今回は、Nintendo Switch版「DragonKkights Chronicle」をプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。
(本記事の情報は2025/12/8時点を元にしている)

2025/9/4にリリースされた「DragonKkights Chronicle」。面白いインディーズゲームないかな〜とセール情報を漁っているうち、比較的最近にでたゲームにも関わらずセール対象になっているのを見て、気になって購入した。
ゲームクリアするまで遊んでみたので、本作がどういうゲームなのか、感想をまとめていきたいと思う。
総評
「こういうゲームを作りたい」という制作サイドの気持ちはあるものの、予算か開発期間か何かの理由で全て中途半端で発売することになってしまったような作品。そもそも未完成な感じなので、クソゲー扱いしてもおかしくはない。おすすめはしない。
やりごたえのある戦闘難易度と、値段の割に遊べるボリュームは結構評価できるものの、ストーリー、育成、ローカライズ、ユニットバランス、チュートリアル、UI、バグなど多くの面が作り込まれていない。もっと資産が潤沢な開発会社が巻き取ったら良ゲーになってた気がするだけに、なんだが勿体なかった。
こんな人にオススメ!
- 安価でボリュームがあれば何でもいい
- 可愛い女の子が多く出てくるゲームがやりたい
という人にはオススメできる。逆に、
- 納得できるゲームにお金や時間を使いたい
- 壊れ気味なバランスのゲームはやりたくない
- バグがあったらそのゲームはもうやらない
- 中途半端な出来は許せない
という人は購入を止めた方がいいだろう。
このゲームの特徴
ユニット配置や攻撃相手などの戦略を練るシミュレーションRPG
本作は、「ファイヤーエムブレム」に代表されるような、シミュレーションRPGというジャンルに分類されるゲームだ。マス目上に区切られた広大なマップに配置された敵、味方ユニットを動かして、隣接する敵を攻撃したり、味方のカバーをしたり、といった行為を繰り返し、クリア条件の達成を目指していくジャンルである。高い戦略性が求められ、難易度が高めなのが特徴だ。
本作のゲームデザインは、「ファイヤーエムブレム」などの有名シミュレーションRPGによくある形式。ミッションに登場する敵ユニットの種類やクリア条件ごとにユニットの配置や装備を調整し、クリアとなったら経験値やお金、素材を獲得して強くなり、また次のミッションへと繰り出していく。


戦闘では、
- ユニットの攻撃可能範囲
- ユニットのいる地形や天候状況
- ユニット相性
- 昼と夜による確保可能な視界の違い
など、様々な要素を考慮していく必要がある。いかに味方を有利に運び、敵に不利を押し付けるかを考慮しながら戦うこととなる。


2つの体力、兵科や属性の相性やスキル、攻撃順を意識する戦闘
全ユニットには「英雄のHP」と「兵士のHP」という2つの体力パラメータがある。
「英雄のHP」はユニットリーダーの体力で、リーダーの体力が尽きると、そのユニットはリーダースキルが使えなくなる。「兵士のHP」はリーダーに追随する兵士の数で、敵から攻撃を受けると数が減っていく。「兵士のHP」が減っていくと、敵に与えられるダメージ量がその分減っていくため、火力面では「英雄のHP」よりも重要な要素となる。

リーダーに追随する兵士には、
- 歩兵
- 騎兵
- 槍兵
- 弓兵
- 魔法兵
という全部で5種類の兵科が存在する。
各ユニットには得意とする兵科と苦手とする兵科が存在しており、敵の兵科の弱点を突くと大ダメージを与えられる。
また、リーダーには炎や水などの属性が付与されており、敵ユニットリーダーとの属性相性により、敵リーダーに与えられるダメージが増える。

リーダーはそれぞれ専用のスキルを持っている。スキルには
- 味方を回復、強化するもの
- 敵1体を攻撃するもの
- 範囲内の複数の敵をまとめて攻撃するもの
など様々な特徴があり、強力なスキルほど、一度使用してから再利用できるまでのリチャージ時間が長いため、スキルの使い所をしっかり見極めていく必要がある。



攻撃順も重要な要素。攻撃を仕掛ける際は、攻撃側から最初にダメージを与え、少ししてから防衛側の反撃が始まる構図となる。ただ、反撃開始速度は結構早いので、「英雄の体力」や「兵士の体力」が少ない状態で戦闘を開始すると、こちらの攻撃が通る前に反撃ダメージを受け、そのまま負けてしまうことも有る。

