秋吉ブログ

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【ロスト イン ファンタランド】神ゲー?クソゲー?プレイレビュー・評価まとめをしてみた!

今回は、iOS版の「Lost In Fantaland」について、このゲームの特徴と、私の感じたよい点、悪い点を述べていく。

なお、クリア後のネタバレ要素が若干あるので、ネタバレ一切したくない、という人は、総評やゲームの特徴まで読んで終わりにしてほしい。

(本記事の情報は2025/8/23時点である)

いつも据え置きタイプのゲームをやっている筆者だが、たまにはスマホの有料ゲームをやってみようかな、と思い立ち、App Storeを物色。その中で、安価ながら評価が高い本作を発見した。

一目見て気になり、購入。約20時間超遊んでみたので、本作がどういうゲームなのか、まとめていきたいと思う。

 

総評

手軽に遊べる良ゲーだ。自分で組んだビルドでボスを突破できた時の爽快感は、まるでアクションゲームをクリアしたかのような体験を与えてくれる。「止め時が分からなくなるほど熱中する」まではないが、細く長く遊び続けられるゲーム性だった。

「ローグライク」という、人を大きく選ぶゲーム性な上、チュートリアルの薄さや敵の強化曲線が雑な作りなため、ゲーム理解度の高いプレイヤーでないと厳しく、「他の人に勧めますか?」と言われると首を縦に振りにくいところだが、安価で、手軽に、長く遊べるスマホゲームを探しているなら、購入を考えてみてもいいと思う。

 

どんな人におすすめ?

  • ローグライクゲームが好き
  • やり込み豊富なゲームがやりたい
  • 難しめなゲーム、不親切なゲームでも遊べる
  • ワンプレイが手軽に遊べるゲームがやりたい

という人にはオススメできる。逆に、

  • ちゃんとしたチュートリアルが欲しい
  • 各キャラの成長曲線が丁寧に導線付けられてほしい
  • 小さい画面を見続けるとつらい
  • そもそもローグライクゲームが合わない

という人には合わないだろう。

 

本ゲームの特徴

デッキ構築型の一人用ローグライクシミュレーションゲーム

ローグライクゲームとは、ゲーム開始時にプレイヤーの装備やレベルが初期状態に戻され、どんどん強くなる敵を倒したり、アイテムを集めたりして成長を重ね、ステージクリアを目指しつつも、ゲームオーバーになればその冒険で手に入れたアイテムや経験値は全てロストする、という、高難易度ジャンルに当てはまるゲームである。本作はこのローグライク要素を中心に、カードゲーム×シミュレーション×ボードゲームといった3つの要素を掛け合わせたローグライクRPGとなっている。

 

ゲームを始めると、ランダムに構成されたマス目のフィールドが展開される。プレイヤーは自分でどのマスへ進みたいか選び、フィールドのどこかにいるボスの討伐を目指す。登場するマスには、

  • 敵と戦闘になる「戦闘マス」
  • 何かしらのイベントが発生する「イベントマス」
  • カードやアイテムを購入できる「買い物マス」

など複数種類があるが、どのマスに何が配置されるか、各マスがどのように接続されるか、は完全ランダムだ。

マスの構造は毎回ランダム。同じ面でも、同じフィールド構造は2度と出て来ない

各マスでは戦闘やランダムなイベントが発生する。イベントでは選択次第でプレイヤーが有利にも不利にもなる

戦闘マスに触れると、ターン制のシミュレーションバトルとなる。事前に準備したデッキの中からランダムにカードをドローし、プレイするカードを自分で選択して、襲い来る敵を攻撃する。8×8マスの戦闘フィールドの各場所には、通過不能な岩や木、踏むとデメリットが生じる罠などがランダムに配置される。それらを回避し、時には利用して戦っていく。

自キャラを移動し、隣接した敵を攻撃したら自分のターンは終了。続いて敵が動いて攻撃をしてくるのでそれを受ける、ということを繰り返し、敵を殲滅すれば戦闘終了。新たなカードやお金、アイテムなどを獲得する。

