今回は、PS4のゲーム「二ノ国Ⅱ レヴァナントキングダム」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。
(本記事の情報は、2021/5/25時点を元にしている)
2018年3月に発売された「二ノ国Ⅱ レヴァナントキングダム」。ドラクエやFFなどと同じ国産RPGで、どんな作品なのか興味ある人もいるのではないだろうか?
実際に購入し、エンディングまでプレイしてみたため、感想と、感じた良い点、悪い点をまとめていく。
◆個人的感想
総評
さすが国産RPG!非常に丁寧に作られ、ボリュームも十分あり、値段以上の満足感を得られる良作であった。
親切設計で、普段ゲームをやらない人でも楽しめること間違いなしだ。
ただし、PS4のゲームにしては尖った特徴があるゲームではないので、「やめられなくなるほどメチャメチャハマる」といったような中毒性はない。良くも悪くも万人受けを狙った作品だろう。
どんな人にオススメ?
- あまりゲームはやらないけどRPGがやりたい!
- 超ボリュームのゲームがやりたい!
という人は楽しめる。逆に
- これまでのゲームに無い新たな要素の詰まったゲームがやりたい!
- キャラクターボイスは超重要!
という人には向かないだろう。
◆このゲームの特徴
プレイヤーとCPUでパーティを組むアクションRPG
本作は、シンボルエンカウント形式を持ったアクションRPGである。テイルズシリーズを触ったことがあるプレイヤーであれば、あんな感じのゲームだと認識してもらえればよい。
戦闘時は、プレイヤーが操作するキャラクター1人とCPU操作のキャラクター2人の合計3人でパーティを組む。攻撃技は通常攻撃、強攻撃、遠距離攻撃、スキルの4種。それぞれを場面場面で使い分けながら戦う。
キャラごとに、近接攻撃が得意なキャラ、遠距離攻撃が得意なキャラ、支援系が得意なキャラが分かれているため、操作するキャラによって立ち回りを少しずつ変えて戦う必要がある。戦闘時に操作キャラを臨機応変に変えることも可能だ。
また、戦闘にはプレイアブルキャラだけでなく、「フニャ」という、二ノ国にのみ存在する妖精も参加してくれる。フニャによって攻撃属性や持っているスキル、発動できる必殺技が異なるため、ステージに応じて戦闘に参加させるフニャを付け替えながら戦う。
敵を倒していくと経験値を獲得し、経験値が溜まればレベルアップしてステータスが向上する。更に、敵や宝箱、ショップでの購入で装備品を手に入れることでもステータス強化が可能だ。
国作り、サブクエスト、進軍クエスト等のやり込み要素
本作には、メインストーリー以外にも様々なやり込み要素が用意されている。
まずは国作りをする「キングダムモード」。
プレイヤーは新興国「エスタバニア」の運営を任されることになる。開始当時は建物も何もない更地だが、王国資金で施設を建築し、各地から国民を集め、集めた国民を適切な施設に配置していくことで、
- 武器屋や防具屋、魔法屋等のショップ
- 牧場、農園、坑道等のアイテム収集施設
- 訓練所や探検隊、劇場等の特別施設
も作れるようになる。
発展すれば、他のどの国よりも充実し、品ぞろえのよい上質施設を作ることができる。
続いてサブクエスト。 街中やフィールドで出会う住民と話すと、「あれが欲しい」「これを倒してきてほしい」「この人を捜してほしい」等、様々な依頼を受ける。この依頼をクリアすることで、新たなアイテムが手に入ったり、依頼者がエスタバニアの国民になってくれたりする。
他にも、「ツバクロー」というキャラから受注できる「ツバクロクエスト」も存在する。こちらもクリアすると、レアアイテムやレア人材を手に入れるための専用アイテムを入手できる。
他には進軍バトル。これはリアルタイムシミュレーションゲームといった感じのモード。
「エスタバニア」に集めた国民から最大4人のメンバでチームを作り、フィールド上の敵部隊や敵施設を攻撃してミッションを達成していく。キャラごとに斧、剣、槍、銃、弓矢の中からどれか1つが設定されており、それぞれ相性の良し悪しが決められているため、戦う敵のタイプに合わせてぶつける味方を変えていく必要がある。
戦闘時にはただキャラを敵にぶつけるだけでなく、「軍力」という専用ゲージを消費して、傷ついた味方部隊を回復したり、特殊スキルを使って敵を攻撃したり、といったことも考慮する必要がある。
王道のJRPGストーリー
本作のストーリーは、二ノ国にある一つの国家「ゴロネール」に住む王子「エバン」が、王の座を狙って巻き起こされたクーデターから命からがら逃げ出すところからストーリーが展開される。
気弱な「エバン」だが、元王家の人間であるという責任感や、自分の身も危ない中「エバン」のことを心配してくれる元国民の存在、そして何より、争いを経験したからこそ、「二ノ国を統一し、争いのない平和な世界をつくりたい!」という気持ちを胸に、世界平和を実現する旅に出かけて行く。
◆このゲームの良い点
シンプルかつ楽しいアクション性!
