今回は、PS5版の「無双Abyss」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。
(本記事の情報は2026/6/17時点を元にしている)

2025年2月13日に発売された「無双Abyss」。長く続く人気シリーズ「無双シリーズ」のスピンオフ作品である。
発売されてしばらくは手を付けられていなかった筆者だが、「面白い」という評判を聞いていたため気にはなっていた。1年以上経過し、様々なDCLが入った状態の本作をプレイしてみたので、本作がどんなゲームなのか、内容をまとめていきたいと思う。
総評
「無双アクション」という既存システムとローグライトとうまく合わせて落とし込み、やりごたえと爽快感が得られる、中毒性の高いゲームになっていた。微妙な点もあるのは事実で、特に最高難易度には強い不満点があったものの、3000円未満というロープライスで考えたら、素晴らしいコスパのゲームだった。
まとめると良ゲー以上神ゲー未満、といった感じな作品。ローグライトというゲーム性がゆえ、どうしても人を選ぶ部分はあるが、ローグライトに抵抗がないなら是非ともプレイしてみると良い。
どんな人にオススメ?
- 無双ゲームが好き
- ローグライトが好き、及び抵抗がない
- ボリュームのあるゲームがやりたい
- 爽快感を求めたい
という人にはオススメできる。逆に
- 繰り返しが強いゲーム性は合わない
- 高グラフィックなゲームがやりたい
- 1時間~2時間ほどのまとまった時間が確保できない
という人はあまりおすすめしない。
このゲームの特徴
無双×ローグライトのアクション作品
本作は、無双アクションとローグライトとを組み合わせた、新しいタイプのアクションゲームとなる。8つのエリア(以降「区画」と表記)で構成されたステージを順番に走破し、最奥にいるボスを撃破して次のステージへ進み、全部で4つのステージを突破してゲームクリアとなる。難易度は全部で6段階存在し、高難易度になるほど敵が強くなる半面、クリア時のリターンも強くなる。自身のプレイスキルや育成ノウハウを活かし、最高難易度の走破を目指していく。



区画クリア後は、次に進みたい区画を複数の選択肢から選ぶ。区画内イベントは様々で、敵と戦う戦闘区画をはじめ、体力回復ができる区画や、ショップに当たる「大王の大釜」がある区画もある。戦闘区画では、敵が強くなる「危険地帯」や、追加ミッションが発生する場合もある。強化を狙って敵と戦うか、リスクを抑えて体力回復を選ぶか、区画選択の結果が攻略のカギを握っていく。


また、区画内ではランダムイベントが発生することもある。良い効果のみのものからハイリスクハイリターンのものまであり、状況に合わせて望む効果を選択していく。

ラスボスの撃破、または途中でゲームオーバーとなると、その冒険は終わりとなる。また新たな冒険を始める際は、レベルなど含め全てが初期状態に戻った上で再度開始することとなる。

無双とハクスラのハイブリッド戦闘
攻撃アクションは、□の弱攻撃、△のチャージ攻撃を組み合わせてコンボ攻撃していくという、過去の三国無双や戦国無双シリーズと同様の操作感。無双ゲージが溜まったら○ボタンで無双攻撃を出せる点も原作踏襲だ。


本作特有アクションとして「英傑召喚」がある。6種類存在するチャージ攻撃それぞれに仲間英傑を割り振り、攻撃に続けて発動することで、仲間英傑が一定時間周囲を攻撃したり、プレイヤーのサポートをしてくれる。
専用のゲージが溜まると発動可能な「一斉召喚」を使えば、設定した英雄全員を一気に召喚することが可能。怒涛の勢いで周囲の敵を殲滅することができる。



様々な育成要素によるビルド構築
区画突破時、プレイヤーはランダムな英傑を1体仲間にできる。ここで仲間となる英傑が持つ様々な能力を組み合わせ、キャラを強化していく。

各英傑にはそれぞれ、「印」「固有戦法」という強化要素が存在する。
「印」は、英傑の直接的なステータスアップに影響するもの。攻撃力や攻撃範囲が増加する「力」や、炎属性の攻撃ができる「炎」などが存在し、冒険中に英傑を仲間に入れることで、その英傑が所持している印がステータスに加算されていく、


「固有戦法」は、特定条件を満たすことで発動するパッシブスキル。条件が比較的難しい分、強力なものが多い。たとえば「劉備」の固有戦法「桃園の誓い」は「劉備、関羽、張飛の攻撃力を100%増加させる」というもの。仲間英傑に関羽と張飛を引き入れることで、火力を大幅に引き上げることが可能だ。

「陣形」も大事な育成要素。陣形は仲間英傑の配置を決めるものであり、6つ用意されたスロットへ英傑を配置することで効果を発揮する。
陣形事に、火力や防御力、素早さを上げるといったパッシブスキルがある他、一斉召喚時の仲間英傑の攻撃方向を指定したり、一斉召喚時限定の特殊効果を発動できたりする。

