今回は、PS5版「GRANBLUE FANTASY Relink」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。
(本記事の情報は2026/1/23時点である)

2024年1月31日にリリースされた「GRANBLUE FANTASY Relink」。原作はスマホゲームの「GRANBLUE FANTASY」であり、当該アプリを開発しているCygamesが、足掛け8年をかけて世に送りだした作品である。発売直後は「面白い!」という声が多く並び、多くのプレイヤーが遊ぶべき作品として名高いものだった。
筆者はずっと気になりつつも遊んではいなかったのだが、PS Plusのカタログに追加されたことを契機にダウンロードして購入してみた。発売からだいぶ時間が経った上でのプレイになるが、ストーリークリアや、その後のやりこみ要素などをおおむね遊んでみたので、本作がどういうゲームなのかまとめていきたいと思う。
総評
面白いは面白いが…退屈な期間が長かったな、と思ってしまった作品。万人受けは間違いなく、迷ってるなら買って損はないが、「記憶に残るゲーム」にはならない作品だった。
ストーリークリアまでは非常に完成度が高く、多くのプレイヤーが「神ゲー」と感じるはず。一方で、その後しばらくは単調な周回と数値の殴り合いが続き、面白さが大きく落ち込む。真のエンドコンテンツに到達後しばらくすれば、ビルドの試行錯誤や育成が始まり、再びゲームの魅力が立ち上がり始める。
いわば序盤と終盤が面白く、中盤が停滞する逆S字型の面白さ曲線を描く作品。結果として、途中で脱落しやすい構図になっており、やり込みという面で見ると、プレイヤーに相当の忍耐が求められるゲームだとはおもった。
どんな人にオススメ?
- ハクスラのような、一人で黙々と周回作業することに抵抗がない
- 爽快アクションがやりたい
- 膨大なボリュームのゲームがやりたい
- 一緒に本作をやるフレンドがいる
- 全部のクエスト評価を最高ランクに埋めたい
という人にはオススメできる。逆に
- ストーリーだけやって終わり、またはクエストを一通りやって終わり
- レベリング作業、繰り返し作業が嫌い
- ソロでしかゲームをやらない
というような条件が合わさった人には、あまりオススメできない。
このゲームの特徴
ストーリーとクリア後でゲーム体験が大きく変化するアクションRPG
本作のゲームジャンルはアクションRPGだ。4人パーティを組み、その中の1キャラを操作して、敵の行動を見ながら、通常攻撃、アビリティ、回避やガードなどを組み合わせ、敵の体力を0にすることを目指す。

ただのアクションRPGと違い、ストーリー攻略とそれ以降とで、プレイヤーが得る体験が異なるのが特徴的だ。
ストーリーパートでは、拠点となる街やフィールドを探索しながらストーリーを進め、キャラを育成しつつ、フィールドで出会う敵と戦っていく。フィールドの奥にいるボスを討伐すると、そのステージはクリアとなり、ストーリーが進んでいく。
フィールドには敵が闊歩していたり、宝箱が配置されていたり、収集アイテムが配置されていたりと、アクションRPGによくある要素が散りばめられている。目的地は決まっているので、一直線に目的地を目指すもよし、周囲を探索しつくしていくもよし、プレイヤーの好きに探索することができる。

クリア後には、モンスターハンターのようなクエスト受注型のゲームへと変わっていく。クエストカウンターでクエストを受注後、舞台となるステージへ移動し、クエストクリアを目指す。クエストの内容は、ボスの討伐や、特定物体の防衛、ひたすらに表れてくる敵をなるべく倒してくなど様々だ。クエストクリア時には、戦闘中のプレイヤーの行動をもとに評価が下され、評価が高いほど、クリア時に豪華な報酬がもらえるようになる。


キャラの特徴を見極め、使い分けていく戦闘
本作の戦闘は、□ボタンによる通常攻撃コンボと△ボタンによる固有攻撃、キャラ固有のアビリティを織り交ぜてダメージを与えていく構成。ただし、キャラによって攻撃速度や攻撃範囲、単発火力だけでなく、操作方法すら大きく異なるのが特徴的だ。
□ボタンによる通常攻撃コンボでは、
- □ボタンを数回押した後に△ボタンを押すと、□ボタンのコンボ数によって攻撃内容が変わる
- □ボタンを押すタイミングによって、火力やコンボ最大数が変わる
- 戦闘モードによって、□ボタンの攻撃内容が変わる
等、□ボタン1つとっても使用方法によって違いが生じるキャラもいる。△ボタンによる固有攻撃では、
- △ボタンを1回押すのと長押しするのとで火力やリーチが変わる
- △ボタンを押すと戦闘モードが変わる
- △ボタンが攻撃ではなくパリィ技になっている
等、これもまた大きな違いが生じる。本作に登場するキャラは、DLCも含めると20体を超えており、それぞれで上記のような特徴があるので、戦う敵の特徴や自身のプレイスタイルに合わせ、自分が使いたいキャラを選んでいくこととなる。