アクションRPGというと難しく感じるかもしれないが、本作はかなり優しい操作性で作られている。
攻撃は弱攻撃、強攻撃、4つのスキル、遠距離攻撃しか存在しない。スティックを倒す方向で技が変わるとか、弱攻撃を何回かやってから強攻撃すると強烈な一撃ができるとか、そんなことは一切ない。スキルの発動も、R2を押しながら⚪︎×◻︎△を押せば、事前に割り当てたスキルを使ってくれる。
ガードと回避も単純で、L1を単純に推すか、スティックを倒しながら押すか、しかない。少しゲームを触ればすぐに慣れる。
そんな簡単なアクション性ながら、スキル攻撃はかなり派手で威力も高く、見応えがある。居合切りで周囲の敵を一気に切りつけて吹っ飛ばしたり、炎の渦を出す魔法で敵を焼き尽くしたり。上手く敵に当てて大ダメージを与えることができたらそれはもう気分爽快だった。
「自分はアクションゲームが得意だから簡単過ぎるのは嫌だ」という人は、ゲーム難易度を変えるとよい。難易度は3段階用意されており、1番下のノーマルは、レベルが10個上の敵と戦っても苦戦せず勝てるが、難易度を上げるほど敵が固く、強くなり、適当に攻撃すれば勝てるほど甘くは無くなる。ただし、難易度を上げれば、強力なスキルがついた武具が手に入りやすくなるため、その分攻略も楽になっていく。
この、ゲームが苦手な人でも楽しめる簡単な操作性、得意な人でもこのゲームの大きな強みと言えるだろう。
膨大なやり込み要素!DCLも入れれば100時間は遊べるボリューム!
本作はストーリーをクリアするだけでも相当なボリュームがある。私は難易度ハードとノーマルを行ったり来たりし、途中でサイドクエストを半分ほどクリアして、プレイ時間が30時間であった。RPGなのでレベルの概念があり、早く進み過ぎるとパーティレベルが低く、力負けしてしまうので、レベル上げの時間も考えると大体このくらいのプレイ時間になると思う。
ストーリーでそこまでのボリュームがありながら、サイドクエストの消化や、魔瘴気モンスター(道中に出てくる強力な敵)の討伐など、全部やり尽くそうと思ったら百時間は遊び尽くせる。
これに加え、今はDLC3作が既にリリース済みだ。新たなサブクエストやボスが追加され、更なるボリュームアップがされている。ここまで巨大なコンテンツになっているのはただただ驚きだった。
バグが無い!快適なプレイ性!