兵士ランクアップや武器強化などの育成要素
戦闘終了時、参加ユニットリーダーには敵の強さに応じた経験値が手に入り、一定数手に入れるとレベルアップして、パラメータが増加する。
その他、武具の作成などに使用する素材や、武具そのものなどの戦利品、お金も入手できる。これらを用いて、ユニットをさらに強化していく。

手に入れた装備は、ユニットのロードアウト画面で自由に付け替え可能だ。兵科によって装備できる武具は限られる。

素材やお金は実に多くの場面で使用する。
まずは武具作成と強化。「拠点」で素材を消費し、自分の作りたい武具を作成できる。高級な武具はその分高級な素材が必要になる。高級素材が欲しい時は、同じ素材の低級版3つを消費することで作成ができるので、素材集めを頑張れば、ストーリー序盤に強い装備を揃えることもできる。


武具は素材とお金を追加投資することで強化が可能。より高級な武具を作る余裕が無くても、性能を高めて攻略を楽にすることもできる。

兵士のランクアップにも素材は必要だ。各兵士は素材をお金を投下することでティアを上げることが可能。ティア増加により兵士1人1人のパラメータが増加し、より戦闘で負けにくくなっていく。
兵科は、プレイヤーで自由に決められる。剣を持ったリーダーに魔法兵を配置して、遠近両方を戦えるユニットにすることも可能だ。別の兵科に変更する際は、ランクアップしていたステータスは全て初期状態に戻ってしまう点は注意。

現在使っている武具がいらなくなったら、「炉」で分解して素材入手に利用したり、「装備販売」で売却してお金に還元したりすることで、更に別の武具強化などにいそしむことができる。


このように、素材の利用頻度が多いため、装備の枯渇や素材の枯渇が起きやすい。お金さえ潤沢に揃っていれば、「拠点」にある「召喚所」で一定のお金を払うことで、ランダムな武具や素材を入手することもできる。

また、「召喚所」でアイテムを召喚した際は、素材だけでなく、キャラにプレゼントできるアイテムを入手することも有る。このアイテムをキャラにプレゼントすることで、ユニットの好感度を増加できる。

人間と魔族が織りなす、世界の滅亡を救う物語
本作の舞台は、広大な陸地が広がるメドニア大陸。突如現れた魔族の軍勢との戦闘を繰り返す人間たちは、聖戦軍を構成して魔族との闘いを続けていた。
第12次聖戦軍として魔族との戦いに身を投じることになった「エラン」は、仲間たちとともに魔族と戦いを繰り返すも、魔族たちの策にはめられ、聖戦軍は壊滅、何とか自国へと逃げ帰ることを迫られる。
そんな中、自分たちを襲わない魔族「ティエリス」と出会う。彼女によると、世界の北にある火山から、世界を滅ぼしうるほどの不吉な混沌がまき散らかされているとのこと。「ティエリス」と手を組み、自国への帰還と、世界を救うための旅に「エラン」は足を踏み出すこととなる。
このゲームの悪い点
通常は良い点から書き始めるのだが、今回は構成都合上、悪い点から書くようにする。あまりにも数が多い…
チュートリアルが少なく、見直し方もわかりにくい…
本作のチュートリアルはあまりにユーザーのことを考えられていない。最初にいきなり大量の説明文が並べられるだけで、イメージ図もなく、段階をおって説明されるわけでもないので理解が追いつかない。

それでも後で見直しができればいいのだが、チュートリアル画面が1箇所にまとまっていないし、見るまでの導線も違うので中々見つけられないのもいけてない。またそもそもチュートリアルで説明が無い項目もある。
- リーダーと兵士のダメージ計算はどう言う考えで行われるのか
- 副将を入れるとどういう違いが生まれるのか
- リーダーに付帯する兵士のタイプを変えるとどういう違いが生まれるのか
といった部分は、クリアするまでやったが理解できなかった。
これはストーリーに対しても言える。ストーリーで出てくる国名や地名は全てテキストでしか表されず、世界地図上に都市名などは書いてないし、舞台となる国や街の風景なども描かれないので、どの国や街のことを話しているのか全然わからない。せめて見返せる資料があれば良いが、あるのはキャラ一人ひとりへの説明文のみなので、物語背景の理解の助けにはならなかった。テキストアドベンチャーゲームでも、場面絵を切り替えてもっと臨場感のある作画にできるのに、完全テキスト頼りなのは残念だ。

