今回は、Nintendo Switch2版の「ドラゴンクエストVII Reimagined」のドラクエIIをプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。
(本記事の情報は2026/6/24時点を元にしている)

2026/2/5に発売された「ドラゴンクエストⅦリイマジンド」。原作は2000/8/26年にプレイステーションで発売され、ドラクエシリーズの中でもトップ層の売り上げを出していたものの、「クリアまでで100時間」という異常なまでのボリュームに、当時は賛否両論だったという。
筆者は原作は遊んだことはないものの、ストーリーの概要はYoutubeなどで事前には把握していた。その後、リメイクされた本作が発売された後、評価が高いことを聞いていたため、気になって購入。クリア後のやり込み要素まで実施する位遊んでみたうえで、本作がどういうゲームなのか、まとめていきたいと思う。
なお、筆者が過去に遊んだことのあるドラクエナンバリングは以下。
- PS2版ドラゴンクエストⅧ
- ニンテンドーDS版ドラゴンクエストⅣリメイク
- ニンテンドーDS版ドラゴンクエストⅨ
- ニンテンドーswitch版ドラゴンクエストI&IIリメイク
個人的感想
ザ・85点の良作ど真ん中。本作が合わないのであれば、ドラクエそのものが合わないと思っても過言ではない。
グラフィック、サウンド、ゲーム性、UIなど、あらゆる部分が多くのユーザーに受け入れられるよう丁寧に作られている。個人的にはストーリー展開に多少の粗さを感じる場面もあったが、「ドラクエという日本を代表するコマンドRPG」として見れば、大きな欠点を見つけるのは難しい。初めてドラクエを遊ぶのであれば、まず本作を手に取ってほしい。それだけ安心してオススメできる作品である。
では欠点が無いのになぜ「神ゲー」ではないのか。それは、本作が「王道コマンドRPG」を高い完成度で仕上げた半面、強烈な驚きや個性といったパンチはやや弱い作品だから、だろう。この打破手法を問われると、筆者にも答えはない。これは単に、長年多くのゲームを遊んできたが故の贅沢な悩みなのかもしれない…
どんな人にオススメ?
- ドラクエ初心者
- コマンドRPG好き
- クリア後要素も充実してほしい
- 育成方針を考えるのが楽しい
という人にはオススメできる。逆に
- シンプルなコマンドRPGは飽きる
- 捻りの無いシンプルなストーリーは退屈に感じる
という人はおススメしにくい。
このゲームの特徴
4人パーティで世界を冒険する往年のコマンドRPG
本作は王道のコマンドRPGに当たる。4人パーティを組み、世界中を旅し、敵と戦闘して経験値を溜め、キャラを強化していきながら、訪れた街の悩みを解決していく。

戦闘では、複数あるコマンドから取りたい行動を選んで敵を攻撃し、敵を全滅すれば勝利、経験値やお金等の報酬を獲得していく。


本作の会敵システムは、これまでのドラクエシリーズにあったランダムエンカウント性から見直され、敵シンボルに接触することで戦闘が始まるシンボルエンカウント性に変更された。また、敵シンボルに攻撃を仕掛ける「フィールドアクション」により、事前にある程度のダメージを与えたうえで戦闘に移行できるうえ、敵とのレベル差が大きい場合は、フィールドアクションによってその場で敵を撃破できるようにもなった。


装備×レベルアップ×職業を組み合わせた育成
本作の育成はドラクエらしいシンプルなもの。敵を倒して経験値を集め、一定値に到達すればレベルアップしステータスが上がる。

武器や防具の装備でもステータス強化が可能。武具は商人からの購入や、宝箱から入手することができる。



本作特有の育成要素として「職業」が存在する。「戦士」にすれば近接能力や耐久力が、「魔法使い」にすれば魔法攻撃やMPなどが強化される。使えるとくぎやじゅもんも、「武闘家」であれば「とうこん撃ち」や「あしばらい」などの近接物理攻撃系中心、「僧侶」であれば「ホイミ」や「キアリー」などの回復系呪文中心と、職業ごとに異なる。職業はゲームをしばらく進めるといつでも切り替えられるようになる。

職業に就いた状態で敵を倒すと、経験値とは別に熟練度が手に入り、一定数まで到達することで職業熟練度が上昇する。職業補正能力が更に上がる他、職業に紐づいたとくぎやじゅもんを覚えられる。

