今回は、「Aliens: Fireteam Elite」について、このゲームの特徴や良い点、悪い点をまとめていきたい。
2021/9/16に日本語版が発売された「Aliens: Fireteam Elite」。北米版は2021年8月の時点から発売されていたので、そのプレイ映像を見てずっと気になっていた作品だった…
9/16になったと同時に即購入!遊べるステージを一通りすべて遊んでみたので、このゲームの感想をまとめていきたいと思う。購入すべきか気になっている人は是非参考にしてほしい。
◆個人的感想
総評
映画「エイリアン」に登場するキャラクターをベースに、「Left 4 Dead」や「World War Z」の要素をふんだんに取り入れた作品、といった印象。「短いステージを繰り返しプレイすることよるやり込み要素」に全力を注いだ、非常に尖った作品で、色々な不満点はあるものの、ハマる人は究極にハマり、ハマらない人は一気に冷めていくような、そんな作品だ。
筆者は「World War Z」にハマってトロコンしたほどだったので、本作も非常に気に入ってプレイしている。が、誰にでもオススメできる作品か、というと、首を縦には振れない。
最高難易度クリアを目指すんだ!というやり込みが好きな人なら買って良し、同じミッションをずっと繰り返してやり続けることに苦痛を感じるのであれば、購入を見送ったほうが無難だ。
どんな人におすすめ?
- ひたすらにやり込めるPvEゲームが欲しい!
- WWZやL4Dが好きですごくやり込んでいた!
- フレンドとワイワイ楽しめるゲームが欲しい!
といった人にはオススメできる。逆に、
- 一通りゲームクリアしたら、もうそのゲームはやりません
- オンライン環境が家にありません
- ストーリーを楽しみたい
といった人には合わないかもしれない。
◆このゲームの特徴
エイリアンの大群と戦う3人1組のTPS
本作は、映画「エイリアン」シリーズの23年後の世界を舞台とした、強力プレイ型のTPSゲームである。登場する基地名や会社名は、どれも映画「エイリアン」シリーズに出てくるものばかりで、エイリアンファンからすると懐かしさを覚える。
舞台となる宇宙船や未知の惑星では、映画にも登場した、頭の長い爬虫類のような生物「ゼノモーフ」が、群れを成して巣食っている。群れの仲間は、
- 体力、攻撃力共に低いものの、群れを為して素早く動き回る「ゼノモーフランナー」
- 倒された際に、酸を長時間に渡り周囲に撒き散らす「ゼノモーフバースター」
- 遠くから酸の液体を投げてくる「ゼノモーフスピッター」
など様々だ。
「ゼノモーフ」はプレイヤーを見つけると、地面や天井を張って進んだり、排水溝を伝ってきたりと、実に様々な方法で攻撃を仕掛けてくる。映画のエイリアンとは違いちゃんと倒せるが、倒した周辺にはプレイヤーにダメージを与える酸をばらまくため、近付かれる前に仕留める必要がある。
また、プレイヤーに立ち塞がる敵は「ゼノモーフ」だけではない。暴走したアンドロイド「シンセティック」や、「ゼノモーフ」とは別の宇宙生物「パソジン・ハスク」なども、同じくプレイヤーに襲いかかってくる。
プレイヤーの目的は、そんな数多くの敵の猛攻を凌ぎ切りながら、ステージ奥深くに存在する目的地まで進み、指定の人物を救助したり、オブジェクトを破壊したりすること。1ミッションは平均して約20分ほどかかる。
ミッションの途中では、「ゼノモーフ」たちの群れが襲ってくる個所がいくつかある。何も対策せずに戦うと物量に負けてしまうため、地雷やオートタレット等の補助アイテム「消耗品」を使用し、プレイヤー側も負けないように準備する必要がある。消耗品はミッション開始前に持ち運ぶこともできるし、ミッション中の随所に置いてある支給ボックスから拾って入手することもできる。
