秋吉ブログ

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【LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶】プレイした感想、良い点、悪い点をレビューしてみた!

今回は、PS5版の「LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。

(本記事は2022/12/29時点の情報をもとにしている)

※わずかではあるがネタバレ要素があるため、「ネタバレ完全NG」という人は、総評だけ見ることをオススメする

 

 

◆個人的感想

総評

ボリュームやゲームシステム、フェイスキャプチャーを活かしたキャストの熱演などはそのままに、前作「ジャッジアイズ」に存在していたマイナス点の多くを改善し、より遊びやすくなった素晴らしい作品であった。

また、本作の新要素「ユースドラマ」は、ゲームシステム面、ストーリー面ともに非常に良くできており、メインストーリーを放っておいてこっちだけやりたいと思ってしまうほど、良い作品となっていた。

メインストーリーも前作同様、先が気になる展開が次々に現れ、プレイの止め時を失うほどだ。

ただ、メインストーリーの終わり方は、ちりばめた伏線の繋げ方が、前作の方が綺麗にまとまってたかな…といった印象で、ちょっと残念には思えた。

 

どんな人にオススメ?

  • 前作をやって、「面白い!」とハマった人
  • 膨大なやり込みゲームがやりたい人
  • 本作から初プレイで、濃厚なストーリーを楽しみたい人
  • いろんなサブゲーム要素を楽しみたい!

はオススメできる。逆に、

  • あまり長時間のゲームはできないという人
  • オンライン対戦がやりたい人
  • 前作のストーリーがめちゃくちゃ好きな人

はちょっとおすすめはできないかもしれない。

が、それでも前作同様、基本的には本作をやって「つまらない」と感じる人は、ほとんどいないと思う。とりあえず買ってやってみても全く後悔は無いといえる良作であった。

 

◆このゲームの特徴

「神室町」と「異人町」を舞台にした箱庭型オープンワールドアクションゲーム

本作の元作品である「龍が如く」作品は、歌舞伎町をモチーフにした架空の町「神室町」で繰り広げられる事件を解決しながら、様々なクエストをクリアしていく、箱庭型の半オープンワールドゲームである。本作にもその制度はそのまま踏襲されている。本作は「神室町」に続き、「龍が如く7」の舞台にもなった、横浜の関内駅周辺をモチーフにした「異人町」も舞台となる。

「神室町」や「異人町」には、「歌舞伎町」に実在する店舗や施設がそのまま出てたり、類似の施設が出てたりと、本当に街そのものを舞台にゲームを遊んでいるような、リアルな街並みが描かれている。用意されている施設の多くには実際に入ることも可能だ。

戦闘はアクションゲームがベース。□ボタンで弱攻撃、△ボタンで強攻撃と、基本的なアクションゲームのスタンスをそのまま引き継ぎ、多くのごろつきを相手にリアルタイムバトルを行うこととなる。ストリートファイトがメインのため、町中に落ちている看板やコーンなども武器として使用可能。どんな手を使ってでも、その場を切り抜ける力が必要になる。

 

ピッキング、尾行、観察等の、探偵業を活かしたミニゲーム要素

主人公が探偵である本作では、探偵らしい様々なアクションを楽しむことができる。

 

まずは「サーチモード」。物語の重要場面にて、一人称視点となって、人物や証拠の探索などを行い、事件解決に向けた様々な手掛かりを手に入れていく。

主観視点となり、周囲から事件解決に必要な情報を集める「サーチ」

また本作からは、ただ周囲を観察するだけでなく、集音器や電波探知機を使用し、目に見えない部分も調べていくような要素「探偵ガジェット」が追加された。不審な音や、謎の電波信号をキャッチし、更なる事件の探求を行っていくこととなる。

集音器を使用して、怪しげな音が出ている部分を調査

犬を引き連れて探索することも可能だ

続いて「尾行」。ターゲットとなる人物の背後を、付かず離れずの距離を保ちながら着いて行き、ターゲットがどこに向かうのか追跡する。相手に気づかれるような行動を取ると、「警戒ゲージ」というゲージが上昇し、ゲージが最大まで到達してしまうと尾行がばれて失敗となる。ゲージが上がり切る前に、誤魔化しアクションなどでバレないようにしながら尾行しなければならない。