技術力が進歩し、システム面、グラフィック面で色々なことができるようになった昨今のゲーム。その反面、最近になって目立つようになったのは、バグ問題やロード問題だ。
「グラフィックが崩れる」「目的地に着いたのに進まない」「アイテムが勝手になくなる」「そもそもゲーム起動自体出来ない」「ロードが長すぎ、頻繁に発生しすぎ」など、小さなものから大きなものまでさまざま…せっかく発売したのに、バグやロードがひどくて低評価、ということが往々にして発生している。
しかし本作には、クリアまで一通りゲームプレイしても、そういった類のバグやロード問題には一切遭遇せず、快適にプレイすることができた。デバッグを徹底して行ったのだろう、ユーザへの配慮が見て取れる。
このような問題は無くなってから発売するのが当たり前と言えば当たり前なのだが、やはりどうしても限界はあるもの。その限界すら超えた品質を出してくれた本作には、称賛を送りたい。
◆このゲームの悪い点
ストーリーはイマイチ、グラフィックも普通…
ストーリーは、話の節々にちょっとしたひねりを入れ、それらを無理やり繋げている感じが見受けられる。伏線を散りばめ、綿密に回収していく濃厚ストーリーでもなく、先が見えるただわかりやすいストーリーでもなく…ストーリーの展開として、ちょっと違和感というか、「うーん」となる部分が所々見られた。
決して駄作ではなく、一応は初めから最後まで綺麗にストーリーは完結してはいる。若干気になる点があると言ったくらいではあるが、ストーリーにはあまり期待しない方が良いだろう。
また、グラフィックも、「綺麗な映像美で魅せる」方針ではなく、アニメ調の絵が始終続く。昨今の高グラフィックゲームにはほど遠い映像クオリティだ。
それらの悪かった点は、「ドラクエシリーズが好き」という人にとってはたいして気にならないかもしれない。しかし、「FFシリーズなどのストーリー、グラフィックともに練られたRPGがいい」という人は、退屈に感じる点だ。
新要素「進軍バトル」が退屈…
自らが部隊を指揮し、敵を倒して行く、シミュレーションゲーム的な要素の強い「進軍バトル」だが、これがあまり面白くない。ただキャラを動かし、敵陣に突っ込んで敵を撃破、を繰り返すのみのワンパターン戦法になりがちだからだ。
一応、「剣は斧に強く、斧は槍に強く」といった、武器種ごとの三すくみのようなものもあるが、実際に戦う時は敵味方の複数部隊が一気に押し寄せ、全武器種がごちゃごちゃと戦いあうだけなので、イマイチこの要素も効いているように思えない。本格的なターン性のシミュレーションゲームではなく、半端にアクション性があるせいで、「ここでこの特技を使って敵戦力を下げよう」というシミュレーションゲーム特有の動きもできないし、「プレイングで格上の敵でも素早く倒していこう」ということもできない。
シミュレーションゲームとしての良さも、アクションゲームとしての良さも無いので、どう楽しめばいいんだろう、という退屈要素が強かった。
また、メインキャラのレベルと、進軍バトルに使うキャラのレベルはそれぞれ別に上げる必要があり、進軍バトル用キャラのレベル上げのために、同じ進軍バトルを何度もするのが辛かった。せめてお金を消費してレベルアップ、とかにしてくれればまだ育成しやすくてよかったと感じる。
キャラボイスがちょっと残念…
本作のメインキャラのCVは、公式サイト「キャスト | 二ノ国II レヴァナントキングダム」を参照すると、
- エバン:志田未来
- ロウラン:西島秀俊
- シャーディー:門脇麦
- ガットー:吉田鋼太郎
等、皆が知っている芸能人を採用している。
もちろん皆様プロの俳優女優のため、基本的には違和感なくゲームキャラの声としてスッと入ってくるが、中にはあまり声に表情が無く、「うーん…」となってしまうキャラもいた。重要な脇役キャラに有名声優を採用しているため、なおさらその差がわかりやすい。
私はその道に詳しくはないので、両者の難易度の差がどんなものなのか、具体的にはわからないが、身振り手振りが使えるTVや舞台と違い、声だけですべてを表現する「声優」を俳優女優が挑むのはやはり難しいのだろう。
「ゲームにはCV要素が大事」と考えているプレイヤーは注意しておいてほしい。
◆まとめ
膨大なボリューム、丁寧な作り、誰にでもプレイしやすい親切さ…どれもこれも、「つまらない」と言わせるような要素はほとんどなく、プレイしていて非常に楽しかった。
今はセールで安くなっていることも多い。その機会にぜひともやってみることをオススメする。
では!