バトルはシミュレーション形式。引いたカードを駆使して、敵の殲滅を目指す

本作はローグライクゲームのため、プレイヤーの体力が0になるとゲームオーバー。これまで手に入れたカードやアイテム、お金は全てロストし、また1から冒険を始めることとなる。

ゲームオーバーとなると、手に入れたカードやアイテムは全てロストしてしまう

 

数々の職業と、カード強化やソウルによる育成要素

ゲーム開始時、プレイヤーは7種類の職業の中からどれで挑むかを選ぶ。

  • 攻撃、防御のカードを駆使し、オールラウンドな戦いができる「戦士」
  • 体力が少ないものの、遠くから魔法攻撃ができる「ウィザード」
  • 木や岩などの環境物や罠などを利用する「トリックスター」

などが存在。職業によって、初期ステータスや機動力、手に入るカードなどが異なるので、戦い方が大きく変わってくる。

近接型、遠距離型、特殊型の職業が存在

同じ戦士職の中でも、勇者や星盾騎士など、細かな違いがある

ゲーム開始直後のカードの性能は控えめなものが多い。強力なカードは、戦闘に勝利して手に入れたり、カードショップでお金を支払って入手したりしていく。特に、「エリート」という強化個体やフィールドボスは、攻略が難しい分、強力なカードが手に入りやすい。

戦闘に勝利すると、お金やカードなど、その後の冒険に役立つものを入手できる

戦闘に勝利後、3択の中から欲しいカードをデッキに加える

カードショップマスに訪れれば、お金を払って新たなカードを購入できる。不要なカードをデッキから破棄することも可能だ

手に入れたカードは、カード強化マスに訪れ、お金を支払うことで強化が可能。火力や防御力が上がり、より戦いやすくなる。

カード強化を行い、戦闘をより楽に突破できる

ゲームオーバーとなると、全てのステータスがロストするものの、そのゲーム内で手に入れた「ソウルオーブ」は持ち帰ることができる。ソウルオーブは、ソウルショップで様々なステータス強化に交換が可能。特定職業の体力上限を上げたり、回復ポイントでの回復量を上げたりと、1個1個の強化度合いは大きくはないものの、手に入れているのと入れていないのとでは、ゲームクリア可否に大きく変わってくる重要なものが揃う。ここで交換した強化能力は、以降何度ゲームオーバーとなろうとも消えることがない。

手に入れた「ソウルオーブ」はロストしない。「ソウルショップ」で様々なステータス強化に活用できる

なお、RPGにはよくある「経験値」システムは本作にはない。下手にモンスターと戦っても、レベルアップして体力や攻撃力が上がるようなことはないので、計画的な戦闘や育成が重要になる。

 

カード、秘宝、アイテムを駆使したシミュレーションバトル

戦闘で使用するカードには、実に様々なバリエーションが存在する。

  • 敵へダメージを与える攻撃カード
  • 自分にアーマーを付与したり、体力を回復したりする防御カード
  • 使用した戦闘中は、特別な効果を発揮する永続効果カード

などだ。また、攻撃カードを中心に、

  • 隣り合った敵にしか攻撃ができないカード
  • 2、3マス離れた敵にも攻撃ができるカード
  • 射線上の複数の敵にまとめてダメージを与えられるカード

など、攻撃範囲が異なったり、手札を捨てたり、プレイヤーの体力を削ったりすることで強力な効果を発揮するハイリスクハイリターンなカードもある。

敵にダメージを与えるカード、自身にアーマーを付与してダメージを軽減するカードなど、様々なカードが登場

遠距離攻撃が可能なカードも。職業によっては、遠距離攻撃カードの方が多い場合もある

自身の体力を犠牲に、強力なダメージを相手に与えるカードも

カードプレイにはAP、ないしはMPというコストを一定数支払う必要がある。また、カードはAP/MPが許す限り、複数枚をまとめてプレイ可能なため、このターンではどのカードをプレイするのか、その時のカードの引き運とAP/MPの残量、敵の配置、自分の体力などから適切に見極めていくことが重要となる。