フリーズ、バグ関連が多い…
4章位までは問題なく遊べたのだが、5章に入ると全体的に動きがかくつく場面が見られ始め、ついにはバトル中にフリーズすることが頻発した。
味方NPCがいるマップでは、味方NPCがスキルを使おうとした時に頻繁にフリーズしてしまい、ソフトを再起動してまた1からそのステージをやり直すことが何度かあった。そうなってもいいように、試合途中でセーブをしようとすると、今度はゲームがクラッシュしてしまう、なんてことも…何度もやり直しを求められた時はかなりゲンナリした。(最終的には、味方NPCを孤立させ、敵に倒してもらってから攻略することでクリアまで持っていった…)
また、「敵の全滅」が勝利条件なのに、ボスキャラを一回攻撃しただけでクリア扱いになることも。バグ取りする余裕もあまり無かったんだろうな…
ゲームコンテンツが全開放されてない…
買い切りゲームにも関わらず、コンテンツが全開放されてないのは非常に気になった。
公式の謳い文句では「100を超えるステージ!」と銘打たれているが、実際はその半分ほどしか無いので、嘘の広告を流している。味方キャラも、図鑑上手に入るように示されているキャラが解放されない。ユニットには「副官」を2名まで付けることができるが、2人目の枠がストーリー終わっても開放されない。
ストーリーの終わり方も、まだ続きがあることを示しているのに終わってしまうので、非常に中途半端。エンドロールすら流れずに終わるのはびっくりした。
そこまで高くない価格帯のゲームではあるのだが、買い切り型であまりに中途半端なのは悪いイメージを持たざるを得なかった。
会話の日本語ローカライズが適用過ぎ…
ゲーム内での数多くの会話について、ローカライズがあまりにも適当なのが気になった。
男キャラが急に女性っぽい喋り方をしたり、その逆もあったりと性別ごちゃごちゃなのは当たり前。句読点は消失するし、キャラ名に「ッ」や「ー」などが付いてたら、テキスト上からその文字が消えて別人の名前みたいになることも頻発する。

また、全体的に外国語を直訳したような言い回しなので、何を話しているのか理解しにくい。しまいには「飛空挺」をずっと「非公式」と訳しているので、暫くは「非公式が飛んでるって何?」となりながらストーリーを読んでいた。
なぜかフレーバーテキストや説明文などはちゃんとしているので、やろうと思えばもっとできたハズ。非常に勿体無い。
育成環境が微妙…
育成には至る場面で素材必要になるが、それがあまりにも入手しにくい。望む装備や兵科ランクアップを1つ行うだけでも20分程の時間を要するので、ユニット1体を望むように全育成しようとしたら1時間以上は当たり前だ。これを複数ユニットに対して行い、かつステージが進んだらまた育成し直しになる点を考えると、非常にきつい。
一応、装備が多少貧弱でも、戦略を考えたり、ユニットレベルを適性値より高くして力押しで突破したり、といったことは可能だ。ただ、シミュレーションRPGでレベル上げならぬ「素材集め」を求められるのは、個人的にはなんか違う気がしてならなかった。
また、味方の好感度を上げるプレゼント要素はもはや息をしていない。プレゼントを手に入れるには素材ガチャを回す必要があるが、あらゆる育成場面でお金を消費し、終始金欠気味であることから、プレゼント入手のためにガチャを回している余裕がない。結果として筆者は、たまたま1回だけ出たプレゼントを1人に渡して終わりだった。好感度が高いと何か付随効果が生まれるのかもよく分からないし、コンテンツとして機能していないと感じた。
シミュレーションRPGに必要なUIが無い…
シミュレーションRPGでは、敵が動ける範囲や攻撃範囲を見極めながら、戦略を練ることになる。その時に欲しい、敵ユニットの稼働範囲や攻撃可能範囲を可視化する機能が充実してないのが気になった。唯一あるのは、敵ユニット一体を指定してAボタンを押した時のみ。その際に、そのユニットの攻撃可能範囲は可視化されないし、複数のユニットの稼働範囲を同時に表示することもできない。このせいで想定外の被弾をする機会が増えたのは気になった。