アビリティは各キャラにそれぞれ用意されており、後述するスキルツリーにて順次開放していく。敵を攻撃するアビリティから、味方の回復やバフなどの支援をするアビリティまで、全部で8つのバリエーションを持ったアビリティが用意されている。
戦闘では全8つのアビリティの中から4つをセットして使用できる。どのアビリティにもリチャージ時間が用意されており、1回使用すると再利用できるまで一定時間を要するため、使いどころを見極める必要がある。

攻撃を続けていくと、強力な必殺技である「奥義」を発動できる。「奥義」をパーティメンバで一定時間内に順番に発動すると「CHAIN BURST」が発動し、追加の大ダメージを与えることができる。




操作可能キャラは、初めは主人公含め6名のみだが、ゲームを進める中で手に入るキャラ開放チケットを使用することで、好きなキャラを解放することができる。


レベル上げ、装備、スキルツリー等を組み合わせた育成要素
本作の育成は、経験値を獲得してレベルアップさせる基礎的育成以外にも、装備、スキルツリーを使用した育成が用意されている。そのボリュームも相当数だ。
装備は、武器とジーンという2要素に分けられる。
武器は鍛冶屋で作成することで入手可能。武器種はキャラごとに固定されるものの、同じ武器種でも、火力特化や体力特化、クリティカル特化など特徴が異なっている。武器にもレベルが存在しており、鍛冶屋で強化素材を使用することでレベルアップさせ、ステータスを強化できる。一定値まで強化するとレベル上限に到達するが、専用素材を消費すればある程度まで上限値を取っ払うことが可能だ。


「ジーン」はキャラに複数装着できる強化アイテム。攻撃力や体力などの基礎ステータス強化をはじめ、最大体力を下げる代わりに攻撃力を上げたり、時間経過で体力が回復していったりなどの特殊スキルの付与も存在する。「ジーン」にもレベルやレアリティが存在し、高レアリティの「ジーン」を強化することで更に能力強化を図ることができる。


強化に必要な素材は、クエストクリア時の報酬や、ステージ上の宝箱、街で受注できるサイドクエストのクリアなどで入手できる。高レアな素材は、その分難易度の高いクエストを高評価を経てクリアする必要があるうえ、手に入る確率も低いので、必要な素材を集めるために何度もクエストを周回していく。


各キャラにはスキルツリーが存在している。レベルアップやクエストクリア時に手に入るMSPというポイントを使用し、順次スキルを解放していく。スキルツリーでも、体力や攻撃力などの基礎ステータスの他、新たなアビリティの獲得や、アビリティのリチャージ時間短縮、状態異常からの復帰速度増加等の強化も可能だ。
このスキルツリーは非常に大きく、全てを解放するのに必要なMSPの量は数万数十万とあるので、スキルを全キャラ全開放するだけでもかなりのやり込みとなる。

団員の深堀をするサイドストーリー「フェイトエピソード」
本作で仲間となるキャラの多くは、原作である「グランブルーファンタジー」に登場していたキャラばかり。彼らの生い立ちや性格などは、ゲーム内では特に説明されることはない。その深堀向けに用意されたものが、「フェイトエピソード」と呼ばれるサイドストーリー要素だ。
進行は主にテキストベースでの会話シーンと、専用のバトルやクエストで構成されている。会話シーンでは、そのキャラクターの過去や価値観、人間関係などといった、メインストーリーでは語られない背景情報が補完される。

フェイトエピソードを進めると、キャラのステータス上昇や、ジーン装備数増加といった育成にもつながっていく。

プレイヤー率いる騎空士達が織りなす新たなグラブルの物語
プレイヤーは、空を自由に旅する団体である「騎空士」を統率している団長として、蒼の少女「ルリア」や、彼女を保護する「カタリナ」、空飛ぶ船「グランサイファー」の操舵士である「ラカム」などと共に、星の島イスタルシアを目指す冒険をしていた。その途中で、本作の舞台である辺境の空域「ゼーガ・グランデ空域」へ足を踏み入れることとなる。