火力の低い遠距離カード「フライスラッシュ」に、近距離カード「ストライク」の火力を乗せて、高火力の遠距離攻撃が可能に

カードだけでなく、秘宝によるバフ効果を加味したプレイングも重要だ。ゲーム中に手に入る「秘宝」は、

  • 特定条件を満たすとAP/MPが1増えるもの
  • 特定攻撃の火力を増加させるもの
  • 自動でアーマーを付与させるもの

など、それぞれ固有のバフ効果を持っている。自分が持っている秘宝がどういう効果を持っているのか把握し、効果を活かしたカードの組み合わせや立ち回りを考慮することが大事だ。

「秘宝」は強力なバフ効果を持つ。秘宝の効果を把握し、その効果を最大限活かすプレイングが重要だ

 

本作の良かった点

ビルドを構築していく楽しさは一級品!

同じ職業でも、入手したカードや秘宝の組み合わせで、戦い方が大きく変わる。このビルド要素が非常に面白いと感じた。例えば、近接攻撃が得意な「勇者」という職業1つでも、

  • 純粋に攻撃カードを多く入手して、近接攻撃で正面から殴り合うシンプルビルド
  • 特殊スタック「勇気」を駆使して、大ダメージや超防御力を得られる勇気ビルド

という大きく2つのビルドが存在する。更にシンプルビルドの中でも、遠距離攻撃ができる「投げナイフ」と、投げナイフを当てた敵に追加ダメージを与えられる「ロープ」を組み合わせる投げナイフビルドも存在する(これが強いか、というと結構微妙だったが…)。

このような複数種類のビルド要素は、「ウィザード」や「トリックスター」といった他職業にもしっかり存在する。ランダムで入手したカードや秘宝から、最適なビルドを考え、フィールドの全敵を一発で殲滅したり、ボスからダメージをほとんど受けずに蹂躙できた時は、なかなか気持ちよかった。

 

中毒味のあるリプレイ性の高さが良い!

本作は運要素が大きく、同じカードや秘宝、アイテム、敵の組み合わせが展開されることは2度とない。そのため、同じ職業でも、毎回新鮮な気持ちでゲームをプレイすることができた。

また、ゲームに慣れると、一周が約1時間半で終わるスピード感も魅力。1回がすぐ終わるのに、繰り返しプレイしても同じ経験がない、という点が掛け合わさり、中毒性の高いリプレイ性を持っているのは素晴らしかった。

 

安価ながらも非常にボリューミー!

iOS版の本作は1000円すらしない安価な価格だが、そのゲームボリュームは、ハーフプライスゲーム以上、突き詰めていけばフルプライスゲーム以上まで遊んでいけるほどだった。

1週目をクリアすると、更に強い敵が登場する「上級者モード」が解放される。上級者モードの数もかなり多く、上級者モード1週目ですら難易度が高いため、かなりのやりごたえを持って遊び続けられる。更に、この周回要素は職業ごとに用意されているため、「勇者」で上級者モードを全てクリアしたとしても、次は「トリックスター」で再度挑んでみる等、非常に長時間にわたってゲームを楽しむことができる。

1週目クリア後に解放される上級者モード。強い敵が待っているうえ、全部で10段階の階層が存在と、ボリューム抜群

更に、これまで入手したカードや秘宝、倒した敵などが図鑑にリストアップされるため、これらの図鑑を全て埋めていくようなやり込みプレイもできる。持っていないカードや戦っていない敵のデータを狙って集めることはできないため、何度もプレイして見つけていく必要があるため、収集要素が好きなプレイヤーにも十分なやりごたえを提供してくれる。

収集したカードや、戦った敵が記帳されるやり込み要素も健在

筆者は1週目のラスボス討伐には6時間ほどのプレイ時間を要しており、その後は他職業で1週目をプレイするように楽しんでいる。今までのゲームプレイの感覚から見て、おそらく全部クリアしようとしたら、どれだけ順当に行っても50時間はかかるのではないか。

 

