今回は、「Tales of ARISE」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。
2021年9月9日にバンダイナムコより発売されたテイルズシリーズのマザーシップタイトル第17作品目である「Tales of ARISE」。初めてPS5向けにも発売されたテイルズ作品で、発売当時は美麗なグラフィックで話題になった。
発売からだいぶ時間が空いてのプレイとなるが、エンディングまでプレイしてみた感想と、感じた良い点、悪い点をまとめていく。
ちなみに、参考までに私が遊んだ過去作のテイルズは以下の通り。
- Tales of Phantasia
- Tales of Destiny
- Tales of Eternia
- Tales of Destiny 2
- Tales of Symphonia
- Tales of Rebirth
- Tales of The Abyss
- Tales of Innocence
- Tales of Berseria
◆個人的感想
総評
グラフィックやBGMの良さは、これまで遊んできたテイルズシリーズの中では圧倒的に上位!さすが、PS5の力をフルに活かしているな、と感じられるほどだった。
戦闘面では、途切れることなく攻撃を繋げられる連撃システムがあり、途切れることなく攻撃が続いて敵を倒せた時は、非常に爽快感を得ることができた。
テイルズ特有のやり込み要素も存在しており、値段相応かそれ以上の時間をかけて楽しむことも可能だ。
しかし、難易度ノーマルでも異質な難易度の高さは、大昔のゲームにあるような「手前のステージでレベル上げしないといけない」というようなテンポ感の悪さを持ち、カジュアルなゲームであるテイルズシリーズにあまり合って無い感じがした。
また、ストーリーの最後で、非常に重要な部分の説明や導入の仕方が雑であり、直前まで続く壮大な物語の終わりにしては納得のいかない部分があったのもマイナス点な印象だった。
全体通して、良ゲー以上、神ゲー未満、といった感じの印象。購入してプレイしてみても全く後悔はないゲームだと感じた。
こんな人にオススメ!
- 難易度の高いテイルズがやりたい
- 綺麗なグラフィック、壮大な音楽を重要視する
- コンボ重視のアクションが欲しい
- ストーリーに整合性は不要で、何となく繋がっていれば気にならない
という人にはオススメできる。逆に、
- コンボを決めていくアクション性は難しくて苦手…
- 一切の乱れの無い、非常に綺麗なストーリーが欲しい
- 難易度は下げたく無いが、サクサクとは進めたい
という人は購入を止めた方がいいだろう。
◆このゲームの特徴
キャラ毎の特徴が目立つ爽快感のあるアクション
テイルズシリーズは、アクションRPGに分類されるゲームである。戦闘フィールド上でキャラを動かしながら、各ボタンに割り当てた技を組みあわせて戦う。テイルズシリーズでは、「リニアモーションバトルシステム(LMBS)」と呼ばれている。
本作では「LMBS」もベースに、更なる要素を追加した新システムを搭載している。
まずは攻撃面。剣や拳をふるう通常攻撃と、キャラ毎に持っている術技(特技や魔法に当たるもの)を組み合わせて攻撃する。術技の使用には、「AG(アーツゲージ)」という専用のゲージを消費する。AGは時間経過で回復する他、後述する「ブーストアタック」でも回復可能だ。AGが切れるまでは、どんな術技をどの順番で発動しようとも問題ないため、自分の好きなようなコンボを構築することができる。
戦闘開始してからしばらくたつと、「BG(ブーストゲージ)」というゲージが溜まっていく。BGが最大まで溜まると、キャラ毎に持つ「ブーストアタック」という専用技を出すことができる。敵を強制的にダウンさたり、空を飛ぶ敵や呪文を詠唱中の敵等に対する妨害ができたりと、戦闘をより有利に運ぶことができる。また、「ブーストアタック」を使用すると、プレイヤーが操作するキャラのAGが回復する付属効果もある。
