秋吉ブログ

ゲーム大好き人間「秋吉」が、ゲーム情報を沢山出していくブログです。ゲーム以外の情報も時々…

【オーシャンズハート】神ゲー?クソゲー?プレイレビュー・評価まとめをしてみた!

今回は、Nintendo Switch版「Ocean's Heart」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。

(本記事の情報は2025/2/1時点である)

2024/10/24にリリースされた「Ocean's Heart」。ゲームボーイアドバンス辺りで発売されたようなゲームのグラフィックに凄く近く、やったこともないのに謎の懐かしさを覚え、思わず購入してしまった。ストーリークリアまでやり込んでみたため、本作がどういうゲームなのか、良い点、悪い点はどこなのか、まとめていきたい。

個人的感想

総評

2Dゼルダを彷彿とさせる、謎解き×戦闘のシンプルゲームさは、アクションが得意な人でも、苦手な人でも、どんなプレイヤーでも遊べる間口の広さがあった。値段の割にボリュームが比較的あるのもよい。

最近のゲームと比べると不親切なポイントが目立つうえ、戦闘バランスのアンマッチ感や、ゼルダライクな割に謎解きが簡単という作り込みが甘めなダンジョン構成は残念ポイント。特にユーザフレンドリーの粗さは、人によっては受け付けない恐れもあるかもしれない。

総じて「佳作」という評価。ただ、値段が2000円もしない手軽なゲームのため、気にせず購入し、プレイしても後悔はしないはずだ。

 

どんな人にオススメ?

  • レトロ感あふれるゲームがやりたい
  • 操作がシンプルなゲームがやりたい
  • 自分で探索していくゲームが好き
  • レトロ感あるゲームがやりたい

という人にはオススメできる。逆に

  • 親切設計なゲームでないと耐えられない
  • グラフィック大事、ボイス大事
  • 戦闘や謎解きにやりごたえが欲しい

という人にはあまりオススメできない。

 

このゲームの特徴

見下ろし方の2Dアクション×探索ゲーム

本作は、広大なフィールドを駆け回り、ダンジョンを攻略する見下ろし型2Dアクションゲームだ。スーパーファミコンやゲームボーイアドバンス辺りに発売されていた2D時代のゼルダである「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」といった作品に影響を受けていると思われる、「ゼルダライク」な作品である。

「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」の一場面

参考:https://www.gamespark.jp/article/2018/08/13/82970.html

マップは町やダンジョンが連なって構築されており、別のエリアに進むたびにロードが発生する昔ながらの形式。ダンジョン内には敵が闊歩しているため、持っている剣で攻撃したり、アイテムを使って遠距離から仕留めたり、撤退したり、といった選択を自分で選びながら、先へと進んでいく。敵の攻撃が当たるような場面では、ローリング回避をすれば攻撃を回避できる。近年のアクションゲーム要素を採用している点も特徴的だ。

広大なマップには、オブジェクトや敵が様々な場所にちりばめられている

剣を振って攻撃し、敵の攻撃はローリングで回避。他にも、遠距離攻撃する手段も存在する

訪れるダンジョンでは、様々な謎解き要素がちりばめられている。手に入れた道具や周囲のオブジェクトを活用し、どのようにすれば先に進むことができるのか、自ら考え、道を切り開いていく。

謎の四角い台座と、意味深な石像たち…このような謎解きが、多くの場所にちりばめられている

世界には様々な島と、人が住む街や村がある。そこでメインクエストを受注し、目的地であるダンジョンへ潜入して攻略することで、ストーリーが進んでいく。次に向かうべき場所は、村人や旅人との会話を通じて情報を集めて見つけ出す作りをしており、探索と情報収集、そして戦闘を組み合わせて、メインクエスト達成を目指していくゲーム性をしている。

 

