今回は、PS4のゲーム「Alien:Isolation」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。
PS4がリリースされて間もない2014年10月に発売された本作。映画「エイリアン」をモチーフにしたホラーゲームで、発売当初からかなり人気の高い作品である。
気になっていたので早速プレイ!感想をまとめたので、参考にして欲しい。
◆個人的感想
総評
「アウトラスト」や「夜廻」のような回避ゲーでも、「バイオシリーズ」のようなゾンビゲーでも無い、これぞ新たなホラーゲーム!と言った印象。
最強の存在「エイリアン」を相手に、逃げる場面、戦う場面を見極め、いつ襲われるかわからない状況の中でもギミックを解き、安全地帯すらも存在しない、非常に緊張感のある作品であった。
フレームレートやアクション性に難ありな部分はある上、ある程度のアクションゲームスキルが必要とされる為、少し難易度高めなゲームだが、それでもやってみる価値はある良作だと感じた。
どんな人にオススメ?
- 既存のホラーゲームやゾンビゲームに飽きた
- 高難易度ゲームに興味がある
という人は楽しめる。逆に
- サクッとホラーゲームをやりたい
- 主観視点のゲームをやると酔ってしまう
- 難しいゲームは苦手
という人には向かないだろう。
◆このゲームの特徴
エイリアン、アンドロイド、人間を相手にしたホラーアクション
本作では、「セヴァストポリ」という、宇宙ステーションがかなり発達し、人間が居住できるようになった未来の施設が舞台の、一人称視点ホラーアクションゲームである。プレイヤーは与えられたミッションを攻略すべく、広大な施設を一人で探索していく必要がある。
「セヴァストポリ」には危険な生き物が多数存在しており、ミッション攻略も一筋にはいかない。
まずは、ゲームタイトルにもなっている「エイリアン」。強靱な完全生命体で、どんな攻撃を加えても倒れることは無い。姿を捕らえられたら最後、高速で接近してくる上、捕まったら即ゲームオーバーだ。
更に「エイリアン」は、ダクトを使用してあちこちから姿を現すことができる。「このあたりにはいないな~」と思って大きい音を立ててしまうと、近くのダクトからいきなり現れてご対面!ということにもなりかねない。
更に、敵は「エイリアン」だけではない。トラブルにより人を襲うようになってしまった「アンドロイド」、元は「セヴァストポリ」の住民で、少ない物資を奪い合い、「エイリアン」や「アンドロイド」から姿を隠しながら生きている「人間」も敵として登場する。
彼らは「エイリアン」とは違い、戦って倒すことは可能。ただし、無駄に大きな音を立てると、途端に「エイリアン」が現れ襲い掛かってくるため、静かに倒すか、または戦わず逃げるか、といった選択肢が大切になる。
安全地点など存在しない、緊張感の高いシステム
大体のホラーゲームには、セーブポイントを筆頭に、敵が絶対に入ってこない場所が存在するため、何かあったらそのポイントに逃げ込んだり、そのポイントでいろいろ下準備をしたり、といったことを行うことが多いはず。
しかし、本作はセーブポイントにすら敵がやってくるため、完全な安全地帯など存在しない、非常に緊張感の高いつくりになっている。
更に、ミッション中には、指定されたギミックを解除しないと先に進めない場面も存在する。ギミックには
- 制限時間内に、指定されたマークを順番に指定してロック解除
- 鉄板をトーチを使って強制熔解
- スイッチをオンにするために指定回数ボタン連打
など、比較的簡単でやりやすい。
ただし、 ギミック解除中も敵はこちらを探索し続ける上、ギミック解除中はこちらは何もできないため、解除中に背後から襲われてそのままゲームーバー、ということもざらにある。ハラハラドキドキしながらギミック解除することになるため、非常に緊張感が高い。
ただのパニック作品ではない!事件の真相を探る良質ストーリー
本作の主人公でエンジニアである「リプリー」は、宇宙船「ノストロモ号」に乗り込み宇宙へと旅立ったまま、15年間行方不明となってしまった母親を探すべく、「ノストロモ号」のフライトレコーダーがあると言われている宇宙ステーション「セヴァストポリ」へと乗り込む。しかしそこは、未確認生命体「エイリアン」や、本来は人を襲わないはずのアンドロイド「ワーキングジョー」により、破壊の限りを尽くされた地獄のような環境であった。
このトラブルに、リプリーや一緒に乗り込んだ仲間たちも巻き込まれていく。中には、裏切りに近いような動きをする人まで…
「エイリアン」を追い払って脱出を目指しながら、フライトレコーダーの謎を解き明かすべく、リプリーは恐怖と戦いながら、「セヴァストポリ」内を散策していくこととなる。
映画「エイリアン」に繋がる作品が展開されているが、映画を見ていない人でも十分楽しめるストーリーとなっている。ただの脱出パニックストーリーではない、この事件の真相が暴かれていく展開が待っている。
◆このゲームの良い点
ホラーゲームなのに超ボリューム!