ターゲットに気付かれないように尾行し、決定的な証拠を手に入れよう

これ以外にも、逃げる敵を追いかけて捕まえる「チェイス」、人を説得するために、手に入れた証拠の中から最も適した証拠を差し出す「証拠提示」、相手の目を欺き、潜入捜査を行いやすくする「変装」など、探偵らしい様々な行動も用意されている。

逃げる敵を追いかけ、捕まえる「チェイス」。障害物をよける際に出てくるQTEをクリアする必要がある

更に、前作「ジャッジアイズ」でできた前述の調査アクション以外にも、新たな要素として、壁伝いに移動して目的地を目指す「アスレチック」や、敵に見つからずに目的地へと移動する「スティール」などが追加されている。

壁伝いに移動したり、高い個所まで登る「アスレチック」

気付かれないように目的地へ移動する「スティール」。音を出して相手を誘導したり、背後から締め上げて行動不能にしたりすることも可能

 

SPを消費してスキルを習得

戦闘で勝利した時や、ストーリーおよびサブクエストをクリアした時等、様々な場面で「Sp」という専用のポイントを入手できる。このSpを必要量消費することで、体力や攻撃力の増加、回避コマンド数の増加、戦いで使用できる攻撃手法の追加等の戦闘で役立つ側面や、尾行やピッキング等の探偵業をより攻略しやすくなるスキルの習得等、ストーリーを進める上で非常に役立つ能力を身に着けることができる。

敵を倒したり、ストーリーを進める中で入手したSpを消費し、様々な役立つ能力を身に着けられる

 

やり込み要素である「サイドケース」「ユースドラマ」「プレイスポット」「ガントレット」

メインとなるストーリー要素以外にも、本作には様々なサブクエストや、ミニゲームをプレイできる。

 

まずは「サイドケース」。メインストーリーとは異なり、「八神」の生業である探偵の仕事にスポットを当てたミッションである。

依頼の内容は、宝探しをしたり、パンティ泥棒を捕まえたり、輩に絡まれている人を助けて回ったりと、実に様々でバラエティに富んでいる。

「サイドケース」を攻略することで、神室町で使えるお金や、前述のSpを入手できるため、メインストーリーの攻略と合わせ、積極的に進めていきたい。

プレイヤーの元には、探偵としての腕を見込んで、様々な依頼が依頼がやってくる。それらを解決するのが「サイドケース」だ

メインストーリーには無い、ギャグテイストな物語を楽しめる

「サイドケース」の受領は、「八神探偵事務所」などの掲示板に届いた依頼から受領したり、町中のNPCと会話したりすることで発生するだけでなく、新たなアプリ「バズリサーチャー」により、話題になっているスポットに赴くことで受領できる。「バズリサーチャー」を使用した調査は、「サイドケース」の受領以外にも、様々な場面で必要となる、本作の鍵となる要素である。

ゲーム内のSNS「Yutter」の呟きと、呟いた人の位置情報をもとに、バズっているキーワードの位置を絞り込む「バズリサーチャー」。サイドケースの受領にもつながる

続いて本作の新要素「ユースドラマ」。新エリア「異人町」に存在する「誠稜高校」に通う学生たちと、「八神」との交流を描いたサブストーリーである。ここでは、学校の外部指導員という形で様々な部活に顔を出し、そこで出されるミニゲームをクリアしていきながら、高校生たちの悩みを解決していくこととなる。

「誠稜高校」の生徒たちの間には、書き込めばどんな願いもかなえてくれるという裏サイトと、裏サイトに大きく関与していると噂されている「プロフェッサー」という存在が、都市伝説としてまことしやかに伝えられていた。

学生たちの悩みを解決しながら、そんな都市伝説の真相を解明すべく、「八神」はプロフェッサーにそそのかされた「非行生徒」がいると噂される様々なコミュニティに潜入していくことになる。

「誠稜高校」の生徒たちの悩みを解決しながら、裏サイトを運営していると思われる「プロフェッサー」の正体を突き止める「ユースドラマ」

「ダンス部」ではリズムゲームを楽しむことができる。スキルを組み合わせて最高得点を目指そう

次は「プレイスポット」。麻雀や将棋などのボードゲームから、ゲームセンター、バッティングセンター、ドローンを使ってレースゲームをする「ドローンレース」など、数多くの遊びスポットが用意されており、かつそのどれもしっかりと作り込まれている。戦闘に疲れた時の息抜きにぴったりだ。

