今回は、「バイオハザードRE3」について、このゲームの特徴や良い点、悪い点をまとめていきたい。
※同封されている「バイオハザードレジスタンス」はレビュー対象外としている。
バイオシリーズの有名作品の一作である「バイオハザード3」をリメイクした本作。旧作ではポリゴン調で少し見づらい映像だったが、PS4のグラフィック力を借りて、新たな恐怖へと生まれ変わった。
旧作をやったことない私が、購入からぶっ続けでプレイしてみたので、その時に感じた感想を書いていきたい。
なお、私はバイオシリーズは「バイオハザード0」「バイオハザード4」「バイオハザード6」「バイオハザードリベレーションズ1&2」「バイオハザードアンブレラクロニクルズ」をプレイしたことがあるレベルだ。
◆個人的感想
総評
さすが有名ゾンビゲームであるバイオハザードだ。一気にエンディングまでやり込んでしまうほどに面白かった。ストーリーも単純明快でわかりやすく、アクションゲームとしての難易度も程よくあり、シューティングゲームに自信がある人でも退屈せずにプレイできる作品だった。
ただし、ゲームボリューム自体はかなり短い。私がプレイした過去作品と比較しても、今作は特に短く感じてしまった。
また、原作はしっかりと謎解き要素があったようだが、今作はどちらかというとバイト4などのようなアクションゲーム気質が強く、ホラー感も少ない。
ある人にとっては「良い」といえる要素が、他の人にとっては「微妙」と取られかねず、人によって大きく意見が分かれる作品だろう。
どんな人におすすめ?
- アクション要素の強いゾンビゲームは好き!
- RTA大好き!効率の極限を極めたい!
- 単純サクサク一本道ゲームがいい!
といった人にはオススメできる。逆に、
- 一回やればそのゲームはもういいです。
- 謎解き大好き!探索大好き!
- ホラーゲーム要素が欲しい!
といった人には合わないかもしれない。
◆このゲームの特徴
往年の有名バイオ作を高画質でプレイできる
バイオハザード3といえば、1999年に初代プレイステーションで発売されたソフトである。今と比べれば当時の画像は非常に粗く、どのキャラもポリゴン表示のまま戦うといった感じだが、それでも当時は物凄い人気作だったようだ。
そんな有名作品を、画質やアクション性を一新して遊べる点が大きな特徴といえる。主人公である「ジル・バレンタイン」の表情や、ゲーム序盤から襲ってくるボス「ネメシス」の姿が綺麗に映し出されているため、バイオハザードの映画をプレイしているような感覚になれる。
アクションゲームとしてしっかりとした歯応え
原作のバイオ3は、今となっては非常に珍しい固定カメラ方式を取っていた。これから向かう先の様子が見えないため、なお一層恐怖を与えるシステムになっていた。
バイオRE3ではこの方式ではなく、昨今のTPSゲームと同じ、ビハインドカメラ方式をとっている。迫ってくる敵のどこを撃つか、どれくらい距離を開けて戦うか、など、アクションゲームとしての要素はしっかり備わっている。
また、敵であるゾンビは結構硬く、難易度スタンダードであっても、「ヘッドショット」しない限りは、倒すまでハンドガンの弾を5、6発必要とするほどである。わらわらと大量に出てくるわけでは無いが、この硬さがアクションゲームとしての歯応えをしっかりと残してくれている。
やり込み要素がしっかり存在!