ミッションの最後では、「ゼノモーフ」の大群が押し寄せてくるため、それらを撃退し、目的地点まで移動できればミッションクリアとなる。
ミッションは全部で12種類。各ミッションで登場する敵やミッション目的が微妙に違うので、毎回新鮮な気持ちでミッションを楽しめた。
クラス、パーク、武器…豊富なロードアウト構成
本作には
- ガンナー
- デモリッシャー
- テクニシャン
- ドク
- ファランクス
- レコン(全ミッションクリア後に選択可能)
の6つのクラスが登場する。プレイヤーはこのクラスのどれかを選び、ミッションに挑む。
クラスにはそれぞれ固有のアビリティが3つ存在しており、ミッションではそれぞれの特徴を活かして戦う必要がある。例を挙げると、
- ガンナー:周囲を爆発させる「フラググレネード」や、自分と味方の射撃速度を大きく向上させる「オーバークロック」など、攻撃も支援もできる万能クラス
- テクニシャン:自動で敵を捕らえ、攻撃するタレットを設置する「セントリータレット」や、通った敵の動きを一時的に遅らせるトラップを仕掛ける「チャージドコイル」など、支援に特化したクラス
- ファランクス:正面からの攻撃を無効化する「シールドアップ」や、近くに電撃を放ち、敵を一定時間麻痺させる「ショックパルス」など、チームのタンク役となるクラス
などだ。
また、各クラスの能力を向上させるパークを付与することで、アビリティの性能を引き上げることができる。パークには、単純に攻撃力や効果時間を上げるものから、アビリティの内容そもそもを変えてしまうものまで、多くのバリエーションが用意されている。ミッションをクリアし、経験値を獲得してクラスのレベルを上げるほど、強力なパークを数多く付与できるので、より高難易度なステージも攻略しやすくなる。
武器種類も豊富。それぞれ
- ハンドガン
- ライフル
- CQB
- ヘビー
の4種類に分けられており、先述したクラスごとに使える武器種が異なっている。各武器種はそれぞれ以下のような特徴を持つ。
- ハンドガン:ハンドリングが良く扱いやすいが、単発銃のため複数の敵を一気に相手にするのが難しい
- ライフル:絶大な威力を誇るスナイパーライフルから、弾をフルオートで連射できるアサルトライフルなど、最もバリエーションが多い
- CQB:ショットガンやサブマシンガンなど、完全に近距離戦用の武器
- ヘビー:「デモリッシャー」のみが使用できる、ミニガンや火炎放射器などの強力な銃火器
武器にはそれぞれ3つまで専用のアタッチメントを装備できる。アタッチメントごとに強化できる能力が異なっているので、いろんなアタッチメントを付けて自分なりのお気に入り武器を作っていくことができる。
また、武器もクラスと同様、経験値を溜めてレベルアップが可能だ。レベルを上げると、弱点攻撃時の威力が上がったり、射撃精度が上がったりと、武器そのものの性能が上がっていく。クラスのレベルアップと合わせ、高難易度ミッションの攻略には武器レベル上げも必要不可欠だ。
キャンペーンモードとホードモードをプレイ可能
本作で遊べるモードは、12種類のステージをクリアしていくキャンペーンモードと、キャンペーンクリア後に遊べるようになるホードモードの2種類。前述したミッション達成を目的としたゲームが「キャンペーンモード」だ。
ホードモードは、いわゆるウェーブ性の防衛ゲーム。初めは弱い敵しか登場しないが、ウェーブが進むにつれ強力な敵がどんどん投入されてくるので、これらの猛攻をどこまで凌げるかを試すモードだ。10ウェーブごとに中断するか、続行するかの選択肢が出てくるので、「これ以上は無理」と思ったらそのタイミングで引き上げることも大事。チームの状況を見て考えよう。
◆このゲームの良い点
膨大なやり込み要素!ゲーマーの腕が鳴る!
