今回は、「BIOHAZARD RE:2」について、このゲームの特徴や良い点、悪い点をまとめていきたい。
バイオシリーズの一つ「BIOHAZARD 2」をリメイクした本作。旧作ではポリゴン調で少し見づらい映像だったが、PS4のグラフィック力を借りて、新たな恐怖体験へと生まれ変わった。
原作をやったことない筆者が、購入してからぶっ続けでプレイしてみた!エンドコンテンツも合わせ、プレイした感想を書いていきたい。
なお、私がやったことのあるバイオシリーズは以下だ。
- BIOHAZARD 0
- BIOHAZARD RE:3
- BIOHAZARD 4
- BIOHAZARD 6
- BIOHAZARD REVELATIONS 1
- BIOHAZARD REVELATIONS 2
- BIOHAZARD Umbrella Chronicles
◆個人的感想
総評
恐怖、謎解き、戦闘が丁寧にしっかり組み込まれた、正に「原点回帰」に相応しい作品である。「やりごたえがあり、ちゃんと怖いホラーTPSゲームがやりたい」というなら、間違いなくプレイして損はない。
ただ、本来であれば極めたい人だけやればいい「やり込み要素」をやらないと、真エンディングを見れない点は、ライトゲーマーにはあまり親切ではないな、とも感じた。周回プレイが絶対嫌なのであれば、ちょっと含みを持たせた終わりになってしまうことを覚悟して欲しい。
どんな人におすすめ?
- 謎解き型ホラーゲームが好き!
- RTA大好き!ひたすらにやり込みたい!
といった人にはオススメできる。逆に、
- シューティングゲームは苦手…
- ホラーゲームは苦手…
- ストーリーを1回遊んだらもうやらないライトゲーマー
といった人には合わないかもしれない。
◆このゲームの特徴
往年の有名バイオ作を高画質でプレイできる
「BIOHAZARD 2」といえば、1998年に初代プレイステーションで発売されたソフトである。今と比べれば当時の画像は非常に粗く、どのキャラもポリゴン表示のまま戦うといった感じだが、それでも当時は物凄い人気作だったようだ。
そんな有名作品を、画質やアクション性を一新して遊べる点が大きな特徴といえる。主人公である「レオン・S・ケネディ」や「クレア・レッドフィールド」の表情や、ゾンビ1対1体の傷跡、細かなオブジェクト1つ1つまで綺麗に映し出されているため、バイオハザードの映画をプレイしているような感覚になれる。
閉鎖空間を探索する謎解き×ホラーアクション
本作は、ゾンビやクリーチャー等の敵からの襲撃を切り抜けながら、ステージに散らばる謎を解き、物語を進めていく謎解き×ホラーアクションのゲームだ。なお、原作の「BIOHAZARD2」は、カメラが固定されている「ラジコン操作」であるが、本作では常にキャラの背中越しにカメラがある「TPS」へと変更された。
舞台となる「警察署」や「研究所」などはいずれも閉鎖的で真っ暗な空間が多い。プレイヤーは懐中電灯片手に、うっすらとしか照らされない道を進んでいく必要がある。
これがとにかく怖い。「この先に何か出てくるんじゃないか」という恐怖感が常に付きまとう。時折うめき声のような音が聞こえてくることもあり、「絶対何かいるだろ…」と思いながら先を進むことが非常に多い。
敵となるゾンビは、マップのいたるところに徘徊している。中には一見動くことは無いように見えて、通りかかると突如動き出したり、空いた窓から突如顔を出したりする性悪なゾンビもいるため、「ここには何もいないな…」と思っても油断は禁物だ。
ストーリーが進むと、これまでゾンビがいなかった部屋にいきなり現れることもあるため、一度訪問した部屋に行く時も常にビクビクしながら進むことになる。
更には、ゾンビはこちらを見つけると、ドアを開けてまで追いかけてくる。ゾンビなのでスピードは遅く、逃げるのは難しくはないが、逃げ込んだ部屋が行き止まりだった時に、追いかけてきたゾンビがドアをドンドン叩く音が聞こえてきた時の恐怖は半端じゃない。
ゾンビを撃退するには、銃火器を使うのが最も効果的。銃火器はハンドガン以外にも、ショットガンやサブマシンガン、マグナムなど様々な武器が用意されている。高火力の武器であるほどゾンビを素早く撃退できるが、武器ごとに専用の弾薬が決められており、強力な武器の弾薬は中々入手できない。
- どの敵相手にどの武器で戦うのか
- そもそも戦わず逃げるのか
など、常に取捨選択を求められる。
また、プレイヤーを追ってくるのはゾンビだけでは無い。「タイラント」という、黒いコートを纏った巨人もプレイヤーを襲ってくる。