また、ユニットごとの有利不利が、ユニット移動時しか表示されないのも気になる。いちいち移動コマンドを押して、有利不利を確認して、行動キャラを変えて…といった行為をしないといけないのは微妙だった。自ユニットにカーソルを合わせた段階で、敵ユニットとの相性を映してくれるようにして欲しかった。
遠距離ユニット強すぎ…
魔法兵と弓兵という2種の遠距離ユニットがバランスブレイカーレベルで強いのは気になった。
魔法兵は近接ユニット全てに強く、弓兵は歩兵を除いた全てのユニットに強いので、近接ユニットは基本、敵ユニットに近付く前にボコボコにされる場面が多い。唯一弓兵に強い歩兵は、防御キャラで火力はあまり高くなく、かつ機動力も低目なので、弓兵に近付く前に他ユニットに削られてしまうことも頻発する。敵の方がユニット数が多いので、弓兵と歩兵が列をなして陣を形成している時はかなり苦戦した。
遠距離ユニットが強いのはプレイヤー側にも適用されるので、自軍の近接ユニットが全員やられても、遠距離ユニットでちまちま敵を攻撃すれば撃退できてしまうほど。最終ステージでは、遠距離ユニットの方が数が多い事態となった。
流石にこれはバランス設計がおかしいので、アプデでもいいから見直しして欲しかった。
拠点とキャラ画面が往復できない…細かいロードが都度入る…
装備作成などができる「拠点」と、兵士のランクアップや装備変更ができる「ユニット」とを直接行き来できないのが地味に気になる。「拠点」で装備を作ってそのままユニットへ装備させたいのに、わざわざフィールド画面を介して「ユニット」へ行かないといけないので、無駄な時間が頻発する。
これらがロード無しでいけるならまだいいが、各画面遷移には毎度5秒ほどのロード時間が発生するので、その都度待たないといけない。それには結構辟易した。
このゲームの良い点
高難易度でやりごたえのある難易度!
- 1レベルでもレベル差があれば手痛い攻撃を受ける
- 推奨レベルで挑んでも、地形ボーナスや兵科の有利不利、ユニットの攻撃順やスキルの使い所など、色々な要素を組み合わせないと勝てない
- ゆっくり1体ずつ撃破しようにも、全ての戦闘にターン制限があるので、多少強引にでも進軍が必要
- 遠距離ユニットのバランスブレイカーのせいで、理不尽とも思える状況を突破しないといけない
など、本作の戦闘難易度がかなり高め。難易度設定もないので、突破するには時間をかけて過剰育成するか、しっかり考え込んだ戦略が必要だ。ただ、この要素は「クソゲー」というほど崩壊しているわけでもなく、結構しっかり考えこまれたゲームバランスだったのは面白かった。上手くはまれば、ユニット平均レベルが推奨レベルより2,3レベル低くてもクリアすることもできた。
特に
- ユニットの火力が残兵数によって変わる
- ユニットの進行上に味方がいるとそこを通過できない
- どのステージにもターン制限がある
というのは、過去に経験のない要素で面白かった。これにより、
- 制限以内に倒すなら前に出ていくしかないが、前に出過ぎると近距離ユニットの兵数が少なくなり、火力が無くなってしまう
- 遠距離ユニットを前に配置すると、そのユニットが邪魔で他ユニットが前に出れない
という場面が発生するので、「とりあえず遠距離キャラでダメージを与えてから、近距離キャラで地道に倒していく」というわかりやすい戦い方ができなくなり、かなり真剣にユニットの動かし方を考えていくようになるので、やりごたえがしっかりあった。

比較的難易度が高いので負けてしまうことは多いが、負けてもそこまでの経験値は入手可能。特にデメリットなくすぐに再戦できる点も、繰り返しプレイがしやすくよかった。
値段に対するボリュームは多め!
筆者はゲームクリアまでで約30時間と、3000円未満の作品にしては結構遊ぶことができた。サブクエスト要素もなく、ストーリーのみでここまでやれているし、レベル上げ、素材集め時間も合計5時間くらいでなんとか突破したため、ボリュームとしては悪くはないと思う。
…そもそも未完成なゲームでボリュームを語るのも変な話だが…
女性キャラのデザインは可愛い!
本作に登場する女性キャラの数は圧倒的。立ち絵が存在するキャラのうちの7割くらいは女性だ。しかも、女性キャラのうちの9割程は立ち絵が動くので、見ていて可愛い。
反面、男性キャラは一部キャラを除き全て動かない。中には国王的なポジションなのに立ち絵がないキャラも…女性キャラに全力注ぎ過ぎな気はした(笑)
ギャルゲーじゃなく、結構硬派なシミュレーションRPGなのに、女性キャラへの力の入れようはある意味面白かった。


まとめ
多くの面で未完成要素溢れる残念作品な「DragonKkights Chronicle」。この未完成感を、1500円位のDLCで保管してくれれば、ハーフプライス作品として充分良ゲーになる気がする。製作陣は…開発を続けているのかな…
もしかしたら本作が売れるとDLCが実現するかもなので、本作を買う人はお布施のつもりで買うといいかもしれない(笑)
では!