本作が最も推している、むしろこれにステータスを全振りするよう開発したといっても過言ではない要素だ。
本作では、キャンペーンモード、ホードモードの全てのステージに、全部で5段階の難易度が設けられている。ちなみに、標準難易度の「スタンダード」は下から2つ目。むしろ「スタンダード」よりも難しい難易度の方が種類が豊富という事態。
もともとスタンダードでも難易度高めな中、より高難易度をクリアしようものなら、
- 武器やクラスのレベルを最大まで上げ、
- チーム構成やアタッチメント構成、パーク構成を考え、
- ステージの各箇所でどんな敵やアイテムが登場するのか覚えて
など、多くの事前準備をした上で、ミッション中に正確に敵を撃ち抜くシューティング力が必要になる。
更に、難易度「スタンダード」よりも上になるとフレンドリーファイアが発生するため、敵だけでなく味方の位置も考えて立ち回る必要がある。このフレンドリーファイアも、難易度を上げると味方に与えるダメージ量が増えていくため、一歩間違えると「ゼノモーフ」よりも味方の方が凶悪な存在となってしまう可能性がある。
全部のステージを最高難易度「インセイン」でクリアできるか、ゲーマーにとってはやりがいのある作品であることこの上ない。
ロードアウトのバランスが良好!壊れクラスや武器が無い!
多数用意されているクラスや武器。沢山のあると何かの武器やクラスがぶっ壊れ性能になり、みんなそれしか使わない、と言った事態になりやすい。
が、本作のクラスや武器はどれもメリットデメリットがしっかり存在しており、全体的なバランスがよく取れていた。
例えば、クラス「デモリッシャー」はミサイルやマシンガンなどの重火器を扱えるため、大群が相手でも撃退できるが、他の味方をリカバリーする技を持ってないため、懐に入り込まれると途端にピンチになりやすい。クラス「ドク」は、チーム全体の体力回復ができたり、チームの射撃精度を上げたりするアビリティを持っているが、攻撃系の能力は乏しいため、1人で多数の敵を捌き切ることができない。
自分が使うクラスや武器と、チームメンバーが使うクラスや武器、ミッションに登場する敵の特徴を踏まえ、その都度最適なロードアウトと立ち回りを組んでいく必要がある。この辺りの調整は非常に良くできていた。
安価な値段で購入しやすい!
本作は通常版でなんと驚きの4980円!昨今のゲームはどれも1本8000円と高額になることも珍しくない中、非常に安い値段で購入できる!この値段で、前述したやり込み要素がふんだんに入っているため、非常にお買い得なゲームといえるだろう!
なお、通常版とは別に、5720円の「スペシャルエディション」もある。こちらには、DLC「Endeavor Veteran Pack(エンデバー ベテランパック)」という、スキンやエモート、武器のカラーやデカールなど、20を超える装飾アイテムが同梱されている。おしゃれしてこのゲームを楽しみたいなら「スペシャルエディション」を購入しよう。
◆このゲームの悪い点
ステージ数は少な目…やり込まないとすぐ終わる…
1ステージクリアまで大体20分なので、12ステージすべてを単純にクリアするだけなら、難易度を一番下にしてぶっ続けでプレイすれば、4〜5時間ほどでクリアできてしまう。
「一通りのステージをクリアしたらもうやらない」という「やり込み」をしない人であれば、あっという間に終わってしまうので、ボリューム不足と感じてしまうだろう。
レベル上げに莫大な時間がかかる…
難易度やステージにもよるが、一つのステージをクリアするだけだと、もらえる経験値はせいぜい次レベルまでの必要量の半分程度。そのため、クラスや武器などをレベルを最大まであげようとすると、
- クラスなら約5時間〜6時間
- 武器なら約2時間〜3時間
と、かなりの時間を要してしまう。
また、経験値が入るのは、ステージに持っていったクラスや武器のみ。レベルの高いクラスや武器を使ってステージをクリアし、レベルの低いクラスや武器に経験値を分け与える、と言ったことはできない。せっかくレベル最大になるまで鍛えても、クラスや武器が変われば、また低難易度から一つずつレベル上げしないといけないのは煩わしかった。
事前の操作説明が無し…
本作の電源を付けると、チュートリアル無しでいきなりゲーム本編が始まる。海外ゲームにはよくあるやつだ。
一応、画面上に「このボタンを押すとコレが開ける」という簡易的なUIが表示されるので、シューティングゲームをよくやる人であれば理解しやすい。が、シューティングゲームをあまりやらない人は、どのボタンを押すとどうなるのかわからず、まともな操作もできないまま、エイリアンたちにボコボコにされてしまうかも…
ベースキャンプにいる間でも、銃を撃ったりアビリティを使ったりすることが可能なので、操作方法がわからないうちはベースキャンプで適当にボタンをいじくってみることをオススメする。
既に過疎気味…?