バッティングセンターでホームランを目指すモードや…

ドローンを操作し、レースをして1位を目指す「ドローンレース」等をプレイできる

街中のゲーセンに行けば、本作の制作会社「SEGA」発のアーケードゲームをプレイすることもできる

最後に、決められた制約の元、指定のミッションをクリアする「ガントレット」。体力があとわずかの状態や、指定の攻撃方法のみがダメージが通る状態等でのクリアを強要されたり、大量の敵がいる中で指定の目的地まで素早く移動する必要があったりと、どれもこれも一筋縄ではいかないものばかり。クリアすると、本編で役立つアイテムを手に入れることができる。

非常に高難易度な条件を強いられた中でクリアを目指す「ガントレット」

クリアすることで、本編で役立つアイテムを入手可能。クリアを目指して頑張りたいところだ

 

4つの戦闘スタイルを切り替え戦うアクション

街中には、多数のゴロツキや半グレなどが蔓延っており、プレイヤーを見つけると襲いかかってくる。それらを相手に、「龍が如く」作品ならではの「誰でも、簡単に、カッコいいアクションバトル」をコンセプトにした戦いをすることができる。


「龍が如く」の戦闘は、無骨なパワー系、といった戦い方がメインだが、本作はそれらを一転し、

  • 壁を蹴って跳び上がる
  • 敵の頭上を跳び越えて攻撃する

など、非常に立体的でアクロバティックな動きをしながら戦うスタイルが楽しめるようになっている。

ダッシュして敵を飛び越え、そのまま追撃をするなど、非常にアクロバティックな戦い方ができる

また戦闘時は、

  • 攻撃範囲の広い足技で集団を圧倒する「円舞」
  • 敵のガードを打ち破る強力な攻撃でタイマンを有利に進められる「一閃」
  • 本作から追加された、敵の攻撃をいなしながら戦う独特な「流」
  • DLC購入者のみ利用できる、ボクシングスタイルをベースにした「拳威」

という4つのバトルスタイルを任意に切り替え、戦況に応じて戦い方を変えることができる。その他、チャージすることで威力の上がる攻撃や、タイミングよくボタンを押すことで火力が上がる攻撃など、様々なコマンドが用意されている。

長めのリーチを活かし、複数の敵に一気に攻撃を浴びせるバトルスタイル「円舞」

ガードも崩す強力な攻撃を敵に浴びせるバトルスタイル「一閃」

全方位の攻撃をガードできるだけでなく、ジャストガードすることで敵の攻撃を受け流せる「流」

バトル中に攻撃したり、専用アイテムを使用したりすることで、「EXゲージ」というゲージが溜まっていく。これを使用することで、「EXアクション」または「EXブースト」という強力な技を繰り出すことができる。

「EXアクション」は、「EXゲージ」を一つ消費し、雑魚敵であればほぼ1発で倒せるほどの強力な攻撃をお見舞いできる。スキルを習得することで、プレイヤーがピンチの状態を切り抜け、逆に大ダメージを与えられる「EXアクション」も追加されていくため、戦闘の幅が増えていく。

専用ムービーが流れ、敵に大ダメージが与えられる「EXアクション」

複数の敵を一気に攻撃できる「EXアクション」もある。攻撃のムービーもかっこいい

「EXブースト」は、溜まっているEXゲージを断続的に消費し続けることで、その間のプレイヤーの身体能力を飛躍的に強化する。敵の攻撃では怯まなくなり、専用の高火力技が出せ、EXゲージの消費が通常より少ない状態で「EXアクション」を行えるようになるため、強力なボス戦では非常に頼りになる。

こちらは「円舞」のEXブースト。周囲の敵をまとめて吹き飛ばせる強力な蹴り技を出せるようになる

 

神室町で巻き起こる複数の事件の闇を暴くリーガルサスペンスストーリー

本作の主人公「八神隆之」は、神室町の雑居ビルにある「八神探偵事務所」で、探偵業を営む男である。もとは神室町にある「源田法律事務所」にて弁護士を行っていたが、とある事件をきっかけに法廷から離れ、助手である「海藤正治」と共に、何でも屋的な仕事をしながら、何とか食い扶持を見つける生活をしていた。

