回は、PS5のローンチタイトル「GodFall」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。
PS5のローンチタイトルの1つである「GodFall」。発売当初は期待されていたものの、直後に低評価が多くつき、あまり評判の良くないゲームとなってしまった。期待していたのに低評価で、買うのをためらっている人もいるのではないか。
実際に購入し、エンディングとエンドコンテンツまでプレイしてみたため、感想と、感じた良い点、悪い点をまとめていこう。
◆個人的感想
総評
世間の評価とは反対に、非常に良い作品だと感じた。
- PS5の性能を引き出した綺麗なグラフィック
- 全くと言っていいほど発生しないロード
- 多彩な剣術アクション
等、最先端ゲームとして十分な要素を詰め込んでおり、プレイしていて非常に楽しかった。
さらに、2021年8月の無料大型DLCで、待望の野良オンラインマルチが追加!より長く遊べるやりごたえ十分なゲームへと進化を遂げた!
ただし、本作の本当の面白味を体験するまでには、それなりに長い時間、一人で黙々とレベル上げにいそしむ必要が出てくる。また、昨今の主流ゲームであるオープンワールドゲームではなく、基本1本道でひたすら雑魚敵を倒し、最後に構えるボスを倒す、という、ある種の作業を繰り返すようなゲーム性だ。
上記2点に耐えられるかどうかによって、本作の評価が大きくわかれるといえるだろう。
どんな人にオススメ?
- 爽快アクションゲームが好き!
- 黙々とやり込むゲームが好き
という人は楽しめる。逆に
- ゲームはみんなとワイワイやるもの
- アクションゲームは苦手…
という人には向かないだろう。
◆このゲームはどんなゲーム?
新たなハクスラゲーム「ルータースラッシャー」
ディビジョン、アンセム、ボーダーランズのような、銃を使うハクスラゲームを「ルーターシューター」というが、本作は敵を近接攻撃で倒していくタイプの「ルータースラッシャー」という新たなハクスラゲームである。似たところでいうと「仁王」シリーズだろう。
ハクスラゲームで1番大事な要素であるビルド。今作では「装備品」「スキル」「ヴァイラープレート」を組み合わせてビルド構築していく。
まずは装備品。本作で装備できるのは
- 武器×2
- アミュレット
- チャーム
- 指輪×2
- ライフストーン
- バナー
- オーグメント
の全7つ。それぞれにコモン、アンコモン、レア、エピック、レジェンダリーと、全部で5段階のレア度がある。レア度が上がるにつれ、同じ装備レベルであっても、攻撃力や防御力などの基礎ステータスが上がり、かつ特殊効果の付与数が上がっていく。付与される特殊効果はどれも完全ランダムだ。
また、低ランク武器や防具も、指定の素材を消費すれば、最高ランクの「レジェンド」までランクアップできる上、強化素材を投入すれば最大5段階まで追加強化が可能だ。威力や防御力以外にも、保持している特殊効果のパラメータが上がったり、ランダムに特殊効果が付与されたりする。
続いてスキル。レベル上げやミッションクリアなどで入手するスキルポイントを使用し、自分でどのスキルを解放するか選択する。スキルポイントの振り直しも可能だ。
スキルを解放することで使えるようになる技もあり、解放すればするほど戦いの幅が広がっていく。
最後にヴェイラープレート。簡単に言えば鎧だ。
ヴェイラープレートには、それぞれ固有の特殊能力と、「アルゴンの憤怒」という固有の強化モードが決められている。ヴェイラープレートごとに、
- 防御に特化したもの
- 状態異常系に特化したもの
- 攻撃に特化したもの
など、特徴が異なっているため、武器や防具と組み合わせ、「今回のステージではどのヴェイラープレートで挑むか」を考えながらビルド構築していく。
5種の武器種を使用したアクション
本作に登場する武器は、「ロングソード」「デュアルブレード」「ポールアーム」「ウォーハンマー」「ブレードソード」という5種類。それぞれ特徴が異なっており、例えば「デュアルブレード」は手数の多さを活かして短時間に大ダメージを与えることができ、「ウォーハンマー」は動きは遅いものの、大ダメージを広範囲にわたって与えることができたり、と、それぞれの武器で得意な立ち回りが異なってくる。
更に、武器種ごとに「南方テクニック」「北方テクニック」という特殊アクションを持っており、攻撃力を一時的に上げたり、周囲を薙ぎ払ったり、武器を投げて遠距離攻撃をしたり、と様々な強力攻撃ができる。