空域に入って早々、幾多のアクシデントに見舞われた一行は、「グランサイファー」の修理を兼ねて、近くの街「フォルカ」へと立ち寄る。そこで出会った便利屋を営む青年「ローラン」と共に各地の困りごとを解決していく中で、謎の団体「アヴィア教団」が画策する、「ゼーガ・グランデ空域」全体を巻き込む陰謀に巻き込まれていくこととなる。
果たして主人公一行は、「ゼーガ・グランデ空域」に襲い来る脅威を振り払うことができるのか…原作「グランブルーファンタジー」には存在しない、新たな物語の幕が上がる。


このゲームの良い点
新規プレイヤーにも優しく、コンパクトだが熱い物語は良い!
本作のストーリーは非常に完成度が高い。RPGとしては約12時間で終わるほどの短さではあるが、その内容は濃密で、エンディングを迎えた際に物足りなさを感じることはなかった。
ストーリー展開は無駄なく整理されており、
- 伏線を過剰に張り巡らせて話が分かりにくくなる
- 冗長な展開で内容を忘れてしまう
ということもない。起承転結が明確で理解しやすく、映画的な盛り上がりを随所に挟み込みながら、「よし、このまま戦いに挑もう」という高揚感を自然に作り上げていた。
原作未プレイでも楽しめる点も評価が高い。世界観はRPG経験者であれば直感的に把握できる構成なうえ、序盤に主人公たちの立ち位置や背景が簡潔に説明されるため、物語についていけなくなることはなかった。
敵キャラの掘り下げが少なかったり、勢いを重視したストーリー展開に気になる部分はあるものの、それを補って余りあるテンポと熱量がある。コンパクトながらも感情をしっかり動かすストーリーで、非常に満足度の高い体験だった。
また、原作に登場していた単語でわからないものがあった場合は、すぐに用語集を開いて内容を確認することもできる。このあたりの新規プレイヤーに対する配慮も素晴らしかった。

見たこともないほどの超特大ゲームボリューム!
メインストーリーは短いが、エンドコンテンツは別だ。むしろストーリーはチュートリアルであり、その後に解放されるエンドコンテンツこそが本番といえる。
クリア後から受けられるクエストには「EASY」~「PROUD」まで全部で7段階の難しさが用意されており、高い難易度になるほど、敵の火力や体力が増えていく。また、「MANIAC」の後半や「PROUD」といった最高難易度帯では、攻撃1発で瀕死になるような火力の敵を複数同時に相手にするなど、ただレベルを上げるだけでは突破できない難しさを持ったクエストが増えてくる。このような難しいクエストが非常に多く用意され、全部クリアするだけでもかなりの量だ。
最高難易度の突破には、ボスの特徴を踏まえたキャラ育成を行ったり、ジーンや武器種、アビリティの組み合わせ等のビルドを検討したり、パーティ編成を考えたりと、クリアするために色々考えることが増える。そのような試行錯誤を経た末に、高難易度クエストを高評価で突破できた時には、相応の達成感を得ることができた。
そのほか、サイドクエストの全攻略や、フェイトエピソード全読破、ストーリーパートの最高難易度走破など、細々としたものまで含め多くの要素がこれでもかと詰め込まれている。これほどのやり込み要素を誇っている作品はそうそうなく、これ1本だけで1か月は遊べるほどのボリュームは十分にあった。
高レベルなアニメ調グラフィック!
本作はアニメ調ベースのゲームなのだが、その映像品質が非常に高くて驚いた。
ムービーでは登場キャラが滑らか、かつ色鮮やかに動きまわるので、アニメ映画を見ているかのような感動を覚えられる。このムービークオリティを、ゲームプレイ映像でもそのまま持ってきてくれるので、ゲーム全体の「見ごたえ」は初めから最後まで一貫して大きくあった。


戦闘では、敵味方ともに様々なエフェクトが飛び交う。これも非常に派手で見ごたえがある。奥義を発動した時のカットインも格好いいし、奥義使用中もかっこいい演出がずっと続いていて、見ていてほれぼれするほど。時々戦闘エフェクトが強すぎて何が起きているのかわからない時があったのは気になったものの、それでも「ここまで格好いいエフェクトがずっと続くのであれば別にいいか」といった感覚になってしまうほどだった(笑)。