ホラーゲームというと、大体10時間前後でストーリーが終わることの多い印象。人によっては、クリア後はより高難易度でのクリアに挑んだり、RTAに挑んだりするだろうが、私はこういうゲームは一度クリアすると以降プレイしないタイプのユーザーである為、ボリュームが短いと肩透かしをくらう気分になってしまう。
しかし、本作はキャンペーンモードのボリュームが非常に多く、難易度ノーマルで寄り道せずにクリアしても20時間以上かかった。ここまで長いホラーゲームは、サイコブレイクシリーズくらいと記憶している。
さらに本作には、キャンペーンモードに加えて追加ストーリーやエイリアンからひたすらに隠れ続けるエクストラモードが合計3つも存在する。全部遊び尽くそうと思うと、とんでもない時間を必要だ。
ホラーゲームなのにここまでボリュームがあるゲームも珍しく、十分やりごたえのある作品だった
もっとやり込もうと思えば、行方不明者のIDカード集めや、セヴァストポリ内の住民が残したログ集めといった収集要素もある。取らなくても特にストーリーに影響はないが、セヴァストポリ内の住民がどんな生活をしていたのか、エイリアンがセヴァストポリ内に侵入した時に何が起きたのか、など、本編では描かれない背景を知ることができ、面白かった。
ホラーゲームとして十分な要素が満載!
全体的に閉鎖的で少し暗めな部屋が多いので、常に周囲に誰かいるのではないか、という緊張感が漂う。更には、倒れて動かなくなっているはずなのに、近くを通りかかると急に動き出すなどのビックリ要素まで存在する。
また、行動するときは常に1人で、味方など存在しない。背後に何かいたとしてもわからないので、とにかく怖い…
音やBGMも非常に恐怖要素が強い。エイリアンが歩く「ドシッドシッ」という音がだんだん近づいてくると、なんとも言えない恐怖感が漂う。場合によっては、机一つ挟んだだけの状態でエイリアンを撒いたりする場面もあるほど…
エイリアンの動きもランダムで、次はどこに動くのか、歩くのか走るのか、ダクトを使うのか、全く予想できない。一度ロッカーに投げ込むと、そこから出ることができなくなってしまうほど怖かった…
簡単でも、激ムズでもない、ちょうど良い難易度!
