今回は、Nintendo Switch版の「ドラゴンクエストI&IIリメイク」のドラクエIIをプレイした感想と、このゲームの良い点、悪い点をまとめていこう。
(本記事の情報は2026/2/7時点を元にしている)

2025/10/30に発売された「ドラゴンクエストI&II」。原作は1986年に発売され、日本にRPGというゲームジャンルを知らしめることとなった歴史的作品だ。
そんな歴史的RPGのリメイクが発売されたが、なんと評価は賛否両論と聞く。中身を見ると、ドラクエIリメイクは否寄り、ドラクエIIリメイクは賛寄りの印象だ。実際、ドラクエIリメイクは遊んでみたものの「う-ん」と思う作品ではあった。
ではドラクエIIリメイクはどうか、ストーリークリアとその後のやり込みを少し遊んでみたので、本作がどういうゲームなのか、良い点悪い点はどこなのか、まとめていきたい。
なお、筆者は
- 原作未プレイ
- ドラクエⅢリメイクは未プレイ
という前提であることをご了承いただきたい。
また、筆者が過去に遊んだことのあるドラクエナンバリングは以下。
- PS2版ドラゴンクエストⅧ
- ニンテンドーDS版ドラゴンクエストⅣリメイク
- ニンテンドーDS版ドラゴンクエストⅨ
ドラクエIリメイク部分の感想は別記事にまとめているので、気になる方はそちらを参照してほしい。
個人的感想
総評
シンプル過ぎるコマンドRPGは時代遅れとも感じられるが、やはり代々続くドラクエ作品というだけあって、やっていてつまらなく感じることは一切なかった。難易度は少し高めだが、ドラクエIのような運ゲー感、理不尽感はあまり感じず、強敵討伐に対するやりごたえをしっかり感じられる作品となっていた。
サブクエ的な要素はないが、ストーリー関連だけでボリュームが相応にあるし、クリア後の裏ボスも複数体いる、と、サブクエの数だけ膨らませているような昨今のオープンワールドゲームよりも洗練された「ゲームボリューム」を提供してくれているのも高評価。
ゲームテンポが少々悪い点や、ドラクエI同様グラフィックがちゃっちくなりやすいのは気になるものの、それらがあっても非常に良質なRPGで、クリア後に「楽しかった」とはっきり言える作品であった。
どんな人にオススメ?
- やりごたえのあるコマンドRPGがやりたい
- 原作思い入れが強い
- シンプルなシステムのゲームがやりたい
- 水増しの無いボリュームが欲しい
という人にはオススメできる。逆に
- 超シンプルなコマンドRPGは古く感じる
- サブクエなどが充実のゲームがやりたい
- ビルド的育成要素を楽しみたい
という人はおススメしにくい。
このゲームの特徴
4人パーティで世界を冒険する往年のコマンドRPG
原作「ドラゴンクエストII」は、勇者1名での旅だった前作とは打って変わり、3人パーティを組んで旅をするという、昨今のコマンドRPGでは当たり前となったシステムをドラクエシリーズで初めて導入した。これにより、戦略の大幅な拡張が行われたといわれている。
本作も、原作同様パーティを組んで世界各地を旅するコマンドRPGとなっている。敵との戦闘は、歩いていると勝手に遭遇するランダムエンカウント性であり、ここも従来のドラクエのシステムを踏襲している。



たたかう、じゅもん、とくぎ、アイテムなどのコマンドから、行いたい行動を選ぶ。その後は素早さが早い順に行動し、敵を全滅すれば勝利となる。
じゅもんやとくぎはどれも強力だが、使用にはMPが必要だ。アイテムなり、宿屋での休息を取るなりすれば回復できるが、ダンジョン攻略中は限りがある。状況に応じて、じゅもんやとくぎの使いどころを見極めて戦っていく必要がある。

新たな仲間と超絶技の追加
原作ではローレシア王子、サマルトリア王子、ムーンブルグ王女の3人1組での冒険だったが、本作ではゲーム中盤から新たにサマルトリア王女が加わり、4人パーティで戦うようになった。特技や呪文を様々に駆使して戦える万能型のキャラで、戦闘の安定性や戦略性がより向上した。