このゲームの悪い点
真エンドコンテンツまでが退屈…
メインストーリークリア後から始まる追加ストーリー「第0章」からエンドコンテンツが解放され、第0章をクリアすると本作の深淵へと入っていくのだが…この第0章攻略が一番つまらなかった。記事執筆時点で第0章クリアのトロフィー取得率が約30%というところを見ると、多くのプレイヤーがこのゲームのエンドコンテンツにたどり着けずに辞めているのだろう。
順当に進んでも約20時間程のボリューム(メインストーリーと合わせると約33時間のクリアボリューム)があるし、クリアまではただレベルを上げ、武器を強化し、数字の暴力で敵を上から殴り倒し、緊張感のあまりない戦いを繰り返し続けるだけ。自分が強くなれば与ダメージも増え爽快感は増すが、敵の体力も上がるのでクエストクリア時間は変わらないし、ダメージ数が上がっていく高揚感も、しばらくすると慣れて失せてしまう。一応ストーリー要素はあるものの、手記を読んでいくのが大部分であり、メインストーリーのような映像表現は少ない(最後は除くが)。
このあたりから本格的にオンラインプレイができるのだが、記事執筆時点では過疎っているので、結局一人で黙々とクエストの消化を繰り返し続ける他ない。
第0章をクリアし、真のエンドコンテンツに入っても、しばらくは結局キャラや武器、ジーンのレベル上げにより数値の殴り合いになる場面が多い。
本当に攻略が難しいレベルになったのは、ゲーム開始から約40時間くらいたってから。ここからは火力任せ構築ではなく、防御系のビルドにもかじを切っていかないとクリアできなくなってくる。また、防御系構築にすれば何とかクリアはできるものの、クリア評価は低くなってしまう。このあたりに到達するとようやく「難易度」という面でのやりごたえが出てくるので面白くなった。
このような「パーティ編成やアビリティを考える必要のある強敵」を細かなタイミングを配置しておけば、退屈さは生まれなかったと思う。開発側の「プレイ時間を増すためにひたすら数をこなさせよう」という魂胆が透けて見えたのは残念なところだ。
新キャラの育成がだるい…
育成要素もやり込み要素の1つで、人によってはこの育成に夢中になる人もいると思う。ただ、筆者的にはここはマイナスに映ってしまった。「設計は一流、運用は人を選ぶ」というゲーム性で、記事執筆時点で育成を楽しむのは辛かった。
育成では、キャラのレベル上げやMSP集め、ジーン強化や武器強化に、それらを実現する素材集めなどを繰り返していくこととなる。その量は非常に膨大であり、これ自体は「やりごたえ」としてはいいのだが、高難度クエストを何度も周回して強化する行為は「数値を積み上げる作業」に近く、爽快なアクション体験よりも効率重視のプレイが中心になる。育成が進むほど強くなっている実感は得られるが、その手触りはあまりに地道だった。
さらに、育成後半にはオンラインマルチ前提の難易度のクエストを周回することになるが、前述のとおりオンラインマッチングは過疎っており、安定した周回環境を整えるのが難しい。結果、育成効率が下がり、作業感がより強調されてしまう。育成システム自体は奥深いにもかかわらず、それを快適に回す土台が弱いのは惜しい点だ。
マップとカメラが使いにくい…
マップとカメラの挙動はかなり劣悪だったのは細かいが気になった。
ミニマップというものが存在せず、マップを見るには全体マップを開くこととなるが、全体マップを開くと画面いっぱいに地図が表示され、周囲の状況がわからなくなる。ミニマップ1つ用意すれば解決する問題なので、この点はもっと何とかしてほしかった。

カメラを右スティックで移動すると、指を離したところで止まってくれない奇妙な慣性が働くのも厄介。他のゲームでは見ないカメラ操作を求められ、高感度過ぎると若干気持ち悪くなったので、少し使い勝手は悪いものの少し感度を落とすしかなかった。ここももっと何とかしてほしかった。
まとめ
カジュアルに楽しむライトゲーマーも、やり込みまくるヘビーゲーマーも、全員が納得できる作品には仕上がっていたものの、大きなパンチは少なかった作品である「GRANBLUE FANTASY Relink」。育成とやり込みという面では、他のゲームに追随を許さない程のゲーム性になっているのは間違いないし、ゲームの触り心地としては多くのプレイヤーに満足できる作品ではあると思う。
筆者としては少し薄味な作品ではある気がするものの、「気になるからとりあえずやってみたい」と思うのあら、是非とも手に取ってみてほしい作品ではあった。
では!