術技や「ブーストアタック」を敵に連続で当て続けると、敵に対して専用のゲージが溜まっていく。そのゲージが最大まで溜まると、「ブーストストライク」という強力な技を出せる。攻撃対象の雑魚敵は1発で倒すことができ、ボス等には大ダメージを与えられる。
続いて回避やガード。スティックを倒した方向に任意に回避ができ、敵の攻撃をかわすことが可能。特定のキャラは回避ではなくガードができる。敵の攻撃タイミングに合わせて回避やガードをすると、「ジャスト回避/ジャストガード」ができ、その時だけ使用できる強烈な反撃技「カウンターレイド」を放つことができる。
回復魔法を用いた回復面では、「CP(キュアポイント)」というAGとは別の専用ポイントを消費することとなる。CPはAGとは異なり、パーティ共通のポイントであり、時間経過では回復しない。規定量に届かないと回復魔法は使用不能となる。CPの回復は、宿で休んだり、専用の回復アイテムを使用したりして回復できる。
また、CPはマップ上の障害を取り除く専用アクションにも必要ため、回復一辺倒に割くことはできない。無計画な消費行動をとると、後が無くなってしまうため、注意が必要だ。
JRPG的なキャラ育成要素と、SPを使用したスキルシステム
本作の育成システムは、昨今のJRPGにはよくある
- 敵を倒して経験値を手に入れることによるレベルアップ
- 装備品を購入、収集して身に着けることによるステータス増加
- スキルマップによるスキル習得
を採用している。
装備品は、商人から購入したり、マップ上の宝箱を開けて手に入れるという、従来のRPGによくあるタイプの他に、敵を倒して手に入る素材とお金を消費することで、欲しい武器をクラフトする要素が追加されている。
またアクセサリーについては、クラフト後にも強化素材を使うことで、強化を行って追加効果を得ることが可能。強化を繰り返せば、単品ではあまり強く無い性能の装飾品でも、かなり使えるものへと変わってくれることがある。
スキルは、バトル終了時やクエストクリア時に手に入る「SP」を使用し、自分の好きなスキルから任意で開放していくスタイルをとっている。スキルの中には、戦闘中に使える特技を増やすものや、キャラ固有のアクションの性能を高めるもの、最大AGを増加したり、AGの回復速度を上げたりするパッシブ効果があるものなど、バリエーションに富んでいる。
クエスト、釣り、ギガント討伐、料理などのサブクエ要素
テイルズシリーズと言えば、豊富に用意されているサブクエ要素も魅力の一つ。本作にももちろん存在する。いくつか例を挙げよう。
まずはクエスト。フィールドの各地には、何かしらの悩みを持ったキャラがいることがある。彼らと会話することで、「クエスト」を受注することができる。「クエスト」の依頼内容は、
- 特定の敵を数体倒す
- 大型のボスを倒す
- 特定のアイテムを入手して納品する
など、いずれも異なる内容となっており、依頼を達成することで、SPやお金の他、追加アイテムの入手ができるため、冒険の役にも立ってくれる。後回しにすると、いちいち戻って探しなおして…といったことになるので、なるべくこまめにクリアしていきたい。
続いて釣り。マップに点在する釣り場で釣りをすることで、換金アイテムになる魚を入手できる。釣竿や釣り餌は、商人から購入することでより大物を捉えられるものへとアップグレード可能だ。「ヌシ」と呼ばれる大物の魚を釣り上げるのを目指し、ストーリーそっちのけで釣りに勤しむ楽しみもある。
続いてギガント討伐。マップに点在する、ストーリーとは関係しない個別ボスである「ギガント」。そこらの雑魚敵とは比べものにならないほど強力な力を持っており、油断していると一気にこちらの体力が持っていかれる。頑張って討伐できれば、CPの最大値を上げる専用アイテムを入手できるため、メインストーリーの攻略にも役に立つ。ギガントは各地に存在しているため、彼らを全て倒すのも、本作のゴールの一つとも言える。
テイルズお馴染みの「料理」ももちろん存在。宿屋や野営地で休む際に作成でき、道中で手に入れた食材を使用して、冒険に役立つ追加効果を一定時間働かせる。ダンジョン攻略前やボス戦前などに料理をし、ステータスを増加させることで、より攻略が楽になるだろう。