厄介なことに、「タイラント」はどれだけ攻撃しても、ちょっと怯んだり膝をついたりするだけで、倒れる事はない。また、「タイラント」はゾンビ以上に扉を跨いでプレイヤーを追ってくるため、うるさい音を出すとこちらに向かって一目散にやってくる。
ゾンビを倒してタイラントを撒いたらゲームクリア、とはならない。このゲームの目的はあくまで、ステージからの脱出や目的物の回収だ。よって、マップの各所に散らばるアイテムを集め、専用の設備まで運んだり、パズルを解いたりと、様々な謎解きを実施していく必要がある。
本編とは別のおまけモード「エクストラ」
本作には、メインとなるストーリーモード以外にも、様々なエクストラコンテンツが実装されている。いずれのモードも、目的地まで指定のルートを移動していく、謎解きよりもシューティング要素に全振りしたモードとなっている。
登場するキャラは、本編に少しだけ登場するモブキャラや、本編では出てこないが裏で暗躍していたキャラなど、様々だ。
エクストラのステージはどれもかなりの高難易度で、何回も挑戦してクリアまでの最適ルートを覚え、その通りに操作できるよう練習していく必要がある。1番最後に解放されるステージをクリアできた人は、まさに立派な「サバイバー」と言えるだろう。
レオン、エイダ、クレア、シェリー…有名な人物の初登場を追うストーリー
本作は「レオン」と「クレア」という2人が主人公であり、プレイヤーはどちらかのキャラのストーリーを選び、プレイすることとなる。
「レオン」はラクーン警察署の新米警官である。警察署への初出勤直前に待機命令が出て以降、連絡が途絶えたことを不審に思ったレオンは、ラクーンシティに向かい車を走らせるところから始まる。
一方「クレア」は普通の大学生だ。兄でありラクーン警察署の特殊部隊「S.T.A.R.S.」の一員である「クリス・レッドフィールド」との連絡が取れなくなったことを受け、兄の勤務地であるラクーンシティへ向かいバイクを走らせるところから始まる。
2人は道中でゾンビの群れに襲われ、命からがらラクーンシティまで逃げ込むものの、街は既にゾンビまみれの廃墟と化していた。また、トラブルにより二人は離れ離れとなってしまい、それぞれ単独行動でこの町から脱出することを余儀なくされる。
逃げ込んだ先のラクーン警察署もすでに荒れ果てており、不気味なほどに静まり返っている。警察署周辺をゾンビに囲まれ、逃げ場が無くなってしまったものの、警察署にあるとされている秘密の裏道からの脱出を図るべく、警察署の探索を始めていく…
また、本作ではBIOHAZARD 4やBIOHAZARD 6などの後発作品で、レオンの相方的なポジションとなっている「エイダ・ウォン」との初の出会いを描いている。イイ感じな距離感を保ちながらお互いを援助しあっている2人が、いったいどのようにして出会い、なぜバイオ4やバイオ6のような関係になったのか、その過去が本作で描かれる。
さらに、バイオ6では成長した姿を見せた「シェリー・バーキン」も、幼い姿で登場。バイオ6ではプレイアブルキャラであったものの、あまり過去の話が深追いされなかった「シェリー」。彼女がどのような経験をしてきたのか、本作で明らかになる。
◆このゲームの良い点
ホラーTPSゲームとしてはまさに最高傑作!
ホラーシューティングゲームの作品は、ナンバリング作品である「BIOHAZARDシリーズ」や「サイコブレイクシリーズ」等、有名作品が数多く存在する。筆者はそのどの作品もプレイしてきたが、本作はその中でもトップクラスに怖く、そしてやりごたえのある作品であったと感じた。タメを張れるのは、閉鎖的でサイコホラーな世界を描いている「サイコブレイク」くらいだろう。
怖いところをあげるとすれば、
- 真っ暗闇を進む恐怖…
- 突然背後から叫び声をあげるゾンビ…
- どれだけ攻撃しても倒れず、しつこく追い回してくるタイラント…
- 弾薬や回復アイテム不足に常に悩まされながら危機的状況を回避する緊張感…
などなど…同じ場所を何回通っても、同じストーリーを何周しても、上記による恐怖感はぬぐえず、いつも「うわっ!」と驚き声をあげながらプレイしていた(笑)
謎解きがしっかりあるのも高評価。一見使い方がわからないアイテムも、回転させるとスイッチが付いていたり、別アイテムと組み合わせると別アイテムに変わってくれたりと、ただ敵を倒すだけでは無い、考えさせられる要素がちゃんと存在していた。
かといって難し過ぎてクリア不可能か、というとそんな事はなく、ちょっと考えればわかるものが多い。この調整も絶妙で良かったと感じる。
やり込み度が半端じゃない!