本作の発売日は2021/9/16。この記事を書いているのが2021/9/18。この時点で既にオンラインのマッチングが中々しない…また、マッチングしたとしても海外プレイヤーばかりで、日本人プレイヤーにあった試しが無い…
欠けた人数分BOTが仲間として加わってくれるものの、BOTだとそこまで優秀でもない。このゲームの難易度が、ちゃんと人間が3人集まる前提で組まれているのもあり、人がいないとそもそも標準難易度である「スタンダード」すらクリアが難しくなってしまう。
みんな、このゲームやろうよ!面白いし安いよ!!(←とでも言わないと本当に人が居なくなりそうだ…)
ストーリーはほぼ無いようなもの…
映画「エイリアン」シリーズの続編、ということで、何か映画に続く新たなストーリーが展開されるのか…と期待している人。残念ながら本作のストーリーはほぼ無いといっても過言ではない。
一応、こういうトラブルやイベントが起きて、結果こういうことがわかって…という説明はちゃんとある。が、「綺麗なムービーがあって、ちゃんと『魅せる』形になっているか」というと…文字での説明しかないので、全体的に非常にあっさりしている…
また、ミッション中にキャラクター同士の会話があるのだが、すべて英語なので何を言っているかわからない(汗)。字幕が出るが、戦闘中は字を読んでいる余裕などないため、結局何を話しているのかわからない。
ストーリーを期待してこのゲームを購入するのは避けた方が無難だ。
小さいバグが頻発…
致命的なバグはなく、サクサクプレイできるものの、細かなバグの量が多いのが気になる。特にオンラインプレイ中に発生しやすい印象だった。
例えば、画面のテクスチャ崩れ。地面や壁が無くなり、どこともわからない場所でしばらく戦う時があった。(5秒ほどすれば直ってくれた)
また、オンラインでマッチングし、ミッション開始したか、と思った瞬間、「ホストがロビーから抜けました」と表示されてベースキャンプに戻されることもしばしばあった。これは一緒にマッチしたプレイヤーが、ミッション開始間際に急にゲーム終了を選んだせいかもしれないが…
それ以外にも、CPUとの会話の選択肢が突然英語になったり、ロードアウトを変えると急に暗転して初期位置に戻ったり…慣れてくれば大したことでは無いが、何度かこういうことに遭遇するのは流石に気になった。
◆まとめ
「繰り返しプレイ」に非常に重きを置いた作品である「Aliens: Fireteam Elite」。誰にでもオススメできる作品ではないが、ハマる人にはハマる作品なのは間違いない。実際、筆者も非常にハマっている。
値段も最近のゲームにしては高くないので、本記事を読み、特徴を理解した上で、それでも気になるなら買ってみてもよいのではないだろうか。
…個人的には、本当にマッチング部分をもっと改善したいので、購入者が増えるとありがたいのだが…
では!