これ以外にも、「フクロウ探し」「アーティファクト集め」「裏ボスダンジョン」など…多くのやり込み要素が用意されている。
「スキット」による大量の会話イベント
テイルズシリーズと言えば、挿絵を挟みながらキャラ同士で会話をする「スキット」が有名。本作にももちろんスキットが存在している。
ストーリーの流れに沿ったスキットの他、キャラ同士の雑談、コメディタッチな会話など、キャラのことをより深く知ることのできる、テイルズシリーズにとって重要な要素だ。
今作では、スキットはただのキャラの立ち絵ではなく、3D表現を重要視している。キャラが身に着けている装飾品や髪型、スキットが発生した場所の背景描写まで、スキットの画面上に詳細に描くようにしているため、まるで会話しているキャラのすぐそばでプレイヤー自身も話を聞いているような感覚で楽しむことができる。
全体的に重めながらも濃厚なストーリー
テイルズシリーズはファイナルファンタジーシリーズに似た「ちょっと大人なストーリー」が展開される作品が多い。本作も、「服従、支配、忠誠」といった重た目なテーマを掲げたストーリーが繰り広げられる。
物語の舞台は、「ダナ」と「レナ」という2つの星。それぞれの星には「ダナ人」と「レナ人」という人間が住み、生活をしていた。しかし、「ダナ」は突如「レナ」から侵略攻撃を受けることとなる。圧倒的に高度な科学、魔法技術を「レナ」を相手に、「ダナ」は瞬く間に敗北し、「レナ」によって5つの領地に分けられ、統治されることとなる。その後、ダナ人はレナ人の支配のもと、想像も絶するような奴隷生活を強いられることとなる。
「レナ」の襲撃から300年後、5領の内の一つ「カラグリア」には、鉄仮面を被ったダナ人の青年が、奴隷として生活を送っていた。彼は記憶だけでなく、痛覚までもない特殊な体質をしており、レナ人から仕打ちを受けるダナ人を見つけると、自分が代わりに奴隷の仕事を請け負うというお節介焼きな行動までとっていたため、ダナ人だけでなく、レナ人にも広く知れ渡った存在であった。
ある日、鉄仮面の青年がいつものように仕事をしていると、近くにあった列車の屋根上から大きな音がしたのを耳にする。登ってみると、そこには白いドレスをまとった少女がいた。彼女の名前は「シオン」。触れたものに痛みを与える不思議な呪いを抱えた少女だった。彼女はレナ人にも関わらず、何故か同じレナ人から追われていた。
「早く列車を出して!」
彼女の声を聞き、鉄仮面の青年は、咄嗟に自分の仕事を放棄し、列車を走らせることに。この「痛みを感じない青年」と「触れた者に痛みを与える少女」の出会いが、「ダナ」と「レナ」全土を巡る壮大な物語の始まりであった。
◆このゲームの良い点
途切れない連続コンボが超爽快!
本作では、
- 通常攻撃
- AGを消費した術技
- ブーストアタック
- ブーストストライク
という、大きく分けると4つの攻撃パターンがある。これらの組み合わせには制限がなく、リソースが枯渇するまで永遠と攻撃できるため、言葉の通り「途切れないコンボ攻撃」を行うことができる。この爽快さは、過去のテイルズ作品では見たことがなかった。
通常攻撃を当てて、術技を3回挟んで、ブーストアタックで攻撃&AG回復して、また術技使って、最後にブーストストライクで締め!
…言葉で表すだけだとイマイチ伝わりにくいだろうが、上記のような連続攻撃を、プレイヤーの思うがままに使いこなせるため、この爽快感の高さはピカイチだと感じられた。
似たような連続攻撃可能な戦闘システムとして、筆者がプレイした中だと「テイルズオブディスティニー」のリメイクや「テイルズオブベルセリア」が挙げられるが、本作の連続攻撃の量やそのやり易さは、上記を圧倒的に上回るものだったと感じられた。
また、ストーリーを進める中で登場する秘奥義も圧巻!非常に見応えのある秘奥義は、火力も十分で、実に頼もしいものであった。
グラフィックが綺麗!音楽が壮大かつ心地よい!