シンプルなロードアウトや強化要素、クラフト要素

本作のロードアウトは、

  • 魔法や弓矢等の事前に設定できる装備品2つ

の合計3つしかない。防具は1種類のみで、他防具に付け替える要素はない。武器にバフ効果が付いている、というようなハクスラ要素もない。非常にシンプルだ。

ゲームのロードアウト画面

剣と弓矢、及び防具は、武器屋で「サンゴ鉱石」と呼ばれる素材と50クラウン(50円)を消費すれば強化できる。サンゴ鉱石は基本的にザコ敵からドロップせず、サブクエストをこなしたり探索を行ったりすることで手に入る。

鍛冶屋で武具を強化する事で、より快適な戦闘ができる

魔法は専用のサブクエストによって習得、強化が可能であり、強化すればするほど強力な魔法へと進化していく。魔法には遠距離攻撃を防ぐ魔法や、周囲へ雷を落とす魔法など、いくつかのバリエーションが存在し、戦術の幅を広げている。

序盤に入手できる反射魔法。タイミングよく使うと、敵の遠距離攻撃を跳ね返せる

道中の敵を倒したり、生えている草木を刈ったりすると、素材を落とすことがある。手に入れた素材を使うことで、攻撃力が上がったり、一回は負けても蘇生できたりなどの様々な効果を持った薬や、敵を追い続けて攻撃する攻撃アイテムなどの様々なアイテムをクラフトできる。

自身の攻撃力を強化するもの、スピードを強化するものなどが存在。ボスと戦う際には役に立つ

 

複数のサブクエストや探索要素

本作にはメインストーリー以外にも多くのサブクエストが用意されている。

世界各地にいる人に話しかけることで、サブクエストを受注できる。サブクエストの内容は特定の敵を倒したり、収集物を集めてきたり、犯人を見つけてきたりと様々だ。サブクエストでしか入れないエリアや、戦えない敵もいる。クリアすることで、お金や強化アイテム、爆弾等の冒険に役立つアイテムを獲得できる。

井戸を調べると奇妙な生き物が登場し、主人公に依頼する…このように、道中で出会うキャラと会話すると、サブクエストを受注できることがある

サブクエスト目標を達成することで、報酬を獲得できる。サブクエストでしか手に入らないアイテムもある

サブクエスト以外にも、世界を探索して収集物を集めたり、ストーリーとは関係しない、未知の強敵と戦える探索要素が存在する。島々を自由に巡ることで、体力上限を増やすアイテムや、防御力を上げる防具、武器や魔法を入手できる。

探索先の洞窟を攻略すると、防御力を上げるアイテムが入手できた!

 

親友と父親を探しに、大きな海原へと飛び出す少女の物語

物語の舞台は、広大な海の上に、様々な美しい群島が広がる世界。主人公の「ティリア」は、小さな漁村で暮らす少女である。「平和船団」という警備組織に所属する父親が経営する酒場のお手伝いをしながら、剣のけいこを父親から受けることを日常にして過ごしていた。

そんなある日、村に突如として海賊が押しかけ、彼女の親友「ヘイゼル」がさらわれてしまう。その姿を見た「ティリア」の父親も、海賊の後を追い、行方不明となってしまった。親友を救うため、そして父を見つけるため、旅立つことを決めた「ティリア」は、道中でこの世界に伝わる伝説の秘宝「オーシャンズ・ハート」にまつわる秘密を知ることとなる。

果たして「ティリア」は「ヘイゼル」と父を取り戻せるのか。そして「オーシャンズ・ハート」を取り巻くトラブルを解決できるのか。広大な海に隠された真実を巡る冒険が、今始まる。

 

このゲームの良い点

2Dゼルダの懐かしさが万歳!

横殴りの剣攻撃一回だけ、という、コンボもへったくれもない戦闘システムである本作。剣以外の攻撃も、弓矢や爆弾といった補助アイテムを駆使したシンプル戦闘だ。また、自分で次に行くべき場所がどこなのか探索して見つけて行ったり、訪れたダンジョンにある謎を解きながら道を切り開く要素など、全体的なゲームの流れは全て、昔のゼルダ作品を踏襲したような作品になっている。

さらに、ライフがゼロになると自動で回復を行ってくれる「妖精のビン」のようなアイテムもあり、ゼルダファンならどこかで見たことがある要素があちこちに存在する。「かなり昔に、2Dゼルダでこんなことをやったことあるな…」というなつかしさを感じながらプレイでき、楽しいとはまだ別の感覚でプレイできた。

 

広大なマップを探索する楽しさはピカイチ!

