今回は、PS4版の「SNIPER ELITE 4」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。
PC、PS4、Nintendo switchと幅広いハードに展開されている作品である「SNIPER ELITE 4」。スナイパーがメインという、筆者がこれまでやったことの無いジャンルのゲームだったため、気になって購入!
ラストミッションクリアまでやってみたので、感想をまとめてみた。
◆個人的感想
総評
箱庭ゲームとしての出来は非常に高い。また、「スナイパー」とタイトルにもついている通り、スナイピングのリアルさが非常によく作られている点も高評価だ。
ただ、正直筆者には合わなかった…どうしても「効率的な方法をやって終わり」としてしまい、「色んなクリア方法を探求してみよう」という考えに至らない…一通りやったらもう飽きて別ゲーに行ってしまう、という状態だった…
Amazonなどでは非常に高い評価を受けているが、ハマる人とハマらない人がきっぱりと分かれるタイプのゲームだな、と感じた。
どんな人にオススメ?
- 一つのゲームを徹底してやり込むのが大好き!
- 第二次大戦ものが好き!
- リアルなスナイパーゲームをやりたい!
という人には強くオススメできる。逆に
- ストーリーだけやって終わるライトゲーマー
- マルチプレイを沢山やりたい
という人は購入を見送るべきだ。
◆このゲームの特徴
広大な箱庭マップを舞台にミッションクリアを目指すゲーム
本作は、小さ目のオープンワールドマップを舞台に任務クリアを目指す、いわゆる「箱庭ゲーム」と呼ばれるジャンルのゲームである。似たようなゲームでいうと、「Hitman」や「メタルギアソリッド」が該当する。
プレイする任務を選ぶと、数分間のストーリー説明の後、戦場となるマップに放り出される。マップはかなり広く、端から端まで、走っても5分から10分はかかるほどだ。マップの各所に、メイン任務とサブ任務が配置されており、プレイヤーは自分の進めたい順番で任務を進めていく。
任務の種類は
- 特定人物の倒す
- 指定のものを爆破する
- 極秘資料を入手する
など、複数種類存在する。メイン任務の最終目標を達成すれば、そのマップはクリアとなる。
任務の部隊となるマップは、森林地帯、山岳地帯、工場地帯、軍事基地、市街地など様々。遠くからの狙撃がやりやすいマップからやりにくいマップなど様々あるため、それぞれ最適な武器選択や立ち回りが必要になってくる。
スナイパーがメイン!狙撃に特化したゲーム
作品のタイトルに「スナイパー」と書かれている通り、本作はスナイパーに特化した作品となっている。
遠くから敵を狙撃するために高所を取り、狙撃対象の敵を双眼鏡越しにマーキングし、こちらの位置がバレないよう的確に撃ち抜く。狙撃時は、風向きや風力、敵との距離、使用している武器の弾速から、偏差を考慮して敵を撃つ必要がある。上手く狙撃できると、狙撃した個所に応じたキルカメラが流れるため、気分はまさにスナイパーそのものだ。
キルカメラは結構リアルでグロいので、「こういうのが苦手…」という人はオフにしておくことをオススメする。
狙撃するのは人だけではない。トラックや車といった乗り物や、ガソリンタンクなどの爆発物、重たい荷物を積んだクレーンなども撃ち抜ける。直接敵を狙撃できなくても、こういった物資を狙撃して爆発や荷物の雪崩を起こし、敵を倒す方法もある。
「本格的なスナイパーゲームなんてやったこと無いから不安…」という人でも大丈夫。本作には難易度が5段階用意されており、一番簡単な難易度なら、狙った位置にそのまま弾が飛ぶので、偏差を考える必要はない。また、難易度ハードに当たる「スナイパーエリート」までなら、どこに着弾するかを示すアシスト機能が搭載されているので、引き金を引く位置もわかりやすい。