各ステージには2つまで武器を装備可能なので、場面場面で武器を切り替えながら戦っていく。
武器以外にも、シールドを使用した防御やパリィ、シールドを敵に投げてぶつけることでノックバックダメージを与えることも可能。先に紹介した武器攻撃とシールド攻撃とを組み合わせて、よりスタイリッシュなアクションが可能になる。
3種類のエンドコンテンツ
ハクスラゲームの醍醐味といえるのが、エンドコンテンツの豊富さ。もちろん本作にもエンドコンテンツは用意されている。
1つはドリームストーン。ミッションを受領し、そのステージのラスボスを倒すことが目的のモードだ。ラスボスを倒すとミッションクリアとなり、さらに高レベルのボスが出現するミッションを受けられる。これを繰り返し、全ミッションを攻略することが目標だ。
ラスボスをいきなり倒しても良いが、他のサブミッションをクリアして入手できるポイントを消費し、ラスボスクリア時の報酬を豪華にしてから挑むことも可能だ。
もつ1つは試練の塔。階層が上がるごとに強くなる敵を倒し、より上層階を目指していくモードだ。
試練の塔には、通常難易度の「試練の塔」と、強敵しかいない「上層試練の塔」の二つがある。2021年3月時点、「上層試練の塔」の最上階は30階。最上階の敵はとんでもなく強く、硬いため、ソロで到達するには、相当のアクション力と考え抜いたビルドを用意する必要がある。
3つは「光の運び手」。2021年8月の大型DLCで追加された新たなエンドコンテンツだ。いるだけで継続ダメージを受け続ける特殊なステージにて、安全地帯を自ら作り体力を確保しながら、光を回収し、指定の場所まで運搬の上、襲い来る敵から防衛するモードだ。
ストレートにクリアを目指してもよいが、マップのどこかに置かれている「光の貯蔵庫」を回収することで、更にミッションクリア時にもらえる報酬が豪華になる。もちろん、「光の貯蔵庫」を回収するまでの間に体力はどんどん削られていくし、時間制限もあるのでいつまでも探し続けることはできない。いいところで打ち切ってミッション攻略を進める必要がある。
1ステージクリアに30分ほどと結構時間を必要とするが、「光の貯蔵庫」の回収をすればその分レアなアイテムを数多く入手できるので、エンドコンテンツとしてはおいしいステージだ。
◆このゲームの良い点
爽快でかっこいいアクション性!
本作の剣術アクションは非常に快適!自分の思った通りの操作で、迫りくる敵の攻撃を捌き、ダメージを与えることができる。このアクション性だけで、このゲームを購入する価値がある、とも思えるほどだった。
アクションの例でいえば、
- 弱攻撃中に別の敵が仕掛けてきた攻撃をパリィし、反撃の機会を作る
- 集団で襲い来る敵を南方、北方テクニックで一気に殲滅する
- 通常攻撃とシールド攻撃を組み合わせ、ダウンした敵にテイクダウンを決める
などなど。
スキルを解放すれば、武器を切り替えた時に使える広範囲攻撃や、タイミングよくボタンを押して周囲の敵をノックダウンできる技を使えるようになるので、敵が大軍で押し寄せても一気に吹っ飛ばせる爽快感があった。
また、コンボ中に攻撃を受けても、その威力が弱ければコンボが中断されることもない。敵の倒し方によっては回復アイテムが多くドロップするので、むしろダメージを受けてでも攻撃した方が、最終的なライフ残量が多かったりするのも特徴的で良かった。
考え抜いたビルドで大ダメージを与える爽快感!
本作には、状態異常、南方/北方テクニック、ソウルシャッター、クリティカルダメージ、弱点などなど、敵の体力を削る手法や、ダメージを与える要素が色々存在する。
「このビルド構築をすればここの攻撃が超強力になるな」などを考え、実際に組んだビルドで想定通りの大ダメージが与えられると、それはもう超楽しかった。
装備品の数も尋常じゃない量なので、ステージを周回し、目的の装備品を手に入れた時の嬉しさもハクスラならでは。そういった点も非常に評価できた。
映像が綺麗!なのにロードが非常に速い!
さすがPS5のゲームというべきか。映像美がすさまじく、どれだけ動いても背景が崩れない。美しいグラフィックで描かれたステージで剣を振るう様は爽快で、PS5の性能の底力を見ることができた。
ここまでグラフィックがいいにも関わらず、ロードがほぼ無い。リトライ時もすぐに蘇生してくれるので、待ち時間が全くと言っていいほどない。
総じて快適性は抜群であり、この部分で頭を悩ませることは全くない。この凄さはぜひ一度味わってほしい。
ついにオンライン要素が実装!エンドコンテンツの周回が容易に!