また、ドラクエIリメイクと同様、「超絶技」という新技が追加されている。体力が半分以下になった際に使用できる技であり、敵一体に大ダメージを与えたり、的全体を巻き込む攻撃を繰り出したりと、いつものとくぎ使用では成し遂げられないような威力を放つことができる。

装備、レベルアップによるシンプルな育成
本作の育成はドラクエらしいシンプルなもの。敵を倒して経験値を集め、一定値に到達すればレベルアップしステータスが上がる。一定レベルまで到達すれば、新たなじゅもんやとくぎを習得できる。


武器や防具の装備でもステータス強化が可能。武具は商人から購入したり、宝箱から入手したり、フィールド上の光るポイントにアクセスしたりなど、獲得方法は様々だ。



じゅもんやとくぎは、レベルアップで覚える量には限界がある。世界の各地には「巻物」というアイテムが存在し、これを入手して使用することで、レベルアップでは手に入らない、新たなじゅもんやとくぎを習得できる。


「ハーゴン」により再び脅威に立たされた「アレフガルド」を救う、勇者の子孫の物語
前作「ドラゴンクエストI」にて、「アレフガルド」を恐怖に陥れた「りゅうおう」は、「ロト」の血を引く勇者によって倒された。勇者は「ローラ姫」とともに旅をし、「ローレシア」という国を建国、その後は彼らの子孫が新たに「サマルトリア」、「ムーンブルク」という王国を建国し、勇者の子孫が代々各国を治めていた。

それから100年の平和が続いていたある日、「ムーンブルク」が突如、大神官「ハーゴン」の手先によって襲撃され、滅ぼされる。


「ムーンブルク」壊滅の報を受けた「ローレシア王」は、「ムーンブルク」の状況を詳細確認するため、主人公である「ローレシア」の王子を現地へ派遣する。途中、「サマルトリア」の王子と、襲撃から難を逃れた「ムーンブルク」の王女と合流し、「ムーンブルク」へ到着すると、そこにはあまりにも無惨な光景が広がっていた。惨状を目にした一行は、これ以上の被害拡大を防ぐべく、「ハーゴン」討伐を決意する。
果たしてロトの血を引く勇者たちは、大邪神「ハーゴン」を討伐し、今度こそ、世界に平和をもたらすことはできるのか、ロト三部作の締めくくりを描く物語の幕が開く。
このゲームの良い点
古くもバランスの取れた戦闘、育成は楽しい!
行動を決め、素早さの順に殴り、敵の全滅を目指す…何十年も続くコマンドRPGのままの、時代遅れなシンプル過ぎる戦闘システムだが、それでもやはりドラクエの戦闘は楽しかった。
その根幹にあるのは、戦闘難易度の高さと、4人パーティによる戦略性の向上である。ゲーム中盤位から敵が全体的に強くなるため、とくぎやじゅもん、残りMP、敵の特徴などを加味して戦略を立てる戦いが常に発生する。ボス戦では、アタッカー、ヒーラー、サポーターを決めた役割分担や、ボスの特徴に沿ったバフデバフ、回復を組み合わせないと、力押しでは勝ちにくい。ボスの攻撃1発で体力の半分近くを失うものも多く、何度か全滅になったボスもいた。
そのような強敵を相手にしても、こちらはパーティが4人もいるので、危なくなったらお互いをカバーできる。多くのとくぎやじゅもんを駆使すれば、格上な敵とも渡り合えるようになる。結果、理不尽感が大きく減り、「勝つために取るべき行動は何だろう」という試行錯誤の末に勝利できた時の喜びを大きく感じれた。
育成面も、レベル上げと装備集めというシンプルさで、スキルビルドや武器の習熟度といった要素は無い。それでも、大量に用意された装備と、火力や防御力、特殊性能などを考慮し、「誰にどの装備を持たせた方が効果的かな」と考え組み合わせていくだけでも楽しかった。ここもやはり、戦闘難易度が全体的に高いことで、攻略するための最適な組み合わせを都度考えていたからだと思う。
どうしても勝てないなら、レベル上げをしてパーティ全体をレベル上げすればかなり戦いやすくなる。今のレベルで頑張って突破するか、レベル上げするために一度諦めるか、このあたりの選択が常にあるのも個人的には面白かった。
ドラクエ特有の音楽は非常に魅力的!
フィールドでは世界の広さを感じる雄大な音楽が流れ、怪しいダンジョンに踏みこめば不穏さが迫る音楽に苛まれ、戦闘が始まると迫力のある音楽に鼓舞されるなど、「ドラクエといえばこれ!」という冒険心をくすぐる音楽に包まれて遊べたのはよかった。
効果音についても、レベルアップ時や教会でのセーブ時、宿屋での休息時の音楽は健在。ドラクエ歴の浅い筆者でも「これがドラクエだったな~」という懐かしさを味わえた。
全滅時の音楽がほぼ無音になったのだけは少し残念ではあったが…
数多くの便利なオプション設定!
最新のゲームに合わせたオプション設定が用意されているのも高評価。
まずは昨今のコマンドRPGに必須な戦闘の倍速機能。全部で3段階に切り替えられ、戦闘中いつでも好きに切り替えられる。
戦闘難易度は全部で3段階が用意。更には、どれだけダメージを受けても必ず1だけ残るようにするシステムも存在する。これらの設定も、ゲーム中に好きに変更が可能だ。