職業システムは原作のドラクエⅦにも存在していたが、本作では2つまで職業を掛け持ち可能となった。掛け持ちした職業で体得したとくぎやじゅもんを扱うこともできるため、職業を「戦士」と「僧侶」にし、回復もこなせる近接戦闘要員にする、といった育成ができる。

なお、新たな職業へ転職した場合は、元の職業で覚えたとくぎやじゅもん、及び増加したステータスは全て忘れ、転職先の熟練度が参照される。よって転職後は、再度熟練度1から強化しなおしとなる。
古典的と新規を掛け合わせた新たなコマンド戦闘
本作の戦闘は、4人パーティを組み、素早さの速いキャラから順に攻撃やとくぎ、じゅもん、アイテム使用のコマンドを選択する、というドラクエらしい古典的なコマンド戦闘システム。
それに加え、本作では職業ごとに用意された「バースト技」というシステムがある。戦闘中に一定時間が経過すると使えるようになる強技で、「戦士」であれば体力の低い味方への攻撃をカバーする、「僧侶」であればパーティ全員の回復と蘇生ができる、など、職業ごとに能力が異なっている。各バースト技の特徴や使いどころを見極めることで、ピンチの状況であっても逆転できるようになっている。


封印された世界の謎を解き明かす、時代を跨いだ物語
本作の主人公は、「エスタード島」という魔物のいない平和な孤島に住む漁師の息子。この世界には「エスタード島」以外の島は一切存在しないといわれているが、主人公と王子「キーファ」は他の島があると考えており、いつか船を手に入れて海の向こうへ冒険したい、という願いを抱いていた。

ある日、主人公たちは謎の模様が描かれた「ふしぎな石板のかけら」を入手する。「この石板は、島の禁則地にある神殿と何か関連がある」と考えたキーファは、主人公と幼馴染の「マリベル」と共に、島中に散らばっていた石板のかけらを集め、神殿へ侵入し、そこにあった台座へかけらをはめ込んだ。すると、突如として台座が激しく光り始め、主人公たちが気が付くと、魔物の徘徊する闇に包まれた見知らぬ世界へ飛ばされていた。

果たしてこの世界はどこなのか。小さな好奇心から始まった冒険は、この世界の真相と、世界の裏に潜む邪悪な存在を明らかにしていくこととなる。
このゲームの良い点
育成の幅広さが非常に面白い!
本作の育成は、比較的シンプルでありつつ、プレイヤーに試行錯誤の余地を与える良システムとなっている。
まず、職業掛け持ちによる育成バリエーションの多さが光る。「武闘家」と「盗賊」を掛け持ちし、素早く火力も高い近接キャラにすることもできるし、「踊り子」と「戦士」を掛け持ちして、バフデバフを駆使しつつ耐久もあるサポートキャラにすることも可能だ。個人的に一番印象に残ったのが、MPを全消費する超強力魔法「マダンテ」を、MP消費無しで連発できるようになる組み合わせがあること。強力なボスが相手でも、大ダメージの連続で一気に蹂躙でき、爽快感が非常に高くて面白かった。
また、本作から追加された装備品「モンスターのこころ」も良い。「HP満タン時に与えるダメージが増える」「ターン開始時に体力が一定数回復する」など、通常の武具には存在しない特別な効果を持った装備品で、先述の職業掛け持ちと合わせることで、
- 近接職業を2つつけたキャラに、ヘイトを買いやすくする「おどるほうせきの心」を持たせてタンク役にする
- 回復職に、体力自動回復する「ホイミスライムの心」や、敵からの攻撃を時折1にする「はぐれメタルの心」を合わせ、味方を徹底回復するヒーラーにする
といった遊び方ができた。モンスターの心の数もかなり多いので、心を集めてその度に職業とのいい組み合わせを考えるのは楽しかった。
秀逸な映像表現と音楽は素晴らしい!
実際に人形を作成し、そのデータを読み込んで作成したとされる、本作の映像表現手法「ドールルック」。これが、本作の世界観にあまりにもマッチしている。この作風で他のドラクエシリーズを全部作っていいのではないかと思うほど。
アニメ調の2Dでもないし、リアル調に寄った3D表現でもない、でもしっかりと奥行きやキャラの輪郭などが表現され、まるで人形の世界に自らが入り込んだかのような魅力さに心奪われた。