 

ある日、「八神」の古巣である「源田法律事務所」では、とある痴漢事件の弁護人を担当することとなった。その裁判中、被告人である「江原明弘」は、痴漢の実刑判決を言い渡された途端、3日前に横浜の異人町にある廃ビルで見つかった死体の正体が、「御子柴弘(みこしばひろ)」という男性であることを明言する。横浜で3日前に死体が見つかったこと自体は事実なのだが、「江原」はその間、痴漢事件の被告人として留置所に居続けており、そもそも死体が見つかったことなど知る由もないはずだった。

 

そんな中、「八神」達は、友人である「九十九誠一」と「杉浦文也」が立ち上げた異人町の探偵事務所「横浜九十九課」に訪れる。彼らは、先輩探偵である「八神」達に、とある依頼の応援を頼みたいと言ってきたのだった。

依頼内容は、異人町にある私立高校「誠稜高校」内のイジメ調査だ。2か月前、教育実習に来ていた大学生が、突如として学校に来なくなったことを受け、背後に学校内でのイジメ問題があるのではないか?と伺った理事長からの、秘密裏の依頼だった。

 

調査を進める中で、誠稜高校内に陰湿なイジメがあることを見つけた「八神」達。対処方法を検討している中、「源田法律事務所」から1本の電話が来る。2か月前に誠稜高校の教育実習生をしていた大学生が、異人町の廃ビルで死体として見つかったこと、その身元を、痴漢事件で捕まっていた「江原明弘」が、警察すら特定できていない状況化で言い当てた、というものだった。

ちょうど誠稜高校にて仕事をしていた「八神」は、痴漢事件の真相を追い求めるべく、更なる調査を開始する。その裏には、単なる痴漢事件やイジメ事件にはとどまらない、巨大な陰謀が渦巻いていることに、この時はまだ知る由もなかった…

 

◆このゲームの良い点

ボリュームの多さがピカイチ!

「龍が如く」シリーズは昔から、濃厚で重厚長大なストーリーに加え、膨大なやり込み要素をもったボリューム満点のゲームであった。本作にもその要素はしっかり継承されている。

まず、メインストーリーだけでもかなり長い。筆者はサブクエスト系をほとんどやらず、真っ先にストーリーを進めていく形を取ったが、それでもクリアまで25時間はかかった。それでいて、ただ長いだけでなく、前述の通り非常に面白いストーリー展開をしている上、ストーリーに関わる部分は全てフルボイスで臨場感まで付いているものだから、「無駄に長くてつまらない」と言うことも起きなかった。

これに加え、フレンドイベントやサイドケースなどのサブクエストをクリアしていくと、それこそ50時間は優に超える。

更には、「ユースドラマ」で遊ぶことになるミニゲームや、ゲーセンに配置されているゲームなどで指定のスコアを達成する、飲食店のメニューを全部食べる、などと言った、メインストーリーやサイドケースのクリアとは別の称号も用意されており、それらまで全部達成しようものなら、100時間は遊べてしまうボリュームだった。

プレイヤーが取った実績がまとまっている「KAMGO」。これを全部埋めるのもやり込み要素の一つだ

 

登場人物達の描写が非常に綺麗でリアル!

本作では、主人公の「八神」を演じるキムタクをはじめ、数多くの芸能人がモーションキャプチャーで参戦している。その投影度合いが実にリアルで凄まじい。本人の写真を横に置いて比べてみても、全く違いが無いほどに丁寧に作り込まれている。

カンフーの戦闘スタイルで構えるキムタク。超カッコイイ…

本作から登場している「玉木宏」。まさにゲームの世界に俳優がそのまま入り込んでいるかのようなリアル感だ

モーションキャプチャーで登場した実在する芸能人だけでなく、架空のキャラに対しても、表情一つ一つが丁寧に作り込まれており、「実在する俳優なのではないか?」と感じてしまうほど。

それらの映像美が、ムービー中だけでなく、ただの会話の場面や戦闘中でも充分に堪能できる。ゲームの世界にその芸能人がそのまま入り込んだかのような、まるでテレビドラマを見ているかのような感覚に包まれながらゲームをできた点は、過去に「龍が如く」シリーズで数多くの芸能人をゲームに取り入れてきた技量が充分に活かせていると感じた。

 

ロードが早くて快適!処理落ちもなし!

