要素ではないが、ここまで数が積み重なると、遊ぶたびに「ああ…」というため息が出てしまう。運営にはこのあたりの仕様は早急に見直しをしてほしい。

 

ゲーム価格に見合った体験が出ているか微妙…

約1万円という高額な価格に対し、ゲーム体験の充実度には微妙な点が多いと感じた。

真っ先に感じるのは、登場モンスターの少なさだ。新規モンスターは多いが、既存モンスターが不足気味な印象。モンスターの少なさを、同じモンスターの「歴戦個体」や「狂龍化個体」などのバリエーションで使い回している感が強い。結果、クエスト数も少なくなっており、筆者はサイドクエストをこなしつつも合計25時間(下位約12時間、上位約13時間)で全主要クエストをクリアしてしまった。

さらに、本作のウリである「オープンワールド」は正直モンハンと噛み合ってなかった。マップはシームレスにつながっているが、クエスト開始時には目的エリアへ自動移動するため、結局従来作と変わってない。オープンワールド特有の探索要素も乏しく、特別な採集地点がある程度で、フィールドを活かした冒険の楽しさは薄い。

加えて、開発陣がこだわったとインタビューでコメントしていた食事シーンも、最初は目新しいが、2回目以降はスキップするだけの存在となる。こうした不要な演出やオープンワールド化にかけた開発コストが価格を押し上げた結果、1万円という値段になったのであれば、この価格設定は妥当とは言い難い。価格に見合う内容を期待するなら、セールを待つのも賢明だろう。

まあ、この後追加コンテンツがいろいろ配信され、結果的に超ボリュームになるんだとは思うが。

 

「アーティア武器」という要素は不要か…

本作のエンドコンテンツである「アーティア武器作成」は、シリーズに変化をもたらしたものの、モンハンの面白さの根幹である「色んな素材を集めて装備を作る喜び」を大きく損なっているシステムだと思った。

これまでのモンハンシリーズは、モンスターごとの固有素材を集めてそれぞれ武具を作る、というサイクルが楽しみの核であった。例えば、

あのモンスターの素材で作った武器が欲しいので、クエストを周回しよう

→そのモンスターを効率よく倒せる属性武器を持っていないから、まずは属性武器を作る為に別モンスターを狩ろう

→目的達成したら別モンスターを相手に同じことを繰り返そう

という、素材収集プロセスがプレイヤーのモチベーションとなっていた。だが「アーティア武器の作成」では、この楽しみが完全に失われている。

「アーティア武器」を作るためのパーツは、「歴戦個体」と呼ばれる強モンスターを倒せば、モンスター種類によらず入手できる。その結果、どの武器種、どの属性、どのスキルを持った「アーティア武器」を作るにも、同じ特定モンスターを周回するだけで済んでしまい、様々なモンスターを狩る必要性が薄れ、狩猟そのものが作業になっていると感じた。

もちろん、従来のモンスター素材を元に作る武器も十分に強力であるものの、武器種の約半分は最終的にはアーティア武器の方が強くなってしまい、従来武器の存在感を薄れさせる要因を作っている。これなら、従来武器に対して、更なるスキル獲得や火力向上のためにアーティアパーツを使用する仕組みの方が、やりこみ要素としては優れていたと感じる。

 

既プレイ勢は簡単、新規勢は激ムズなゲームシステム…

本作の難易度について、「過去一簡単」という評価が並んでいる。遊んだ感じ、これは半分正解、半分間違いだと思う。これは、プレイヤーの経験値による差が大きく影響しているためだ。

シリーズ経験者にとっては、過去作から培ったシステム理解とプレイスキルを活かせるうえ、ハンターを有利にするアクションやシステムが数多く追加されたことで、効率的な立ち回りが可能となり、過去作と比較して簡単に感じる場面が多い。一方で、シリーズ未経験者にとっては、覚えるべきアクションやシステムの多さに圧倒されることになる。武器の操作は単純なボタン連打ではなく、R2ボタンやL2ボタンとの組み合わせ、さらには特定のボタンの同時押しによるコンボが必要となる。また、同じボタン操作でもタイミングによって技が変わるなど、アクションゲームの経験があるプレイヤーでも相応の時間の練習が必要になるほど複雑だ。

また、モンスターの動きの複雑さも、難易度を上げている要因だ。「モンスターハンターワールド」以降の作品から、モンスターは「振り向きながら攻撃する」「似た動作から異なる技を繰り出す」など、「生き物」を感じさせる、予測しにくい動きをするようになった。このため、初心者は攻撃の隙を見極めるのが難しく、回避や反撃のタイミングをつかむまでに苦労する。

このように、経験者には簡単に感じられる一方、初心者には高い学習コストが求められるゲームとなっている。フレンドと一緒に遊べるのであれば、協力して覚えていくことでどんどん楽しくなっていくと思うが、ソロプレイの場合は根気と時間が必要な作品であることを覚えておくべきだろう。

 

 

 

まとめ

アクションや没入感は最高だが、UIの使いづらさやボリューム不足が目立つゲームになっていた「Monster Hunter Wilds」。

モンハン作品では毎度のことながら、アップデート次第ではもっと化ける可能性は十分ある。セールで安くなってからからやり始めても追いつきはするが、気になるなら盛り上がっている今、購入してしまおう。

それでは、記事を書いている時間も勿体ない!一狩り行ってきます!

では!