テイルズシリーズ特有のアニメ調ベースな作画は変わらないものの、PS5向けに展開したからか、そのグラフィックの高さは、過去のテイルズ作品とは比にならないほど美麗に作り込まれている。
通常のムービー映像はもちろんのこと、ただフィールドを歩き回る場面、戦闘中の敵味方の描写、キャラとの会話中の映像等、ありとあらゆるものが3Dグラフィックで丁寧に作られている。
キャラの服装を変えたり、メガネや髪留めなどの小物を付けたりしても、キャラのテクスチャが崩れることなく、戦闘時、移動時、スキット時など、あらゆる場面にそれらが綺麗に適用されるのも素晴らしい。
まるで「3Dのアニメを自分で動かしている」ような感覚でゲームをすることができた。
映像だけでなく、音楽も非常に作り込まれているのも圧巻。
戦闘中、フィールドや街の散策、イベント中など、多くの場面で、バイオリンやピアノ、チェロ等のオーケストラ楽器を使用したBGMが流れ、壮大な冒険をしていることを耳で感じられる。どのBGMも、電子音で組まれているのではなく、実際にオーケストラに演奏してもらっているかのような、正に「生きている音楽」を聴いているような感覚になった。
部分的に良いBGMを採用しているゲームはちょくちょく見るが、あらゆる場面のBGMが全て作り込まれている本作は、テイルズシリーズだけでなく、全RPGの中で見ても、ペルソナシリーズと本作位なのではないか、と感じた。
更に、テイルズシリーズには初代から続いているオープニング曲も驚き!まさかの2曲が採用されている、と超豪華!しかも2曲目は物語の後半になると現れるうえ、多くの人が知っている超有名な曲!作中に出てくる人物の心境とも合っており、非常に胸に響いたものだった…
UI、ショートカット機能が充実してて冒険しやすい!
本作では、UIが非常に使いやすく作られていたり、ショートカット機能が充実していたりと、快適にプレイする上であると便利なものが揃っていた。
まずはマップ。マップには、宿屋や野営地の場所、クエストを受注できる人のいる場所等がアイコンで全て表示されるため、わざわざ街中を探し回る必要がない。また、どの扉をくぐるとどのエリアに繋がるのかを示してくれたり、ストーリーやクエストの目的地を★マークで表してくれるため、迷うこともない。サクサク快適なゲームプレイの一助になってくれた点は非常に良かった。
操作方法やキャラ毎の特徴を忘れたな…という時や、SPを沢山手に入れたからスキルを習得したいな…という時は、十字キーの右、下、左を押すことで、対応した画面へ1発で遷移できる。このショートカット機能も地味に便利で良かった。
また、エリア毎に用意されているファイストトラベルポイントを解放すると、いかなる場所からもファストトラベルが可能となる。アイテムを買いそびれたけど戻るのが面倒、という時や、クエストの目的地が遠い…という場合にも、いつでも戻ることができるため、非常に便利であった。
ボリューム多めでやりごたえ十分!
筆者はクエスト、フクロウ探し、アーティファクト集めなど、大方用意されているやり込み要素の内の7割ほど遊んでメインストーリーのクリアまでにかかった時間は、約34時間ほどだった。
この他にも、筆者がまだやりこんでないクエストやダンジョンもあるため、全部やろうとしたら50時間はやり込めると感じた。
過去作のテイルズと比べると、少しばかしボリューム不足気味なのは否めないものの、それでも値段に見合った分は十分遊び尽くせると思えた。
◆このゲームの悪い点
戦闘難易度が高く、「カジュアルなRPG」感が薄い…
本作は、筆者が過去にやってきたテイルズシリーズの中で、一番戦闘難易度が高い作品だった。難易度ノーマルで始終プレイしたが、ゲームクリアまでに10回はゲームオーバーになる程だ。アクションゲームの経験があまり無かったり、これまでのテイルズシリーズのようなライトな戦闘に慣れているプレイヤーだと、難易度を下げない限り「キツイな…」と感じられる要素が多い。
基本的に、登場する敵はほぼ全員がスーパーアーマー(こちらの攻撃を当てても怯まない状態)を持っているが、プレイヤー側は持っていないため、闇雲に攻撃し続けていると、すぐに反撃され、下手したら一気に体力が半分削られることもある。ボス戦はその難しさが顕著であり、自分が挑むボスよりも高いレベルまで育成し、武具をしっかり揃えてから挑まないと、ちょっとでも油断するとゲームオーバーになってしまう。
戦闘に勝つには、
- 「ブーストアタック」による怯みを意図的に狙う
- 無理に連続攻撃はせずに様子見や回避に徹する
など、しっかりと状況を見て適切な戦いをしていく必要があるため、異質な難易度に感じた。
そこまで戦闘難易度が高いにも関わらず、キャラのレベルアップが少し遅めなため、中々能力強化もされない。更には商人から購入できる回復アイテムの値段が、過去作と比べても飛び抜けて高額なため、回復アイテムを沢山購入して保険を掛ける、というプレイもやり辛い。
筆者は事前に多くのサブクエ要素をクリアしたり、武具を作成したりした上でストーリーボスに挑んだが、それでもレベルが足りず負ける場面があったため、最終的にはレベル上げがめんどくさくなり、課金アイテムでレベルの水増しをしてしまったほど…難易度をイージーにすればその難しさは緩和されるが、イージーにするのもなんか負けた気がするし…
高難易度をウリにしてるようなゲームや、裏ダンジョン攻略中というなら、「攻略しがい」という要素に変わって楽しめるのだが、「カジュアルRPG」であるテイルズシリーズで、ゲームの初めから終わりまで高難易度なのはちょっと違うのでは無いか…と感じた。
ストーリーの終わりやラスボスの扱いが雑…
本作のストーリーやラスボスは、締まりや背景描写に雑な面が見られ、個人的には納得感のあるものでは無かった。
ストーリー進行は、過酷な奴隷生活を強いられているダナ人と、ダナ人を人とも思わず使役するレナ人、そんな彼らを空から無慈悲に見下ろすレナの星、というダナ側の目線で語られる。物語進むにつれ、
- ダナ人、レナ人とはなんなのか?