発売当時はフレンドとしかマルチプレイができず、低評価の大きな理由となったオンラインマルチ要素が、2021年8月のアプデを契機についに実装された!自分を含め、最大3人のプレイヤーでチームを組み、エンドコンテンツを心行くまで楽しめるようになっている!
オンラインマルチがプレイできるモードは、「上級試練の塔」と「光の運び手」の2つのみなのは玉に瑕だが、両方のエンドコンテンツとも一人でやるには中々にキツいモードであるため、オンラインで複数人と一緒にプレイできるのはかなりありがたかった。
◆このゲームの悪い点
ストーリーが薄い…かつ短い…
本作のストーリーはかなり薄い。というか意味がわからない。取ってつけたような展開で、いまいち「どうしてそうなったのか」がわからないまま進む。
またボリュームも少なく、10時間ちょっとあればクリアできてしまった。
ハクスラゲーム自体、エンドコンテンツの方が大事なゲームジャンルなので、ストーリーが薄くてもそこまで文句は出ない。が、「ストーリーも大事だ」というプレイヤーは、このゲームを選ぶのを避けるようにしてほしい。
エンドコンテンツに至るまで、マルチプレイはフレンドとしかできない…
良い点で挙げた通り、2021年8月のアプデで野良プレイヤーとマルチプレイできるようになったが、実はそれには「最大レベルであるレベル50まで到達する」という条件がある。そこに至るまでの道筋は結構長く、20時間ほどは一人でやり続けることを余儀なくされる。
レベル50になるまでは、DLC前と変わらず、フレンドとしかオンラインプレイできないので、「最大レベルになるまで一緒にやるプレイヤーがいないなんて、そんなの無理!」という人は、ストーリーの短さもあってすぐに飽きてしまう可能性があるだろう。
専門用語が多く、説明不足感が否めない…
本作には、このゲームにしか出てこない専門用語が数多く登場する。にも関わらず、ゲーム内のチュートリアルだけではいまいち内容がよく分からない。ものによってはチュートリアルすらなく、自分で調べないとわからないものまであった。
「コーデックス」に一通りの情報はあるため、これを読めばわかるが、わざわざ見ないと意味が解らないほど親切さが欠けているのは残念だった。
アクションゲームの慣れ不慣れで大きく変わる難易度
良い点に書いた「爽快なアクション性」だが、それはあくまでこのゲームに慣れた場合の話だ。
基本攻撃はR1、R2を押すだけの単純コマンドだが、シールド攻撃や南方/北方テクニックなどは、複数のボタンを組み合わせたり、タイミングを合わせてボタンを押したりする必要があり、かなり操作が複雑に感じた。アクションゲーム経験がない人は、もはや操作が覚えられず、楽しみを見いだせない可能性もある。
反対に、アクションゲームに慣れている人にとってはヌルゲーに感じやすい。難易度ノーマルの場合、負けてもノーリスクで即復活できるため、多少無理してでも攻撃すればクリアできてしまう。
難易度をハードにすれば、敵は強くなり、リスポーンも3回までと限られるので歯応えが上がるが、その見返りは入手アイテム数が増えるだけで、特別強力な武器が手に入るわけでもない。
難易度ノーマルだと敵が弱いという訳ではないが、緊張感が無い点がどうにも気になった。
ただし、エンドコンテンツ「試練の塔」は、難易度ノーマルでも3回までしかリスポーンできないため、試練の塔だけであれば難易度ノーマルでも十分やりごたえがあったので、その点は評価できた。
ロードアウト画面が若干もっさりしていてイライラ…
装備品を入れ替えたり、ステータス確認をするためのロードアウト画面。この画面に来ると、常に若干もっさりするような挙動に襲われる。ボタンを押しても、すぐには画面が切り替わらず、0.3秒ほどたってからようやく動く、といった方がイメージしやすいかもしれない。特に、野良オンラインマルチをプレイした後だとそれが顕著に表れたように感じた。
ハクスラゲームと言えば、頻繁に装備を付け替えするような作品なので、ロードアウト画面を開く回数も必然的に多くなる。それなのに、肝心なロードアウト画面の動きが遅いため、若干ストレスを感じてしまいやすかった。
◆まとめ
必要以上に低評価が下されてしまった印象の「GodFall」。DLCでこれまでの不満点も克服し、多くのプレイヤーにオススメできる良作へと更に近づいた!アクション性とシステム性は群を抜いて面白く快適であるため、そういった点を楽しみたい、という人であればぜひとも購入をオススメする。
では!