本作の悪かった点

スマホプレイは避けるべき…

筆者はiPhoneで本作品をプレイしたが、タッチ項目の大きさが非常に小さく、誤タップがとても多かった。誤タップしても、多くの操作がやり直しできるため、取返しのつかないような事態にはならなかったものの、いちいちやり直しになるのは面倒だった。

また、小さい画面に細かく様々な文字が書かれるため、1時間も遊んでいるとかなり目が疲れる。筆者は結構長い時間ゲームをやっても、眼精疲労にそこまで悩まないタイプなのだが、このゲームだけはずっと遊び続けることはできなかった。

iOS版で本作を快適に遊びたいなら、少なくともiPadを利用した方がよいだろう。または、本作はSteamやNintendo Switchでも展開されているとのことなので、そちらで遊ぶようにした方がよいかもしれない。

 

丁寧な説明や強化導線は無く、ハードゲーマー向け…

ゲームを始めると、少しのイントロを経て、すぐにゲームプレイ場面に至る。その後は、簡単な操作方法やルールが説明されるだけで、以降はフォローが一切行われない。いきなり「さあどうぞ遊んでください」と放り込まられるので、ゲームシステムを理解するのがひと苦労だった。

それでいて、カードの効果、秘宝の意味、各マス目で何ができるか、など、ゲームを遊ぶ上で理解すべき項目がかなり多く、最初のフィールドですらこれらを理解していないと突破できない難易度設計で、高いゲーム理解度が求められる。

 

また、戦闘を繰り返すごとに敵が強くなっていくのだが、敵の強化曲線がずいぶんとバランス悪いのも気になる。キャラ強化が自分の思ったようにできない、難しいゲームシステムで作られていることも有るが、それだけではないと感じる。

初期ステージの時点で、敵の火力が高めで、防御系の職業ですらプレイングを考えないと一気にHPがなくなる。更に、回復マスや回復アイテム、お金や強化アイテムなどに厳格な限りがあるため、プレイングをミスると、あっと言う間にその面のクリアが絶望的になる。一度戦闘に勝利すると、次の戦闘マスでは必ず、更に強い敵や数多くの敵と戦うことになるので、弱い敵でお金稼ぎして…といった育成もできない。頑張ってラスボスまで行っても、ラスボスは一気に強さが跳ね上がり、手に入れた秘宝やカード、己のプレイングの全てが噛み合わないと突破が困難な印象だ(決してクリアできなくはないが)。

 

全体通して、かなりハードゲーマー向けなシステム設計であり、ユーザへのフォローやクリアのしやすさをもう少し調整してもいいのではないかな、と思う。筆者はざっと2時間くらいは、あれこれと試しながら戦い、やっと最初のステージをクリアしたような感じだった。

一応、ライトゲーマーでもクリアしやすいよう、「イージーモード」というものも存在はしているので、

  • ゲームシステムや職業の特徴がちゃんとわかってないため勉強したい
  • 1週だけでもクリアできればいいからクリアしたい

というなら、「イージーモード」で遊んでみてほしい。

 

ストーリーはよくわからない…

一応、本作にはストーリーが存在はしている模様。主人公はゲームが大好きな現代に住む青年で、ある時突然、ファンタランドという謎の世界に飛ばされたうえ、フードを被った謎の人物から、この世界を救うことを依頼される、という展開。

一応、ラスボスをクリアしていくと、この世界の真相みたいなものを伝えてはくれるのだが、ちゃんとしたストーリー展開が用意されているわけではないので、唐突な終わり感があるし、そもそも語ってくれた世界の真相も意味不明だった。

ストーリーを期待して本ゲームを買うのはやめた方がよいのは間違いない。

一応ストーリーはあるものの、起承転結は非常に雑な作りだ

 

最後に

スマホで手軽にプレイできるうえ、中毒性の高いゲーム性を持った作品である「Lost In Fantaland」。人を大きく選ぶゲーム性であり、おすすめはしにくいものの、ゲーマーなら一度はやってみて損はない作品になっていると感じた。

iOS版であれば1000円を切る安価な作品のため、本記事を詠み、「遊んでみようかな」と少しでも思ったのなら、とりあえず買って遊んでみて良いだろう。

 

では!