次にマップへのマーキング機能。
- メニュー画面に次にやるべき内容を提示する「目的地ガイドテキスト」
- 次に行くべき場所を全体マップに印付けする「目的地マーカー」
- 宝箱の場所をミニマップ上に投影する「宝箱の場所」
- ひみつの場所を全体マップ上に表示する「ひみつの場所」
の4つのマーキング機能が用意されている。全てをオフにすれば、登場人物の会話をかみ砕いて次に行くべき場所を見つけ、ダンジョンを探索して宝箱を見つけ…という「冒険感」を得られるし、全てをオンにすれば迷わず目的地まで進むことができる。これらもいつでも切り替えられるので、初めは自力で探索して、わからなくなったら「オン」に変える、という遊びが実現できた。

更に、「ルーラ」、「くちぶえ」などのよく使うとくぎやじゅもんを、メニュー画面から選択せずに使えるショートカット機能も搭載。最大4つまで自由に設定でき、必要なものにすぐアクセスできてストレスフリーだった。

ストーリー関連のみで充実のゲームボリューム
近年のRPGは、サブクエスト中心のボリューム設計が多い。サブクエだけ乗せて水増ししているようなゲームもある。本作はそれとは対照的に、寄り道的要素がほぼなく、物語の進行がプレイ体験の軸になっている。アイテム収集も、宝箱や棚の探索を通じて行うクラシックな形式で、終始ストーリーに集中できる構成だ。
それでいて、用意されている街やダンジョン、イベントの数は多く、各所にボス戦や探索要素があるため、物語を追っているだけで十分な遊び応えがある。実際筆者は、難易度ノーマルで進め、ラスボス撃破まで約34時間を要した。同リメイク版のドラクエIと合わせるとおよそ50時間規模のプレイ時間になった。
さらに本作では、クリア後に挑戦できる専用ボスも複数用意されており、エンディング後もプレイが続く構成になっている。寄り道要素に頼らず、純粋な冒険の積み重ねでボリュームを実現している点は印象的だった。
…ただし、一部微妙に感じた点もあるので、そこは「悪い点」に書かせてもらう。
未熟な勇者の卵達が世界を救うストーリーは胸アツ!
本作のストーリーは、「未熟な勇者たちの成長物語」だったことが強く印象に残った。伝説の勇者ロトの血を引く主人公たちは、
- じゅもんを使えないローレシア王子
- どこか頼りないサマルトリア王子
- 祖国を滅ぼされ復讐心を抱くムーンブルグ王女
- 自分も勇者の血筋なのに活躍しきれていないサマルトリア王女
と、それぞれに欠けた部分や背景を抱えている。完璧超人だったドラクエIリメイクの主人公を見てからドラクエIIをやると、より対比が強調される。そんな4人が、旅の中で交わされる会話や出来事を通じて関係性を深め、ただの「パーティ」ではなく「仲間」となり、力を合わせて「ハーゴン」の脅威に立ち向かっていくこととなる。
この過程をプレイヤー目線で見続けていくと、自然と彼らの心情に寄り添っていける。数々の紆余曲折を経て、ラスボスを倒してからのエンディングまでの運びを見て、「この壮大な戦いをやり切ったんだな」という、しみじみと、そしてホッとした気持ちになることができた。