上記の様々な要素を合わせて多様なビルドを組み、ステージを走破していくが、これらはゲームオーバーとなると解散してしまい、次に挑むときにはまた1から集め直しとなる。しかし、冒険中に手に入る「業蛍火」というアイテムは持ち帰ることが可能で、これを使うことで永続的な強化が可能になる。
まずは英傑の解放だ。100体以上用意されている英傑の大半は、ゲーム開始直後は封印状態にあり、操作することも仲間英傑として採用することもできないが、「業蛍火」を使用することで解放できる。解放する英傑の種類とその数に応じて、全英傑のステータスが永久に向上するため、ただ英傑を解放するだけでも高難易度のステージを徐々に走破しやすくなっていく。


また、冒険内で蓄積していくレベルとは別概念である「累計レベル」も、「業蛍火」を消費することでレベルアップが可能。一定数まで増加すると、その英傑の初期ステータスが恒久的に増加する。

更に、英傑ごとに存在する「ユニーク武器」を保持すれば、素の性能を更にアップさせることが可能だ。「ユニーク武器」は冒険中のミッション報酬である宝箱からも稀に入手することができる。

この他にも様々な育成要素が存在する。それらを組み合わせ、最高難易度の走破を目指して鍛錬してくこととなる。
「ゴウマ」に支配された地獄の解放を目指す物語
物語の舞台は、数多くの英傑の魂が集まっている「冥土」。英傑が目を覚ますと、そこには冥土の支配者「エンマ」がいた。どうやら地獄が「ゴウマ」と呼ばれる邪悪なものによって支配されてしまったため、地獄の解放のために、過去の英傑の魂を呼び覚ましたとのこと。呼び起こされた英傑は「エンマ」の要請を受け、亡者が蠢く地獄の深淵へと潜ることになる。果たして英傑たちは地獄を「ゴウマ」から取り戻すことができるのか。


このゲームの良い点
実績コンプボリュームが圧倒的!
筆者が最高難易度である「階層レベル6」を初走破するまでにかかった時間は約20時間。「階層レベル6」の走破は運要素もあるので結構難しく、人によってはもっと時間がかかる可能性があることからも、値段相当のゲーム体験は得られた。
もちろん、更にやりこむことも可能。
- 各キャラごとのクリア済階層
- 撃破したボスの種類
- ラスボス撃破回数
- 収集した遺物やユニーク武器の内容一覧
など、数多くの実績要素が存在しており、達成時はコンセプトアートや、コーエーテクモ社が過去に開発したゲームのBGMが解放されていくため、収集していくやり込みがある。

PS版ではこれに加えてトロフィーもある。こちらは作業感が強いものもあるが、無理難題は無く、効率重視でプレイすれば約30時間ちょっとあればプラチナトロフィーが取れる。これで値段が3000円前後というのだから実にリーズナブルで、実績埋めが好きな人は大満足できるはずだ。
英傑ごとにクリア済み難易度も記録されるので、「全英傑の最高階層クリアをしよう」と思うと、それこそえげつないボリュームだ。ただ、「全英傑での最高階層クリア」を達成しないと手に入らない実績といったものはないので、完全な自己満足要素になっているのは良い。
上記全部を達成しようとすると50時間、下手すれば100時間は遊べる超ボリュームになっていると思う。
圧倒的爽快感×考える戦闘が病みつきに!
プレイすると、押し寄せてくる敵の数にまず驚く。冒険の後半まで行くと、PS5への負荷が心配になる位に押し寄せる敵を相手に、ド派手な攻撃エフェクトでバッタバッタと切り捨てる爽快感は病みつきになる。「本編シリーズよりも一騎当千しているのでは?」と思うような場面もしばしばあったほどだ。


まあ、エフェクトが派手過ぎて時々画面が見にくくなることがあるのは気になった。それでも、ちかちかと輝くエフェクトと一緒に雑魚敵が一気に散っていく様を見るのは、やっぱり気持ちよかった。