メインストーリーでは訪れる必要のないサブエリアやサブダンジョンが結構多く用意されている点は高評価。メインミッションの攻略時に、敵の火力の高さに悩んだ場合は、サブクエストを攻略して武具強化用のアイテムやお金を手に入れたり、体力上限や防御力をあげたり、といった育成を通して、ストーリーを攻略しやすくするRPG要素にも大きく貢献し、探索が無駄になってはない。時間をかけてでも探索してみて、メインストーリー攻略に役立つ様々なアイテムを入手した時は、「探索頑張ってよかったな」という恩恵を感じれた。

マップの全容も結構大きく、探索がすぐに終わってしまいあっけない、というようなこともない。安価がゲームにも関わらず、ここまで多くの探索要素があるのは、ただただ作り込みがすごいな、と感心した。

 

探索要素の多さはボリューム面にも寄与している。筆者はこのゲームを約10時間弱でクリアしたが、これは探索要素やサブクエストを残した状態でクリアした際のプレイ時間だ。まだやり残したサブクエストはいくつかあるし、探索しきれていないエリアも存在しているため、全部を埋めていったら20時間超は楽しめるはず。本作は1620円と安価なゲームなため、遊びつくそうとしたらここまで遊べるなら、値段以上のプレイボリュームを誇っているといってよい。

 

 

このゲームの悪い点

ボスが弱い…でも特定の雑魚敵は異常に厄介…

シンプル構造を突き詰めたような本作ては、敵の攻撃モーションも単調だ。特にボスは行動の単純さが顕著で、戦闘開始から20秒程観察していれば、相手の動きがわかり、どう対処すればよいか判断できてしまう。1番緊張感があるべきボス戦がこれだと、RPGとしての歯応えが薄れてしまった。

どちらかと言うと、道中の雑魚敵のほうが厄介。体力は少なく、数回攻撃すれば倒せるが、一度に現れる敵の数が多く、どこかで接触ダメージを受けたり、近距離タイプと遠距離タイプの敵の攻撃を捌ききれずにダメージを受けたりする場面が頻発した。特に厄介なのが、草木に擬態したマンドラゴラだ。かなり近くまで接近しないと敵かどうかがわからない上、火力がやたら高いので、マンドラゴラに頻繁にやられてゲームオーバーとなった。

このような戦闘バランスの悪さは、もう少し何とかしてほしい。せめてボス戦では、これまで手に入れたアイテムを駆使して、謎解き兼戦闘が必要になるような、まさしくゼルダらしい戦闘システムを採用してほしかった。

 

落下ポイント多過ぎ…

本作の主人公は泳げないので、水に落ちたら体力を削られて、特定の場所からリスタートとなる。これがかなりうざい。クリアまでに失った体力の半分近くは落下によるものだった記憶だ。

海をベースにした物語だからなのか、至る所に水辺がある。水辺に落ちたら毎回ダメージを受けるため、移動するのにもかなりヒヤヒヤさせられる。しかも、リスタートした際には水辺の際から始まるので、リスタート直後の操作をしくじるとまた落下…を繰り返したs際には、かなりのイライラが蓄積した。

3D操作ではなく、縦横斜めの8方向にしか移動できないため、水辺周りの細かな操作がかなりやりにくく、イライラポイントが目につきやすいのは残念ポイントだ。

画面に映る濃い青色の部分は全て落下ポイント。このような落下ポイントが多くあり、イライラポイントだ

 

グラフィックは悪い…ボイスもない…

安価なゲーム、かつ昔のゼルダ作品を元にしたようなところからわかるように、本作のグラフィックはかなり悪い。登場キャラの姿が、ピクセル単位で見えるほどに粗いため、最近の美麗グラフィックに慣れている人からすると、「ありえない」と感じてプレイできなくなってしまうかも。(それだけでプレイを止めてしまうのはもったいないゲームなので、あまり毛嫌いはしないでほしいが、一応念のため書いておく)