エイリアンは完全に倒すことはできないが、火は苦手なため、火を当てると追い払うことができる。その為、「もうだめだ…」というような場面でも、火さえ持っていれば、一時的ではあるがエイリアンを追い払える。
また、これまた強力な存在である「アンドロイド」も、電気には弱く、電気を流し込める武器を使えば一時的に無力化し、一方的に攻撃できる。
「見つかったら終わり」となってしまうと、常に慎重な動きが要求され続け、ゲームテンポが悪くなってしまう。しかし、「超強力な敵だけど、見つかってもアイテムを駆使してある程度は挽回できる」というシステムは、ある程度は無理矢理な行動もできるし、全く頼らないで進むこともできるし、という、プレイヤーに寄り添った非常に良いシステムだと感じた。
「そんな強力なアイテムが手に入ったらヌルゲーになりそう」と思う人も心配無用。アイテムはそこら中に大量に散らばっているわけではないので、使うタイミングはちゃんと選ぶ必要がある。無闇に使ってしまうと、本当に必要な場面で燃料が切れたり素材が切れたりする。このバランス感も絶妙だった。
◆このゲームの悪い点
操作性に難有り…アクションゲームと思ってはいけない…
本作はアクションゲームとして見た場合、大きく2つの不満点が挙げられる。
一つは、フレームレートの低さだ。常に主観視点で操作することになるのだが、PS4初期に発売されたゲームのせいか、フレームレートがかなり低く、画面がカクついたり、妙にがたがたしたりする。主観視点ゲームに慣れている私でも、長時間プレイすると頭が痛くなってしまった。
二つ目は、銃関係のアクション性の低さだ。銃を構えても、すぐに撃ってしまっては狙ったところに弾が飛ばない。しばらく構え続けると徐々に照準が合い始め、ちゃんと照準が絞り切れてから引き金を引かないと当たらないため、このテンポ感の悪さはアクション性を大きく下げている。
更に、銃のリロードも非常に特殊で、□ボタンを長押ししないと弾薬をフルリロードしてくれない。他のシューティングゲームに慣れていると、こちらも快適性が低く、非常に気になってしまった。
流石にストーリーが長過ぎて飽きがち…
ストーリー前半は、比較的狭いエリアを舞台に、敵から隠れ、ギミックを解きながら目標を達成し、脱出して1セクション終わり、ということが多かった。そのため、一つ一つのストーリーの区切りがよく、また常に良い緊張感と安堵に包まれながらプレイできた。
が、物語後半になるにつれ、目的地がどんどん遠くなり、かつ解かなくてはいけないギミックの数がどんどん増えてくるため、只々面倒に感じることが増えてしまった。
大体の流れが、
- 敵の目を掻い潜って目的地に到着
- 電力が足りないとか、アクセス権限がないとか言われるので別の場所に移動
- 課題達成後に元の場所に戻って目標達成
- 次の場所の目的地が提示されてそこまで移動…
を繰り返してようやく1セクション完了、となるため、「さすがにもういいよ…」「もう終わろうよ…」というような気分になってきてしまった。
中には、敵やイベントが全くなく、ただステージを歩いてボタンを押したりレバーを引いたりするだけ、というステージもあり、「そんなステージ用意する必要ある?」と思ってしまった…
物語の黒幕や、主人公の追い求めていた答えを徐々に明らかにするためには、このような超大作ストーリーを練らないといけなかったのかもしれないが、さすがに長すぎるかな、といった印象だった。
音声は全て英語…ログが快適に読めない…
本作は、日本語対応版を購入しても音声はすべて英語である。字幕やオプション、アイテム説明等はちゃんと日本語対応されているため困ることは無いのだが、問題なのがやり込み要素の1つである「ログ」を読んだときだ。
収集物の1つである「ログ」の中には、音声で読み上げられるものも存在する。再生すればその場で音声が流れてくれるが、すべて英語である上、流れている間も敵は変わらずこちらを捜すために動き続けている。なるべく見つからないように移動する必要のあるゲームなのに、音声ログがすべて字幕表示だと、満足に字幕表示を読んでいる余裕などない。
一応、一度見たログは、メニューから再度読むことができる。メニューを開いている間は敵の動きはすべて止まってくれるため、落ち着いて読み直すことは可能だが、せっかく「音声」として用意した意味が無くなってしまうのは勿体ないな、と感じてしまった。
◆まとめ
充分すぎるほどのやり込み要素とホラー要素を混ぜ込んだ「Alien:Isolation」。今では価格もかなり下り、購入しやすくなっているため、未プレイだ、という人は是非やってみてほしい!
では!