戦闘エフェクトは打って変わって迫力がある点も素晴らしい。戦闘画角が常に動き、キャラの背景に回ったり、攻撃キャラと受けるキャラを入れ替える演出で動きが映えるようにしたりと、どの場面を切り取っても見応えのある演出となっていた。

ドラクエといえば、な音楽も素晴らしい。フィールドでは世界の広さを感じる雄大な音楽が流れ、怪しいダンジョンに踏みこめば不穏さが迫る音楽に苛まれ、戦闘が始まると迫力のある音楽に鼓舞されるなど、「ドラクエといえばこれ!」という冒険心をくすぐる音楽に包まれて遊べたのはよかった。
あまりにも近代化された快適性!
最新のゲームに合わせたオプション設定が多数用意されている。ここは新設設計過ぎてびっくりするほど。
戦闘の快適さ向上
戦闘速度を「ふつう」「はやい」「超はやい」の3段階から切り替え可能。「超はやい」は本当に早く、戦闘がさっさと終わる。この速さは戦闘中いつでも切り替えられるため、通常のバトルは超早くし、見たい演出だけ遅くすることで、戦闘を快適に進められる。
また、ボタン1つでオート戦闘と手動戦闘をいつでも切り替え可能。オート戦闘AIも比較的賢く、状況に応じてバフや回復を駆使していくので、雑魚敵なら全部オート戦闘でもなんとかなる位の快適さがある。レベル上げをしたいなら、オート戦闘で十分だった。
更に、とくぎやじゅもんが、各敵にどれくらい有効か、アイコンで明確に表示してくれる。わざの無駄うちを防ぐことができるので、非常に戦いやすかった。

石板や宝箱の場所の可視化
本作のストーリーを進めるのは、どこかに落ちている石板を集める必要がある。原作は石板の配置場所がわかりにくく、先に進めず積むことも多いと言われていた。本作ではここが超簡易化。マップのどこに石板があるのか、可視化してくれるようになった。それ以外にも、メニュー画面で「石板リスト」を見れば、取得できる石板の場所を大まかに把握できるなど、とにかく積むことが無いように丁寧に作られていた。
また、宝箱収集要素も非常に親切。ダンジョンに入ると、今いる階層のマップ全体がすぐに可視化され、進むべき方向が明確になる他、宝箱の配置場所まで明示化される。これにより、無駄な探索が生じないように作りこまれている。

ただし、アクセスするとアイテムが手に入る「採取ポイント」や、アイテムが入った壺や樽はマップに可視化されないので、実際に訪れて確認する必要がある。種やちいさなメダルは、こういった場所から入手することが多いので、探索要素がゼロにはならないように作られている点も素晴らしい。
細かな難易度設定が可能
戦闘難易度は「楽ちんプレイ(イージー)」「バッチリ冒険(ノーマル)」「いばらの道だぜ(ハード)」の3段階。切り替えはいつでも実施可能。これに加え、
- 敵の強さ
- プレイヤー側の与ダメージ量
- 獲得経験値量や熟練度量
- フィールド上で敵アイコンがプレイヤーを襲うかどうか
など、様々な要素に対する難易度をプレイヤー側で細かく設定できる。「敵は強くしたいけど、レベルはさっさと上がるようにしたい」とか、「戦闘難易度は通常程度でいいが、敵から攻撃してくることはなく、探索しやすくしたい」など、プレイヤーの思い思いの設定ができるのは素晴らしかった。
本作の難易度は優しめだったので、コマンドRPG経験者は敵の強さを「つよい」にすると丁度良い。筆者は敵を「つよい」にしたうえで、色んな職業を楽しむために、獲得職業熟練度を「たくさん」にするのがちょうどよく感じた。