これはPS5を使っていることによる部分が大きいだろう。

ファストトラベルをしたときや、ステージに入った時などの読み込みも、3秒ほど待つだけですぐに画面が切り替わる。無駄に待つことがなく、非常に快適にプレイできた。

戦闘などで画面がコロコロ入れ替わったとしても、処理落ちやテクスチャ乱れもなく、綺麗な画面でプレイし続けられたため、本作の世界観に常に没頭できる点は良かった。

 

前作の不満点の大半が改良され、非常に遊びやすくなった!

前作で不満であった戦闘システムや尾行アクション、素材収集が大きく改善され、より遊びやすくなっている印象があった。

 

まず何より、バトルスタイル「流」の登場により、雑魚敵、ボス問わず、敵の攻撃をいなしながら戦えるようになったのが大きい。「流」のガードは背後からの攻撃も防ぐことができるだけでなく、ジャストガードすることで敵の攻撃をいなし、隙を作ることができるため、本作では頻繁に発生する敵に囲まれた状況でも安定して立ち回ることができた。掴み状態で背負い投げをすると、周囲の敵を吹き飛ばす攻撃を出すことができるため、集団戦でも非常に役立つのも良い。

 

また、体力の上限が削れてしまう「致命傷」という状態異常が無くなった点も良かった。「致命傷」状態となると、戦闘が終了しても、体力の上限が削れた状態が継続し続けるうえ、解除には専用アイテムや専用拠点に行かないといけないという面倒くささのため、非常に厄介なステータスであった。これが無くなったため、連戦中に体力上限が大きく下がった状態で積んでしまう、ということが無く、快適にゲームできる機会が増えた。

 

続いて素材集め。前作では床に落ちているものを拾うしか集めようがなく、かつ床に落ちている量も少なかったため、中々素材が集まらなかった。が、本作からは戦闘終了時に敵からアイテムがドロップするようになり、かつ地面に素材が落ちている頻度も圧倒的に増えたため、素材集めに苦労する回数が圧倒的に減った。

 

ユースドラマの作り込みは凄い!

学校内の問題を解決していくユースドラマだが、「もはやこのモードだけで一つのゲームとして販売していいのでは?」と思うほどに作り込みがしっかりしており、非常に驚いた。

 

1番驚いたのが、ユースドラマ中にやれるミニゲームの多さだ。リズムゲームであるダンスに始まり、ラジコンを操作した陣取り合戦、ボクシング、はたまた格ゲーまでやれる。

中には、ちゃんと部品開発をして強化をしたり、多くのコースから自分のやりたいコースを選んだり、と、ただ「やって終わり」となるような単調さが無い点が凄い。

その道一本のゲームに比べれば、コンテンツ単位でのボリュームは少ないものの、それでもただのミニゲームで終わらないほどの出来栄えだったのは流石だった。

 

それ以外にも、ユースドラマそのもののストーリーの出来も非常によかった。高校内やその周辺では、高校生らしい若い悩みや、中々に根深い背景がある悩みなど、実にさまざまな問題が点在している。それらを解決していくことで、生徒達が苦悩を乗り越える様は、なんだか学生もののドラマを見ているようだった。

それらの物語の背景には、必ず「プロフェッサー」の存在が隠れている。ユースドラマを進める中で、プロフェッサーの持つ野望や正体を探る様子は、学園ものとは違うミステリー作品のようなストーリーで、実に面白かった。

 

◆このゲームの悪い点

ロックオンが使いづらい

前作でもマイナス点であったロックオンの使いにくさが本作でも健在だったのは残念だった。

戦闘ではタイマンバトルよりも、ちょっと強い敵と、その他の雑魚複数人を相手にする集団戦の方が圧倒的に多い。その集団戦での操作がやりづらく、最後まで慣れることができなかった。

まず、ロックオン先を自由に固定できないのが辛い。R1を押すことで相手をロックオンできるのだが、ロックオン後にロックオン先の変更ができないため、目的の敵をロックオンできなかったら、一度解除し、敵を見つけてからロックオンし直す、ということが必要になる。集団戦だと敵がそこら中にいるため、指定の敵をロックオンするのは難しく、ここはなんとかできなかったのか、と感じた。

