今回は、2016年発売と少し古めの作品にも関わらず、長期にわたって人気であり続ける作品「ウィッチャー3 ワイルドハント」について、このゲームの特徴や感想を書いていこう。
game of the yearを獲得した本作。最近はPS4のベストゲームとして、廉価版価格が発売されている。「PS4のオープンワールドとしてぜひともプレイしておくべき作品」とも言われているため、これはプレイせねば、と思い購入!さっそくレビューを書いていこう。
◆個人的感想
総評
すごく重厚なストーリーを持っており、またオープンワールドの特徴をフル活用した高水準アクションPRGだった!
ただ、やり込み要素が多いとは言えど単調な部分が多く、飽きも来やすいかな…という印象もあった。実際、自分も前半はサブクエスト含めたくさんやり込んでいたが、途中からメインストーリーばかり進め、サブクエストには手を出さなくなっていた…
どんな人におすすめ?
- しっかりと腰を据えて、重厚なストーリーを楽しみたい!
- たくさんのクエストをクリアし、世界の裏側の情報まで把握したい!
といった人にはオススメできる。逆に、
- 王道のRPGみたく、あまり分岐道を用意せず一本道ルートでいきたい
- 様々なコマンドを駆使するようなバトルアクションがしたい!
- あまり時間をかけずに楽しみたい!
といった人には合わないかもしれない。
◆このゲームの特徴
根本のストーリーはシンプルだが、サブクエスト次第でメインストーリーにも影響が!
基本的ストーリーはすごくわかりやすい。さっとさわりだけ話すと、主人公ゲラルトの大切な人がさらわれたため、助けに向かう、というものだ。もちろん、よくあるRPG同様、話が進むに連れて、RPGにふさわしい壮大なストーリーになっていく。
今作の特徴は、サブクエストに対するプレイヤーの行動次第で、メインストーリーのイベント内容がちょいちょい変わってくるところにある。たとえば、昔からゲラルトと交流のある魔女とのサブクエストでは、クエスト内の選択肢により、
- ゲラルト自身で彼女を倒すことになったり…
- 後々で彼女の亡骸を発見することになったり…
- 最終的に味方となって戦ってくれたり…
等、彼女との今後の関わり方が変わってくるのだ。もちろん、最近のオープンワールドゲームでは、サブクエスト次第でイベントが変わる、などはちょくちょくある。しかし、ウィッチャー3ではこんなようなストーリー分岐クエストがいくつもあるため、一つのストーリーをいろいろな目線で楽しむことができる。
ゲームタイトルが「ウィッチャー3」となっている通り、今作は「ウィッチャー1」「ウィッチャー2」の続編にあたる作品だ。しかし、今作は前作とはストーリーがきっちり分かれているため、前作をプレイしていなくても楽しむことができる。
やり込み要素が充実!装備品にはハクスラ要素も!
本作に登場するクエストは、メインやサブなど、全部合わせるとものすごい量がある。すぐ終わるようなものから、かなり時間がかかるものまで様々だ。
また、装備品の数も多数存在し、かつ一つ一つの装備につく特殊スキルは異なるという、ハクスラ要素まで完備している。その特殊スキルも、ただ単に攻撃力や防御力が上がるだけでなく、
- 特定の種族に与えるダメージ増加
- 移動速度増加
- 回復力増加
など、様々で、自分の満足いく装備を手に入れるまで、徹底的にやり込む、といったハクスラの醍醐味を楽しむことができる。
単純ながらも奥深い戦闘システム
本作の戦闘は、MMORPGによくあるような単純なシステムだ。弱攻撃、強攻撃、防御、カウンター、魔法攻撃、弓矢の組み合わせしかない。
ただし、これらの攻撃をどのタイミングでどう出すか、といった戦術をしっかり考えないと、途端にやられてしまう難易度になっている。戦闘の際は、複数の敵を相手にすることが多いた、まずどの敵を仕留め、次にどの敵を相手にするか、はたまた状況が悪くなったら逃げるべきか、といった状況判断が求められる。
このように書くと、戦闘が難しく感じられるかもしれないが、今作には難易度調整があるため、もし戦闘が難しい、と感じた場合は、難易度を下げればすらすらと進むこともできる。アクションゲームが苦手な人でも安心だ。
魔法は全部で6種類存在し、単純に敵を攻撃するものから、敵の動きを一時的に封じるもの、敵を操るものなど様々だ。サブクエストに出てくるボスキャラの中には、特定の魔法を使用しないと倒すのが難しいキャラもおり、登場する魔法をまんべんなく駆使する機会がある。
このゲーム独自のカードゲーム「グウェント」
今作には、「グウェント」というカードゲームが実装されている。これがもう面白い。これだけで一つのゲームが作れるのではないか、というくらい面白い。(実際、グウェントだけのゲームアプリがあるとかないとか…)
ルールは全然難しくはないので、数戦繰り返せばわかる。このシンプルなルール制もありがたい!細かいルールは実際にプレイしてみてほしいが、簡単に書くと、
- 先に2セット取った方の勝利
- ゲーム開始時、デッキの中からランダムに10枚が手札となり、試合中はこの10枚しか使えない
- 自分の番になったら、手札から1枚カードを選び、フィールドに出す。これを繰り返す。
- 双方のプレイヤーがパスをする、または出せるカードが無くなった時点で、フィールドに出したカードの持つ攻撃力の合計が最も高かったプレイヤーの勝利
といった感じだ。この「最初に手に入れた10枚で2セット勝ち上がらなくてはいけない」というところが非常に高い戦略性を出している。第1セットで多くのカードを使えばそのセットは勝利できるが、第2セット目以降は少ない手札で戦わなくてはならなくなり、結果的に敗北してしまう。
グウェントに使用するカードは世界中に散らばっており、商人から購入したり、特定のクエストをクリアしたり、コンピュータと戦って勝利することでもらったりできます。このグウェントをプレイする用のサブクエストもあるくらいだ。
◆このゲームの良い点、悪い点
【良い点】膨大なサブクエストによるやり込み要素!