どこでもルーラが可能!
ゲーム序盤からルーラのじゅもんを持っているため、一度行ったことのある場所であればすぐにワープできる。建物の中にいてもワープできるので、ダンジョン内でやる事が終わったら、すぐに街へ帰還する、という動きも可能だ。ルーラは十字キー下に常時設定されているので、ショートカット設定もなく、すぐに利用可能なのもうれしかった。
無駄のない十分なゲームボリューム!
筆者は、戦闘速度「超はやい」を主体としてゲームを遊び、メインストーリーのクリアまでに約38時間。ストーリーのテンポ感も非常によく、無駄なやり取りや間延びした感覚もなく遊んでこのボリュームだったので、RPGとして十分なボリュームだと思う。
クリア後のコンテンツもかなり豊富。ネタバレになるので詳細は伏せるが、クリア後コンテンツの攻略だけでも15時間は有したほどだ。「クリアしないとストーリーの真相がわからない」といったことはなく、あくまで任意のコンテンツなのもよい。
筆者的に一番やりごたえがあったのは「闘技場」だ。なんと闘技場には難易度設定が適用されないので、「難易度を下げて全部クリアする」という力押し突破が出来なくなっている。ちゃんとレベル上げや職業熟練度上げ、装備見直しをかけていかないといけないので、自分のプレイングスキルや育成度合いがもろに試される良コンテンツだった。
このゲームの悪い点
メインストーリーはちょっと期待外れ…
本作のストーリーの特徴として、人間の負の感情を体現した「鬱展開の多さ」が挙げられていた。が、筆者が遊んだ感じ、鬱要素は僅かで、大半はよくあるRPG展開ばかり。物語の展開も読めるものが多く、プレイしていて驚きもあまり感じなかった。また、多くの主要人物が、突如訪れた旅人である主人公に機密事項を話したり託したりする始末で、緊迫感が薄い。ストーリーテンポを良くするための手法だとは思うものの、魔王に支配されかけている世界観と合って無さ過ぎて気になった。
筆者が本作のストーリーの独自性やその良さを前情報で聞いており、過剰な期待を持っていたせいもあるかもしれないが、少し前にやったドラクエⅠ&Ⅱリメイクはもう少しいいストーリーだったことからも、何かやりようがあったと思えて仕方がない。
なお、サブクエのストーリーは秀逸だった。あれこそ人間の闇を表現した鬱展開そのものと言える。なんで全部サブクエストにしてしまったんだろう…メインパートでこんなストーリーをもっと見たかったな…
鍵付き宝箱が不便…
宝箱の中には施錠されているものがある。複数種類ある鍵の中から対応する鍵を使わないと開けることができないのだが、どの宝箱がどの鍵に対応しているのかわからないのが微妙だった。
全ての宝箱が同じ色をしているので、新しい鍵を見つける度に宝箱のある場所へ再訪し、開けるかチェックする必要が生じてしまい、無駄な移動が増える。ここはせめて、鍵の種類によって対応する宝箱がわかるように色付けする等してほしかった。
古典的コマンドRPGは昨今には限界なのか…
ここからは非常に個人的な思いを書く。贅沢な悩みともいえるが、本作を遊んで思ったことなので記載したい。
本記事を執筆している2026年時点では、コマンドRPGも多様化し、アクション要素やシミュレーション要素を取り入れた作品も珍しくない。また、難易度設定を設けず、バフデバフや装備変更を駆使する高難易度作品も増えている。
そんな中、本作は古典的な「数値で殴る」を貫いている。難易度も比較的易しく、多くのプレイヤーが遊びやすい反面、独自性や高い難易度といった要素をマイルドにしたことでパンチはやや薄く、印象に残りにくい。原作経験者から「原作の方が良かった」という声が聞かれるのも、原作が長大なストーリーや途中離脱要素、モンスター職のやり込みなど強烈な個性を持っていたためだと思われる。それらが遊びやすく調整された本作では、どうしても刺激が弱く感じられるのだろう。
もちろん、これ自体が悪いわけではない。本作のゲームシステムは、令和に発売するうえで必要な調整であり、これによって非常に丁寧な良作となってくれている。こうなると、筆者にも明確な改善案が出せない。しかし、「ドラクエ」というシリーズが今後さらに発展していくためには、どこかで大きな見直しが必要なのかもしれない。
まとめ
ドラクエとして、コマンドRPGとして、非常に完成度高く作りこまれた作品であった「ドラゴンクエストⅦリイマジンド」。読者が不安になるようなことも書いてはいるが、遊んで後悔することはない作品なので、気になる人は是非とも購入して触れてみてほしい。
では!