バイオハザードシリーズは、一周プレイして終わりではなく、いかに短時間にゲームをクリアできるかを競う楽しみがあるのが鉄板だ。本作にもそれはしっかり備わっている。
クリア後に開かれるショップでは、敵から受けるダメージを減らす特別なコインや、無限ロケットランチャーなど、通常プレイでは手に入らない特別なアイテムを入手可能だ。ゲームクリア時に入手できるポイントを使用してこれらのアイテムを購入し、さらに難易度を上げてもう一周する、と言ったやり込みが可能になっている。
難易度は全部で5つ。最高難易度は雑魚敵の攻撃すら、ダメージ量減少の特殊装備がなければ1発ダウンしてしまうほどの威力だ。
また、ストーリークリア時には、ゲームオーバー回数やクリア時間などの複数の指標をもとに、ランク付けがされる。最低ランクC〜最高ランクSだ。このランクもそれぞれの難易度ごとに設定されており、各難易度でランクSを目指すやり込みもできる。トロフィーの一つに、「最高難易度でランクSを獲得」というのがあるため、それを手に入れるように頑張るのが大きな楽しみの一つと言えよう。
◆このゲームの良い点、悪い点
このゲームは、良い点と悪い点が表裏一体だ。ある人にとっては良いと映る点も、別の人にとっては悪いと映りやすい。本編をプレイして、「ここは評価が割れるだろうな」と感じた点を書いていこうと思う。
ストーリーのボリュームは少なめ。戦闘も少ない。その分、周回要素が充実。
本作に対し、シングルプレイのストーリー面を期待してしまうと、そのボリュームの少なさにがっかりしてしまう。
特徴に書いた私のリザルト画面を見た通り、難易度スタンダードでぶっ続けでプレイすると、初見でも5時間かからずにクリアすることができてしまうほどだ。
また、襲い来るゾンビの数もそこまで多くない。バイオ4~6のようなアクションゲームよりのバイオを期待してしまうと、ゾンビが全然出てこずがっかりするだろう。一度だけ、バイオ4にもあった、多数のゾンビから制限時間いっぱいまで特定地点を守る籠城戦があるため、そこだけは楽しめるかもしれないが…
「ストーリーは一度クリアしたら終わり、同封されているオンラインゲーム『バイオハザード レジスタンス』はプレイしない」という人にとって、本作が8000円近いフルプライスで販売されているのは、非常に納得がいかないであろう。
その反面、周回要素は非常に充実している。特徴にも書いた、本編クリアでもらえるポイントを消費してより高難易度のクリアを目指すよう頑張ったり、全部のクリアランクを最高ランクの「S」にするよう挑んだり、はたまた世界最速のクリアタイムを目指すべくRTAの研究をしたり…
1周が短いので、試行錯誤を重ねながらこういった周回要素をコンプリートしたい、という人にはありがたい要素である。ムービーシーンを全スキップ可能なのもありがたい。
実際、トロフィーにも、「2時間でストーリークリア」や「最高難易度をSランクでクリア」等、やり込み派のプレイヤーを魅了するようなものが並んでいるため、こういったものに燃える人には非常に合うだろう。
あまり怖くない…謎解き要素も特にない…
本作は「ホラーアクション」に位置するゲームである。「ホラー」と名がつくのだから、ビックリ要素や恐怖要素が多分に含まれているのだろう…と思うかもしれないが、実際にはそこまで多くは無い。
基本的に、ストーリーの進行は建物の外で行われる。夜の出来事のため、全体的に暗めにはなっているが、街灯の明かりが照っており、かつ外ということで開放的なため、「恐怖」といったものはあまり感じなかった。ホラー要素満載を期待している人だと、少し拍子抜けしてしまうだろう。
逆に言えば、ホラーゲームが苦手、という人でもプレイができる、ということである。本作に興味はあったが怖いのが苦手、という人でも、一度手に取ってやってみる価値は全然あるだろう。
…ただ、一応はホラーゲームなので、怖い場面もありはする。特に、「カルロス」という、ジルとは異なるもう一人の主人公を操作するチャプターがあるのだが、そのチャプターは警察署や病院といった、すべて暗い閉鎖的な建物の中で進行するため、そこだけは恐怖感はあった。
また、原作のバイオ1~3では、謎解き要素が多く含まれており、「謎を解いてゾンビがうろつく空間から脱出する」という要素があった。が、今作にはそれはほとんどない。追加の強化アイテムが入っている金庫などを開けるときに多少入っているレベルである。
チャプター内でやることといえば、狭いマップ内で
- 「どこどこに向かえ」
- 「何々を手に入れろ」
という単調なミッションをこなしているのみである。
恐怖に包まれながら謎解きをしていくドキドキ感を望む人にとってはやりごたえが無い作品になっている。
ただ、言い換えればこれは、「謎解きは面倒で嫌だ」という人でも問題なくプレイできる作品になっている、ということだ。これはこれで利点ともいえよう。
◆まとめ
新たに生まれ変わったバイオハザードRE3。海外レビューではボリューム不足などが理由で大荒れだったようだが、個人的にはすごく楽しんでプレイできたかな、と感じた。
購入すれば、同封されている「バイオハザードレジスタンス」もプレイ可能なので、「気になるなー」という人は買ってみるといいとおもうぞ!
では!