なお、同梱のドラクエIとの繋がりはそこまで無い。ステージやアイテムなどの背景を知れるだけで、やっていなくてもストーリー上問題はなかった。
このゲームの悪い点
少しテンポが悪く、間延びしたプレイ感覚はある…
全体のプレイ体験は良好だが、ゲームテンポに関しては引っかかる場面があったのは事実。主な要因は、中ボス戦の頻度と、その前後に挿入される会話パートの多さだ。
ゲームの中盤以降は、中ボス戦が高い間隔で配置される。大ボスほどの強敵ではないものの、バフや回復を考慮した戦闘は必要なので、プレイ時間は確実に伸びる。一方で、撃破時の獲得経験値や装備ドロップ報酬は控えめで達成感が薄いうえ、中には戦闘描写を用意する必然性が薄く感じるような中ボス戦もある。
さらに、中ボス戦の前後にはボイス付きの会話パートが挿入されることが多い。映像表現に大きな動きは無いため、ただボイスが最後まで終わるのを待つ、という緩やかな進行になりやすい。これらが積み重なり、プレイの流れがたびたび中断される印象につながった。
気にならない人もいる範囲ではあるが、このようなイベント的要素は多めな作品だ、ということは頭に入れて、本作の購入判断をしてほしい。
画面全体の迫力がちゃっちい…
街やダンジョン、フィールドマップの背景は、HD-2Dの美しさを活かしたきれいな背景が描かれているのは高評価。ただ、ゲーム全体を通して、なんだかちゃっちい印象を受けてしまい、「きれいな映像なのに、古臭いゲームをやっているな」という感覚がぬぐえなかった。
この原因はおそらくキャラクターサイズの小ささだ。キャラの大きさが背景と比べると圧倒的に小さくアンバランスなため、現実に即した大きさのオブジェクトを作ることができなかった古い時代のゲームっぽさを感じたのだと思われる。

戦闘では、ドラクエIリメイク程ではないものの、どこか「古臭さ」を感じるエフェクトになっている。多くの技のエフェクトが、小さく映る敵に重なる形で表示されるくらいなので、迫力が薄まっている印象だ。「超絶技」の一部や、「ベギラゴン」「ギガデイン」などの後半に手に入るじゅもんを使った時に、ようやくそれなりな迫力になった位だ。


ボス戦は多くがボス1人と戦うことになるので、そうなると周囲に余白が多く、「画面いっぱいに伝わる恐怖」というものが猶更薄れる。やはりせめて大ボスは画面いっぱいに移すとか何かやりようはあったのではないかな、と感じた。
超絶技の使いどころが非常に難しい…
体力が半分以下になると使用できる「超絶技」。だが、本作の敵は火力が高く、特にボス戦では、体力が半分になった状態で放置しているとそのまま体力0まで削り取られることが多い。なので、結果的にすぐに体力を最大まで回復してばかりだった。せっかく用意されたシステムがほとんど使えなかったのは残念だ。
これはおそらく、筆者があまりレベル上げをせず、低めのレベルでボスに挑んでいたので、超絶技をする余裕がなかった、というのもあるかもしれない。超絶技を組み合わせたプレイングがしたいのであれば、レベル上げは必須だろう。
まとめ
微妙だった「ドラクエIリメイク」とは裏腹に、あまりにもシンプルなゲームでありながらも面白かった良作である「ドラクエIIリメイク」。もはやこの作品を遊ぶために「ドラクエ1&2リメイク」を買っても問題ないとまで言えるので、是非とも購入してみてほしい。
…個人的には、ドラクエIを排除し、ドラクエIIにサブ要素などを肉付けした方が、ドラクエIIがもっと面白くなったのでは?とも思ってしまうが…ドラクエIとは一体…何だったんだろうか…ロトの勇者の有能さを描きたかっただけ、なのかな…
では!