本作のクエストの量は本当に膨大だ。たくさんクリアしたつもりでも、次の街に行くと、またたくさんのサブクエストが待ち構えている。「これぞオープンワールドゲーム!」といった感じだった。 特に、ゲラルトと昔から深い関わりのあったキャラとのストーリーは、サブクエストながらも比較的しっかりとしたストーリーが構築されており、やっていて楽しかった。
マップも非常に大きいため、探索し甲斐があった。隅々まで探索しつくしたつもりでも、どこかにまだ未開拓の土地があり、そこに開けていない宝箱が置いてあったりと、本当に冒険しているような気分になった。そんな広いマップを探索するためにも、馬が常に呼べ、ファストトラベル機能が充実しているところもありがたかった。
【良い点】フルボイス!常に登場人物の掛け合いが楽しめる!
昨今のゲームではよくあることかもしれませんが、本作はメインストーリーだけでなく、サブクエスト、はたまた商人との会話まで、すべてフルボイスだ。フルボイスでキャラクターの感情をしっかり理解しながらプレイできるのはありがたかった。
【悪い点】戦闘にスタイリッシュさは無く、繰り返しプレイすると飽きてくる…
特徴にも書いた通り、今作の戦闘システムは非常に単調だ。新たなスキルを習得したとしても、攻撃パターンが増えるわけではない。こうなってくると、どうしても戦闘に飽きてくる…
MMOPRGのように、淡々と作業のように戦うことが好きな人には合うかもしれないが、やり込んでいくほど変化があるようなゲームが好き、という人には、ちょっと退屈な戦闘システムかもしれない。
【悪い点】グウェント、惜しい部分がたくさん…
グウェントはゲーム自体は本当に面白い。しかし、惜しい要素がいくつもある…
このカードゲームは最初の10枚にどれだけ強力なカードがそろうか、によって勝敗が大きく変わる。そのため、本当にグヴェントが面白くなるのは、たくさんのやり込みを行い、ある程度のカードが揃った後になってしまう。デッキを強化するには、様々な街に向かって、そこにいる商人から珍しいカードを購入したり、専用のサブクエストをクリアしてレアカードを入手したりしなくてはいけない。カードゲーム専用のゲームならともかく、もう少し手軽に強くなれないものだろうか…というもどかしさがあった。
次に、使う勢力が1つに固定されてしまい、せっかく複数種類の勢力があることが活かせていない。グウェントでは、勢力ごとに使えるカードが限られているのだが、ゲームの序盤で手に入るカードのほとんどが1つの勢力に偏っており、他勢力のカードを使うことがほとんどない。ここも非常に勿体ないなと感じた。
さらに、戦う相手が必ずコンピュータなのも惜しい。オンラインによる対戦モードは無いのだ。せっかくここまで面白いゲームなのに、オンラインモードが無いのは寂しかった…
◆まとめ
「昔のオープンワールドRPG」といった感じで、取り立てて難しいアクション要素もなく、ストーリーを楽しみながら淡々と任務をクリアしていく、といったゲームとなっている今作。腰を据えてじっくりとやり込みたい、というプレイヤーには非常に合うと思いますが、ゲームシステム変化の速い昨今のゲーム業界とは逆行しているので、少し人を選ぶかもしれない。
しかし、やってみて損するような作品では絶対にない!今は価格も安くなっているため、興味があればぜひともやってみることをオススメする!
では!