さらに、ロックオンするとダッシュができなくなる点も辛い。敵の攻撃からダッシュで逃げたい時や、敵に囲まれた状態から抜け出したい時には、わざわざロックオンを解除して走る必要があるため、せっかく狙いたい敵をロックオンできても、またロックオンからやり直しになるため、非常に使い勝手が悪かった。

ロックオンしないで戦っても、近くの敵を自動的にとらえて攻撃してくれるが、敵が密集していると攻撃先がコロコロ変わるため、コンボ中に違う敵にフォーカスが当たっていくことが多いのも残念だった。

 

推理にあまり緊張感が無い…

本作は探偵や弁護士をメインに扱っているため、プレイ中ではちょくちょく、証拠を整理した結果導き出される結論はなんなのか、や、相手に物的証拠を突きつけるには何を出すべきか、といったような推理が必要な場面が出てくる。よくある推理ゲームの場合、そういった場面で間違った回数が何回まで到達するとゲームオーバーになったり、違うエンディングを迎えたりすることになるため、推理一つ一つにかなり集中したいくことになる。

が、本作は推理を間違えてもペナルティも何もない。もう一度同じ場面から選択をやり直すだけだ。しかも、ストーリーの場合は、間違った選択肢用にもちゃんとフルボイスでセリフが用意されているため、全台詞を聞きたいなら敢えて間違いを選ぶことまでできてしまう。

せっかく推理物を扱ってるのだから、推理パートはもう少し緊張感を持って、プレイヤー側でもしっかり「推理」する感じが欲しいと思った。

 

前作と比べるとちょっとストーリーが粗め…

悪い点、と書いているが、「どうしようもなくダメ!」というわけではない。むしろ全体的に非常によくまとまっており、先が気になる展開が次々に訪れるため、魅力的なストーリーであることには変わりない。

ただ個人的には、前作「ジャッジアイズ」と比べると、ちょっとストーリー内の繋がりに無理がある、というか、一体感がないように感じてしまった。

 

ゲーム中に明らかになるいくつかの事件。ゲームを進めていく内に、それらが全て1本の線上に重なり、ある陰謀の元に起きている、というようなシナリオを期待したいところ。

だが、本作で発生する事件は、それぞれ個別に解決へと動いていくようなストーリー構築になっており、前作に比べてまとまりがないような感覚を持ってしまった。

前作も、初めはバラバラに思えた複数の事件が、最終的には1つの真相へと繋がっていく、という形をとっていた。最終的には、それらの事件がしっかり1本の線に乗っていたが、本作は発生した事件が個別に解消されていく流れとなっていたため、前作品のような1本線の導線を期待すると、「ちょっと違うかな…」という感覚があった。

 

何度も言うが、決して駄作ストーリーではない。ただ個人的に無理やり感を感じてしまった、というのみである。前作をやっていない人が本作をやると、非常によいストーリーだと感じるだろう。

 

前作を知らないとわからない点がチラホラ…

前作から登場人物や街並みが踏襲されているため、前作をやっていないプレイヤーからすると、少しわかりづらい描写や人物関係があるのは気になった。一応ゲーム中に解説が少し入るが、それでも十分ではない印象だ。

筆者は前作を直近までやっていたため理解することができたが、前作をやってなかったり、やったのがかなり昔だったりすると、ちょっとはてなが残る部分が多いのではないかな…という気がした。

これはシリーズ物である以上避けられない上、前作をやっていないと本作のストーリーが全く分からない、ということは無いが、ちゃんと中身を知りたい人は、前作をプレイしてから本作に移ることをオススメする。

 

 

 

 

◆まとめ

前作からの正当進化を遂げた作品である「LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶」。ストーリー面に若干ながら残念に思った部分はあれど、全体的なゲームとしてのまとまりはピカイチで、他ゲーム作品には例を見ない、素晴らしいものになっていることは間違いない。

まだ本作をプレイしてない人は、前作である「ジャッジアイズ」と本作をセットで購入し、是非「キムタクが如く」の世界観を味わって欲しい!

 

では!