今回は、「HUNTER’S ARENA LEGENDS」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。
2021年8月にPS Storeのフリープレイに選ばれた本作。もともとPCゲーム向けに展開されていたが、フリープレイ化を機にPSハードへも展開されたようだ。
Apex、PUBG、Fortniteと、数多くのバトロワゲームがあるなかで新たに登場した「ハンターズアリーナ レジェンド」。一体どんなゲームなのか、プレイした感想をまとめていきたい。
◆個人的感想
総評
格闘ゲーム×バトロワゲームを混ぜ合わせた全く新しいゲーム。非常に新鮮で、「こんなゲーム見たことない!」というのが第一感想だった。
また、1マッチがサクッと終わってくれるため、ゲームをする時間が限られる人にもありがたい。
ただ、しっかり格闘ゲームの要素が入っているので、筆者のような格闘ゲームをあまりやらない人には結構難しいゲームだった。また、すでに若干過疎り気味なため、他のバトロワゲームを差し置いてこっちをやるか、というと頭を悩ませるところだった。
◆このゲームの特徴
非常に珍しい「格闘ゲーム」主体のバトロワゲーム!
バトロワというと、「PUBG」や「Fortnite」、「Apex Legends」に代表されるような、銃を使った生き残りゲームが有名。だが、本作は銃は出てこず、近接の格闘攻撃のみ。常にインファイトをしながら1位を目指していく作品になっている。
格闘ゲームなので、攻撃の種類も豊富に存在する。いわゆる弱攻撃に当たる武器攻撃、ガード崩しに当たる体術攻撃、ガード、パリィ、ステップ回避など格闘ゲームに登場する一通りのコマンドは揃っている。
さらに、キャラ毎に固有のスキルを5つ持っており、前述した攻撃に加えスキル攻撃も組み合わせて大ダメージを狙っていく。スキルはどれも強力だが、一回使うとインターバルが発生するので、連発はできない。「ここぞ!」という時に使う必要がある。
特色のあるキャラは豊富に登場
ゲーム開始時、プレイヤーは用意されているキャラから1体を選び、そのキャラを使って優勝を目指す。キャラによって遠距離が得意なキャラから近距離が得意なキャラ、脳筋ゴリゴリなキャラから緻密な操作が要求されるキャラまで、様々なキャラが存在する。体力や攻撃力などのステータスにも差があるので、自分がどういったプレイが得意なのかを考えて使うキャラを選ぶ必要がある。
前述した通り、各キャラには固有のスキルが存在する。ダメージソースとなるもの、敵との距離を一気に詰めるもの、敵を浮かせてコンボの起点にするものなど様々だ。対戦相手が使うキャラがどういうスキルを持ったキャラなのか、戦闘時はそこも意識する必要がある。
レベル上げ、装備購入…RPG的な成長システムで戦況を突破する
本作にはキャラレベルと武器、防具、装飾品という、他のバトロワゲームには存在しない要素が取り込まれている。
ゲーム開始時、全プレイヤーはレベル1、かつ初期装備状態からゲームを開始する。この状態ではまだひ弱で、すぐに負けてしまう可能性が高い。勝ち残るには自身のレベルを上げ、ステータスを向上させる必要がある。
マップ上には、CPUが操作する雑魚敵がそこら中にいる。そういった雑魚敵を倒し、経験値を手に入れ、プレイヤーのレベルを上げていくと、体力や攻撃力など、基礎ステータスが上昇していくので、他のプレイヤーとの戦闘でも勝ちやすくなる。
ある程度マッチが進むと、「ボス」と呼ばれる強力な敵が登場する。倒せば大量の経験値と強力なアイテムを入手できるため、戦況を有利に進めるためにはぜひとも討伐しておきたい。
ただし、ボスは体力が多く、倒すのに非常に多くの時間を要してしまうため、戦っているところを他プレイヤーに漁夫られる可能性が高い。ボスを倒してレベル上げと強力なアイテムの入手を優先するか、敢えて倒しにはいかず、漁夫を狙うか、戦況を柔軟に見極め、最適な選択を取る必要がある。
また、マップ上には雑魚敵やボス以外にも、良質な装備品を積んだ宝箱や、自身のHPを回復したり、一時的なバリアを付与してくれたりするお助けアイテムもランダムに設置されている。また、道中で手に入れたクレジットを商人に持っていけば、強力な武具や戦闘の役に立つアイテムと交換してくれる。レベル上げ以外にも、これらを有効活用して自身のステータスを上げ、他プレイヤーとの戦闘を有利に進められるように動く必要がある。
他プレイヤーを倒しても、雑魚敵を倒す時と同じく経験値を獲得できたり、倒したプレイヤーが持っていたアイテムを入手できたりする。雑魚敵を倒し、宝箱を集めて堅実に強化していくか、他プレイヤーを積極的に倒して一気にレベルを上げ、装備を強化していくか、ここの判断も非常に重要になってくる。
ゲームプレイモードはソロプレイ、トリオプレイ、タイマンの3モード
メインとなるバトロワモードは、自分以外全員敵のソロプレイモードと、3人でチームを組んで1位を目指すトリオプレイモードの2種類が存在する。トリオプレイはフレンドと組んでプレイするもよし、野良プレイで頑張るもよしだ。
バトロワモード以外にも、オンラインで1対1のタイマンプレイをするモード「タッグマッチ」もある。こちらは小さなステージの中で敵の体力を0にすることを目指すモードだ。先に2ラウンド獲得したプレイヤーの勝利となる。
ゲーム開始時にはキャラを2人選択し、2人を切り替えながら戦っていく。敵との間合いや、敵の使っているキャラから、遠距離キャラと近距離キャラを適宜入れ替えて戦うなど、バトロワモードにはない戦術性がある。本格的な対戦ゲームと比べるとカジュアルではあるが、それでもやりごたえのある対戦プレイができた。
バトロワモードはランクマッチを実装
バトロワモードは、ソロ、トリオそれぞれでランクマッチが実装されている。ゲーム中に他プレイヤーを多く倒したり、なるべく生き残ったりすると評価が上がり、数試合分の評価結果をもとに勝手にランクが変動していく。高ランクになるほど、求められるキル数や生き残り順位が上がっていく仕組みになっている。
ランクはゲームをプレイしていれば勝手に決定していく。ランクが一切関係ないカジュアルモードは存在しないので注意してほしい。
また、「タッグマッチ」にはランクマッチが採用されていないので注意して欲しい。
◆このゲームの良い点
サクッと終わる手軽さ!なのに濃厚なプレイが可能!