また、無双アクションの欠点でもある「単調さ」に対し、ボス戦がいい塩梅で刺さる。ボスは「障壁」というバリアを持ち、障壁を破壊しないとダメージを与えられない。また、広範囲かつ高火力な技を連発してくるため、雑魚敵と違ってごり押しが効かない。「ボスの攻撃範囲や隙を頭に入れ、適宜回避しながら攻撃する」といった、無双シリーズではあまり見ないソウルライクのような戦いができて楽しかった。そんなボスも、ビルド構築が理想通りに進むとあっけなく倒せる場合もあり、「このビルドつえー」という気持ちよさの指標になる点も魅力的と言えた。
作り込まれた成長要素が奥深い!
キャラの強化は、
- レベルを上げる
- 英傑を集める
- 陣形を整える
- ミッションをクリアする
が主な手段。一見シンプルだがこれが中々奥深い。
- 大王の大釜で陣形や仲間英傑を入手できないが、大王の大釜ルートを選ぶと敵と戦えず、レベル上げの機会を失う
- ミッションがあるルートは敵が強く、ミスるとそのタイミングでゲームオーバー
などなど、片方を優先すると片方が落ちるような場面がよく現れるので、今取るべき行動は何か、毎回考えを巡らせていくこととなる。またビルドについても、
- 同じ印を集めるのか、複数の印を集めるのか
- 特定の地域の英傑だけでパーティを組むか、英傑の持つ印の種類で組むか
といった方針の違いで、与ダメージや生存率に差が出る。望む印が出るとも限らないので、目指したかった理想構築を途中で変えていくような臨機応変さがあるのも楽しい。自分のリソースや残体力、ボスまでの残り回数などを考慮して、都度最適な選択を選ぶ育成の奥深さは、何度プレイしても新鮮な体験を与えてくれる魅力的要素だった。
たとえゲームオーバーとなっても、英傑開放や累積レベル向上などにより、素のステータスを育成できる点ため、「冒険が無駄になった感」を感じにくく、「今度こそはクリアしてやろう」という意気込みに繋がって非常に良かった。
このゲームの悪い点
最高難易度のラスボスが面白くない…
「階層レベル5」までは、ラスボス含め楽しく遊べたのだが、最高難易度である「階層レベル6」のラスボスはまったく面白くなかった。これのせいで、別キャラで最高難易度突破しようという気にならないでいる。
なにより、高体力、強固な障壁、召喚技ダメージ減少によるプレイ時間の引き延ばしがきつい。第1面~第3面のボスは、育成が上手くいけば5分程度で突破できるため丁度良かったのに、ラスボスは1戦に40分かかるという長すぎる戦闘時間を要しており、あまりにも体力バランスが悪い。初めて筆者が「階層レベル6」をクリアした際にかかった時間は2時間超で、達成感よりも徒労感の方が強かった。

一応この後に、できうる事前育成を全てやり、素の性能が高い英傑を使い、運のいいビルド構築ができたうえで踏破レベル6を再プレイしてみたところ、走破時間は1時間だった。ここまでやって1時間か…長いって…
育成システムの説明がゲーム内に足りない…
本作に用意された数多くのビルド要素を理解し、使いこなすことで、ようやく高難易度を走破できる難易度設計になっている本作だが、このビルドに関する説明プロセスが粗い。時間をかけて順次説明していくような要素を、1時間もしない中で一気に説明してくる感じで、理解しにくいのは気になった。
これまでかなり多くのゲームをプレイし、無双シリーズやローグライト作品も何作品か経験がある筆者でさえ、Youtubeの解説動画を見たり、何度かチュートリアルを読み直してやっと理解できたほどだ。「ゲームで遊ぶのに、自分で不明点を調べて実践するようなことはしたくない」というライトゲーマーは少し気を付けた方が良い。
ステージ構成に変化が無く、ダレやすい…
プレイしてしばらくは、超爽快なアクションと、毎回異なる育成の奥深さにより、何回も冒険に足を運んでしまう中毒性がある。が、約10時間を超えたあたりから、作業感に似たダレを感じ始めてしまった点は否めない。
本作は
- 固定されたステージとボスを繰り返すだけ
- 区画のクリア条件は一緒で、討伐数やミッションの有無が異なる位
- キャラの操作は基本同じで、コンボ数や攻撃範囲、攻撃時間などが違うのみ
と、ビルド構築やイベント発生有無以外に変化が乏しいため、同じ場面を見続けるだけになり、どうしても「作業化」しやすい印象。ここはゲーム側でもう少し変化をつける要素が欲しかったところだ。
使えるキャラや陣形に偏りが多い…
踏破レベル5までは、どのキャラ、どの陣形でも、レベル上げやビルドを考えていけばクリアは可能。ここまでのバランス調整は非常に良い。
問題は最高難易度である踏破レベル6。この難易度ではクリア可能なキャラや、使える陣形が限られる印象。弱キャラでも、長時間プレイと優秀な仲間英傑や陣形が運よく手に入ればクリアできるのだろうが、相当きつい(前述のラスボスの硬さも有り、途中で集中力が切れる)。バランス調整は大味なため、本作のウリである「160億通りの戦い方!」があまり実現できていない点は残念に感じた。
まとめ
非常に作りこまれた良作である「無双Abyss」。ロープライスであることからも、「とりあえずやってみよう」という気持ちでプレイしても楽しめるゲームに仕上がっている。是非ともプレイしてみてほしい1本である。
では!