「それでも不安…」という人向けに、射撃練習場も完備されている。敵の狙い方がイマイチわからないなら、ここでしっかり狙撃の練習ができる。
「本格的なスナイピングゲームがしたい!」というなら、更に上の難易度「オーセンティック」でプレイしよう。この難易度では、ミニマップ、体力メーター、敵のスポット、スナイピング時のアシスト機能などがすべて無くなる。計測器から来る情報や、武器の特徴を事前に把握し、どの角度から撃てば敵に弾が当たるのか、また周辺に敵はいないのか、色々なことを注意ながら射撃するため、難易度が飛躍的に上がる。「リアル」なスナイピングを楽しみたいプレイヤーは是非とも試してみてほしい。
スナイパーしか使えないのか、というとそんなことは無い。第二次世界大戦当時に使用されていたSMGやARなどの武器の他、対戦車地雷やワイヤートラップ、時限式爆弾なども持ち込める。倒した敵に爆弾を仕込み、近付いてきた他の敵をまとめて吹っ飛ばすといった、畜生な戦い方までも可能だ。状況に応じてこれらの爆発物も積極的に使用し、任務クリアを目指す。
武器、アイテム、パークを組み合わせる豊富なロードアウト
任務開始前には、武器や補助アイテム、スキルを装備し、任務の準備をする。挑む任務や、舞台となるマップをもとに、
- スナイパーの種類は、連射が得意なものにするか、弾速が早く遠くの狙撃もしやすいものにするか
- 敵から気付かれないようにするために、サプレッサー弾を多めに持っていくか
- 万が一敵にバレてしまった時のために、爆発物を多めに持っておくか
など、色々と考えてロードアウトを組んでいくのだ。
ロードアウトは複数用意できるので、遠距離戦用、近距離戦用など、様々な組み合わせを作っておき、状況に応じて使い分けよう。
ゲームモードはキャンペーン、マルチプレイ、サバイバルの3種類
本作に用意されているゲームモードは大きく分けて3種類だ。
一つは、一人用のメインモードである「キャンペーン」。第二次世界大戦中の一人のイタリア兵のコマンドーを主人公に、一人で極秘ミッションに挑む姿を描く。基本的な操作方法や解説は全てキャンペーンモードでされるので、このゲームを購入したら、まずはキャンペーンをやろう。なお、「4」とナンバリングが付いているが、過去作の1,2,3とは話の繋がりは全くないので、前作をやっていなくても問題はない。
もう一つは、オンライン上で他プレイヤーと戦う「マルチプレイ」。ルールも様々で、相手チームよりも早く指定数のキルを入手したチームが勝利となる「チームデスマッチ」といった有名ルールから、敵を倒した距離が最長のプレイヤーが勝利となるルールなど、スナイパーゲームであることを活かした一風変わったルールも存在する。
スナイパーメインなゲームなので、キルテンポは全体的に遅め。他のオンラインFPSでは意味嫌われている「芋砂プレイ」がむしろ率先される面白いゲームだ。
最後に、タワーディフェンスルールを基調としたモードである「サバイバル」。敵からの襲撃に備える準備フェーズと、敵が実際に襲撃してくるバトルフェーズに分かれており、この両フェーズを順繰りに繰り返していく。敵を倒したり、バトルフェーズをクリアするとスコアが加算されていき、なるべく最後のステージまで生き残って最高評価を目指していく。
なお、どのモードもフレンドと組んで一緒にプレイ可能。サバイバルはフレンドともにワーワーやりながらプレイすると楽しさ倍増だろう。
◆このゲームの良い点
半端ないやり込み度!様々な方法で任務クリアを目指せる!