- ダナ人を使役する目的はなんなのか?
- レナでは何が行われているのか?
など、ストーリーの核となる要素が明らかになってくる。
これらが明らかになるまでは、ストーリーのテンポ感も良く、次々と明らかになっては謎に包まれる展開に、続きが気になりゲームを止めるタイミングを失う程だった。が、ストーリーの最後の最後になって、
- 真の黒幕の行動目的の合理性
- 主人公たちが最後に手に入れた力の背景
という、非常に重要な2つの部分がご都合主義に終わる。説明はあるのだが、それまでのストーリーの運びと比べ雑なため、肩透かしをくらってしまった。
また、ラスボスの描写も雑で、他のテイルズ作品のラスボスと違い、「ボスの魅力」というものが存在しなかった。ラスボス自身の心理描写や行動背景を丁寧に描くことはなく、任意で読めるテキスト上でちょっと説明されるのみなので、全体通して「ただの悪役の1人」的な扱いしかされていないのだ。
テイルズオブファンタジアの「ダオス」のように、初めから終わりまで一貫して「災厄の元凶人物」として出てくる訳でもなく、テイルズオブジアビスの「ヴァン」のように、初めは仲間だと思っていたが、実は心に強烈な野望を抱えている人物、という訳でもなく、テイルズオブベルセリアの「アルトリウス」のように、表の顔と裏の顔を使い分け、「主人公陣営が悪側だ」と周囲を誤認させるような頭の良さが光る訳でも無いのだ。
ストーリーもラスボスも、綺麗な絵が描かれたジグソーパズルを遊んでいて、「あと少しのピースをはめたら完成!」となった際に、絵柄にも合ってない真っ白いピースだけしか用意されてなかった、というような感じで、締まりがないまま終わったような感じだった。
ちょっとしたロードが気になる…
ずーっと遊んでいると気になったのが、地味に長く頻度の多いロード時間だ。
ファストトラベルでの移動時や、宿屋からの出入り、次のエリアに足を踏み入れた時など、結構多くの場面で、PS5であっても5秒ほどのロードが挟まる。たった5秒ではあるのだが、如何せん頻度が多いため、遊んでいるうちに気になってきてしまった。
これ以外にも、ショップでのアイテム購入時や、宿屋、野営地での行動選択時に、いちいち2秒弱ほどの待機時間が発生する。ボタンを押し間違えたから前画面に戻りたい時などにいちいち2秒弱待つことになるため、若干ではあるがテンポが削がれる。
昨今のゲームはロード時間を減らす方向で作り込んでいるものが多いため、たった数秒のロードであっても、ロード時間が頻繁に発生する点は、段々とではあるが気になってしまった。
…ていっても、これはホントに僅かな問題。重箱の隅を突くような話なので、悪い点、としてあげるのも良くないかもしれないが…
◆まとめ
グラフィックの高さを持ち、爽快なコンボ性を持った作品である「Tales of ARISE」。難易度の高さやストーリーの肝心な部分が不明瞭な不満点はあるものの、全体通して楽しんでやれるオススメ作品であることは間違いない。
まだ本作をやったことないよ、という人は、セールの機会に是非とも購入し、プレイしてみてほしい。
では!