メインとなるストーリーモードは、クリアまでかかっても7時間、慣れてしまえば3時間程度でクリア可能なボリュームだ。これだけ聞くと「え?それだけしかボリューム無いの?」と思うだろう。
だが、本作のストーリーはレオン編、クレア編の2つがある上、1回クリアした後には、敵の出現場所や攻略アイテムの配置等の条件を変えて再度プレイする、通称「裏ルート」と呼ばれるものまである(なので、一週目は「表ルート」と呼ばれている)。レオン編、クレア編の「表ルート」「裏ルート」それぞれを追っていくと、ざっくり20時間は遊べてしまう。
さらに、ストーリーをクリアすると、そのストーリーでのクリア時間やセーブ時間をもとに評価が下される。4つのストーリー全てを最高評価S +までやろうものなら、敵やアイテムの配置を把握し、どのルートを回ってどのアイテムを回収するか覚え、どの敵とは戦い、どの敵はどうやってやり過ごすか見切る、など、とてつもないやり込みが必要になる。
メインストーリーでこれな上、特徴にも上げたエクストラステージもあるため、全てやり込もうと思えば、40〜50時間は遊べるほどのボリュームはあると言えるだろう。
◆このゲームの悪い点
全体的に敵が硬く、難易度が高め
本作のゾンビはとにかく硬い。ヘッドショットを3、4発当てても倒れない。一度倒れても、時間が経つとまた立ち上がり、こちらを襲ってくる。一番難易度が優しい「カジュアル」であっても、このゾンビのしぶとさはあまり変わらない。
そんなしぶといゾンビが、狭いマップにうろうろしているため、ゾンビ全員と戦っていては弾薬がまず足りない。「弾薬や回復薬を沢山持って戦いやすくしよう!」としても、バックのサイズには制限があるため、バッグサイズを拡張しない限り、多くのアイテムを持ち運ぶこともできない。もちろん、弾薬や回復薬を詰め込めば、謎解き用のアイテムは持てなくなってしまう。
よって、如何にゾンビと戦わずに進んでいくか、常に考えながら操作する必要があり、全体的にゲームの難易度が高い。シューティングゲームの経験があまりなく、ヘッドショットを的確に狙えないプレイヤーは、難易度「カジュアル」であってもなかなかゲームクリアできないような難しさだと感じた。
ストーリーを最後まで遊ぶには繰り返しプレイが前提
本作のストーリーは、1回クリアするだけでは実は真のエンディングには到達しない。クリア後に解除される「裏ルート」をクリアして初めて真エンディングとなる。「表ルート」と「裏ルート」で、敵やアイテムの配置、ストーリーが若干異なるが、全体の7、8割は一緒である。
また、メインストーリーはクレア編とレオン編の2つがあるが、ストーリーが少し違うだけで登場するマップや謎解きは一緒のため、どうしても飽きやすい。
このように、半強制的に繰り返しプレイを要求されるので、「同じストーリーをもう1回やりたくない」という人にとっては不満に思うだろう。
「Z Ver」でもグロテスク表現は抑え目…
本作は、グロ要素を少し抑え目にした通常Verと、グロ要素を出した18禁モードであるZ Verの2種類のバージョンが用意されている。
Z Verはグロ要素を全面に出したリアルさがウリのはずだが、日本版のZ Verではこのグロ要素が規制されており、敵を撃った際に血が出たりするだけで、そこまで大した規制要素はない。反面、北米版ではグロ要素がしっかりと用意されている。完全に「おま国」仕様になっているのだ。
「ホラゲーをやるならグロ要素は絶対欲しい!」という人は、日本版ではなく北米版を買うことをオススメする。
原作とは若干異なる展開がある…
これは1998年発売の原作をやった人のみ当てはまる話だが、当時の背景やマップ構造と本作とで、若干異なる点が存在する。原作をやり込んだプレイヤーが本作をやると、この違いに引っかかってしまうかもしれない。
筆者は原作をやった事はないので気にならなかったが、原作大好き勢の人はプレイする前に少し気に留めておいて欲しい。
◆まとめ
純粋なホラーを突き詰めたTPS ゲームである「BIOHAZARD RE:2」。周回前提と難易度の高さがちょっとだけネックだが、そこが苦にならない人であれば誰でも楽しめる作品であることは間違いない!
今ではだいぶ値段も下がり、購入しやすくなっている。まだ未プレイの人は是非やってみて欲しい。
では!