また、ありとあらゆる場面でボイスが用意されていない。最近は安価なゲームでもボイスがついていることが多いため、まったくないとなんとなく片手落ち感を感じてしまう。

安価なゲームなので仕方がない部分ではあるが、粗い画質、ボイスなし、というところから「ゲーム世界への没入感」というのを感じられる要素が薄く、ただただ「ゲームをやっている」という感覚になってしまうのは残念だった。

 

ユーザフレンドリーな設計じゃない…

最近のゲームは、様々なユーザフレンドリー要素を設けてくれていることが多い。が、今作はそんなことはない、前時代的なシステムになっている。

まず、クエスト攻略のキーパーソンや、目的のアイテムがある場所は、マップ上にピン配置されて一目でわかる、なんてことはない。自分で街の人に聞きまわったり、看板を呼んだりしながら、クエスト目的地を探していかないといけない。一応、クエスト一覧画面で、目的地の大まかなヒントは出るが、ちゃんとした正解を見つけるには聞き込みが必要になる。サブクエストの発生源となる人や、達成したサブクエストの報告先がどこか、というのも、ピンが刺されないのでわからないのは厳しい。

大まかな目的地はわかるが、詳細な場所は示されないため、自分で現地に向かい、探し当てる必要がある

人と会話しないと目的地がわからないものも。普段のRPGではやらない、街の人全員に話しかけるような行動が必要だ

また、用意されているマップがワールドマップのみで街やダンジョンなどの詳細マップが無いのがきつかった。自分が今どこにいるのか、どこを探索したのか、どこに道が続いているのか、把握できず、「こっち側が目的地のはずなのに、通路がないんだがなぜだ?」「帰り道ってどこだっけ…?」と悩むことが頻繁にあった。

更に、街から街や、ダンジョンから街へ、などといったファストトラベルが無く、全て自分の足で目的地まで行く必要がある点も不親切。移動速度も特別早いわけではないので、 道を間違えたならかなりのタイムロス。一応、限られた街であれば、隣接した港を経由してショートカットできるが、港に行けなければ効果がなく、ダンジョン探索した後や、道を間違えた場合に手軽に移動する、ということができないのは変わらない。

 

…思い返すと、1990年代のゲームはこういう設計が多かった記憶。最近の作品になるほど、目的地がわかりやすくなったり、移動の快適性を増したり等で、ストレスを軽減している印象だ。最近のゲームに慣れている人ほど、本作は遊び辛く感じるかもしれない。

 

ダンジョンの謎解きがかなり簡単…

ゼルダライク作品というと、ダンジョンの謎解きが醍醐味。本作にも、弓矢や爆弾などの道具や、道中に置かれているオブジェクトを利用し、謎を解く場面はたくさんちりばめられている。

が、すべての謎解きがかなり簡単で、攻略方法が分かりやすい。

  • 上部に矢の差し込み口が見えるな…そこに矢を放てばいいのか…
  • 誰かが乗っている間だけ効果があるスイッチがあるな…そばに持てる岩があるからそれを置いておくか…

のようなな、一見しただけで謎解きの正解がわかるようなものばかりだ。ゼルダ作品は頭をひねるような、パズル的な謎解きが多いのに…

「ゼルダライクの作品」といわれて、謎解きを期待して購入するのはあまりお勧めしない。フィールドの探索を主軸においた作品である、と理解しておこう。

 

まとめ

昔の2Dゼルダ作品をオマージュしている、といっても過言ではないほど似た作品である「Ocean's Heart」。あの頃のゲームを楽しんでやれていたなら、本作も楽しんでプレイできるはずだ。

作り込みが甘く、不満点が出るところもあるものの、ゲームプレイ画面を見て懐かしさを覚えたなら、あの頃を思い出し、広大な世界への探索に胸を躍らせ、本作をプレイしてみてほしい。

 

では!