このゲームの最大にして最高の利点がまさにこれ。
任務のクリア方法には一切の縛りはなく、人それぞれだ。遠距離から狙撃してもいいし、近付いて近接キルしてもよいし、爆発に巻き込む形でキルしてもよい。バレるの上等で正面から突撃してもいいし、敵に一切気付かれずに、まさにメタルギアソリッドのスネークのように静かに目標達成してもよい。この自由度の高さはさすが箱庭ゲーである。
「もう少しやり込み要素が欲しいな~」という人でも大丈夫!各任務毎に、指定の方法でクリアすると達成できる「チャレンジ」が存在する。どれもそうそう簡単ではないチャレンジばかりなので、このチャレンジの全達成を目指すのを目的に、何度もゲームをプレイしてもよい。
更には、任務毎に手紙や文書などの収集物も用意されている。収集物は、マップ上のどこかに置かれていたり、敵の誰かが保有していたりするため、全部集めようものなら、マップ上のあらゆる場所を走破し、あらゆる敵を倒していく必要がある。
高難易度モードでの達成を目指したいなら、先に紹介した難易度「オーセンティック」で全任務クリアを目指してもOK。更に、「オーセンティック」よりも更に難易度の高い、驚異的な難しさの「オーセンティックプラス」もあるので、徹底的にやり込みたいなら、この難易度でのクリアを目指すのもよい。
このように、一つの任務の中に果てしないほどのやり込み要素があるため、極めるのが好きな人にはとことんハマるタイプのゲームになっている。
ロードが早く快適!
これは筆者が遊んだハードがPS5であったことが原因かもしれないが、任務開始ボタンを押してから実際に任務が始まるまでのロード時間が非常に短く、快適だった。
◆このゲームの悪い点
倒し方が画一化されやすい…スナイパーを使わない場面も…
安全にクリアするなら、なるべく敵に気付かれず、ステルスでのクリアを行った方が効率的な場面が多い。そのため、サプレッサー付きの銃を使ったり、敵を近接武器で倒した方が明らかに楽になる。
これに気付いてしまうと、ずっとサプレッサー付き武器ばかり使ってしまい、クリアの仕方の画一化されてしまう。プレイしていて、「いっつも同じことばっかりしてるな…」と感じてしまう場面が多く感じた。
また、シューティングゲームに慣れていると、いちいち偏差を考えながらスナイパーで戦うより、サブ武器にSMGやARで中距離から戦った方がむしろ倒しやすいとも感じてしまった。こうなると、「何のためにスナイパーメインのゲームをやっているのだろうか…」といった気持ちになってしまった。
プレイ方法によってはコンテンツ不足…
このゲームは、とにかく同じマップを何度も何度もプレイして研究し、まさにスルメを味わうかの如く楽しむプレイヤーにこそ楽しめるゲームである。「ゲームはメインストーリーだけ追って終わりにします」というライトゲーマーだと、コンテンツ量が少なすぎて、逆にボリューム不足に感じてしまうだろう。
ストーリーはイマイチよくわからない内容…
本作のメインとなるキャンペーン。一応、第二次世界大戦の中で何が起きていたのか、ストーリーとして述べられはするものの、イマイチ内容がよくわからない。
登場人物はいずれも知らない人ばかりで、その人を倒して進展があったのだとしても、第二次世界大戦の戦況が大きく変わるわけでもないし、何か大きなイベントが起こって真相が暴かれる、といったサスペンス的要素も無い。更に、ストーリークリアしたとしても、「え?これで終わり?」となるだけで、感情移入も何もあったものではない。
本当に、淡々と一兵士の物語が流れるだけだ。ゲームにストーリーを求めるプレイヤーは全くと言っていいほど楽しめないといえるので、注意してほしい。
マルチプレイはほぼ過疎状態で機能しない…
スナイパーがメインのPvPモード…他のゲームにはない斬新なゲームモードなので、これはこれで楽しみたい…というところだが、この記事を書いている2021年8月現在で、すでに全くと言っていいほどマッチングしない。したとしても、Pingが100を超える海外サーバーに飛ばされるだけだ。マルチプレイを期待して購入するのはやめるべきだ。
◆まとめ
Amazonなどでは高い評価を受けている「SNIPER ELITE 4」。まったくもってクソゲーではなく、むしろ神ゲーともいえる作品であるが、人を選ぶ作品なのは間違いない。
「箱庭ゲー」というジャンルをやったことが無い人は、「自分は同じゲームを一人で黙々とやり込むタイプだろうか」ということを徹底して考え、購入を決めてほしい。
では!