本作は最後まで残っても1ゲーム10分ちょっとしかかからない。バトロワゲームにしてはかなりサクッと終わる。かといって内容が薄いのか、というとそんな事はない。限られた時間の中で、最終ラウンドまで残っても十分戦えるには、どういう準備をしておけば良いか、色々考えながら立ち回る必要がある。
- 敗北リスクを避けるために、雑魚敵を沢山倒して地道にレベルを上げるか?
- 積極的にプレイヤーを倒し、レベル上げと装備強化に勤しむか?
- 戦闘は程々に、強化アイテムを手に入れるべく探索を中心に動くのか?
その時々に応じて、どの行動が最適解なのか変わってくる。この選択や作戦の切り替えが非常に大事で、短時間でサクッとやれるにも関わらず、中身が濃く、やりごたえ十分な作品だった。
キャラバランスがよく取れていて、どのキャラでも勝てる!
大体のオンラインゲームは、何かしらのキャラや武器の性能が異常に高く、ぶっ壊れとしてユーザーから非難を浴びるのがよくある展開だ。
だが、本作に登場するキャラは強さのバランスがよく取れており、「とにかくこのキャラを使っておけばいいよね」というメタがない。自分が使いやすいと思ったキャラや好きなキャラでも問題なく優勝できるので、この点は非常に高評価だった。
運ゲー要素が少な目!実力が出やすい!
バトロワゲームというと、
- 強力な武器やアイテムを早く入手できるか
- 接敵した場所が有利ポジションか否か
- 周囲に他の敵がいるのかいないのか
などによって勝敗が決まりやすい。ある程度は実力も必要だが、どうしても運要素が絡んでくる。
しかし、本作は
- レベル上げや武具集めがどれだけ計画的にできたか、
- コンボを練習し、相手よりもコンボを上手く決められるか
という部分が一番勝敗に直結しやすく、あまり運要素が絡まない。「バトロワをやりたいけど、運要素が嫌いで実力で競いたい」という人にはマッチしたゲームだと感じた。
◆このゲームの悪い点
格闘ゲームに慣れていないと難しい…
本作には、
- 武器攻撃と体術攻撃とスキルを組み合わせてコンボを決めたり
- ジャストガードで相手のコンボの中断を狙ったり
- ガードを見越してガードブレイクをかけたり
と、「格闘ゲーム」の特徴がかなり色濃く入っている。筆者はあまり格闘ゲームはやらないため、コンボを綺麗に決めきれなかったり、敵のコンボから上手く抜け出せなかったりと、レベルは勝っててもなかなか勝てない…となる時が結構多かった。最終サウンドまでいくと、どのプレイヤーもこの辺りのコンボや見切りを使いこなしており、他のバトロワゲームよりも「ラッキーで勝つ」というのが難しく感じた。
一応、練習場が用意されているので、どういう技の組み合わせができるのか自分で試してみるのは可能だ。が、やはり練習と実践は全然違う…いざプレイヤーを目の前にすると、華麗なコンボやパリィを決めてくる敵に何もできずにやられてしまうことの方が多かった…
操作方法が特殊で馴染みにくい…
ジャンプやダッシュなどの配置が、他ゲームでは見ない特殊な配置になっており、操作に慣れるまでに時間がかかる。なのにこのゲームには、コントローラーのコンフィグ設定が無い…
プレイし続けていけば自然と慣れてはいくが、他のゲームもやりながらだとまず操作を間違えるので、ここは個人的にマイナス点であった。
スキルベースマッチがあまり意味を成していない…
せっかく用意されているブロンズやシルバーといったスキル分けだが、そのスキル帯に合った人とマッチングしているのか、というと、どうやらそうではないようだ…
開発者いわく、ある程度はスキルマッチで組んでいるが、マッチング高速化が第一優先のため、スキル差があるプレイヤー達も普通にごちゃ混ぜにしてマッチを始めるよう使っている、とのこと。
ごちゃ混ぜになってるから、上級者に狩られてランクが上げられないか、というと、そういうことはない。参加プレイヤーのスキルを元に、「あなたのランクだと、この順位まで生き残るのを期待する」という期待値が算出される。実際のゲームプレイで、その期待をどれほど満たしたのか、でランクが変わっていく仕組みになっている。
そのため、ランクが上の人が多くなったら、評価基準が甘くなるので、「ランクを上げたい」という意味ではあまりデメリットは無い。ただ、ゲーム始まってさっさとやられて…を繰り返すのは流石に面白くないものだ。
スキルマッチを実現させる為には、プレイ人口が増えるのが絶対条件。ただこのゲームはマイナーな部類に入るので、人が増えるかは怪しい…結局ちゃんとしたスキルマッチの実現は、あまり期待できないかもしれない…
◆まとめ
格闘ゲーム×バトロワゲームという全く新しいジャンルである「ハンターズアリーナ レジェンド」。格闘ゲームは得意でずっとやっていた、という人は、これを機会にこのゲームをやってみては如何だろうか?
では!